城山(265.6m)・経小屋山(596.6m)

広島県廿日市市

《頂上付近でもこの程度の積雪》

 

2005年12月25日(日)   チャコ+門久

 

広島が雪国の仲間入りしたのでは?

と思えるほどに連日雪が降り積もり、冷え切った数日だった。

金曜日の天皇誕生日からの3連休の最終日に、

その寒波が去ってやっと晴れ間が訪れた。

まだかなりの雪が残っていることを覚悟して、

フル装備で、城山、経小屋山に向かった。

しかし、意外に雪は残っていなかった。

門久は今年1月に悟空君と登った山であるが、

 チャコはまだ登っていなかった。

ここに登れば、

二人揃って広島百山完踏にリーチすることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《経小屋山々頂から東方・広島市街地方面を望む》

 

《経小屋山のすぐ南には大野の瀬戸で隔たる宮島が浮ぶ》

 

 

 

 

 

 

 

9:26       大野浦駅(JR山陽本線)

この山域の東の登山口となる大頭神社や滝山橋付近で自動車の駐車出来るスペースを見つけるのはなかなか難しい。JRの電車で出掛けるのが無難であろう。大野浦駅は、旧大野町(今年廿日市市に合併)の中心駅であり、二面三線のプラットホームを持つ。広島駅方面からの電車は3番線に到着する。

 

9:49       大頭神社

「おおがしら」と読む。宮島の厳島神社の摂社として推古11年(603年)に造営されたと伝えられる古い神社である。広島岩国道路(山陽道)大野IC入口の奥にある。IC近くの参道の歩道に赤い鳥居が建っている。奥まったところにある石の鳥居を潜って境内に入ると、毛保(けぼ)川に架かる朱塗りの橋の先に立派な社殿が建っている。社殿脇の毛保川の対面の懸崖に妹背の滝の雌滝が掛かる。高さ約50mの滝であるが、水量がいつも乏しいのは残念である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《大野浦から城山・経小屋山を望む》

 

《大頭神社の鳥居》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《妹背の滝(雄滝)》

 

《滝山橋》

 

 

 

9:55〜10:00 妹背の滝(雄滝)

 大頭神社の境内を抜けて、毛保川に掛かる朱塗りの幾千代橋を渡った先にある。毛保川本流が高さ約30mの段差の滝を形成しており、流量が多く迫力がある。毛保川はこの経小屋山域で生まれ直ぐに海に下ってしまう短い川であるが、意外に水量が豊富である。夏には涼感満点であろう。ここまでが登山前の序曲といった感じの散策道である。

 

10:09       滝山橋

 妹背の滝から険しい崖に取り付けられた坂道を上の車道へ上がると、妹背遊園の立て看板がある。看板に従って直ぐに遊園への道を下って行くと毛保川に架かる滝山橋に至る。この橋の袂に夏の間営業しているのであろう、流しそうめんや釣堀などの施設となる建物が建っている。これが妹背遊園らしい。

 滝山橋からさらに林道が延びている。それを辿ると林道十字路の鞍部を経由して経小屋山に直接行ける。城山へは、橋を渡って直ぐ左手の高台に上がる。

 

10:11       城山登山口

 滝山橋を渡って直ぐ左手の高台に上がると休憩所とトイレのある広場となっている。高台に上がるところに道標が欲しいところであるが、残念ながらこれがない。どなたかが小さな札を潅木の枝に取り付けてくれているので、注意してそれに従おう。登山口はトイレ棟の裏手である。「城山登山口 尾根筋」という案内板があり、そこから羊歯の斜面に細い登山路が通じている。

 

10:34       展望台

 城山への登山路は松を主体とした林の中を着実に高度を稼ぎながら上って行っている。下地はこの辺り共通の粘っこい羊歯である。この登山路の中ほどに2箇所ほど眺望が拡がる所がある。最初のそれは登山路からちょっと外れた羊歯の斜面の小岩の上である。二番目もそれは登山路がやはり小岩に上を通る地点である。ガイドブックで、第1展望台、第2展望台と呼ばれているのはこれらの地点のことであろう。いずれの地点からも旧大野町の中心部から広島市街地に至る本土側の市街地とその北側の山々、大野の瀬戸とそれを挟む形となる宮島の東半分が眺望出来る。この日は空気の透明度が高くなかなかの大展望であった。特に、宮島の大鳥居が遠いながらも、冬の低い陽光に照らされて紅く輝いているのが遠望出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《城山登山道から見た経小屋山》

 

《展望台から東方向を眺望する》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《城山の頂上広場〜ちょっと狭い》

 

《馬のたらい》

 

 

 

 

 

 

10:57〜11:00 城山(265.6m)

