尾瀬沼を引き立てる東北一の高峰 燧ヶ岳(2,356m)

福島県南会津郡桧枝岐村

2008年9月24日(水)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平ヶ岳から見た燧ケ岳(2008年9月23日撮影)〉

 

 

 

南東北(南会津)の山の最終回となる第三弾は尾瀬沼の上に聳える燧ヶ岳とした。

前日の平ヶ岳の長丁場での疲れが気になるところであったが、結果的には意外に元気に歩けた。

むしろ、前日の厳しさを経験してより緊張し慎重なスタンスとなっていたようだ。

当初は御池からの北面ルートのピストン、或いは北面ルートから長英新道へのルートを考えていたが、

やはりこの山は尾瀬沼から見上げてから登るのが礼儀のような気がして、

沼山峠から一旦尾瀬沼湖畔に下り、長英新道を上って北面ルートを下るコース取りとした。

見事に晴れ上がった天気の下で、この日も目一杯歩いた一日となった。

 

《山行記録》

御池 8:32==(シャトルバス)==8:48尾瀬沼山峠 8:55・・・・9:15沼山峠展望台9:16・・・・9:42小淵沢田代分岐9:44・・・・9:59沼尻方面分岐・・・・10:05長蔵小屋無料休憩所10:12・・・・10:15長蔵小屋10:19・・・・10:22沼尻方面分岐・・・・10:33長英新道分岐 10:35・・・・11:02(着替え)11:05・・・・11:29(休憩)11:34・・・・12:35(休憩)12:42・・・・13:05ミノブチ岳13:12・・・・13:20ナデッ窪道合流・・・・13:43俎ー(2,346.0m)13:54・・・・14:13柴安ー(2,356m)14:25・・・・14:46俎ー(2,346.0m)14:52・・・・15:56熊沢田代16:01・・・・16:50広沢田代・・・・17:35三条ノ滝道合流・・・・17:38御池登山口(駐車場)・・・・17:43尾瀬御池ロッジ

〔総所要時間:9時間11分、休憩等:1時間19分、正味所要時間:7時間52分〕

 

 8:32 御池

   桧枝岐村の宿から国道352号線で御池(みいけ)へ。この日の宿の尾瀬御池ロッジの駐車場に自動車を停めさせてもらってから、隣接する山の駅(バスターミナル)で沼山峠へのシャトルバスの時間を確認すると程なく出るとのことであった。平日ゆえかそんなに混み合う様子もない。ここでこのバスで沼山峠へ行き、尾瀬沼を見てから燧ヶ岳に登るルートに変更することにした。午前8時半発のバスは、定員の半分にも満たない乗客を乗せて約2分遅れで出発した。

 

 

 

〈御池のバスターミナル〉

〈一般車通行止めの沼山峠への車道入口〉

 

 

 8:48〜8:55 尾瀬沼山峠

  尾瀬沼山峠のバスターミナルでバスを降りて、身仕度を整えてから尾瀬沼に向けて出発した。先ずは広い木道を上り始める。20分もしないうちに沼山峠でピークアウトし、展望所に立ち寄って尾瀬沼を見渡した。そのまま広い木道を下り続けると草モミジが美しい大江湿原に出た。リンドウが可憐に咲く大江湿原を縦断して行くと小渕沢田代への分岐に出合い、更に行くと湖畔近くになって右へ沼尻や長英新道方面へ行く道が分岐したが、一度湖畔から燧ヶ岳を見ておこうとそのまま木道を直進して長蔵小屋へと向かった。

 

 

 

〈尾瀬沼山峠バスターミナル前の村営休憩所〉

〈広い木道を先ず沼山峠へと登って行く〉

 

 

 

 

 

〈沼山峠展望台から尾瀬沼を望む〉

〈草もみじの美しい大江湿原に出る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈複線の木道が伸びる大江湿原〉

 

 

 

 

 

〈大江湿原から燧ケ岳を見上げる〉

〈大江湿原越しに尾瀬沼を望む〉

 

 

10:05〜10:12 長蔵小屋無料休憩所

  尾瀬沼ビジターセンターや長蔵小屋の前を通って、長蔵小屋の裏手にある長蔵小屋無料休憩所まで脚を延ばした。この無料休憩所の裏手の尾瀬沼湖畔から見上げる燧ヶ岳が見事なのだ。この日は晴れ上がって一際見事な燧ヶ岳が望めた。だが、朝の出発時間が遅かったこともあって、湖畔でゆっくりとしている余裕はそんなになかった。名残惜しい気持ちもあったが、再度大江湿原へと引き返し、沼尻方面への道を採った。 

