那須登山口から立岩登山口へ縦走 十方山(1,318.9m)

広島県山県郡安芸太田町廿日市市吉和

2008年6月1日(日)    仁王さん+チャコ&門久

 

 

 

〈晴れた十方山の上空〉

 

 

那須集落から十方山にかけての森は素晴らしい。

台所原より往年の西中国山地の良さをより多く残しているのではないかと思っている。

昨年5月の初踏破に続きその森を再び抜けて、思い切ってグリーンシャワーを浴びてみたいと、

那須登山口から十方山に登ることとした。

仁王さんも同行することとなり自動車が二台となったので、一台を立岩登山口に回しておいて縦走をすることとした。

 

《山行記録》

 風小屋林道終点駐車場(那須登山口)9:45・・・・9:50造林小屋9:52・・・・11:20藤十郎(1,192m)・・・・11:45前三ツ倉(1,312m)・・・・11:46那須分岐・・・・12:01奥三ツ倉・・・・12:11論所・・・・12:21十方山(1,318.9m)13:07・・・・14:07「五合目」・・・・14:43(休憩)14:48・・・・15:05瀬戸の滝分岐・・・・15:10十方山立岩登山口15:12・・・・15:31瀬戸の滝15:36・・・・15:55十方山立岩登山口

〔総所要時間:6時間10分、昼食・休憩等:1時間01分、正味所要時間:5時間09分〕

 

 

 9:45 那須登山口

  中国道を戸河内ICで出て、国道191号線を三段峡方面へ走り、戸河内の街を過ぎたところにある「戸河内バイパス西口」交差点を左折してアーチ橋を渡ってからひとまず吉和川に沿って15.1q上手の十方山の立岩登山口に立ち寄った。既に十数台の車が停まっていた。ここに仁王さんの自動車を置いて来た道を引き返した。7.2q引き返すと左手に那須集落への道が分岐するのでそこに入る。2km余で那須の集落、さらにその先へと続く林道を山中へと入って行くと、その林道の終点が駐車場となっている。そこが十方山への那須登山口だ。この日は我々以外には軽自動車でやって来て登山支度をしておられた3人組(男1、女2)の登山者がいるだけの静かな登山口であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈那須登山口に立てられた新しい指導標〉

〈桧の植林の中を行く〉

 

 

 登山口を出ると暫し桧の植林地の中を行く。植林小屋やかつての入植地の石垣などが見られる。植林地を20分余進んで行くと、やがてミズナラを中心にした自然林となる。登山道が左へ直角に曲がって急坂が始まる。そこからは標高差約300メートルを一気に登る急な尾根道が続く。沿道にはミズナラやブナの巨木も多く、今が盛りのグリーンシャワーが気持ち良い。これを浴びにやって来たのだった。標高が1,050メートルを超えてくると、俄かに斜度が緩くなり、ブナを中心にした豊かな森の中の逍遥路を行く感じになる。5月の半ば頃であれば下草の間に花々が咲き乱れていたであろうが、今は辛うじてユキザサの花を見るくらいで些か寂しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ミズナラ林の急坂を行く〉

〈尾根上に上がるとブナが多くなってくる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道を覆うようなミズナラの巨木〉

〈枝を広げたブナの巨木〉

 

 

11:20 藤十郎(1,192m)

  気持ちの良い森の中の逍遥路が小さくピークアウトする地点が藤十郎(1,192m)と呼ばれるピークである。ここにも広島山岳連盟の方々の手による新しい指導標識が立てられてあった。ここから進路は右に曲がり一旦浅い鞍部に下ってからカエデやブナの巨木の多い緩斜面を前三ツ倉のピークに向かって登って行く。この緩斜面も森が美しくグリーンシャワーを楽しめるところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈那須から登り切った最初のピークが藤十郎だ〉

〈ブナの美林が拡がる〉

 

 

 

 

 

〈主稜線近くで樹上に青空が拡がる〉

〈巨木が稜線を覆う〉

 

 

11:45 前三ツ倉(1,312m)

  内黒峠と十方山頂上を繋ぐ主稜線に出る直前に前三ツ倉(1,312m)のピークがある。大きな岩が鎮座している。主稜線上の縦走路に出ると「那須分れ」の立派な指導標が立てられていた。これを見て那須ルートを採る登山者が一段と増えてくるかも知れない。 暫し稜線上の長閑な縦走路を行く。「那須分れ」から約15分で奥三ツ倉(1,322m)の微かなピークを越え、論所の鞍部へと下って行く。下降の途中で樹間に十方山の山頂付近を仰ぎ見ることが出来る。「論所」とは奥三ツ倉と十方山との間の鞍部の水利権を巡ってこの山の両麓の住人が長きに亘って争ったことから来ているという。最低鞍部で越える掘り割りのような水路はその遺構なのであろう。水場もあって水の豊富な鞍部を抜けてブナの巨木の多い森の中を緩やかに登って行くと、パッと視界が開けて笹原の中の十方山の頂上広場に出た。

 

 

 

 

〈前三ツ倉のピークで内黒峠からの主稜線と出合う〉

〈ここにも新しい指導標が立てられている〉

 

 

 

 

 

〈主稜線上を行く〉

〈奥三ツ倉はピークという感じのしない所だ〉

 

 

 

 

 