 滝山橋からの登山路は、徐々に険しくなるが、一度はっきりとした鞍部に下りそこから北側に廻り込んで一気に頂上を窺うかたちとなる。頂上直下には大きな岩が露出しており、そこをロープを使って上り切ると、やはり東側――宮島から広島市街地の大眺望が拡がっている。第1・第2展望台からの光景に幾倍するスケールである。ここからの眺望が城山では最も素晴らしいと思う。その巨岩の上からひと歩きで城山頂上に辿り着く。狭い頂上広場に四等三角点の標石があり、また「門山(かどやま)城址」の石柱、その説明板などが立てられている。南を望めば、樹々の枝越しに大野の瀬戸、宮島の岩船岳が目の前である。北側には露出した岩があり、そこに上がって見ると、木の間越しに経小屋山、そこから北に続く山々が望める。

 

11:04        馬のたらい

 城山の頂上には長居は無用と早々に経小屋山に向かって出発した。頂上直下の巨岩に上る前に追い抜いた老年夫婦に静かな山頂を譲ってあげようとも思った。

 山頂からすぐの尾根上にやはり大きな露岩があり、そこに「馬のたらい」との案内板が掲げられれている。岩と岩の間を抜けて廻り込みその大石の上に上っていってみると、平になった岩の上面に長方形の穴が穿かれており、その穴には満杯の水がたまっていた。その穴が馬のかいば桶に見立てて、そういう名前で呼はれているのだろうと思う。ここは中世の山城跡である。そこかしこの岩にいろいろな穴が穿かれているのが確認出来る。

 

11:14       十字路の鞍部

 経小屋山への縦走路は、「馬のたらい」のある尾根上から一端大きく下る。最初に来た時に「こんなに下って行って良いのだろうか?」と不安になった記憶がある。ドンドン下って行って下り切った鞍部が十字路の交差点になっている。左へ行けば大野浦駅方面で、はっきりした道が続いていた。右へ行けば、滝山橋からの登山路に通ずるはずだが、踏み跡はやや薄い感じであった。我々はここでは直進する。それまでと同じ程度の踏み跡の山道が尾根の上へと登って行っていた、

 

11:35       260m峰

 十字路の鞍部を過ぎて再び尾根の上へと上って行く。行くに従って登山路がやや荒れてくる。それまでの道筋に比べて通行する人も疎らなのであろう。時折羊歯で覆われたところを突破せねばならない。潅木が繁っていて眺望は芳しくない。登山路は、そんな調子のところを一度二度ピークアウトしつつ進む。そして、最後これぞ最高点とばかり大きくせり上がって行き三叉路に突き当った。そこが260m峰である。左へ行けば大野浦駅方面、我々は右へ行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《粘っこい羊歯を分けて進む》

 

《経小屋山に取り付き積雪を見る》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《雪がやや多くなった木の階段付近》

 

《東展望台から大竹市方面を望む》

 

 

 

 

 

 

11:39〜11:43 林道十字路の鞍部

 260m峰からトントンと下ったところが林道の十字路の鞍部である。滝山橋からの林道がここに行き当たる。我々が辿ってきた道と、これから上る経小屋山への登山道のほかに、谷筋を大野浦方面に下る道も分岐している。

 ここで、この日初めて坐りこんで休憩を取った。甘い羊羹にチョコレートを一口食すと、不思議に元気が出できた。

鞍部からいよいよ経小屋山本体への上りにかかる。登山道は経小屋山の東尾根から南東方向に延びるなだらかな支尾根を辿る。経小屋山の頂上を左手に見ながら、山体の東側を北方向に大きく迂回する感じである。

 鞍部から10分足らず上って行くと、登山道の脇に雪が残るようになってきた。しかし、道路には殆ど積もっていない。かなりの積雪を覚悟して来ただけに、拍子抜けであった。「なかなか頂上に近づく気配がないな」と思いながら歩いて行ったが、支尾根から東尾根に到達すると頂上が俄かに近く感じられるようになった。

 

12:06       東尾根に出る

 道が東尾根を辿るようになると急に傾斜が増してきた。頭上には頂上直下の露出した大岩が見える。雪を被っているようだ。行くほどにドンドンと順調に高度を稼いでいく。身体も汗ばむ程度に温まってきた。登山道にも雪が残るようになってきたが、アイゼンを履くほどではない。露岩に到達して、敷設されていたロープのお世話になって岩を越えると、木の階段道が始まった。木の階段というのは、もう頂上部が近いことを意味する。頂上部の公園整備の最下部に到達したということである。

 

12:28       木の階段道始まる

 木の階段の部分になって俄かに積雪が増えたような気がした。しかし滑り止めがなければどうにもならないという程でもなかった。一応は滑らないように注意を払いながら登って行ったが杞憂だった。10分ほど行くと、宮浜温泉からのルートと合流した。そこから1分間ほど南に下ると東展望台である

