九重の至上の紅葉も霧に包まれて 大船山(1,786.2m)

大分県竹田市

2008年10月19日(日)    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大船山々頂の御池南面の紅葉〉

 

 

 

前日に大船山へ登ったZ氏から携帯メールが入ってきた。

曰く「明日のこちらの天候がよければ大船に向けて出発されることを薦めたくなるほど素晴らしい紅葉でした!」

これを見て、石鎚山に行こうか、九重にしようか迷っていた心も決まった。

早起きをして早暁に広島を発って一路九重へ・・・!

山陽道〜中国道〜九州道〜東九州道〜国道10号線〜宇佐別府道路〜大分道と乗り継いででちょうど400q、

午前9時過ぎに大船山の南麓の板切登山口に到着した。

頭上に聳える大船山は時折頂上付近に霧が流れているようであるが、きれいに晴れて申し分ない天気であった。

 

      《山行記録》

板切登山口9:35・・・・10:11牧場道終り山道へ・・・・11:05有氏・岳麓寺道合流・・・・11:10入山公墓入口 11:14・・・・11:21鳥居窪・・・・12:33大船山(1,786.2m)12:38・・・・12:44御池13:00・・・・13:04有氏・岳麓寺道合流・・・・13:08大船山(1,786.2m) 13:14・・・・14:18入山公墓入口14:20・・・・14:25板切ルート分岐・・・・15:25板切登山口 

〔総所要時間:5時間50分、昼食・休憩等:0時間33分、正味所要時間5時間17分〕

 

 

 9:35 板切登山口

    九重山塊の南山麓を気持ち良く走る奥豊後グリーンロードを東進していると左側に鋭角的に曲がる三差路へ出合った。左にとると板切方面、「フラワーズヴァレー」、右手に直進すると七里田温泉との道標があった。ここを左折してやや狭くなった道を山の高みに向かって上って行った。直ぐに左に分かれる道があったがこれは無視して右手の道を進む。右手に「フラワーヴァレー」の店があったが通過して進んで行くと、道は牧場が拡がる傾斜地に入って行き急激に標高を高めていった。ドンドンと高く上って行く右手奥に車が2台停まっているのが見えた。そこが登山口であろうと見当をつけてヘヤーピンカーブを曲がって行くと、道は柵で通行止めにされた。 その柵の手前の崖の上の道路の膨らみに先程の車が2台停められてあった。我々もそこの空きスペースに車を停めた。

 

  さて、登山口らしき所に来たけれど、ここには何の案内標識もなく且つまた誰もいなかった。正直言って最初はここは別の登山口だと思っていた。前日大船山に登ったZ氏に電話して道順を聞いてみてから近くを探索してみたが要領を得ない。どうも想いとは違う登山口に来ているようだと気付き、後から来た熊本からの単独行のS青年と共に兎に角大船山方面に向かう牧場道を上って行くことにした。

 

 

 

 

〈板切登山口から笠雲の懸かる稲星山(左)と大船山(右)を仰ぐ〉

〈先ずはアスファルト舗装の牧場道を上り行く〉

 

 

  牧場道はアスファルト舗装されており、それがなだらかな傾斜で左へ右へ幾たびもカーブを繰り返しながら上へ上へと登って行っている。かなり行って舗装が切れてもまだ牧場道は上へ延びていた。やがて尾根上に上り切って霧が掛かり始めた大船山を正面に見るようになった頃、牧場道から外れて右手の灌木の中に延びる登山道へと入って行った。この山道が幅2〜3メートルもあろうかという立派なもので、樹林の中にたおやかに延びていた。仲々に良い登山道だと感心しながら行くと、やがて樹林から出て草原の中に飛び出した。どうも広々とした湿地の中のようであるが道はススキの原の中を先へと延びており、背の高いススキを掻きわけて進む難路へと変わった。湿地の平地を抜けて傾斜面に掛るとススキに潅木が加わり、テーピングに従って何とか進める藪漕ぎ気味の道となった。時折眺望の効く所へ出て下を見渡せば、長池台の大地の先に広々と拡がる久住高原の眺望が素晴らしかった。大船山はますます濃い霧に包まれているようであり、こちらには気持ちを暗くさせられた。なお半藪漕ぎを長々と続けて行き、有氏・岳麓寺方面からのしっかりした登山道に出た時には救われたような気持ちになった。この合流点から5分間ほど上って行くと入山公墓入口に到達した。

