千年杉を育む山城史跡の里山 岳 山(521.5m)

広島市安佐南区沼田町

2008年6月28日(土)    仁王さん夫妻+チャコ&門久

 

 

 

〈今は往来する人の姿もない姫路峠〉

 

 

岳山で千年杉が発見されたとのニュースを聞いたのはもう4年近くも前のことであった。

近場ゆえにいつでも見に行けると思いつつ行っていなかった。

この初夏に、千年杉でフクロウの雛を見たとの情報が複数の知人からもたらされ、再び千年杉を思い起こすこととなった。

二週続けて雨の週末との予報となったが、

この日の雨は午後になってからというので、朝早く出立して岳山を縦横に歩きその間に千年杉も見てみる気になった。

この山を良く知る仁王さんに山の様子など聞いてみると、夫妻で一緒に登ってみようということとなった。

かくして、ガイド付きでの岳山への初陣となったが、予報が狂って朝から雨が降り出してしまった・・・・。

 

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《山行記録》

境原登山口8:30・・・・8:38千年杉分れ・・・・8:40千年杉8:56・・・・8:59千年杉分れ・・・・9:27展望岩9:31・・・・9:33くすの木台道合流9:34・・・・9:37東峰(のろし台)9:39・・・・9:45岳山(521.5m)10:27・・・・10:50姫路峠10:54・・・・10:57林道出合・・・・11:23ため池・・・・11:28車止め・・・・11:30椎原第二橋(山陽高速道)・・・・11:40「広島北7」トンネル・・・・11:50境原登山口

〔総所要時間:3時間20分、休憩等:1時間09分、正味所要時間:2時間11分〕

 

 

 8:30 境原登山口

   アストラムライン大原駅付近から久地街道に入り、「戸山分れ」交差点を左折して戸山方面への道を採り、直ぐ左手最初の道を入ると広島自動車道の側道である。入口に「岳山(久地の千年杉)登山道案内」と書かれた大きな案内板がある。最初の高速道を跨ぐ陸橋を渡って左折し高速道に沿って走る。次の陸橋の袂が境原登山口で、うまく停めれば4〜5台は駐車可能なスペースがある。残念ながら付近にトイレはない。

 

 

 

〈岳山境原登山口〉

〈登山口に立つ案内板〉

 

 

  登山口からダートの車道が真っ直ぐに山に向かって延びているのでそれを辿る。この日はその車道にブルドーザーが置かれていたが、何もなければ約200メートル奥まで自動車で入れそうだ。駐車場も設置されていた。車道が尽きると山道が始まる。頂上まで1キロメートル、千年杉まで2百メートルと記された道標がたてられている。山道の左手にはため池があり、その池が切れると千年杉入口で、登山道を外れて左手の道を採る。午後から雨になるとの天気予報が外れて登山口から雨で、雨具を着ての出発となった。

 

 

 

 

〈約2百メートルのダートの車道の先で山道となる〉

〈千年杉への分岐〉

 

 

 8:40〜8:56 千年杉

  千年杉入口から100メートルほどの細い道を辿って、ため池の南側の急傾斜地を這い登って行くと千年杉に突き当たる。この杉の存在は平成16年10月に地元の山岳関係者によって確認、公表された。胸高幹周12.2メートル、樹高40.3メートル、主な幹が7本と、見るからに大木である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈急傾斜地の下方から見上げた千年杉〉

〈斜面上方から見上げた千年杉〉

 

 

 

 

 

〈千年杉の根元、やはりデカイ!〉

 

 

 

 

 

〈千年杉の東側は厳つい表情〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈千年杉の根元近くに立てられた案内板〉

 

〈迫力満点の千年杉〉

 

 

 9:27〜9:31 展望岩

  千年杉との初対面を終えて再度登山道に返り頂上を目指した。登山道は概して赤松と照葉樹の中の急坂を登って行っている。道は良く踏まれていて歩き易いものの、羊歯がやや被さっており小雨ながら羊歯に溜まった水滴で雨具がなければ衣類を濡らすこと間違いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈千年杉を後にして羊歯の中の急坂を登る〉

〈赤松と照葉樹の中に急坂は続く〉

 

 

  千年杉入口から30分弱のところの登山道右側の山中に露岩(展望岩)があって、そこから南東方面の眺望が開けていた。この日は雨と霧で霞んでいたが、伴(とも)の丘陵の先に武田山から大茶臼山までの連山(俗に言う広島アルプスの北半分)が見事に見えていた。右手に目を移すと、向山がやはり雨に霞んでいた。この展望岩の直ぐ上部でくすの木台方面からの登山道を合わせ、更にそこから数分で「のろし台」と呼ばれる東峰に登り着く。

 

 

 

 

〈展望岩から遥かに広島アルプスの山並を望む〉

 

 

 

 

 

〈展望岩の先に向山(665.9m)を望む〉

〈くすの木台登山道との合流点には近くの展望所の案内が!〉

 

 

 9:37〜9:39 東峰(のろし台)

  東峰は岳山山頂とほぼ同じ標高の520メートル余のピークである。広場が開かれおり東から南方向の眺望が開けている。先ほどの展望岩よりこちらの眺望の方が格段に良い。天気が良ければ昼食休憩を取る絶好の場所である。この広場は明らかに山城の遺構である。「のろし台」と呼ばれるのは、ここからの好眺望を利用して付近の戦略拠点との間で諜報連絡が取られていたのであろう。

 

 

 

