紅葉の森を歩く 砥石郷山(1,177.0m)・台所原・恐羅漢山(1,346.4m)・旧羅漢山(1,334.2m)

広島県山県郡安芸大田町

2008年11月9日(日)  月光さん+増長天さん+門久

 

 

 

 

 

 

〈見事に色付いた台所原のブナの森〉

 

 

 

今年も紅葉の台所原を訪ねることにし、同行のメンバーと予め11月の第2週末を挙行日と決めていた。

結局は前日来の雨が明けたこの日に出掛けることとなった。

天気予報は全日曇り空と、紅葉見物には必ずしも最適ではないものの自然現象ゆえ仕方ない。

車を二軒小屋と牛小屋高原の両駐車場に配して、

「牛小屋高原〜焼山峠〜砥石郷山ピストン〜台所原〜恐羅漢山〜旧羅漢山〜水越峠〜二軒小屋」

のやや長い周回コースを採ることとした。

山中では今年も予想通りの素晴らしい紅葉(黄葉)と出会うことが出来た。

それに加えて、意外な出会いも待っていた。

 

《山行記録》

  牛小屋高原8:55・・・・9:25夏焼峠9:26・・・・9:30砥石郷山分かれ・・・・9:44 1,116mピーク9:49・・・・10:09砥石郷山(1,177.0m)10:17・・・・10:36 1,116mピーク10:42・・・・10:51砥石郷山分岐・・・・10:55夏焼峠・・・・11:13早手のキビレ10:14・・・・11:22管理林道出合・・・・12:00台所原平(中の甲林道終点)12:46・・・・12:53台所原12:57・・・・14:09台所原分かれ(恐羅漢山主稜出合)・・・・14:11恐羅漢山(1,346.4m)14:20・・・・14:42旧羅漢山(1,334.2m)14:54・・・・15:49水越峠登山口・・・・15:53獅子ヶ谷登山口・・・・16:45二軒小屋駐車場

〔総所要時間:7時間50分、昼食・休憩等:1時間32分、正味所要時間:6時間18分〕

 

 8:55 牛小屋高原

  広島市内から通勤割引を活用して山陽道、中国道で戸河内ICへ。戸河内の街を抜けて、国道191号線の「戸河内バイパス西口」交差点を左折しアーチ橋の明神橋を渡ってから直ぐに右折して内黒峠越えの県道で二軒小屋へ。二軒小屋駐車場に一台自動車をデポしてから牛小屋高原の駐車場まで上った。

  紅葉の季節であり牛小屋高原の駐車場は混雑しているかと思いきや、10台ほどの自家用車と山口ナンバーのツアーバスが一台停まっているだけで、やや拍子抜けの佇まいであった。天気が優れないので出掛けるのを断念したり、様子見で出足が鈍いのかも知れないが些か寂しい。

  身仕度をして早々に出発した。登山口のモミジも紅葉して秋の真っ只中の風情頻りであった。カヤバタゲレンデの両脇の樹々もきれいに紅葉しており、スキー場リフトには既に座席が取り付けられ冬の営業開始に向け準備が進んでいた。夏焼峠への登山道沿いの樹林は既に紅や黄色に紅葉していたが、厚い雲に覆われた上空からは弱い陽光しか届かず、素晴らしい筈の紅葉を沈んだ色合いにしていた。登山口から30分ほどで到着した夏焼峠では、冷え込んだ今朝の天気に厚着をして出発した登山者が、ここまでの歩行で体温が上昇したのであろう、峠の指導標に衣類を掛けて着替えをしていた。その傍らを抜けて峠を越え「砥石郷山分かれ」に向かった。

 

 

 

 

〈牛小屋高原の登山口〉

〈夏焼峠への登山道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈素晴らしい色合いの夏焼峠への登山道沿いの森〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈素晴らしい色合いのカエデ〉

 

〈カエデに彩られた登山道〉

 

 

 9:30 砥石郷山分かれ

  夏焼峠から数分で「砥石郷分かれ」である。砥石郷山へは中の甲へと下って行く道から右に折れて行く。その分岐に今年5月に広島山岳連盟の手で立てられたまだ新しい指導標があった。それによると頂上まで45分とあった。

