ミヤマキリシマ咲く 平治岳(1,642.8m)・北大船山(1,706m)・大船山(1,786.2m)

大分県玖珠郡九重町竹田市

2009年6月7日(日)     チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈ミヤマキリシマ咲く九重連山〉

 

 

 

この週末には九重のミヤマキリシマがほぼ満開になるとの情報に、

今年も坊ガツルにテントを張ってゆっくりとその花を楽しみたいと思っていた。

美しい花は見たいものの、

なかなか安定しない天候に、雨や雷の中でのテント生活も厭だな!

久住山での山開きの前夜の坊ガツルは混むだろうな!

週末を外すと高速道路料金が高くつくな!

等々と思いあぐねる中で、

結局は晴天が予想される日曜日に照準を当てて、広島からの夜行日帰りの遠征となった。

ルート設定は初めて吉部から平治岳北尾根ルートを登って大船山まで縦走するという欲張ったものにした。

さて、その顛末は・・・・・

 

《山行記録》

 吉部駐車場4:52・・・・4:55坊ガツル・暮雨の滝方面分岐・・・・4:58鳴子川橋5:04・・・・5:20(林道を横断)・・・・5:39大船林道・・・・5:43登山口・・・・6:25大船山4号集材路ルートとの合流点6:29・・・・6:43展望岩6:46・・・・6:55平治の尾・・・・7:37平治岳(1,642.8m)8:09・・・・8:13展望岩8:16・・・・8:25前峰8:31・・・・8:50大戸越8:56・・・・9:43尾根上9:44・・・・10:02北大船山(1,706m)10:16・・・・10:23段原10:25・・・・10:50大船山(1,786.2m) 11:32・・・・11:54段原11:56・・・・12:16五合目12:19・・・・12:59大戸越道合流・・・・13:03坊ガツル13:09・・・・13:19大船林道出合・・・・13:35暮雨の滝方面分岐・・・・14:13暮雨の滝分岐・・・・14:16暮雨の滝14:20・・・・14:24暮雨の滝分岐・・・・14:56大船林道出合・・・・14:59吉部駐車場  

〔総所要時間:10時間07分、昼食・休憩等:2時間14分、正味所要時間:7時間53分〕

 

 

 

 4:52 吉部(よしぶ)駐車場

  前夜に広島を車で出て、大分自動車道玖珠サービスエリアに深夜に到着して暫し仮眠。大船林道入口でちょっと迷ったが午前4時過ぎに吉部へ到着。未明ながら路上駐車を警戒していたガードマン氏に誘導されて有料駐車場へ。

  九州の夜明けは遅い。午前4時半を過ぎて何とか明るくなりかけたので身支度をして駐車場を出た。出て直ぐに右手へ暮雨の滝や坊ガツル方面への登山道が分岐するが暫し大船林道を行った。5分もしないうちに鳴子川を渡る橋があった。橋の先には車両通行止めのゲートが設けられており、ここにもガードマン氏が立っていた。ゲートを越えた所で直ぐに右に曲がって鳴子川右岸に沿った登山道に入った(そのまま200メートル程林道を行ってから右折する登山道もあり、こちらの方がアップダウンが少ないらしい)。きれいな河岸の森の中を行く登山道を進んで行った。一度林道を横切ってから鳴子川の瀬音を聞きながら行くと、橋から35分程で再び大船林道に出た。その林道を歩くこと数分で写真で見覚えのある小橋に出合った。

 

 

 

 

〈早朝の吉部有料駐車場〉

〈まだ薄暗い中、鳴子川を渡る〉

 

 

 

 

 

〈早朝の鳴子川に沿った森の中の登山道を行く〉

〈再び大船林道に出合う〉

 

 

