はるか尾瀬ヶ原を望む悠揚たる峰 至仏山(2,228.1m)・小至仏山(2,162m)

群馬県利根郡片品村・みなかみ町

2009年9月26日(土)    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈鳩待峠への尾根筋から仰ぐ至仏山〉

 

 

 

昨年9月の尾瀬沼からの燧ヶ岳に引き続き、今年は尾瀬ヶ原から至仏山に登ろうと思いを定めた。

シルバーウィークの喧騒も去り夏の花々も消えて、草もみじの静かな高層湿原を楽しむ積りであった。

訪れた朝は秋冷の霧、その霧の中に見たのはちょっと早過ぎる紅葉であった。

今年の秋は例年に比べて紅葉の訪れが10日も早いという。

尾瀬ヶ原から至仏山東面を登る頃には霧も晴れ始めて、想わぬ紅葉の至仏山を存分に楽しむことが出来た。

 

《山行記録》

鳩待峠:6:29・・・・7:27山ノ鼻7:34・・・・7:54上田代7:58・・・・8:13山ノ鼻8:25・・・・8:32至仏山登山口・・・・948中間点・・・・957(休憩)1003・・・・1055高天ヶ原・・・・1119至仏山(2228.1m)1204・・・・1244小至仏山(2,162m)1248・・・・1309笠ヶ岳分岐1313・・・・1315オヤマ沢田代1318・・・・1430鳩待峠

〔総所要時間:8時間01分、昼食・休憩等:1時間25分、正味所要時間:6時間36分〕

 

 6:29 鳩待峠

  関越道を沼田ICで降りて国道120号線を日光方面へと走り、片品村鎌田で立派な尾瀬大橋を渡って国道401号線へと入り、約9キロメートル遡った戸倉の第1駐車場に車を停めた。広島から943キロメートル。至仏山の登山口、尾瀬ヶ原への入口である鳩待峠への道はハイシーズンにはマイカー通行規制が敷かれており、戸倉に車を置いてマイクロバスまたは乗合タクシーに乗り換えることとなる。

 

  戸倉では曇天であったが、標高1,591mの鳩待峠に到着する直前で乗合タクシーは霧の中に突っ込んで行った。峠はやっと山荘の輪郭が見えるだけの濃い霧に巻かれていた。いずれは晴れる筈と思いつつも、晴れ切れぬ心持ちで山ノ鼻への登山道を辿ることとした。登山道に入って直ぐに、登山道沿いの樹々が紅葉しているのを見て驚いた。草もみじ以外はあまり楽しむものはないと思っていたが、予期に反しての早過ぎる紅葉であるが、こうした誤算は大歓迎であった。霧の中ながら、山ノ鼻までの歩行の楽しかったこと・・・!!途中に設置された熊ベルも高らかに打ち鳴らした。

 

 

 

 

〈霧に巻かれた朝の鳩待峠〉

〈尾瀬・山ノ鼻への入山口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山ノ鼻への登山道に入って直ぐに紅葉した樹々に驚いた〉

 

 

 

 

 

 

〈紅葉を始めた森の中を楽しく歩く〉

〈森全体が紅葉するのも間近のようだ〉

 

 

 7:27〜7:34 山ノ鼻

  鳩待峠から1時間弱で山ノ鼻に着いた。ビジターセンターで暫し展示を拝見した。センター主催の尾瀬植物研究見本園での自然観察会はもう午前7時に出発しているという。なかなかに熱心だ!!

  至仏山に向かう前に暫し尾瀬ヶ原を散策することにした。門久には30余年振りの尾瀬ヶ原であったが、チャコは初めでその触りだけでも経験させておこうとの趣旨であった。しかしながら、直近の至仏山も原の反対側の燧ヶ岳も霧に閉ざされて姿を見せていないのは寂しかった。上田代の池塘の畔の休憩所まで行って、草もみじの尾瀬ヶ原の風情を楽しんだ。

 

 

 

 

〈鳩待峠から約1時間で山ノ鼻に下った〉

〈山ノ鼻の広場で暫し憩う登山者〉

 

 

 

 

 

〈霧に閉ざされた至仏山を背に尾瀬ヶ原を暫し散策〉

〈尾瀬ヶ原も霧に巻かれて・・・・燧ヶ岳もガスの中〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈上田代の池塘と拠水林〉

 

 

 

