ジョシのキビレ〜亀井谷〜台所原を経由して周回 恐羅漢山(1,346.4m)・旧羅漢山(1,334m)

島根県益田市匹見町・広島県山県郡安芸太田町

2009年5月10日(日)      仁王さん夫妻+門久

 

 

 

 

 

 

〈ジョシのキビレからジョシ谷への巻き道は濃密な森の中に延びる〉

 

 

 

蛇や熊が冬眠から覚める前に広見谷からジョシのキビレを越えて亀井谷に抜けたいと思っていた。

春5月になって彼らはもう目覚めてしまったので、さて・・・・と考え始めて、

今度は、笹が伸びてしまう前には是が非でも越えておこうと決心した。

チャコは諸事多端で一緒に行けず、単独では熊クンの不安があったが、

声を掛けてみると仁王さん夫妻が同道出来るというので、これは吉報、吉日と一緒に出掛けることとなった。

 

【今回の山行に際しては、「AKIMASA NET」 と 「髭じじーの山便り!」 のそれぞれ該当のページを参考にさせて頂きました。

また、この日お会いした「のびへいさん」のサイトにもほぼ同一ルートの踏破レポートがあります。】

 

《山行記録》

 ハゲノ谷分岐9:05・・・・9:07広見山登山口9:10・・・・9:29ジョシのキビレ分岐9:34・・・・9:49ジョシのキビレ9:54・・・・10:29ジョシ谷10:34・・・・11:07亀井谷出合11:10・・・・11:39石垣・・・・11:46三十三曲り入口(昼食)12:30・・・・13:07台所原13:09・・・・13:47(休憩)13:51・・・・14:09尾根出合・・・・14:11恐羅漢山(1,346.4m)14:26・・・・14:48旧羅漢山(1,334m)14:54・・・・15:18カマのキビレ・・・・15:26広見林道終点分岐・・・・15:43三本栃15:52・・・・16:04ハゲノ谷林道・・・・16:14ハゲノ谷分岐

〔総所要時間:7時間09分、昼食・休憩等:1時間41分、正味所要時間:5時間28分〕

 

 

 9:05 ハゲノ谷分岐

  いつものように中国道戸河内ICから国道191号線で出合原の道の駅匹見峡まで走り、県道307号線に乗り換えて匹見の街へ出た。そこから恐怖の国道488号線を約10kmだけ走って鋭角の屈折点で広見林道に入って最奥部まで車を乗り入れた。車は広見山登山口まで入れるが、下山時の利便を考慮して少し手前のハゲノ谷への入口の空地に停めた。

  身支度を整えて長い日帰りの山行に出発した。広見川に沿って林道を数分遡って行くと車止めの鎖があり、その左手が広見山登山口である。ここでトイシ谷の沢を渡って広見川本流に沿ったミチガ谷へと入って行った。2万5千分の一の地形図には破線で表示されている比較的幅広な作業道と言った感じの道を北西方向に谷を遡って行く。15分も遡ると間もなくジョシのキビレへの踏み跡の分岐が右手にある筈なので、そこを見落とさないように気を付けながら進んで行った。

 

 

 

 

〈ハゲノ谷入口の空地に自動車と停めて出発だ〉

〈広見山登山口〉

 

 

 

 

 

〈ミチガ谷の作業道を行く〉

〈エンレイソウ(ユリ科)〉

 

 

 9:29〜9:34 ジョシのキビレ分岐

  辿ってきた作業道が北西方向から大きく西方向に方向転換する手前の右手の笹原に幾つものテーピングがあり、そこがジョシのキビレへの分岐であろうと見当を付けた。笹原に踏み込んで沢を右岸から左岸に渡ると、杉林の中にかすかな踏み跡があり、はっきりとしたテーピングが北東へと入る谷あいに向かって進路を示していた。テープに従って杉林の中の踏み跡を登って行けば先ずは迷うことはなかった。杉林の先に新緑の自然林が見えてくると、そこはジョシのキビレからカマのキビレ方面へと延びている尾根筋であった。踏み跡は尾根筋の直ぐ手前で左に折れて、それを辿って行くとその辺りの最低鞍部であるジョシのキビレに飛び出た。