 

〈東峰(のろし台)から広島アルプスの山並を眺める〉

〈久地の谷を挟んで東側には荒谷山(631.3m)が対峙する〉

 

 

 

 

 

〈霧の棚引く伴の先に武田山(410.5m)、火山(488.0m)が横たわる〉

〈南に続く尾根筋の先に向山(665.9m)が覗く〉

 

 

 

 

 

〈東峰から岳山頂上への案内〉

〈岳山頂上へは杉林の中を抜けて行く〉

 

 

 9:45〜10:27 岳山(521.5m)

  東峰から杉林の中を5分間ほど抜けて行くと岳山の頂上に着く。かつての本丸跡の広い広場に三等三角点が埋められており、その直ぐ近くに今年3月に設置された「嶽山頂上」の石盤があった。そこにはかつてここにあった山城について「嶽城跡(多計城址) 芸藩通志によると『多計山城を武田弾正(西暦1500年代の室町後期)が拠守』との記述あり」と刻まれていた。頂上広場は杉などの樹々に囲まれて眺望は殆ど効かない。小雨が降り続いていたが木立の下にまだ乾いた所があったので、そこに座り込んで、昼食にはまだ早過ぎると、少し長いお茶とお喋りの時間とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈石盤のある頂上はかつての山城の本丸跡である〉

 

〈三等三角点のある岳山々頂広場〉

 

 

 

 

 

〈頂上の周囲には山城の遺構が残る〉

〈頂上の樹間から霧が流れる吉山方面が垣間見えた〉

 

 

10:50〜10:54 姫路峠(ひめじだお)

  岳山山頂から山城特有の急坂を下って姫路峠へと続く尾根筋を辿った。こちら側を歩く登山者の数は多くないようで、踏み跡同然の道であった。倒木も多く野趣に富みやや歩き辛いところもあったが、踏み跡は明瞭でまず迷うことはなかった。小さなピークを越えて、頂上から20分程で鞍部へと下った。そこが姫路峠かと一瞬思ったが、左右どちらにも道は通じておらず、更に先に登り返すとその先がストンと落ちており、そこが姫路峠であった。名ガイドさんがいて、助かった場所であった。

 

 

 

 

〈岳山頂上から姫路峠への野趣に富んだ尾根筋〉

〈赤松の灌木の混合林の中に踏み跡は続く〉

 

 

   姫路峠はかつては伴村(峠の南側)と戸山村(北側)を結ぶ要路であったようだ。今も峠の戸山側に残る立派な標石がそれを物語っている。しかし今はここを往来する人の姿はない。時折訪ねて来るのは我々のような物好きな登山者くらいであるようだ。今でも何とか峠の南北を繋ぐ道が歩けるようだ。当初はこの峠から北に下ることを考えていたが、雨が降り続いており午後からは大雨の予報もあったので、境原登山口に近い南に下ることとした。羊歯を掻き分けるような道を辿って行くと直ぐに舗装された林道に出た。出口に手書きの「姫路峠入口ダケ山」との看板があったが、こちら側から登る場合この看板を見付けるにはかなりの注意力が必要なようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈踏み跡がストンと落ちて姫路峠へと下る〉

〈姫路峠に立つ昭和3年建立の標石〉

 

 

 

 

 

〈姫路峠から羊歯の中の道を南に下る〉

〈峠から直ぐに舗装された林道に出る〉

 

 

11:30 椎原第二橋

  車止めをしている林道は静かで路傍に咲く花々を見ながら、女性軍はサルトリイバラの葉を採りながらのんびりと歩いた。林道を歩いて約30分で車止めを過ぎて広島道に掛かる椎原第二橋を渡った。振り返ると岳山から姫路峠の稜線が見えた。

 

 

 

 

〈静かな林道を椎原に向けて下って行く〉

〈路傍にオカノトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)が咲く〉

 

 

 

 

 

〈こちらはウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)だ〉

〈広島高速道を跨ぐ椎原第二橋から岳山を見上げる〉

 

 

11:50 境原登山口

  椎原第二橋を渡って椎原の集落へ下る道を暫し行って最初の分岐を左に採った。そこを道なりに行くと、やがて広島道の下を潜る「広島北7番」というがガードがあったのでそこを潜って高速道の側道に出た。この辺りも名ガイドさんがいたので迷わなくて済んだ。あとはその側道を行けば、二つ目の陸橋の袂が境原登山道であった。下山すると皮肉なもので雨も小降りになった。昼前であったので、この登山口で昼食とした。

 

 

 

〈広島自動車道西風新都インターチェンジ辺り〉

〈境原登山口から荒谷山を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈「戸山分れ」交差点近くの高速道側道入口に立つ案内板〉

 

 

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〔山行所感〕

  二週連続の雨の中の山行で、今日は最初から最後まで降り通しであった。梅雨の時期、ちょっと思惑が狂うとこんなことになる。大した雨ではなかったので、これも一興である。

  それにしても千年杉はとてもデカイ樹であった。複雑奇怪な形相はやはり特異だ! ご他聞に洩れず用材向きでなかったので、ここまで生き延びることが出来たのだろうが、これからも大事にして行きたいものだ。

  雨の中の山行ゆえに、長い時間歩いたような気がしたが、正味は二時間余の里山ハイキングであった。岳山は姫路峠を含めれば、縦横に登山道が開けている。季節の良い時に、多様な里山ハイクを楽しむには打ってつけのところであるようだ。

 

 

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