好眺望の戸隠連峰の最高峰へ 五地蔵山(1,998m)・高妻山(2,352.8m)

長野県長野市

2009年8月23日(日)  チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道から目指す高妻山を望む〉

 

 

 

お盆が過ぎての最初の週末の中部山岳方面の天気は良さそうであった。

所用があって一日だけ山に登れるスケジュールしか確保出来なかったが、思い切って出掛けることとした。

狙うは戸隠連峰の最高峰の高妻山!

この辺りの山域で残っている最後の深田百名山である。

どの案内書も、標高差が大きく、行程も長いのでと早立ちを勧めている。

 

《山行記録》

戸隠牧場駐車場5:33・・・・5:54戸隠牧場出口(牧柵)・・・・5:57第一渡渉点・・・・6:37滑滝・・・・6:48帯岩・・・・7:14一不動避難小屋7:23・・・・7:36二釈迦・・・・7:47三文殊・・・・8:05四普賢・・・・8:23五地蔵8:29・・・・8:32五地蔵山(1,998)8:33・・・・8:36六弥勒・・・・8:46七薬師・・・・9:13八観音・・・・9:19休憩9:22・・・・9:33九勢至・・・・10:35十阿弥陀・・・・10:42高妻山(2,352.8m)11:20・・・・11:26十阿弥陀・・・・12:16九勢至・・・・12:27八観音・・・・12:54七薬師・・・・13:02六弥勒・・・・13:05五地蔵山(1,998m)13:06・・・・13:09五地蔵・・・・13:22四普賢・・・・13:38三文殊・・・・13:47二釈迦13:49・・・・13:58一不動避難小屋14:04・・・・14:20氷清水14:25・・・・14:32帯岩・・・・14:44滑滝・・・・15:28戸隠牧場入口(牧柵)・・・・15:40戸隠牧場駐車場

〔総所要時間:10時間07分、昼食・休憩等:1時間04分、正味所要時間:9時間03分〕

 

 

 5:33 戸隠牧場駐車場

  広島から長駆約850km、北陸道の名立谷浜サービスエリアで仮眠を取ってから登山口の戸隠牧場に早朝に到着した。隣接して戸隠キャンプ場があり、多くのキャンパーの姿やテントを見えた。駐車場には既に多くの車が停められており、山は賑わっている様子であった。広島からのツアー登山のバスも見掛けた。その一行は、我々より一足早く出発したようであった。

 

 駐車場から牧場の中を通してもらって入山する。朝霧の立つ牧場には放牧された馬の姿があった。牧場の中を20分程歩いてから最後の牧柵を越えて大洞沢沿いの登山道を一不動の鞍部を目指して登って行った。樹林帯を抜けると沢のガレ場の中を行く感じとなった。難所は、滑滝と帯岩と呼ばれる大岩壁の2ヵ所。どちらにもクサリが張られているので慎重に登れば、そんなに危険でもなかった。牧場から見上げた感じでは一不動の鞍部まで随分と近いと思ったが、実際に歩いてみると仲々にハードなルートで、標準所要時間が2時間というのが納得出来た。特に一不動の鞍部直下の急坂は堪えるものであった。

 

 

 

 

〈戸隠牧場から九頭龍山、一不動の鞍部、五地蔵山を仰ぐ〉

〈早朝の戸隠牧場、背後は黒姫山〉

 

 

 

 

 

〈大洞沢に懸かる滑滝はクサリで登る〉

〈帯岩の岩壁の上部をトラバースする〉

 

 

 7:14〜7:23 一不動避難小屋

  カマボコ型の避難小屋のある一不動の鞍部で大休憩を取った。ここからは稜線上を行くこととなる。途中の五地蔵山までの間には三つのピークがあり、アップダウンのある登山道が続いた。途中に修験道の行場の名残の二釈迦、三文殊、四普賢の石祠が安置されていた。稜線上からは、朝霧の棚引く飯縄山や戸隠牧場の大眺望が得られ、樹々の切れ間からは遙か槍ヶ岳や常念岳といった北アルプス南部の峰々、八ヶ岳の山塊、さらにはその先には富士山まで望むことが出来た。道中一緒になった地元ガイド氏の話しでは、ここから富士山が見えることは珍しいとのことであった。