  分岐からは緩やかな上り道が始まる。ミズナラを主体にした森の中を行く道である。この辺りまで上ってくると、樹々も殆ど葉を落としており、時に葉持ちの良い樹があると、きれいに紅葉や黄葉していた。分岐から15分弱で標高1,116mのピークに立った。ここからの恐羅漢山、十方山方面の眺望はこの山域中で随一である。通ってきた内黒峠方面の紅葉も素晴らしい。素晴らしい眺望を見るにつけ、やはり陽光が射さないこの日の天気が惜しい気がする。ともあれここからの大眺望を暫し楽しんでから砥石郷山の頂きを目指した。一旦大きく鞍部へと下ってから、次のピークへの緩やかな笹の下生えの中を行く道を上って行った。だがここはまだ頂点ではない。優しい下り気味の尾根筋を更に行くと小さな湿原の脇を回り込んで、その先の小高いところにある砥石郷山の頂上に到達した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈1,116mピークから仰ぐ恐羅漢山〉

 

〈砥石郷山分かれ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈1,116mピークから内黒峠方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈眼下の森は紅葉の盛りだ!〉

 

 

 

 

 

 

〈砥石郷山々頂への登山道〉

〈砥石郷山々頂手前の沼地〉

 

 

10:09〜10:17 砥石郷山(1,177.0m)

  砥石郷山の山頂には二等三角点とこれも今年5月に立てられた山名標がある狭い広場があるが、その周りは灌木で囲まれていて眺望はない。ただその頂上広場から北東の田代方面へ道が延びており、その道を少し下って行くと、深入山や臥龍山などの眺望が得られる。先々の長い道程を考えると、田代方面へそんなに下って行く訳にも行かないので、直ぐに来た道を引き返すことにした。

 

 

 

 

〈砥石郷山々頂〉

〈砥石郷山から深入山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂から内黒山、内黒峠付近を遠望する〉

 

 

 

10:36〜10:42 1,116mピーク

  砥石郷山からアップダウンを繰り返して1,116mピークまで帰ってくると、二組のグル―プの人達が休憩がてら談笑しておられた。聞くでもなしに眺望を再度楽しんでいると、どうも知っている方の名前が耳に飛び込んできた。「あれ〜!」と思いながら、一つのグループの人達の様子を拝見すると、ザックに刺繍で記した名前がまた別の存じ上げた方のもの。間違いなく、この方々だと確信して声を掛けてみた。今まで幾度もニアミスはするもののお遭いすることのなかった、「気ままな山登り」さんとランボーさん達のグループ6名(気ままさんご夫妻、ランボーさん、かずさん、かずさんの息子さん、ガクさん)であった。声を掛けると一際賑やかな山頂となった。もうこのピークから引き返して台所原を目指すと言われるグループの人達とご一緒して、台所原へ案内することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈1,116mピークから十方山、恐羅漢山を望む〉

 

〈砥石郷山分かれに向け下山する〉

 

 

10:55 夏焼峠(なつやけのキビレ)

  砥石郷山から夏焼峠へ帰った。ここから南の恐羅漢山への尾根道を暫し辿ってから管理林道へ下って台所原を目指すこととなる。気ままさんやランボーさん達は台所原は初陣とのことであった。峠から1,131.8m峰までの急坂を一気に上った。急坂を上り続けると体温が上がって、また一枚脱ぎたくなる。ピーク手前から振り返ると、夏焼峠越しに先ほど登ったばかりの砥石郷山が見渡せた。ピークから緩やかに下って行くと、台所原へ続く管理林道への分岐は直ぐだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈夏焼峠の指導標〉

 

〈夏焼峠近くのブナの紅葉〉

 

 

 

 

 

〈1,131,8m峰付近から砥石郷山を振り返る〉

〈1,131.8m峰山頂付近の落葉した老ブナ〉

 

 