 

 

 

 

〈雲が掛かり始めた大船山を眺めながら未舗装の牧場道を行く〉

〈右手の山裾の先には黒岳が覗く〉

 

 

 

 

 

〈牧場道が終わり樹林の中の広い登山道に入る〉

〈樹林帯を抜けてカヤトの湿地から霧の大船山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈見返せば長池台(880.9m)の先に久住高原が拡がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に覆われ始めた大船山の山裾も紅葉の走りの時期である〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した山裾の先の黒岳にも霧が巻き始めた!〉

 

 

 

11:10〜11:14 入山公墓入口

  入山公墓入口で有氏登山口から登ってこられたグループと一緒に小休憩した。有氏の駐車場からここまで2時間の時間を要したという。我々は難路ながらも1時間半で来ているので、板切は大船山への最短距離の登山口かも知れぬ。  

  入山公墓入口を早々に発って山頂へと急いだ。10分ほどで鳥居窪と呼ばれる広々とした空間に出るが、この辺りから直ぐ上がもう霧に巻かれており、広々とした感じを掴むことが出来なかった。鳥居窪を出ると、暫くは緩やかな巻き道を行くが、やがて頂上直下まで続く急坂となる。この辺りまで上って来るともう完全に霧の中に突入したようで、霧の濃いところでは周りが薄暗く感じられるほどであった。途中の露岩上やテラス状の所からは久住高原や祖母・傾、阿蘇などの大眺望が得られるのであろうがこの日は期待しようがなかった。霧の中をミヤマキリシマなどの灌木の枝に身体を擦られながら黙々と上って行くと、やがて霧の中に薄っすらと頂上らしきシルエットが見えてきた。

 

 

 

 

〈第三代岡藩主・中川久清(入山公)の墓地入口〉

〈入山公墓入口から約10分で広々とした鳥居窪を通る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈色付いたカエデに足早な季節の移ろいを感じます〉

 

〈紅葉の交じる森の中の急坂を一気に登る〉

 

 

 

 

 

〈上る程に霧は濃くなり紅葉で彩られた岩峰も墨絵のようです〉

〈もうすぐ山頂なれど、やっと山の端が見えるだけの濃い霧です〉

 

 

12:33〜13:14 大船山(1,786.2m)

  3時間弱の時間で大船山頂上へ到達した。だが、霧が巻いているだけで直近のもの以外の眺望は効かなかった。好天の予報に多くの登山者が登ってきていたが、皆所在なげに頂上の指導標の前で記念撮影するか、肌寒い中で弁当を開けるしかすることもないようであった。眺望が開ける可能性が微塵も感じられなかったので、せめて来た印に御池の写真でも撮っておこうと御池々畔へ下ってみた。そこも深い霧に巻かれており、直近の物以外は何も見通せないミルキーな世界であった。

  だが大船山の神は我々を見棄てはしなかったようである。池畔で昼食を摂ろうとしていると、それまで何時間も開けていなかった霧が段々と薄くなってきて、やがて霧の中から池の対岸まで見え始め、更には薄い霧のベールをほぼ取れて見事な紅葉の御池が目の前に現れた。夢のような時間であった。その時間は数分間続いたと思う。早々に昼食を摂ってから、頂上部はどうであろうかと再度上って行ってみた。登頂時には一切見えなかった北面の上部の霧が開いており、見事なドウダンツツジの紅葉を見ることができた。御池といい、頂上といい、この日の山の神の思し召しに感謝して下山することにした。