 

 

 

 

〈ジョシのキビレへの分岐〉

〈笹原に踏み込み沢を左岸へ渡る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾根直下で左手にトラバース〉

 

 

 

〈杉林の中の踏み跡を辿る〉

 

 

 9:49〜9:54 ジョシのキビレ

  ジョシのキビレは少しばかり笹が切り開かれた小さな空間で、意外に簡単に到達出来たなぁ・・・というのが先ずもっての感想であった。半面が傷ついたミズナラの樹が立っているのが印象的であった。

  次なる目標は、ここからジョシ谷へと下り、更に亀井谷まで下って行くことであった。ジョシのキビレの亀井谷側を覗きこむと急斜面を真っ直ぐに下って行く踏み跡と、右手の傾斜面の笹原を切り開いたトラバース道があった。これが昨年6月に広島山稜会が笹刈りをして下さったところかと何の疑問も抱かずにそのトラバース道を下り始めた。先人方のサイトを拝見すると、ジョシのキビレの直ぐ下に大ブナがあると記されているが、どうもそれは直下降した先にあるようで、最初から笹刈りされたトラバース道を行ったのでは出会えなかった。残念無念である。笹刈りの道は北面斜面を大きく東側に巻いてから、急斜面を下りその先の尾根へと続いていた。よくぞここまでという感じに良く刈り込まれていた。

  その刈り込みはそのうちに終り、やがて藪漕ぎになることを覚悟していたが、行けども行けども適度に笹が刈られて道筋は明確で歩き易く、やがてはかつての杣道であろうか明らかに人間が開いたと思われる山道を下って行くようになった。道筋は途中の急傾斜地でジグを切る箇所もあったが、概してジョシのキビレから東側の1,090mピークの北面の尾根をトラバース気味に北東方面に下って行った。周囲はもう見事なブナやナラを中心にした森である。今回は初めての下降で余裕がなかったが、ゆっくりと豊かな森の佇まいに浸りたい空間であった。

 

 

 

 

〈ジョシのキビレ〉

〈ジョシのキビレの傷ついたミズナラ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈笹刈りされたトラバース道〉

〈濃密なブナ林が拡がる北斜面〉

 

 

 

 

 

〈新緑のブナの巨樹〉

〈ミズナラの古木の脇を擦り抜ける〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈今、新緑の季節、グリーンシャワーの中を行く〉

 

 

 

10:29〜10:34 ジョシ谷

  ジョシのキビレから随分と長い下りであったと感じられたものの、実際は35分間ほどでジョシ谷に下った。ジョシ谷との出合は、長いジョシ谷の中間地点であるらしく、上流部に向けても鬱蒼とした谷が続いていた。

  出合から下流部に向かって左岸に踏み跡が続いており、そこを辿って亀井谷へと下って行った。時折草原の中に踏み跡が消えていたりもしていたが、かつて歩いた亀井谷の沢筋のルートとほぼ同様の沢筋歩きにしては比較的楽で歩き易いルートであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ジョシ谷の上流部を見上げる〉

 

〈ジョシ谷左岸の踏み跡を辿る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑のジョシ谷〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈静謐寂な谷間を下る〉

 

〈ジョシ谷下部〉

 

 

11:07〜11:10 亀井谷出合(寺床)

