石鎚山系の笹の尾根上の硬軟二峰 寒風山(1,763m)・笹ヶ峰(1,859.5m)

愛媛県西条市高知県吾川郡いの町

2008年7月12日(土)    チャコ&門久

 

 

 

 

〈イワキンバイ咲く寒風山の岩稜から伊予富士を望む〉

 

 

四国や九州地方の梅雨が早々に明けて、

この調子では中国地方は勿論のこと全国的に今年は早い梅雨明けとなって、

夏山シーズンも長いものになるだろうと思っていたが、その後何処にも梅雨明け宣言がない。

それでは梅雨の明けた四国へこちらから渡って行って真夏の山に登ることとした。

目指すは11年振りの笹ヶ峰、日本200名山の一つに数えられる名峰である。

前回は下津池側の登山口から登ったが、

今回は寒風山隧道南口登山口から桑瀬峠、寒風山を経由してのアプローチとした。

下山路も同じ道のピストンを予定していたが、山上で地元の方から得た情報から思わぬルートを採ることに・・・!

 

〈山行記録〉

寒風山隧道南口(登山口)7:37・・・・8:29桑瀬峠(標高1,451km)8:32・・・・9:16(休憩)9:19・・・・9:44寒風山西峰9:49・・・・9:56寒風山(1,763m)10:06・・・・11:38丸山小屋方面分岐・・・・11:44笹ヶ峰(1,859.5m)12:19・・・・13:45林道(寒風大座礼西線)13:50・・・・14:45旧道・・・・14:52寒風山隧道南口(登山口)

〔総所要時間:7時間15分、昼食・休憩等:1時間01分、正味所要時間:6時間14分〕

 

 

 7:37 寒風山隧道南口(登山口)

  広島を未明に発って、山陽道、西瀬戸道(しまなみ海道)を通って今治市へ。今治市から在来道で西条市へ。西条市からは国道194号線を高知市方面に走り、愛媛・高知県境の寒風山トンネル(長さ5,432メートル)を抜けた一の谷で左折して旧道に入り、寒風山隧道南口まで上り返す。そこには広い駐車場と東屋、それにトイレもあって寒風山や伊予富士方面への格好の登山基地となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山口は瓶ヶ森林道のゲート脇だ〉

 

 

〈グリーンシャワーの急坂を登り行く〉

 

 

   登山口から直ぐに険しい坂道が始まる。いかにも四国の急峻な山地を行く感慨が持てる道だ。しかしその急坂も15分程で終わり、幾分緩やかになって傾斜面をジグザグに上って行く。峠近くまで上がって来ると、道はなお緩やかになって眺望も開けてくる。登山口から50分程で桑瀬峠だ。

 

 

 

〈かなり登ると緩やかな道となり伊予富士への尾根が望める〉

〈桑瀬峠近くになると寒風山の懸崖が現れる〉

 

 

 8:29〜8:32 桑瀬峠(1,451m)

  桑瀬峠を西に行けば伊予富士から石鎚山方面へと向かうが、ここは東への道を採る。峠を出ると暫し緩やか道で寒風山へと向かうが、やがて寒風山前峰の懸崖の右手を上って行くこととなる。所々に梯子が設けられた険路である。前峰を越えて一旦鞍部に下ると、あとはブナの老木の並ぶ尾根筋から笹原の中の道を辿って寒風山へと登って行く。

 

 

 

〈桑瀬峠:笹原の先に瓶ヶ森が姿を現す〉

〈桑瀬峠方面から寒風山の懸崖を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈振り返れば頂に雲のかかり始めた瓶ヶ森が見える〉

〈所々にハシゴやロープが設置された岩峰の難路を行く〉

 

 

 

 

 

〈一つ岩峰を越えた鞍部から寒風山の懸崖を見上げる〉

〈稜線を彩るブナの樹林〉

 

 

 9:56〜10:06 寒風山(1,763m)

   寒風山の頂上に辿り着く前にその西側にあるテラス状のピークに立ち寄ってみた。桑瀬峠から西側の伊予富士、瓶ヶ森などの眺望がなかなかに見事であった。またピーク上にある露岩の上には黄色いイワキンバイが今が盛りと咲いていたのは印象的であった。

 

 

 

〈寒風山の西峰越しに西方の峰々を望む〉

〈伊予富士は直ぐ目の前である〉

 

 

 

 

 

〈岩稜に咲くイワキンバイ(バラ科キジムシロ属)〉

 

