西方からの石鎚山塊の好展望の山 石墨山(いしずみさん・1,456.0m)

愛媛県上浮穴郡久万高原町

2007年3月17日(土)     門久単独

 

 

 

 

 

 

 

〈石墨山は石鎚山塊の好眺望地だ! 石墨山頂上から見た石鎚山塊の稜線部〉

 

 

 

 

二日共に好天の天気予報が出た彼岸の入りの週末に四国へ渡った。

土曜日に山に登ろうと当日広島を午前5時半に出た。

行き先は、松山平野の南東の後背をなす

皿が峰連峰(一名を「東温アルプス」という)の最高峰の石墨山(1,456.0m)。

国道494号線沿いの唐岬ノ滝入口の登山口からここに登って、

出来得れば縦走路を井内峠か上林峠まで歩いてみたいと思っていた。

結果は、戻り寒波に伴う積雪と凍った急坂に難渋して、

唐岬ノ滝入口登山口と石墨山の間をピストンするだけになってしまったが、

峠や稜線上から見た石鎚山塊の大眺望はその苦労を補って余るものであった。

 

《山行記録》

登山口(唐岬ノ滝入口)9:36・・・・10:02大ブナ・・・・10:10割石峠10:14・・・・10:55「急登15分 いっぷくしましょう」の指導標・・・・10:57(アイゼン装着)11:02・・・・11:32尾根出合11:35・・・・11:58 1419mピーク12:00・・・・12:23石墨山(1,456.0m)(昼食)13:11・・・・13:47割石峠道分岐13:52・・・・14:10「急登15分 いっぷくしましょう」の指導標・・・・14:32割石峠14:48・・・・・15:08登山口(唐岬ノ滝入口) 

〔総所要時間:5時間32分、昼食・休憩等:1時間32分、正味所要時間:4時間00分〕

 

石墨山ってどこにあるの? ←ここをクリックして下さい

 

9:36 登山口(唐岬ノ滝入口)

 広島から長駆約200q(約3時間半)で国道494号線沿線の唐岬(からかい)ノ滝入口に到着した。ここが石墨山への登山口である。黒森峠はもう直ぐこの上だ。国道494号線は白猪ノ滝入口までは整備されているが、それから上は相変わらず道幅狭くヘヤピンカーブが連続する酷い道だ。ここにはトイレ(冬期は使用禁止)やベンチが整備されており、自動車が4〜5台は停められるスペースもある。

 石墨山への道の取付きは国道端にあり、指導標も立っているので直ぐ分かる。割石峠までほぼ杉林の中をジグザグしながら登って行く。

 

 

 

〈麓の河之内の集落から石墨山方面を見上げる〉

〈唐岬ノ滝入口の登山口:頭上のピークは法師山(1,310m)〉

 

 

 

 

 

〈国道脇から登山道が始まる:石墨山まで3.5kmとある〉

〈杉林の中をジグザグに登り続ける:朝の路面は凍っていた〉

 

 

 

 

 

〈長い登りを終える頃に大きなブナの古木と出合う>

〈ぽっくりと割れた岩、割石の名はここから来たのか??〉

 

 

10:10〜10:14  割石峠

  割石峠まで順調に登った。峠から黒森峠の先に堂ヶ森(1,689.0m)を中心にした石鎚山塊の大きな眺望が得られて先ず感動した。峠からは桧の若木の植林地に入り、再び杉林の中の登山道を行くようになる。やがて道の右側は潅木帯となった。雪を被った道は徐々に傾斜が急になって行ったが、順調な歩行が続いた。

 

 

 

 

〈割石峠:黒森峠、石墨山方面へと分岐する三叉路だ〉

〈峠の杉林の中にある東温高校の丸太小屋〉

 

 

 

 

 

〈割石峠から東方に石鎚山塊が眺望出来る〉

〈中央が堂ヶ森、その左に石鎚山南壁、西ノ冠岳が覗く〉

 

 

 

 

 

 

 

〈峠から植林地の先に石墨山を望んで登って行く〉

 

 

 

〈登山道は杉の林の尾根を登って行く〉

 

 