11:13 早手のキビレ

  かつては「管理林道分岐」などと無理に表記していた所にも今年5月に指導標が立てられて「早手のキビレ」という立派な地名が記されてあった。ここから右手に道を採って下って行く。尾根上辺りの樹々は既に葉を落としているものの、下って行くに従って葉が残っているようになる。分岐から10分足らずで管理林道へ出た。ここからは中の甲林道終点の広場まで一本道の管理道を歩いて行くことになる。単調な道ではあるが、行くほどに沿道の樹々の紅葉が美しくなって行き、また中の甲の谷間を挟んで対する天杉山(あますぎやま)や中川山(なかごうやま)などの眺めも良くなってきて、賑やかな会話共々退屈する暇などなかった。

 

 

 

 

〈早手のキビレの分岐〉

〈管理林道に出合う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈管理林道沿いの見事に紅葉した樹々〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈中の甲の谷の先に聖山と高岳を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈一際映えるカエデの紅葉〉

 

〈管理林道を行く〉

 

 

12:00〜12:46 台所原平(中の甲林道終点)

  中の甲林道の終点の広場に正午ちょうどに着いた。広場周囲の樹々は紅に黄に見事に色付いており何と美しいこと!ここにも今年5月に広島山岳連盟の手で指導標が立てられており、それによるとここは「台所原平」と記されていた。「だいどころだいら」と読むのであろう。果たしてうまく呼称として定着するであろうか。この広場で大グループがきのこ汁を作って次々と戻って来る登山者を迎えていた。我々もここで昼食を摂って体力を付けてから、この日のメイン舞台である台所原に踏み込むこととした。

 

 

 

 

〈台所原平の指導標〉

〈広場周辺は今が盛りの紅葉であった〉

 

 

12:53〜12:57 台所原

  台所原平から台所原の一画に踏み込みと雰囲気は一挙に変わり、素晴らしいブナの古木の林となる。ミズナラの古木が守り神のように立つ天杉山や亀井谷方面への分岐となる地点が台所所原の中心部でいわば「銀座4丁目」に当たる。ここから予定通りに恐羅漢山の山頂方面への道を採った。この先のブナの森がもっと良い。言葉にならないような黄色の海が続いている。曇天で光量の弱い中でこうなのだから、晴れておればその美しさは如何ばかりであろうか?やはり曇っている天気が恨めしい。恐羅漢山に登るに従って少しずつ森の色合いも変わって行く。それがまた美しく楽しい。さながら、ここでは写真撮影会のような様相となった。それでも、標高が1,200m辺りになると、樹々の葉も落ちてしまって、初冬のような雰囲気に変わってきた。その辺りからは登山道も急坂となって、美しい紅葉、黄葉を楽しんで弛緩していた身体にやや過重に感じられる登攀となった。

 

 

 

 

〈台所原の指導標〉

〈台所原の主のようなミズナラの古木〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈素晴らしい黄色の海が広がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈自然の織り成す贅沢な色彩の妙〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈将に錦の色合いだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈心身共に癒される森だ!〉

 

〈黄金色の森を行く〉

 

 

 

 

 

〈上るに従って落葉した樹が多くなってくる〉

〈色鮮やかなカエデがお出迎え〉

 

 

14:11〜14:20 恐羅漢山(1,346.4m)

  恐羅漢山の山頂には、多くの登山グループの姿があったが、我々が記念撮影などをしている間に皆さん下山の途に就かれたようであった。暫しここからの眺望を楽しもうとしたが、全体に靄がかかったような光景で、今ひとつ迫力がなかった。ここまでご一緒した気ままさんやランボーさん達は立山尾根を牛小屋高原へ下られるので、水越峠を経由する我々はここでお別れすることとなった。名残は惜しいものの先はまだ長いので早々に出立することとした。 

  恐羅漢山の山頂を出ると左手の谷に向こうに十方山がきれいに見えてくる。十方山などを眺めながら10分間ほど稜線の道を下って行くと平太小屋原の鞍部となる。老杉が繁り、濃密な下草のあるやや湿った静謐な所である。平太小屋原を過ぎると緩やかな潅木の中の山道となり、それを上って行くと巨岩がどっしりと鎮座する旧羅漢山の頂上に到達した。

 

 

 

 

〈恐羅漢山々頂〉

〈恐羅漢山から臥龍山・砥石郷山・深入山を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈尾根道から十方山を遠望〉