 

 

 

〈尾瀬沼湖畔に建つ長蔵小屋〉

〈長蔵小屋の裏手にある無料休憩所〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾瀬沼越しに燧ケ岳を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈沼尻方面への道を採る)〉

〈大江湿原を流れる小川は魚影が濃い〉

 

 

10:33〜10:35 長英新道分岐

  大江湿原の分岐から10分程で長英新道への分岐に出合った。湖畔を行く道から右に分かれて鬱蒼とした樹林の中に入って行った。登山道は広いが、到る所がぬかるんでいて甚だ歩き辛い。「山と高原地図」によれば分岐からミノブチ岳までの間は「樹林の中のゆるい坂道がえんえんとつづく」と記されており、所要時間も2時間半という長さである。行けども行けどもオオシラビソの樹林の中の同じような景色で、目印になるようはポイントもなく単調な道筋であった。ただ緩やかな傾斜の樹林を抜けてミノブチ岳の山体に取り付き始めると、やっと長い間雨水に穿かれて深くえぐれた地形の急坂が延々と続くようになった。時折樹間から南を見ると眼下に尾瀬沼が美しい。行く手右上方に俎ー(まないたぐら)の険阻なピークが見え始めるとミニブチ岳までもうひと上りであったあ。

 

 

 

〈長英新道の分岐点〉

〈深い樹林の中を延々と行く)〉

 

 

 

 

 

〈森林の中の道は単調だ!〉

〈高みに上ると尾瀬沼の素晴らしい景気が見える〉

 

 

 

 

 

〈リンドウは今が盛りだ!〉

〈ミノブチ岳山上まであと少しだ〉

 

 

13:05〜13:12 ミノブチ岳

  ミノブチ岳は山の頂というより尾根上の広い踊り場のような所で、ケルンが積まれた広場があり、そこからの尾瀬沼やその先の日光連山の眺望が素晴らしかった。振り返れば俎ーの険阻なピークが聳えていた。先々のことを考えるとそう長居も出来ないので、早々に俎ーに向かった。暫し行くと沼尻から上がってくるナデッ窪道が左から合わさり、赤ナグレ山と俎ーとの間の鞍部からはいよいよ露岩の多い俎ーへの険しい上りとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ミノブチ岳の山上広場〉

 

〈尾瀬沼の先には日光連山が聳える〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ミノブチ岳は尾瀬沼を眺望する最高の場所か!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈険阻な俎ーを見上げる)〉

 

 

 

 

 

 

ナデッ窪道の合流地点

〈鞍部から柴安ーの先に尾瀬ヶ原、至仏山を遠望する

 

 

13:43〜13:54 俎ー(まないたぐら・2,346.0m)

  赤ナグレ山との鞍部から10分ほどで俎ーに上り切れるかと思っていたが、そうは問屋が卸さない険路で倍近くの時間がかかった。二等三角点のある頂上も露岩が累々としており、そこに幾つかの祠が祀られていた。眺望は抜群で、周囲360度の大眺望であった。中でも尾瀬沼とその背後の日光連山が美しい。また目を西に転じれば柴安ーでやや右手前を隠されてはいるものの尾瀬ヶ原がその背後に至仏山を控えさせて広がっていた。柴安ーの右手には前日に登ったばかりの平ヶ岳が平らかなスカイラインを見事に引いていた。北方にはこれまた大きな会津駒ヶ岳の山体が横たわっていたが、ここだけは頂き部分に厚い雲が懸かっていた。   

 

 

 

 

〈俎ー山頂

〈俎ーから見た柴安

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雲をいただいた会津駒ヶ岳〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈前日登った平ヶ岳〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈武尊山のはるか右奥には八ヶ岳の山陰が見える!〉

 

 

 

14:13〜14:25 柴安ー(しばやすぐら・2,356m)

  俎ーからの絶品の眺望で満足すべきかも知れないが、ここはやはり燧ヶ岳の最高峰の柴安ーにも脚を延ばしておかないといけまいと、俎ーの岩陰にザックをデポしてピストンすることにした。俎ーの西面の急坂を鞍部まで下り、直ぐにこれまた険しい柴安ーの東面を一気に上がった。片道20分弱の道のりであった。柴安ーの頂上は西に向かって広々と開けており、その先に尾瀬ヶ原の大らかな眺望が広がっていた。ここからの眺望も俎ーに劣らず絶品であった。