〈奥三ツ倉付近から十方山の山頂付近を見上げる〉

〈論所の掘り割り越えて行く〉

 

 

12:21〜13:07 十方山(1,318.9m)

   十方山の頂上広場には30名程の先客の姿があった。笹原を刈り払った広い頂上広場に三々五々散らばって、食事をしたり、話に花を咲かせたり、昼寝を決め込んだりしておられた。立岩登山口の自動車の多さから予想はしていたが、それにしても賑やかな頂上であった。我々もその一画で弁当を広げ、長い登りで消耗した身体に精気を注入した。頂上からの眺望は意外に透明度が高く、東から南それから西方にかけての遠くまでが見通せて、多くの山々を同定することが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈三角点のある十方山の山頂〉

〈主要登山口への到達時間〉

 

 

 

 

 

〈吉和冠山、寂地山方面の眺望〉

 

 

 

 

 

〈旧羅漢山、恐羅漢山の山塊〉

〈半四郎山と花見山を遠望する〉

 

 

 食後、立岩登山口に向けて下山を開始した。正面登山道であるだけに、道幅も広くまるで林道の趣きである。大きな眺望の笹原の中の道を下って行くと、やがて急坂となって樹林帯の中へと下って行った。かつて蝮の姿を多く見かけた笹原の中の踏み跡のような道は、今では踏み広げられて蛇の心配など無用な状態に変わっていた。

 

 

 

 

〈咲き始めたレンゲツツジ〉

〈広々とした登山道を立岩登山口へと向かう〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈良く踏まれた登山道が続く〉

 

 

 

 

 

 

〈ブナ等の樹林帯へと下って行く〉

 

 

14:07 五合目

  十方山山頂から下り一方であった登山道は、五合目の直前で小ピークに上る。このピークの頂がちょうど五合目だ。五合目からは両側が深い渓谷である馬の背のような尾根筋を下って行く。尾根上も深い谷間の急傾斜面も樹林に覆われているのであまりスリルは感じない。やがてその尾根を外れて沢沿いの樹林の中を行く道が暫し続く。那須からの上りと同様に、立岩への下りも長い。それでも下る程に下方の沢の音が段々と大きくなって来た。一際強い水音は瀬戸の滝のものであろうか。立岩登山口の駐車場が眼下に見えるようになってきた頃、瀬戸の滝への登山道が分岐するが、2005年9月の台風14号に伴う豪雨災害のためずっと通行止めの措置が取られているようだ。滝へは一旦登山口に下ってから行くことにして、険しい急傾斜地を下って行くと直ぐに登山口へと出た。

 

 

 

 

〈下山を始めて1時間で五合目だ〉

〈左右が深い谷となって落ち込む馬の背の尾根を行く〉

 

 

 

 

 

〈ここにも立派なブナの巨樹が!〉

 

 

 

 

 

〈左手の湿潤な沢に沿った登山道を下って行く〉

〈長い間通行止めとなっている瀬戸の滝への分岐〉

 

 

15:10〜15:12 立岩登山口

  朝、仁王さんの自動車を置いた登山口の駐車場に帰ってきた。午後3時を過ぎていたが、まだまだ沢山の自動車が停まったままであった。車の中にザックを置いて、空身で瀬戸の滝の見物に行くことにした。

 

 

 

 

〈広い駐車場にある立岩登山口〉

〈立岩登山口〉

 

 

15:31〜15:36 瀬戸の滝

  登山口にあるトイレの左手から瀬戸の滝への遊歩道に入って、セト谷の渓流を遡って行く。なかなかに険しい渓流で見応えのある景観が続く。20分弱遡って行くと、谷の奥の屏風のような懸崖に懸かった滝が見えてくる。滝は二段で上段は高さ約19メートル、下段は28メートル程あるという。下段の滝壺の脇に立つと、眼前に下段の滝が落ち、その上に上段の滝が覗いている。このところ雨が多かったせいで、この日はいつになく水量が多く迫力満点であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈険しい瀬戸の滝への谷間〉

〈谷の奥に瀬戸の滝が見えてくる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈瀬戸の滝、上方奥に上段の滝が覗く〉

 

 

 

 

 

〈上段の滝をアップ〉

〈下段の滝の滝壺〉

 

 

15:55 立岩登山口

  瀬戸の滝見物を終えてから再び登山口に帰った。午後4時近くになり、駐車場の車も数台に減っていた。ここから仁王さんの自動車で那須登山口まで送ってもらい、我が愛車を回収した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈瀬戸の滝の下手の新緑のセト谷〉

 

 

 

 

 

〈谷間に咲くコケイラン〉

〈登山口にあるきれいなトイレ〉

 

 

〔山行所感〕

  期待した通り那須からの山域で素晴らしいナラやブナの森を抜けて、たっぷりとグリーンシャワーを浴びることが出来た。那須の森は実に素晴らしいと思う。もう少しのんびりと過ごせたら森の中の植生の豊さをもっと見て取れるだろうと思う。

  今回は縦走という形を取った。下山に使った立岩(瀬戸滝)ルートは、標高差が700メートル余りと、広島県下でも険しい部類に入る登山ルートで、那須ルートの標高差670メートル程の登りと併せれば「軟」ではないルート設定であったことが体得出来た。

  もう何度も登った十方山であるが、出来れば秋や冬の季節に那須ルートから訪ねてみたいと思う。

 

 

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