 

12:39〜12:41 東展望台 

 東展望台は、経小屋山の山頂部公園の東端の宮島を眺望する場所である。宮浜温泉の真上である。ここからは、大竹の街から周防大島、周防灘周辺の島々、宮島の西半分などの眺望が開けている。この日は透明度の高い眺望で、遥か九州、四国の山々のスカイラインが見えているのではないかと思った。

 

12:50       車道に出る

 暫し東展望台で眺望を楽しんだ後は、頂上へと急いだ。直ぐに登って来た道との合流地点を過ぎてよく整備された登山道を上って行く。最後の階段道を上ると、頂上部の一周ルートの遊歩道と交わり、その道を辿って行くと直ぐに車道に出た。ここには渡ノ瀬ダム方面から頂上まで上ってくる車道がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《雪に埋まった経小屋山頂上広場》

 

《経小屋山山頂》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《経小屋山々頂からの宮島のアップ》

 

《東展望台から下山する方向を見る》

 

 

 

 

 

 

12:54〜13:40 経小屋山(596.6m)

 車道に出ると頂上は直ぐである。東屋のある頂上駐車場は雪で埋まっていた。頂上部の積雪は15pといったところだろうか。駐車場を過ぎよく整備された道を行くと、植込みの中の狭い平地に二等三角点の標石のある経小屋山の頂上があった。周りは樹々に囲まれて、残念ながら眺望が得られない。瀬戸内海側の眺望は、少し南に離れたところから得られるが、北方向の眺望を得られる所が残念ながらない。真っ白な芸北の山々の光景を出来るものなら眺めてみたかったのだが・・・。

 頂上広場の隣にある大きな平らな露岩の上で昼食を摂った。周りは芝生の公園なのだが、積雪のためその上で休憩という訳にはいかなかった。約45分の昼食休憩のあと、下山にかかった。経小屋山に登ってきていた登山者は、我々のほかには皆無であった。

 

13:50       東展望台

 再度、東展望台に還ってきて、宮浜温泉への道を下ることにした。今年の一月に悟空君と来た時には、玖波への南西稜を下ったが、2時間を要した。今回は、宮浜温泉に下って時間、距離の両方で短縮することにした訳だ。

 残雪の状態からこの宮浜温泉ルートを雪が降ってから辿った登山者はいないことが分かったが、迷わず行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《下山道の周囲にも露岩が多い》

 

《露岩の最大のものはこの大岩》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《大野の瀬戸を挟んで岩船山と対峙》

 

《宮浜温泉上の登山口》

 

 

 

 

 

 

14:28       「標高約300m地点」

 東展望台直下の露岩の下を通り、登山道は南に下る尾根道を辿って行った。途中で尾根上にも露岩帯があるが、そこは西側の谷を巻いてリスクを回避していた。尾根道は概して予想と違って緩やかな傾斜であったが、「標高300m地点」の道標が出ている辺りから、急傾斜面へと変わっていった。

 

14:33       大岩

 急傾斜面をドンドンと下っていっていると、ゆく手の右側に極めて大きな岩石が見えてきた。神々しい程に大きい。登山道からその足元まで踏み分け道が通じているようであった。きっとロッククライマーの心を奮い立たせる岩なのであろう、登った跡が明瞭についていた。

 

14:53       登山口

 東展望台から下ること約1時間で宮浜温泉登山口に下山した。宮浜温泉街の上に開かれた別荘地の一番奥に出た。別荘地への導入道から旧山陽道に出て大野浦駅まで歩いた。

 

15:26       大野浦駅

 

【山行の所感】

 どっしりと大野浦の背後に鎮座する経小屋山は大きく裾を張ってなかなかに風格のある山である。そして標高差600m近くある登山道は結構上り甲斐がある。頂上部の各展望台からの沿岸部の眺望は実に素晴らしい。何よりも宮島が見えるのが良い。宮島の眺望があっての経小屋山と言ってもいいと思う。

まだ冬しか登ったことがなく、またこの日が積雪の直後ゆえか他の登山者に出会わなかったが、四季折々に登る人は多いのであろう。この山には車道が通じており、自動車を使えば難なく頂上に到達できるが、脚で歩いて前山とも言える城山の山城跡や経小屋山登山道沿道の大火事の跡の荒涼とした光景などを自分の目で見て、初めてこの山の良さ・真価が感じ取れるのだと思う。縦横にある登山路を違えて何度か登ってみても良いと思う。

 

 

 

 

 

 

持国さん、次回はご一緒しましょう!!

 荒天の日々が続いたことから、今回はご一緒出来ず残念でした。次の機会には是非共ご一緒しましょう。楽しみにしています。

 

 

 

【城山・経小屋山付近の地図】 1/21,000

 

 


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