 5:43 登山口

  平治岳北尾根ルートの登山口は幾つかあるようだが、この日は大船林道に架かる小橋の手前で左手の林に入っている踏み跡と辿ることにした。諸氏のホームページを拝見するとこの先150〜200メートル程のところで左に入る「大船山4号集材路」ルートが今ではメインルートとなっている感がしたが、眺望ではこちらが優れているようだ。林間に入るとブナやナラの自然林や落葉松の林の中を抜けてゆく気持ちの良い道が続いていた。暫し進行方向は東や北東になり、南にある平治岳へ行くのに何故(?)と思わないでもなかったが、一旦大きく東へ進んでから真南に伸びる平治岳北尾根に乗ることとなる。東進する道は緩やかに丘陵状の山を上って行った。北方の眺望が開けたが、眼下は一面雲海であった。白い雲の海に、崩平山や花牟礼山系の山々が島となって浮かんでいた。地形図にある1,328mのピークの西側を巻いて進行方向を南に変えると程なく大船山4号集材路からのルートに合流した。この合流点では我々の辿って来た道が枯木でブロックされていた。今では使って欲しくない道なのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山口:ここを左手の林に入る〉

 

〈落葉松の林を行く〉

 

 

 

 

 

〈きれいに整備された道筋に思える〉

〈雲海の北方の眺望〉

 

 

 6:25〜6:29 「大船山4号集材路」ルートとの合流点

  合流点からいよいよ北尾根へのクロボクの急坂が始まった。登山者の数も相応にある。クロボクは昨日までの雨でグチャグチャで頗るよく滑る。このルートの名物の感のある梯子段を登り、ロープを張った垂直に近いと思える急傾斜地を登って行った。約10分間そんな労苦を重ねた先が大窓と呼ばれる地点で、登山道からちょっと外れて展望岩があった。白ドウダンの花の咲くその展望岩の上は人が二人乗れるだけの狭いところであったが、眼下には我々が辿ってきた尾根筋とその北方には雲海に浮かぶ山々が見渡せた。涌蓋山や崩平山が大きく見え、遥か北方には由布岳の特色ある山頂部が姿を現していた。後から来た人達に早々に場所を譲って登山道へ戻った。10分間程やはりクロボクの歩きにくい道を辿って行くとミヤマキリシマ咲く平治の尾を呼ばれる平地に出た。

 

 

 

 

〈枯木でブロックされた我々が辿って来た道〉

〈梯子段を登る!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈白ドウダンツツジ〉

 

 

 

〈クロボクの滑り易い崖を登る〉

 

 

 

 

 

〈雲海の先に涌蓋山が浮かぶ〉

〈遙か由布岳や鶴見岳が雲海に浮かぶ〉

 

 

 6:55 平治の尾

  平治の尾は北尾根下部の懸崖のような急傾斜地を上り切った先にある草地である。そこから緩やかに南の山頂部までせり上がっている北尾根が一瞥出来る。草地にはミヤマキリシマが多いが、この辺りの花はもうかなり盛りを過ぎて終末に近いものが多かった。平治の尾からは潅木の中を概して緩やかに、時に険しく上って行くクロボクの登山道を一途に辿って行った。潅木は背丈より高く、残念ながら眺望は殆ど効かなかった。

 

 

 

 

〈平治の尾から平治岳山頂方向を見上げる〉

〈相変わらずクロボクの道を行く〉

 

 

 

 

 

〈イワカガミが咲く〉

〈山頂近くになってやっと開けた眺望〉

 

 

 

 

 

〈雲海に浮かぶ黒岳〉

〈遙か由布岳、鶴見岳を望む〉

 

 

 7:37〜8:09 平治岳(1,642.8m)

  平治岳の山頂には三角点の標石と山名を記した標柱が立った広場があり、そこに飛び出すような感じで山頂に到達した。朝まだ早い時刻ではあったが、山頂にはもうかなり多くの登山者の姿があった。さて、この山の西斜面から南斜面はもう何ら説明の必要もないミヤマキリシマの群生地で、今は将にピンクの絨毯を敷き詰めたような状況であった。西方遥かには九重連山を、足元には坊ガツルの平原を望む壮大が眺望である。花はピークをかなり過ぎてはいたが、なお圧倒的な美しさであった。西面のテラス状の斜面も含めてこの山上で30分余の至福の時を過ごした。

  山頂からミヤマキリシマ咲く山頂部を展望岩に立ち寄ったりしながらもう一つのピークの前峰へ進み、そこで改めて大眺望を楽しんだ。前峰からは大戸越への下山路となる。ここはミヤマキリシマ見物の銀座通りと言ったところで、朝のこの時間から数多の登山者がミヤマキリシマ咲く急坂を登って来ていた。 登攀路と下山路が分離されており、この時間は下山するのに何の障害もなかった。