 

  西峰からひと歩きで寒風山の山頂広場に到着した。山名を記した指導標と「自然環境保全地域」の説明看板が立つ頂上広場からの眺望はなかなかのもので、西方には伊予富士、瓶ヶ森、手箱山、筒上山などが認められた。東にはこれから行く笹ヶ峰が大きく、その先にはちち山、冠山、平家平へと続く尾根が延びていた。また南方の高知県の山々も美しかった。ただ石鎚山や赤石山系の峰々は霧が立つ中でその姿を現していなかった。この頂上で、あとから到着された二人組の壮年の男性登山者から笹ヶ峰の南面の笹原を下る登山道があり、難路ではあるが寒風山隧道南口の登山口まで早く下ることが出来るらしいという話を聞いた。

 

 

 

 

寒風山々頂を間近に見る

〈寒風山々頂〉

 

 

 

 

 

〈寒風山から望む笹ヶ峰・ちち山〉

〈笹ヶ峰〜冠山の稜線の遠望〉

 

 

  10分間程の寒風山頂上での滞在を経て更に笹ヶ峰に向かった。寒風山々頂の直下からこれから行く長い長い尾根筋と笹ヶ峰が一望出来た。この尾根筋の縦走路は、概ね稜線上か高知県側をトラバースするように付けられており、時折樹林の中に入るものの殆どは笹原の中を通っていた。日差しの厳しい朝で、この縦走路の歩行は暑さとの闘いになるのではと懸念していたが、この頃になって太陽が雲の中に隠れてくれた。ただ、通って来た寒風山方面には瀬戸内海側から霧が立ち上ってきて尾根筋を隠し始めた。長い縦走路歩きに飽きかかけてきた頃、縦走路は霧が立ち上り始めた愛媛県側の笹原の中に移り、丸山荘方面からの道を併せてひと登りすると、笹ヶ峰の頂上広場に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈寒風山〜笹ヶ峰への尾根筋の南面〉

 

〈縦走路の先に笹ヶ峰・ちち山を望む〉

 

 

 

 

 

〈全面笹で覆われた笹ヶ峰〉

〈笹ヶ峰山頂までもう少し!!〉

 

 

11:44〜12:19 笹ヶ峰(1,859.5m)

  笹ヶ峰の頂上には一等三角点があり、東側寄りの石積の祠には石鎚神社が祀られてあった。銅板に山名を記した指導標が中央部に立っている。ここからの360度の眺望を期待していたが、縦走路を来る頃から周囲に湧き上がり始めた霧が各方面の視界を狭くしていた。西方から北方は完全に霧の中、東方はちち山に霧が迫っており、その先の冠山までがやっと見える程度で、本来はその後背に見えるはずの赤石連山は全く見える様子がなかった。ただ南方遥かの高知県の山々だけはきれいに見えていた。

 

  この山頂には3組の先客があり、昼食を摂っている間にも幾組もの人達が到着された。寒風山隧道南口登山口からの登山者が殆どで、中七番からの登山者(危ないルートだったと溢しておられた)もあった。その中の2組の地元の方から、寒風山の山頂で聞いていた笹ヶ峰の南面の笹原を下って林道に出て、寒風山隧道南口登山口まで歩くルートの詳細をお聞きした。笹原を高低差700メートル直下降するが、急傾斜で滑り易いことに気を付ける必要があるだけで、一本道で迷う心配はないという。傾斜地の下降に1時間、林道歩きに1時間、合計2時間程度で登山口に着けるという。この二組の方々が先にこの直下降ルートを下山して行かれてので、我々も食後にこのルートで下山することにした。

 

 

 

 

〈笹ヶ峰山頂〉

〈笹ヶ峰の一等三角点〉

 

 

 

 

 

〈霧の立つちち山〜冠山の稜線〉

〈寒風山方面は完全に霧の中〉

 

 