 

 

 

 

〈一不動の鞍部には避難小屋が建つ〉

〈一不動から黒姫山稜線部を望む〉

 

 

 

 

 

〈登山道沿いに安置された二釈迦の石祠〉

〈登山道から五地蔵山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈稜線上からの飯縄山、戸隠牧場の大眺望〉

 

 

 

 

 

 

〈高妻山の山頂部はまだ遙か先〉

〈飯縄山をバックにして稜線上の咲くハクサンシャジン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈遙か南の雲海上には槍ヶ岳、常念岳などが望めた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈中央に八ヶ岳、左に富士山、右は鳳凰山〉

 

 

 

 8:32〜8:33 五地蔵山(1,998m)

  稜線上歩きとは言え、三つのピークを越えるここまでの道は楽なものではなかった。直ぐ近くに見える感じであった五地蔵山は遠かった!五地蔵の石祠のある広場の少し先に海抜1,998メートルの頂上があった。この山頂まで来ると黒姫山や妙高山の姿が望めるようになった。

  五地蔵山から先も大小幾つものピークを越えて行く稜線歩きが続いた。六弥勒のある小ピークから高妻山の山頂部と共に遠く白馬岳から南へ延びる北アルプスの贅沢な山並を一望することが出来た。これを見るだけでもここまで来た甲斐があったと言える素晴らしさであった。七薬師、八観音と石祠を拝みつつアップダウンを繰り返した。八丁ダルミの鞍部からいよいよ最後の上りにかかった。九勢至の祠から先の山頂直下の根まがり竹の中を上る急坂は特筆すべき厳しさであった。

 

 

 

 

〈五地蔵の石祠〉

〈高妻山々頂部はまだ遠い〉

 

 

 

 

 

〈五地蔵山から望む黒姫山〉

〈こちらは妙高山〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈後立山連峰の大眺望〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈谷を挟んだ戸隠山の全容を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈焼山〜火打山〜妙高山〉

 

 

 

 

 

 

〈小ピーク上にある七薬師の石祠〉

〈九勢至辺りから高妻山々頂部への急傾斜は厳しい〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧の立ち昇る戸隠山の稜線、遙かに北アルプスの山影が覗く〉

 

 

 

10:42〜11:20 高妻山(2,352.8m)

  山頂直下の急坂に思わぬ時間を取られたが、高妻山の山頂部の肩に出ると北アルプスを始めとする大眺望にそれまでの労苦を直ぐに忘れてしまった。十阿弥陀には石祠と鏡が祀られてあったが、山頂はそこではなくまだ先の累々とした岩の上にあった。特別に広くはないこの頂上部に20人足らずの先客の姿があった。皆さん食事をしながら周囲360度の大眺望を楽しんでおられた。我々も昼食を摂りながら贅沢極まる大眺望に酔いしれた。後立山連峰の峰々の間からは立山や剱岳の姿も望めた。白馬連山は直ぐ目の前のような感じで、大雪渓もはっきりとその姿を現していた。

 

 

 

 

〈高妻山々頂部の十阿弥陀の石祠と鏡〉

〈大岩が累々とする高妻山の山頂〉

 

 

 

 

 

〈高妻山々頂からの眺望〉

〈乙妻山の向こうには雨飾山、金山が聳える〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鹿島槍ヶ岳〜立山〜五竜山〜剱岳〜唐松岳〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈槍ヶ岳、常念岳など北アルプス南部の峰々を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈富士山と八ヶ岳、蓼科山〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈白馬連山と大雪渓〉

 

 

 

13:05〜13:06 五地蔵山(1,998m)