  約5か月振りの亀井谷であった。ジョシ谷からの出合(寺床呼ばれる平坦地)のやや上手に出たので、やや下流部に下って立ち木に「広見入口」と刻まれた道標を観察した。

  亀井谷は昨年12月に歩いたので、もうこの先不安はなかった。寺床から左岸の踏み跡を辿り、右岸に渡渉すると左から比較的大きなアマスギ谷が下ってきている。この前後は、亀井谷川の流れから少し高いところにあるかつての木馬道ではないかと思われる幅広で平らなところを歩いた。なお暫く遡って行くと、石垣の残る護岸の上を通った。かつてこの深い谷間にも人間の営みがあったことが分かる。一旦左岸に渡って小高い河床を越えて行くと、この日の亀井谷ルート最後の渡渉点を渡って右岸に上がった。ここが33曲り入口である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈亀井谷出合の痛々しい道標〉

 

〈矢車草が伸びてきた川床を遡る〉

 

 

 

 

 

〈シャガ(アヤメ科)〉

〈フデリンドウ(リンドウ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ヤマブキ咲く亀井谷〉

 

〈滝下を渡渉〉

 

 

 

 

 

〈かつての木馬道であろうか、平らな地形が続く〉

〈右岸に残る石垣〉

 

 

 

11:46〜12:30 33曲り入口

  もう昼前で、長い距離を歩いて来ていたので、33曲り入口の渡渉点の直ぐ上の草原で昼食兼休憩の時間を取ることにした。亀井谷川の瀬音を聞きながらの新緑の中での食事は心休まるものがあった。

  昼食後に台所原に向けて出発した。踏み跡は暫し亀井谷川本流右岸を高巻いてから、左から落ちてくる枝沢の入口を越えると、いよいよ33曲りの急坂が始まる。この枝沢の左岸の標高差100メートルほどの笹の繁った急坂をジグザグに登って行くのがいわゆる33曲りである。屈折点が33カ所あるかというと、実際にはそこまではなく十五前後の屈折があるだけのようである。黄緑の若葉が美しい森の中、15分弱でこの33曲りの急坂を登り終え、あとは中川山南面の斜面を右へ右へとトラバースする道となった。踏み跡を覆う笹は深く、足元は不安定になりがちで、笹の幹などを踏むと滑って斜面を滑り落ちそうなった。この日最後の悪路と辛抱して登って行くと、やがて笹が切り開かれてきて、台所原に近づいてきたことが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑の33曲りの急坂を登る〉

 

 

 

〈この日最後の渡渉地点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈巻き道の樹間に旧羅漢山方向を望む〉

 

 

 

〈足元には深い笹が被さる〉

 

 

13:07〜13:09 台所原

  33曲りからのトラバース道が台所原の平地に近づいて来ると、ブナを中心にした森が一際美しくなるのは不思議である。今回の台所原は、長い周回路の中の一通過地点である。台所原の十字路のミズナラ古木の足元で暫し休憩後に、恐羅漢山へと急いだ。通い慣れた台所原であるが、やはり新緑のブナの森はこの上もない程に美しい。大きなブナの足元で、美しいブナの木立の中で佇み、つい見惚れてしまったりした。高度を上げるに連れて、ブナの芽はより若くなって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈台所原といえばこの古ミズナラ〉

〈美しいブナの森を行く〉

 

 

 

 

 

〈今、芽吹きが終わり葉を広げたばかりのブナの梢〉

〈上るに連れてブナの葉は若々しい〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈梢の先に天杉山方面を望む〉

 

 

 

〈やはりここは至宝の森であると思う〉

 

 

14:11〜14:26 恐羅漢山(1,346.4m)

  台所原から一時間で恐羅漢山々頂に到着した。長い距離を歩いて来て、台所原で写真撮影に熱中していた割には、 順調な登攀であった。山頂には、単独行の男性が休んでおられ、お話をお聞きすると、亀井谷を直登されて来たという凄い方であった。暫く情報交換しているうちに、 この方は「のびへいの徘徊」でいつも驚かせてくれる「のびへいさん」であることが分かった。のびへいさんは、この後台所原、33曲りを経て、車を停めている亀井谷奥橋まで下山されるという。我々もまだまだ先に長い距離を残していたので、またの出会いを願いながら一足早く恐羅漢山々頂を出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂部から十方山を望む〉