 

 

 

 

〈平治岳山頂〉

〈ピンクの絨毯越しに九重連山を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈遙か雲海に浮かぶ涌蓋山を望む〉

〈平治岳の稜線の向こうに北大船山が覗く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平治岳西面のまだ元気の良いミヤマキリシマ〉

 

〈遙か黒岳の望める〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈前峰から平治岳山頂部を見上げる〉

 

〈坊ガツル、中岳方面の大眺望〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下山路から大戸越、北大船山望む〉

〈大戸越の空間に黒岳が覗く〉

 

 

8:50〜8:56 大戸越(うとんごし)

  大戸越は男池方面から坊ガツルへの登山路が通る乗越、平治岳と北大船岳の間の鞍部と言った位置付けである。休憩用の広場が拓かれており、この日のような観光のピーク時には間断なく沢山の登山者の姿が見られる。

  意外に早い時間帯にここまで来ることが出来、我々夫婦揃ってまだまだ元気であったので、予定通りにここから北大船山に登り返して大船山まで行くこととした。見上げれば見事に緑なす北斜面であるが、歩いてみると礫岩がゴロゴロする急傾斜地を直登する険しい道であった。登り始めてちょっとした異変が起こった。それまできれいに晴れていたこの山域であったが、男池方面からまた雨ケ池越方面から俄かにガスが吹きあげてきて瞬く間に周りの眺望は霧の中に消えてしまった。大戸越から45分間ほどで尾根上に出たが、その頃が一番霧の濃い頃であった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大戸越から平治岳南面を見上げる〉

 

〈沢山の登山者が南面を登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈緑なす北大船山〉

 

〈平治岳南面には登山者の行列が見える〉

 

 

 

 

 

〈ミヤマキリシマ咲く北大船山ルートから平治岳を振り返る〉

〈俄かにガスが平治岳を覆い始めた〉

 

 

 

 

 

〈イワカガミの群生〉

〈まだ固い蕾のオオヤマレンゲ〉

 

 

 

 

 

〈北大船山の尾根筋に上がって火口原を望む〉

〈尾根上から霧に隠れた大船山方面を望む〉

 

 

10:02〜10:16 北大船山(1,706m)

  北大船山の山上で霧が晴れるのを待った。こんな日の天気というのは、曇るものまた反対に晴れるのもその切り替えが極めて早い。先ず、大船山や平治岳側のガスが取れ、次いで久住山や中岳、硫黄山、三俣山などの九重山塊に懸かった霧は徐々に薄れて行った。一時眺望を失って失望していたが、また元気が出てきて大船山へ急ぐことにした。坊ガツルからの登山道が合わさる段原で小休止の後、ツクシドウダンの樹の繁る登山道を大船山へ向かった。見上げれば、頂上部には数多の登山者の姿が見えた。

 

 

 

 

〈霧の巻いた尾根筋から北大船山々頂部を望む〉

〈北大船山々頂〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北大船山から大船山を望む〉

 

〈まだ霧の巻いた三俣山を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北大船山の南斜面の先に平治岳を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北大船山から九重山塊を遠望する〉

 

〈段原付近から大船山を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈登山者が集う段原〉

〈段原から北大船山と遙か三俣山を望む〉

 

 

 

 

 

〈大船山への登山道脇にさくツクシドウダン〉

〈米窪の断崖もミヤマキリシマのピンクに彩られている〉

 

 

 

10:50〜11:32 大船山(1,786.2m)

  大船山の山頂には大勢の登山者の姿があった。段原方面からはまだ続々と登山者が登ってきていた。南側から登ってくる登山者もかなりいるようだった。山頂から見る北大船山や火口原、米窪の断崖、遥かな平治岳などすべてが濃いピンクに覆われている。遠目で見る今年のミヤマキリシマは特上である。谷を挟んだ九重山塊に目を転じると、中岳や三俣山の急斜面も見事なピンクに染められていた。あちらのミヤマキリシマも良いようだ。こんな光景を眺めながら、沢山の登山者の中に埋もれて山頂で昼食を摂った。