 8:13〜8:25  山ノ鼻

  尾瀬ヶ原の散策中に霧が晴れてくれれば良いが・・・・と期待していたが、そんなに簡単に晴れてくれる霧ではなかった。至仏山を隠す霧を恨めしく眺めながら山ノ鼻に引き返した。

  山ノ鼻から至仏山々頂までは約3時間の道程とのことで、その間には霧も晴れようと思いつつ登山を開始した。山ノ鼻からの至仏山東面の登山道は、自然保護や滑りやすい蛇紋岩の道ゆえに登山者の安全の観点から「上り」専用の道との指導がなされている。登山口を過ぎると樹林の中の階段道となった。名を知らぬ樹がここでも紅葉していて美しかった。木組みの階段道から石敷きの階段道になり、やがて森林限界を抜けようとする所で目の覚めるような紅や黄に全面紅葉した灌木帯に出遭った。もう紅葉前線がこの辺りまで降りて来ているようだ。その森林限界を抜けると、斜度が急に厳しくなった。その分、東側の尾瀬ヶ原の眺望が良くなった。

 

 

 

 

 

 

 

〈悠揚たる至仏山が横たわっている筈であったのだが・・・巨体は霧の中!〉

 

 

 

 

 

 

〈至仏山登山口〉

〈リンドウ:草もみじの中で数少ない花〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈至仏山東面の登山道を彩る紅葉〉

 

 

 

〈東面登山道の樹々越しに尾瀬の湿原を望む〉

 

 

 

 

 

〈森林限界付近の紅葉〉

〈灌木類の紅葉は今が絶頂か!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉の森林限界から尾瀬植物研究見本園を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した至仏山東面から霧の漂う尾瀬ヶ原を望む〉

〈東面斜面の山頂方面を仰ぎ見る〉

 

 

 9:48 中間点

  山ノ鼻の登山口から1時間20分余で「中間点」の案内板を通過した。尾瀬ヶ原の眺望は登るほどに広大になって行ったが、その先の燧ヶ岳も霧の中から少しずつ姿を現して来るようになった。この先は急速に好眺望になると心中大いに喜んだ。頭上の至仏山の山頂方向もきれいに晴れて来て、斜面の紅葉も輝き始めた。遠景の峰々も姿を現して、いよいよ大いなる山の賛歌が奏でられるところとなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈東面中間点から霧の晴れ始めた尾瀬ヶ原を望む〉

 

 

 

 

 

〈至仏山々頂方向の霧も晴れたようだ!〉

〈登山道は蛇紋岩の急登である〉

 

 

 

 

 

〈東南方向には奥白根、錫ヶ岳などの日光連山が並ぶ〉

〈燧ヶ岳の左に長い稜線を引く会津駒ヶ岳〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈タカネトウウチソウ(バラ科)はこの時期によく似合う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈高天ヶ原から至仏山々頂を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

〈高天ヶ原から平ヶ岳を遠望する〉

〈高天ヶ原越しに尾瀬ヶ原、燧ヶ岳を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈手前の小至仏山の向こうに武尊山、赤城山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉混じりの至仏山南東斜面〉

 

 

 

11:19〜12:04 至仏山(2,228.1m)

  山ノ鼻から3時間弱で至仏山に登頂した。露岩で固められた山頂には数多の登山者の姿があった。鳩待峠からピストンする人が圧倒的に多いようだ。混雑する山頂の一画に陣取って、素晴らしい眺望を楽しみながら昼食を摂ることにした。北方向の平ヶ岳から東の会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、南に回って日光連山から南の赤城山、武尊山までの眺望は得られたが、北の越後三山、西の浅間山、八ヶ岳、北アルプス、南西の苗場山、谷川岳などは厚い雲がかかり同定は不能であった。

 

 

 

 

〈至仏山々頂〉

〈大賑わいの至仏山々頂部〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈至仏山々頂から尾瀬ヶ原、燧ヶ岳を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈小至仏山へと続く岩稜〉

 

 

 

〈尾瀬ヶ原の北側に聳える景鶴山(2,004m)

 

 

 

 

 

 

 

 

〈小至仏山に続く尾根上には笠ヶ岳、その先には武尊山を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈至仏山々頂直下の大岩塊、これも蛇紋岩のようだ〉

〈小至仏山方向から見上げる至仏山は岩の峰だ!〉

 

 

12:44〜12:48 小至仏山(2,162m)