10:55 「急登15分 いっぷくしましょう」の手書きの指導標

  割石峠から主稜線上の肩に上って行く尾根道の最後の部分に急坂が待っていた。その急坂が始まる地点に「急登15分 いっぷくしましょう」という手書きの指導標があった。そこまでは積雪も10センチメートル程で大したこともなく壷足で来たが、そこから先は急登となって登山靴が滑って前に進める状況ではなくなってきたのでアイゼンを着けた。登山口で積雪状況を見て4本爪のアイゼンを持って来たが、この凍てついた急坂は、とても4本爪で足元を確保出来るところではなかった。それでも何とか苦労をしつつ登り続けた。五十肩(おっとっと「四十肩」だったか!)で左手が使えないのが辛かった。そんなことで、夏道15分のところを40分近い時間をかけてやっとこさ尾根上に出ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

〈この道標の先に厳しい世界が待っていた!!〉

 

 

 

〈「急登15分」を3倍近い時間を要した>

 

 

11:32〜11:35 尾根出合

  主稜線上に出ると俄かに眺望が拡がった。肩からは北から西へ直瀬川最奥の谷の北壁をなす東温アルプスの尾根筋が見渡せた。梅ケ谷山の山稜が一際大きい。西から南に目を転ずれば、大川嶺の平らけで白い山容も望めた。

  主稜線上の尾根道を左にとって石墨山の頂上に向かった。頂上まで1.0qと指導標にあった。目の前に小高いピークが控えており、頂上まではまだ幾つかのピークを越えて行かねばならいようであった。ピークに登って行くと、尾根道は馬の背のように細くなった。尾根の東側遥かには石鎚山の大きく白い山塊が見えてくるようになった。

 

 

 

 

〈主稜尾根出合〉

〈尾根出合の肩部から北の法師山(1,310m)を望む〉

 

 

 

 

 

〈法師山の左に続く東温アルプスの主稜線〉

〈梅ケ谷山(1,315.8m)で稜線は西に屈して遥か皿ケ嶺まで続く〉〉

 

 

 

 

 

〈尾根出合から石墨山へ続く尾根道を望む〉

〈正午前となったが、西側斜面には霧氷が残っていた〉

 

 

11:58 〜12:00 1,419mピーク

  狭い尾根道を石墨山に向かうがなかなかその山頂部は姿を現さなかった。二つ目の大きなピークを越えたところに岩峰があり、そこから初めて山頂部を見ることが出来た。ブナを中心にした落葉樹で囲われた頂でその西側の急斜面はまだ霧氷で覆われていた。

  この岩峰はまた石鎚山塊の好展望所でもあった。岩峰の先は遮るものも一切なく、写真撮影にはもってこいのところである。石鎚山塊の左手(北方)には、面木山(おもきやま・988.3m)・黒森(903.9m)の山塊も目立った。ここも石鎚山塊の好展望地とのことである。岩峰から鞍部への下りは雪の積もった岩の割目状の中を垂直に下るスリリングな所だ。無雪期には岩峰を乗り越えて行くようであるが、今は滑落が怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈岩峰まで来てやっと白墨山の頂上が望めた〉

〈西面にはまだ霧氷の花が咲いていた〉

 

 

 

 

 

 

〈雪を被った岩峰越しに石鎚山の山塊を望む〉

〈石鎚山塊の左手に面木山(988.3m)、黒森(903.9)が控える〉

 

 

12:23〜13:11 石墨山(1,456.0m)(昼食)

  石墨山への最後の登りも4本爪のアイゼンがなかなか利かない険しい急登であった。苦労の末にやっと到達した石墨山の山頂は、二等三角点のある狭い頂上広場があるだけのところであった。だがそこからの眺望は抜群であった。何よりも石鎚山塊やその周辺の大眺望は迫力満点であった。そのほかにも、樹々のある西側を除いて遮るもののない展望台であった。三方の雪に覆われた白い峰々を眺めた。

登山口から誰にも会わずに登ってきて、頂上広場で独り昼食を摂った。食事を終えて、今日はもう誰とも会わないのだろう思いつつ下山準備をしていると、単独の男性登山者が頂上に上がって来られた。地元の写真愛好家とのこと。暫くして、もう一人バイクで登山口まで来たという若い男性登山者が上がってこられた。一人だけでいた時に比べて、3人も揃うと心丈夫になるものだ。短い間ではあったが情報交換をしてみると、急登で難渋して考えたことは皆同じであったようだ。

後から来られた二人より先に下山することとした。頂上に登り着いた時に、唐岬ノ滝入口の登山口に下山することを決意していた。山上の雪や急坂に対して装備が貧弱過ぎると考えたためである。