  昼食後は段原まで引き返し、坊ガツルへの下山道を採った。今まで幾度か通ったことのある道だが、下る程にぬかるんできて楽しくない道である。ただ途中で見た山頂がピンクに染まった立中山はいつか行ってみたいところでもあった。

 

 

 

 

〈大船山から北大船山の火口原方向を遠望する〉

〈ピンクに彩られた北大船山、火口原、平治岳〉

 

 

 

 

 

〈数多の登山者の姿があった大船山々頂〉

〈山頂直下の御池〉

 

 

 

 

 

〈南方面からも多くの登山者が登って来る〉

〈霧の巻く九重山塊の眺望〉

 

 

 

 

 

〈再び段原へ〉

〈段原から米窪断崖壁を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈坊ガツルへに下山路から北大船山を見上げる〉

〈大きな眺望の中を坊ガツルへと下って行く〉

 

 

13:03〜13:09 坊ガツル

  大船山から1時間半を要して坊ガツルに下った。朝方平治岳から見た時に100張近くあったテントは既に殆どが撤収されて、今は登山者の休憩基地といった風情になっていた。憩う登山者は数多である。

  我々もここで小休止を取ってから、吉部への下山の道を急ぐことにした。坊ガツルの草原を後にして、法華院温泉小屋から下ってくる大船林道を辿って行った。大船林道が鳴子川を右岸へ渡る手前で、暮雨の滝を経由する登山道へ入った。鳴子川に沿ったきれいな林の中を下って行く道である。

 

 

 

 

〈坊ガツルへと下ってきた〉

〈頂上付近をピンクに染めた平治岳を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈大勢の登山者が憩う坊ガツル〉

〈見上げれば九重山塊もピンクに染まっている〉

 

 

 

 

 

〈坊ガツルを後にして・・・〉

〈大船林道を下山する〉

 

 

14:16〜14:20 暮雨の滝

  暮雨の滝には下山途中に立ち寄っておこうと思っていたが、途中でちょっとしたアクシデントがあった。下山途中に滝への分岐を見落としたと思った夫婦の登山者が引き返してき来て、滝への分岐は何処かと問うた。近くを歩いていた地元の登山者がその分岐は既に過ぎているので、引き返さねばならないという。そんな所はなかったがと思いながらも、その引き返してきた夫婦の登山者と共に上流方向へ少し遡ってみたが、様子がどうもおかしい。地図で確認しても滝は下流域にあると思える。遡るのを断念してまた下り始めると、10分も経たないうちに滝への分岐点に出合った。あの地元登山者の案内な何と無責任なものであったことか・・・!そんな出来事があっただけに、新緑の鳴子川の清流に懸かる滝は思い出深いものになりそうである。滝見物の後は、再び鳴子川左岸の登山道を下って行った。

 

 

 

 

〈大船林道から暮雨の滝への登山道に入る〉

〈路傍に咲くハルリンドウ〉

 

 

 

 

 

〈鳴子川に沿ったきれいな林の中を辿る〉

〈暮雨の滝〉

 

 

14:59 吉部駐車場

  午前5時少し前に駐車場を出てからほぼ10時間を要して吉部の有料駐車場に還ってきた。長時間であったが、チャコ共々元気に楽しく歩き通せた道程であった。

 

 

 

 

〈大船林道に出合うと駐車場をもう直ぐ〉

〈沢山の自動車が停められた吉部有料駐車場〉

 

 

 

 

〔山行所感〕

  ミヤマキリシマが咲いたと思うとやはりこの山に行くたくなった。坊ガツルでキャンプして花を見るというのが魅力であるが、今年は天気に恵まれずにキャンプは断念した。それでも坊ガツルに赴いてみるとついテントを張りたくなってしまう。

  ミヤマキリシマは近目にはもうピークを過ぎて枯れた花が多かったと思ったが、遠目には素晴らしい全山ピンクの絨毯を見せてくれた。今年の花は良い出来ということであった。きれいな花を見せてもらったのはラッキーの部類に入るのであろう。大いなる自然に感謝である。

  ミヤマキリシマもさることながら、この九重の大いなる佇まいにはいつもながら感動を覚える。また、ここへ還ってくる予感をいつものように感じた山行でもあった。

 

 

〔BACK〕

〔HOME〕

 

 

 

 

Ads by TOK2