  昼食後は小至仏山(こしぶつさん)を経由して鳩待峠に下山する。滑りやすい蛇紋岩の道を一度下ってから登り返すと小至仏山々頂であった。ここまで来ると笠ヶ岳が随分と近くなった。一度登りたい山である。振り返れば山頂部を岩塊で固めたような至仏山が優しい稜線を引いており、尾瀬ヶ原や燧ヶ岳はやや遠くなって一抹の寂寥を感じた。

  山頂を後にして急斜面を下ってから夏には素晴らしいお花畑となる筈の草原の中を巻いて行った。今はその草原の下方の樹林帯の紅葉が美しい。やがて樹林の中に入って右に笠ヶ岳への道を分け、オヤマ沢田代の湿原に出た。ここからは日光連山の眺望が美しかった。再び樹林の中に入り、途中の眺望の開けたところで至仏山や燧ヶ岳などの姿を拝して、後は樹林の中の道をひたすら辿って鳩待峠へと下って行った。

 

 

 

 

〈小至仏山々頂〉

〈小至仏山々頂から至仏山を振り返る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈小至仏山から望む尾瀬ヶ原、中原山方面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈笠ヶ岳への尾根筋は黄葉したダケカンバが美しい〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈横田代、中原山付近の樹海〉

 

〈小至仏山東面斜面の向こうに鳩待峠が望める〉

 

 

 

 

 

〈オヤマ沢田代〉

〈オヤマ沢田代付近から奥白根山を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈鳩待峠への尾根上の樹間から小至仏山、至仏山を仰ぐ〉

〈こちらは燧ヶ岳、尾瀬ヶ原の遠望〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈色付いたダケカンバの樹越しに日光連山を望む〉

 

 

 

14:30 鳩待峠

  樹林を抜けて晴れ渡った鳩待峠に下るとやや暑すぎる感じであった。広場には沢山の登山者の憩う姿があり、戸倉へ下るバスや乗り合いタクシーが列をなしていた。売店で登山ハッヂを購入してから、身支度を整えて、楽しかった山中での感慨を胸にして早々に下山することとした。

 

 

 

 

〈沢山の登山者で賑わう鳩待峠〉

〈鳩待峠から至仏山を仰ぐ〉

 

 

 

〈下山後のお楽しみ〉

  至仏山からの下山後は、ちょっと離れてはいるが沼田市の道の駅・白沢にある「望郷の湯」で入浴することに決めていた。そこへ行く途中に老神温泉に近い「吹割の滝」に寄ってみた。片品川の広い河床が落ち込み、三方からその河床の割れ目に水が落下する景観にはなかなかの迫力があった。「望郷の湯」は赤城高原の大眺望が得られる露天風呂など爽快度満点の風呂で、またレストランもリーゾナブルなメニューで家族連れも多く、お勧めのスポットと言える。

 

 

 

 

〈国道120号線沿線にある吹割の滝〉

〈河床が落ち込んだ滝は「東洋のナイアガラ」とも呼ばれるとか!!

 

 

 

 

 

〈吹割りの滝の直ぐ下流にある「鱒飛の滝」〉

〈下山後は白沢高原温泉・望郷の湯で汗を流した〉

 

 

 

〔山行所感〕

  至仏山は30余年前に尾瀬ヶ原に遊んでからいつかいつかと思いながらも長い間登れなかった山であった。尾瀬ヶ原から悠揚としたその姿を眺めてから登り始めようと目論んでいたが、生憎の霧で原からのその姿を今回は見ることが出来なかった。しかし、山上から原や燧ヶ岳の大きな眺望を目にすれば、原から山を見たのと同様に、至仏山はやはり尾瀬ヶ原と一体となってこその山であることが理解出来た。

  今年の紅葉は例年比かなり早いようだ。予期していなかった紅葉に出遭って、今回の山行がより奥行きが深く、多様なものになったように思う。遠隔の地ゆえに、タイムリーに紅葉のピークなどに出会うのはなかなかに難しいものであるが、今回は極めてラッキーであった。

  昨年、今年と草もみじの尾瀬沼、尾瀬ヶ原の一端を訪ねることが出来た。次にまた来るとすれば、やはり初夏か夏の尾瀬ヶ原から尾瀬沼への縦走であろう。そこで水芭蕉あるいはニッコウキスゲなどの花々に是非とも会ってみたいものである。

 

 

 

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