 

 

 

 

〈二等三角点のある石墨山山頂〉

〈頂上から面木山、石鎚山の山塊を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈圧倒的な迫力で迫る石鎚山塊〉

〈石鎚山塊の肩から筒上山(1,859.3m)、手箱山(1,806.2m)が覗く〉

 

 

 

 

 

〈中津明神山(1,540.6m):愛媛・高知県境の山で存在感がある〉

〈平らかで白い大川嶺(1,525.0m)の山塊〉

 

 

〜〜稜線上のブナの樹々〜〜

 

 

 

 

〈笹原の稜線の斜面にブナの樹々、四国の山らしい景色である〉

〈四国の標高1300m台の山上にもこうしてブナが育っている〉

 

 

 

 

 

〈随分元気そうな稜線上のブナの樹〉

〈ブナの様相は中国地方とはやや違う〉

 

 

13:47〜13:52 割石峠道分岐

  下山の稜線上の道では、ブナの樹々や笹の緩斜面などのいかにも四国の山らしい景観を楽しみながら歩いた。午前中に比べて一段と透明度を増した大気を通して遠くまでよく見通せるようになっていた。

  主稜線を外れて割石峠へ下る急坂は、午前中にアイゼンがよく利かずに苦労しただけに、やはり緊張して臨んだ。時折滑ることはあったものの、3人が登りで踏んだトレースがしっかりと残っており、また気温が上がったせいでアイゼンも利き易くなったのか、思った以上にスムースに下ることが出来た。

 

 

 

〈法師山はこの山域の象徴的な存在だと思う〉

〈透明度を増した大気越しに北方の高縄半島の山々を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈午前中の上りに難渋した急坂を今度は下る〉

〈よく滑った急登にも三人のトレースが残る〉

 

 

14:32〜14:48 割石峠

  「急登15分 いっぷくしましょう」の指導標まで下るともう安全圏だ。杉林の中の道を足早に歩いて割石峠へ下った。頂上でお会いした地元の写真愛好家と一緒になったので長い間話をして、この周辺の山々の状況をお教え頂いた。峻険な四国の山々への興味は尽きない。

 

15:08 登山口(唐岬ノ滝入口) 

  割石峠から杉林の中をジグザグに下ること20分で朝と同じ登山口に帰着した。

  迎えの自動車が来るまで暫く時間があったので、唐岬ノ滝を見物することにした。周囲の杉林が大規模に伐採されており、その作業用の自動車が通りため泥んこ状態になった道を辿って谷の底まで下って五段になって落ちる滝を見物してきた。

 

 

 

〈唐岬ノ滝(からかいのたき)全景〉

〈五段になっているのが分かるだろうか!

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑・紅葉の頃は綺麗な所だろうと思う〉

 

 

 

 

 

〈下四段の滝〉

 

 

 

 

〔山行所感〕

 久し振りの四国の山であったが、期待した眺望という点では満点の山行であった。何を置いても、石鎚山の南壁、天狗岳と西ノ冠岳、二ノ森、堂ヶ森の連山が一塊となって見える西からの眺めというのは迫力があった。抜群の好天で透明度の高い大気もその迫力を強めていたといえる。石鎚山塊以外の山々の眺めもなかなかのものであった。

 反省すべきは、登山口で山上の雪を軽く見て、4本爪のアイゼンを選んだことであろう。厳しい急登でそのアイゼンは玩具のように無力に近かった。遅々として前へ行けない時には何度かもう引き返そうかと自問していた。自動車には完全なアイゼンを積んでいるのだから、どうかと迷う時には上級の物を持って登るべきだと肝に銘じよう。

  四国の山の空気は、いつも心も身体も寛がせてくれる。ここ石墨山でも、稜線部の笹原のブナの尾根などは心を解きほぐしてくれる典型的な四国の山の風情である。この山域も再訪して、今度は本格的な縦走を狙ってみよう。

 

 

〜〜Special thanks〜〜

今回の山行の計画に際して、次の方々のサイトを拝見し、有益な情報を頂きました。有難うございました。

「エントツ山から四国の山へ」さんの『爆走機関車「東温アルプス」(皿ヶ嶺連峰)を行く』

 「三角点に登ろう会」さんの『総括表』『東温アルプス縦走記』

 


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