 

 

 

〈柴安ーの頂上広場から西方の眺め

〈尾瀬ヶ原、至仏山、武尊山が一望できる)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾瀬ヶ原〉

 

 

14:46〜14:52 俎ー

  柴安ーから再度俎ーへ返り、いよいよ下山にかかることになった。時刻は既に午後3時近くになっていた。登山地図では北面ルートで御池までの所要時間は2時間半で、何とか暗くなる前に下山出来る見込みであった。尾瀬沼の畔を登り始めた時から今日も時間的な余裕はあまりないと思い、休憩も定期的に短時間とし、食事も行動食としてきた。

  俎ーを出るとドンドンと下って行く。途中で迷い易い所が何箇所かあるということで用心をしていたが、それぞれのところに注意書きがなされてあって大事はなかった。また歩きにくい道との前宣伝を聞いていたが、それは熊沢田代近くになって最初に現れた。長い長い沢筋のガレ場が厭というほどに続き、疲れた脚には大きな負担となった。またその単調さには目眩を感じるほどであった。

 

 

 

〈柴安ー側からーを見上げる

〈俎ーの北面尾根

 

 

 

 

 

〈下山ルートの通る北面の先に会津駒ヶ岳を望む〉

〈長いガレ場が続き閉口した〉

 

 

15:56〜16:01 熊沢田代

  長く単調なガレ場の下には、「こんな山の上に広々とした湿原があるとは!」と摩訶不思議な気持ちを抱くほどに立派な熊沢田代が広がっていた。上から見下ろすと、草もみじの広い草原の中に二つの池が良い塩梅のアクセントとなっており、その原を木道が縦断する様は、絵に描いたような風であった。

  この心地良い田代を過ぎると、沢筋の岩が累々とする道が続く。滑り易い岩を伝いながら下って行くのは先のガレ場の下りよりも歩き辛く、疲れた脚に優しくない。もう一つの目印となる広沢田代までが意外に長くかかったように思えた。広沢田代を過ぎれば、もう下山もカウントダウンをする領域に入ってくるのだが、湿っぽく、露岩累々の悪路が相変わらず続いて心安らかな気持ちになれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈広々とした熊沢田代を見下ろす〉

 

 

 

 

 

 

〈アクセントとなる二つの池の間を木道で通過する〉

〈熊沢田代から俎ーを振り返る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈熊沢田代の池越しに越後三山方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈遥か雲の取れた会津駒ヶ岳を望む、手前には広沢田代が見える〉

 

 

 

 

 

 

〈こうした歩きにくい悪路が延々と続く〉

〈木道になると歩き易くてホッとする〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈西日を浴びる広沢田代〉

 

 

 

17:38 御池登山口

  悪路の北面ルートを難渋して下って来て、そろそろ夜の帳が下りようかという午後5時半過ぎに三条の滝方面から来る燧裏林道の木道に合流した。ここでやっと下り切った安堵感を覚えた。この合流地点から数分で御池の大駐車場の裏手の登山口に到達した。今夜の宿の尾瀬御池ロッジは、この駐車場を横切ってバスターミナルを越えたところにある。

 

 

 

燧裏林道の木道に合流する

〈御池駐車場の奥にある登山にゴール〉

 

 

 

〔山行所感〕

  尾瀬沼の至宝の燧ヶ岳である。沼と峰が一体になって天下の絶景を形作っている。そんな燧ヶ岳へはやはり尾瀬沼方面から登るのが正解であるようだ。今回は御池から北面のピストン案もあったが、あの暗く湿っぽい道を往復しただけなら燧ヶ岳には虚しくも惨めな印象しか残らないのではないかと危惧する。今回、思い切って沼山峠から尾瀬沼に下り、沼越えに燧ヶ岳を見てから御池へと山越えしたのは、やや時間的に焦りはしたが良い判断であったと思う。

  かくして、これで今回の南東北(南会津)の三座へのチャレンジの遠征を何とか成功裡に終了することが出来た。容易な山は一つとなく、それぞれに忘れ得ぬ思い出を残すことが出来た。この地域の山は東北地方というより、上信越の山に類似した特色を持ち合わせていると思う。これから先に登る計画のある上信越の峰々も多い。今回はこの地方への山行のプレリュードであったとも言える。

 

 

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