  俄かに決めた見知らぬルートでの下山にはやや緊張と期待が伴うものである。直前に二組の人達が先行して行ったことは心を強くするものであった。下山取り付き口に何の表示もないが、頂上広場から冠山の方角に笹原の中にはっきりとした踏み跡が延びているのでそれを辿って行った。踏み跡は直ぐに南方へ下って行く広い笹のスロープに出た。笹がかぶさってくるが、足元にははっきりした踏み跡が続いており迷うことはない。見た目にも、道の部分の笹だけは葉が擦れて枯れているのでルートを見失うことはない。段々と笹の深さが増して腰くらいまでになった頃に、笹原から樹林帯の中に入る。樹林は天然自然の森の様相で、中でもブナの古木が見事であった。森の中とて下地は笹であるが、その笹が段々に伸びて藪に近いものになったが、そこまで下ってくるとその道の部分は綺麗に笹が刈り払われていた。下山を始めて1時間が経過してもう林道に出る筈だが・・・と思うものの、仲々にそうはならず、反対に転げ落ちるととんでもないこととなりそうな長い急坂を下るところが一か所ならず、二か所、三か所と続いたりした。結局1時間25分程を要して林道(寒風大座礼西線)に出ることが出来た。

 

 

 

 

〈笹原に中の踏み跡を辿って下山開始!〉

〈この笹のスロープを一気に下って行く〉

 

 

 

 

 

〈腰近くまで伸びた笹原を下って行く〉

〈下って来た笹のスロープを見上げる!!〉

 

 

 

 

 

〈樹林帯に入ると見事なブナの古木が現れる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈樹林の中には気持ち良いグリーンシャワーが注ぐ〉

 

〈見事に縦列したブナの古木〉

 

 

13:45〜13:50 林道「寒風大座礼西線」(笹ヶ峰登山口)

  林道脇には手作りの「笹ヶ峰登山口」の指導標が立っていた。しかし、標高差700メートルを直登する足元の悪いこのルートを登る人は稀であろうと思う。お薦めは、往きは桑瀬峠経由、復りがこの直下降ルートということになろう。下山口からは、きれいに整備された林道をのんびりと歩いた。見上げると、笹ヶ峰にも、寒風山にも霧がかかっていた。ただ、日向を歩く時の日差しはきつく、携帯していた雨傘を日傘代わりにした。

 

 

 

 

〈林道が縦横に走る長又川の谷〉

〈1時間半近くの急坂下りの末に林道に出る〉

 

 

 

 

 

〈林道脇に立つ手作りの指導標〉

〈「笹ヶ峰登山口」付近の佇まい〉

 

 

 

 

 

〈林道から頂上部が霧に隠れた寒風山を見上げる〉

〈振り返れば下って来た笹ヶ峰が一際高い〉

 

 

14:52 寒風山隧道南口(登山口)

  林道歩き約55分で一の谷から上がってくる旧道に出て、そこから約5分で駐車場のある寒風山隧道南口登山口に還ってきた。笹ヶ峰から2時間とはいかなかったが、2時間30分ほどの所要時間であった。ピストンより早かったことだけは間違いないようである。

 

 

 

 

林道から桑瀬峠、鷹ノ巣山を見上げる

 

 

 

〔山行所感〕

  素晴らしい夏の天気の稜線歩きを期待していたが、雷も懸念されるようなやや不安定な天気で、もう午前中から稜線部が霧で隠されてしまうほどに悪化した。梅雨明け宣言が出ているとはいえ、まだまだ四国を含めて安定した真夏の天気という訳にないかないようだ。今年の天気は、躊躇しているとなかなか梅雨明けを宣言出来ないことになるのではないかと懸念される。

  石鎚山系の笹の尾根は、そこまで上がってくるまでに必ず一度は急坂登りを余儀なくされるものの、いつも優しくて楽しい山行を満喫させてくれる所だ。そうした意味で、今回歩いた寒風山と笹ヶ峰の間の尾根は特筆される程に素晴らしいと思う。また、まだ歩いていない、笹ヶ峰の先のちち山から平家平の間も、素晴らしいところと思えた。いつか足を踏み入れてみたいものだ。

  そして、今回初めて辿った笹ヶ峰から林道・寒風大座礼西線への直下降ルートは持参した山と高原地図(昭文社)にも国土地理院の地形図にも載っていないルートである。ただ一部のガイドブックには「難路」として地図に掲載されているようだ。思い起しても厳しい道であったと思うが、本文中にも記したように下山時に利用する価値は十分にあると思う。つい単調になりがちな往復のピストンを避けて周回コースとすることが出来るのがうれしい。深い森の奥の四国特有の根元近くから幹が幾つにも分岐して拡がるブナの古木を数多く見ることが出来るのも楽しい。

  今回の四国の山の旅も得るものが多かった。四国の山々にも深く嵌まり掛けている自分を感じるのも事実である。 

 

 

 

 

〈山行経路概要〉   ・・・地図をクリックすると拡大図がご覧になれます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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