 

 

 

 

〈大船山々頂到着、だが深い霧の中!〉

〈直近のもの以外はすべてミルク色に染まる霧の山頂〉

 

 

 

 

 

〈御池に下ってみたが、ここも霧の底で単色に近い世界〉

〈あれれ・・・、 諦めて下山しようとしていると池の霧が開け始めた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧が晴れた御池東面の紅葉、池面に色合いを映します〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉にガスが巻き始めると幽玄さが加わる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈御池南面から西面も見事に紅葉す!〉

 

 

 

 

 

 

〈霧が薄くなった大船山山頂の南面を仰ぎ見る〉

〈多くの登山者が憩う頂上南面直下の緩斜面〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈段原方面から霧の中を続々と登山者が登ってきます〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大船山々頂北面の紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧がここまで開けましたが、段原まで見渡すことは出来ません〉

 

 

 

14:18〜14:20 入山公墓入口

  霧に巻かれた道を引き返した。入山公墓入口下の板切ルートへの分岐まで、露岩やゴロ石に気を付けながらも紅葉の色合いを深める樹々を楽しく眺めながら下って行った。こよなく大船山を愛した第3代岡藩主中川久清公(入山公)の墓所にも寄ってみたかったが、この日は時間もなく次回以降に回すこととした。入山公墓入口で一緒に下山したいと仰っていた熊本のS君とうまく出合って、上りで難渋したブッシュの中も比較的スムーズに下り、樹林の中の滑り易い山道も、更に牧場道も一気に下って頂上から2時間程で車を置いた板切登山口へ下山した。

 

 

 

 

〈紅葉の落葉を踏みしめ下山を急ぎます〉

〈鳥居窪の直ぐ上から相変わらず霧の中でした〉

 

 

 

 

 

〈久住高原は霧に閉ざされそうになっていました〉

〈振り返れば大船山の山頂部は深い霧の中〉

 

 

14:24 板切登山口

  下山した時、朝方はきれいに見えていた大船山も稲星山も完全に霧の中に隠れていた。そればかりではなく、久住高原も厚い雲に覆われて、やや薄暗く感じられる悪天候に変わっていた。山の天気というのは、やはり予報や期待通りにはいかないことが多いのだ。それでも、山上での山の神の数分間の思し召しで、随分と楽しい山行となったように思えた。

 

 

 

 

〈板切登山口:大船山も稲星山も完全に霧の中に隠れている〉

〈板切登山口の牧場の柵〉

 

 

 

〔山行所感〕

  今回はZ氏のメールでの誘い水があって実現した山行であった。彼自身、あまりもの美しさに感動し切って発したメールだったという。こうした山行の契機を作ってくれた山友に先ずは感謝したい。

  大船山へ南麓から登るには、今回辿った@板切コースを初め、A有氏ガランコース、B岳麓寺コースの3つのルートがあるようである。その中で板切コースは最も利用されることが少ないルートであろうと思う。一切の標識も案内もなく、ススキの原や灌木帯は暫く刈り込みがされていないようであった。やや厳しいルートではあるが、言ってみれば牧場の柵を勝手に越えて、牧場道を歩かせてもらっているのであって、勝手なことは何も言わずにその厚意に感謝しながら、少しずつでもいいからより良い登山ルートとなるべく少しでも多くの登山者に愛されることを希望したいと思う。ブッシュの所を整備さえすれば、距離といい、眺望といい良いルートとなるのは間違いない。

  南麓から初めて大船山へ登って、改めて九重山の大きさ、多様さを実感した。また、霧の中に垣間見たドウダンツツジの紅葉の艶やかさ、美しさは例えようのない至上のもののように思た。最高の条件下で見れなかったのは、あの優しい山の神が「またお出で!」と仰っておられるのだと解釈したい。何度行っても飽きることのない美しさだと思う。

 

 

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