 

 

 

〈恐羅漢山々頂〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈恐羅漢山からの大眺望:臥龍山、阿佐山の山塊、深入山などが望める〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平太小屋原を行く〉

 

〈バイケイソウの繁る湿地〉

 

 

14:48〜14:54 旧羅漢山(1,334m)

  恐羅漢山から旧羅漢山までは平太小屋原という小湿地帯を抜けて20分余の距離であった。古杉の聳え繁る平太小屋原の佇まいはこの日のような晴れた日にはなかなかに好ましい雰囲気がある。

 旧羅漢山は3週間前に来たばかりである。この日は山頂部の巨岩には上がらず、隣の岩に上がってみた。3週間前とは周囲の景観が全く変わって、眼下の広見谷の山域は溢れんばかりの新緑で覆い尽されていた。

  旧羅漢山の山頂を踏めば、あとは3週間前に辿ったのと同じ道を通って下山するだけである。仁王さん夫妻はこのルートが初めてなので、カマのキビレから三本栃ルートを採ることにした。

 

 

 

 

〈旧羅漢山々頂〉

〈新緑に覆われた広見谷、対岸には広見山が陣取る〉

 

 

 

 

 

〈カマのキビレ〜ジョシのキビレの尾根筋、その先は春日山〉

〈新緑の五里山方面〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈可憐なスミレの花が咲く〉

 

 

 

〈カマのキビレへの尾根筋〉

 

 

 

 

 

〈カマのキビレ〉

〈ハゲノ谷左谷の杉林を下る〉

 

 

15:43〜15:52 三本栃

  また三本栃に帰ってきた。三週間前には葉一枚出ていなかったが、春の季節の進行は早く、この巨木はもう若葉で包まれようとしていた。若葉で彩られた三本栃は、なかなかに風格のある姿である。これから夏に向かって、緑深く大きな葉を纏うようになると、より勇壮な姿となることが容易に想像出来た。

  三本栃との再会を10分間程楽しんでから下山を急いだ。杉林の中の踏み跡を辿り、ハゲノ谷右谷の渓流を渡渉してから、丸太を束ねた橋を渡るとハゲノ谷林道へと出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈若葉が広がった直後であろうか〉

 

 

 

〈3週間ぶりの三本栃〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑を纏うた三本栃〉

 

 

16:14 ハゲノ谷分岐

  ハゲノ谷の渓流の右岸に延びた林道を下って行くこと約10分で朝方に愛車を停めたハゲノ谷入口のかつて作業小屋があったらしい広場に還ってきた。長い一日であったが、無事の下山に先ずは安堵!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ハゲノ谷林道〉

 

 

 

〈ハゲノ谷の渓流を渡る〉

 

 

 

〔山行所感〕

   長い間歩いてみたいと思い続けていた、このルートを遂にと言うか、やっと歩くことが出来た。枯葉の晩秋か初冬、あるいは雪融けの早春が良いかと考えていたが、この山域はやはり新緑のこの時期か、あるいは紅葉の頃が一番良いようだ。今回、新緑の深い森を歩いてその思いを新たにした。

   ジョシのキビレ分岐から亀井谷の間が未踏の区間で、冒険心に富んだ山行となるのではと期待と不安の交ざった気持ちで今回臨んだが、広島山稜会の皆様の笹刈りのお陰でジョシのキビレからジョシ谷出合の間は快適に近い登山道に変容しており、より多くの登山者の足が踏み込めば今のままの姿で安定した登山道(踏み跡)になるのではと思える。

   反面、思った程の野趣には遠かったが、今回歩いたルートはある程度整備されて、どこからでも取り付くことが出来るので、ちょっときついかも知れないが日帰りの周回ルートとしての利用を図っていけばいいのではないかと思う。

 

 

 

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