〈尾根道からカサゴヤのキビレ、彦八の頭方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈眼下の横川川沿いの谷は紅葉の盛りだ!〉

 

〈老杉が繁る平太小屋原〉

 

 

14:42〜14:54 旧羅漢山(1,334.2m)

  久々の旧羅漢山であった。頂上の巨岩の上に上がって広見谷やその先の広見山や半四郎山の眺望を楽しんだ。月光さんと増長天さんも隣の岩の上に上がって同じ景色を楽しんでいた。山頂部は既に落葉しており、紅葉見物としては寂しい眺望であるが、久し振りに見る石見の山々の眺望に、またこの山域にも行ってみたいと思った次第。

  午後3時近くになったので、旧羅漢山を早々に発って下山の途に就いた。水越峠近くの登山口まで約1時間の道程であるが、最初の30分間弱は平坦とも思える緩斜面を、次の15分間弱は緩い下り斜面を、そして最後の15分間弱は急傾斜地を下る道である。笹の中の道であるが、概してよく刈り込まれていて歩き易い。下る程に、落葉松やブナの黄葉が多くなって、再び美しい紅葉を楽しめた。ここでも、願わくば晴れてもっと光を!・・・という想いであった。

 

 

 

 

〈巨岩が鎮座する旧羅漢山々頂〉

〈広見山、半四郎山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈十方山を仰ぎながら水越峠への道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下り行くほどに見事な紅葉を楽しめる〉

 

 

 

 

 

 

〈落葉松とブナの黄葉が美しい〉

〈登山道はモミジロードでもある〉

 

 

15:46 水越峠登山口

  旧羅漢山から1時間弱で水越峠の少し北の峠道の曲がり角に出た。かつては赤いテープしか目印になるものはなかったが、ここにも新たに広島山岳連盟の立てた指導標があり、登山口らしい佇まいに変わっていた。ここからは、荒れた林道を小一時間二軒小屋まで歩く。退屈で足に来る悪路であるが、この日は横川川(よこごうがわ)の流域やその背後の山々の紅葉が美しく、楽しみながら歩くことが出来た。ひたすら歩けば40分間位のところであろうが、写真撮影などに時間を取られてやはり1時間弱の時間がかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈水越峠登山口に立つ新しい指導標〉

 

〈紅葉した林道を二軒小屋へ向かう〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈見上げれば見事に紅葉した峰〉

 

〈横川川の渓谷も紅葉に染まっている〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈今が盛りの紅葉で彩られた沿道の山肌〉

 

 

 

16:45 二軒小屋

  無事に二軒小屋の駐車場に帰着出来た。帰り間際になって、西の空が明るくなって、陽光を拝めそうな雰囲気となったが、もう遅過ぎる。荷物を整えて、一台の車で一旦牛小屋高原へ上がってから、再び二台に分乗して帰路に就くこととした。時刻は午後5時近く、釣瓶落としの秋の陽が姿を隠して、夜の帳が降りそうな時刻であった。

 

 

 

 

〈二軒小屋駐車場からサバの頭、内黒峠方面を見上げる〉

〈二軒小屋駐車場の背後の山の紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山行ルート図〉

 

 

 

〔山行所感〕

  紅葉の台所原を訪ねることをメインテーマにした今回の山行は、その前後に砥石郷山と旧羅漢山〜水越峠ルートを加えることによって、この山域がより多様性を持つ所だということを現すことが出来たように思う。昨年は台所原から中川山、天杉山へ行った。言い換えれば、台所原はこの山域の多様な要素を繋ぐ位置にあるということだと思う。

  今年も台所原のブナは見事であった。ただ天気に恵まれず、「目が覚めるような・・・」というところまでではなかったのは自然現象によるもので仕方がないものの、残念であった。

  それと共に、今回の山行では山の神の導きのお陰であると思うが、多くの人達との出会いがあった。ネット仲間との待望の遭遇と交流は、楽しくも思い出深いものとなった。遭遇は出来なかったものの、同じ山域で同じ空気を共に吸った仲間もいたようであるし、仁王さん夫妻とも山中で擦れ違っただけとなったが、今年も秋の台所原を共に訪ねることが出来たのは幸せなことであった。皆さん大変にお疲れ様でした。今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

 

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