  山の天気というものは、常にこちらの希望通りにはならないものである。我々が下山を始めようとした正午前には、俄かに高妻山の周囲に霧が立ち始めていた。それが瞬く間に周囲の山稜を覆い、それまであった大眺望を消してしまった。その霧の立つ様を見ながら登って来たのと同じ道を下って行った。眺望が消されたり、すっかり薄くなってしまった山域は全くの別の世界のようであった。

 

 

 

 

〈霧の立ち始めた高妻山を下る〉

〈登山道の通る稜線部も霧に巻かれ始めた〉

 

 

 

 

 

〈霧の薄い幕越しに望む黒姫山〉

〈一不動〜戸隠山の稜線部も薄い霧のベールに包まれる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈高妻山の山頂部も霧に閉ざされてしまったようだ〉

 

 

 

13:58〜14:04 一不動避難小屋

  アップダウンを繰り返す稜線歩きのピストンは特に下山時には辛いものがある。一不動の避難小屋まで帰って来るとそのアップダウンから解放された安堵感に包まれる。しかし下り一方のこの先なれども、帯岩と滑滝のクサリ場の難所がまた待ち受けている。上りに見落としていた氷清水の水場で冷たい水を頂戴した後、それらの難所も何とか通過した。だが大洞沢の長いガレ場歩きも決して楽しい下山道ではなかった。

 

 

 

 

〈一不動の避難小屋に帰ってきた〉

〈道標は少ないもののこの看板が頂上まで導いてくれた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈滑滝の脇を今度は下る〉

 

 

15:40 戸隠牧場駐車場

  大洞沢を下り切って戸隠牧場に入ると、そこはもう別天地であった。家族連れや若いカップル、グループの観光客の姿が多い。10時間程の頂上へのピストン登山を終えて、牧場入口の蕎麦屋「岳」に立ち寄って登山バッヂを購入すると共に、やはり名物の戸隠そばを賞味させて頂いた。至福のひと時であった。

 

 

 

 

〈牧柵を越えて戸隠牧場へ帰還〉

〈霧の中に姿を現した戸隠山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈戸隠牧場〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈戸隠牧場駐車場脇の「岳」で戸隠そばを賞味した〉

 

 

 

  下山後はカーナビに案内されて戸隠神社中社近くの「神告げ温泉湯行館(ゆにいくかん)」で入浴し、もう薄暮に近い時間ではあったが、駐車場から2キロメートル近い参道を歩いて戸隠神社奥社に参拝した。

 

 

 

 

 

 

 

〈戸隠神社中社近くの「神告げ温泉」に入浴〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈薄暮の戸隠神社奥社に参拝〉

 

 

 

〈戸隠神社奥社の杉並木〉

 

 

 

〔山行所感〕

  見た目にはそれほどと思われなかったが、歩いてみるとやはり長い行程とアップダウンを繰り返すこの山は大変に梃子摺るところで、案内書が勧める通りに早立ちが肝要であると言える。

  戸隠牧場から一不動を経由しての登山道をピストンする以外にルートはないとされていたこの山に新道が拓かれていた。「弥勒尾根新道」と呼ばれるルートで、大洞沢ルートより北側の弥勒尾根を戸隠牧場から上るルートで、稜線部の六弥勒に出ることが出来る。この新ルートを採れば、大洞沢の難所と一不動〜六弥勒の間のアップダウンを回避出来ることとなる。現地ガイド氏にお聞きすると「新ルートは牧場を10分余計に歩くことになるが、(下り)トータルでは40分時間短縮になる」とのことであった。事前に研究しておれば、新ルートを歩けたと思うのだが、残念であった。

  ともあれ、今回の山行は望外の好眺望にロング&ハードルートの労苦も忘れてしまう程の満足度の高いものであった。仲々に願う通りとならないのが山の世界であるが、今回はこの幸運を素直に喜ぼうと思う。

 

 

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