雲上の火口湖を従える峰を逍遥 奥白根山(2,577.6m)

群馬県利根郡片品村・栃木県日光市

2009年9月27日(日)       チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈五色沼から見上げた奥白根山東面〉

 

 

 

前日の至仏山に続いて計画通りに上州側から奥白根山へ登ることとした。

丸沼高原からロープウェーを使っての楽ちんコースとしたので、気持ちも軽くロープウェー駅に参上した

しかし山の神は楽ばかりはさせてくれないようで、この日も朝から霧のプレゼントを付けてくれた。

それも、仲々に晴れない濃い霧であった。

一時はその霧で何も見ないままで下山することになるのはと危惧をしたものの、

神は優しくも山上の高みの楽園の一画だけを見せてくれる配慮をしてくれたようだ。

 

《山行記録》

日光白根山ロープウェー山頂駅8:26・・・・8:28二荒山神社8:29・・・・8:34不動岩・・・・8:40(衣類調整)8:43・・・・9:00大日如来・・・・9:02七色平分岐・・・・9:32(休憩)9:36・・・・10:03森林限界・・・・10:41奥白根山(2577.6m)11:01・・・・11:11(昼食)11:41・・・・12:25五色沼避難小屋12:30・・・・12:43五色沼12:55・・・・13:41弥陀ヶ池13:50・・・・13:59鞍部・・・・14:25六地蔵分岐・・・・14:29七色平・避難小屋14:32・・・・14:35七色平分岐・・・・14:38大日如来・・・・14:55不動岩・・・・15:03二荒山神社15:04・・・・15:06日光白根山ロープウェー山頂駅

〔総所要時間:6時間40分、昼食・休憩等:1時間28分、正味所要時間:5時間12分〕

 

 8:26 日光白根山ロープウェー山頂駅

  午前7時30分の始発のロープウェーに乗ろうと丸沼高原スキー場に赴いたが、付近は濃霧に閉ざされていて小雨まで降っている始末!天気予報は昨日よりも良い天気との筈だったが、この朝になって予報を「曇り」と悪い方に変更したようだ。ごく短時間の間に簡単に予報を変える日本の天気予報、これで本当に予報と言えるのか・・・、テレビのお天気キャスターは花盛りだけれど、全く信用出来ない人たちだといつも思う。

 

  山麓駅で結局1時間程待機して、霧が少し薄くなったような気がしたので山に上がることにした。ロープウェーに乗ると15分ほどで標高2,000メートルの山頂駅まで(標高差600メートル)運んでくれた。レストランや売店、足湯などのあるロープウェー山頂駅周辺も濃い霧で眺望は一切なかった。

  二荒山神社の鳥居前の登山口から登山を開始した。先ずは神社に参拝し山行の安全を祈願した。鹿避けの囲いの網戸を抜けてシラビソの樹林の中を行く登山道を辿った。広くよく踏まれた道であった。不動岩で左に展望台への道を分けると、奥白根山への登山道は右に曲がり狭まった。相変わらずシラビソを中心とした林の中を登って行った。登山口から25分の血の池地獄への分岐を過ぎると、登山道は俄かに急坂となり辛抱してひと登りすると大日如来の石像の前を通過した。道は再び緩やかになり直ぐに七色平への分岐点に到達した。

 

 

 

 

〈霧に包まれた日光白根山ロープウェー山麓駅〉

〈霧の中をロープウェーで上る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に巻かれた奥白根山登山口〉

 

〈不動岩辺りのシラビソの森を行く〉

 

 

 

 

 

〈カニコウモリの群生の中に登山道が延びる〉

〈急坂を上ると大日如来像が待つ〉

 

 

 9:02 七色平分岐

  「七色平 0.2q」の標識が左手を指していた。魅力的な名の所であるが、ここは自重して先に進むことにした。地形図によれば、七色平への分岐点を過ぎると登山道は巨大な奥白根山の山体の西側から南側へと大きくトラバースしながら登って行くように設えられている。かつては山頂直下へ直登するルートもあったようであるが、今は樹林の中を辿る「樹林帯ルート」と呼ばれるこのルートが一般的であるようだ。晴れておれば、樹林の先に厳つい奥白根山の山頂部を垣間見ることが出来るのであろうが、霧に閉ざされて山の姿を目にすることは出来なかった。その代わりという訳ではあるまいが、紅や黄に紅葉した樹林の美しいこと!!樹林の中を登る険しい道筋であったが、この素晴らしい紅葉に励まされるように進んで行った。 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した樹林帯ルートを行く〉

 

 

 

 

 

 

〈カバ類の黄色が眩しいくらいであった〉

〈この辺りは全山紅葉という風情〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉に励まされるように険しい道を上り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈残念ながら森の外はまだ霧に巻かれているようだ〉

 

 

 

10:03 森林限界

  ずっと霧に閉ざされたままで磁石を見なければどの方角へ進んでいるのかも分らなかった。長かったトラバース気味の道が終わってジグザグの直登気味の道になった。霧がなければ素晴らしい眺望が得られるに違いない地形であったが、四周霧に巻かれたままであった。「やれやれ、このまま霧の峰を踏んで、何も見ずに下山と相成るか!!」と弱気になっていた頃、周囲の登山者から歓声があがった。行く手の霧が俄かに晴れ始めて、眼前に砂礫の急傾斜地が現れたのであった。その急傾斜地に一筋の登山道があり、そこを登り行く多くの登山者の姿も見ることが出来た。周囲の眺望はどうかと見渡してみたが、晴れたのはこの山頂付近だけのようで、眼下には厚い雲海が広がっているだけであった。眺望の広がりはないもののやっと視界が開けて、気持ちが軽くなって山頂への急傾斜地を心地良く登って行った。

 

 

 

 

〈森林限界辺りの急坂を登る登山者〉

〈俄かに霧が薄れて奥白根山頂辺りが望め始めた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈青空の見え始めた山頂直下のガレ場を登る〉

 

 

 

 

 

 

〈下方を見れば厚い雲海が景観を隠している〉

〈山頂部までもう直ぐ!〉

 

 

10:41〜11:01 奥白根山(2,577.6m)

  砂礫の急坂を登り切って山頂部の一角に出ると、周りには幾つもの噴火口跡の窪みが見られた。その窪みの間の小ピーク上に奥白根神社奥社が祀られていた。奥白根山の山頂は、窪みをもうひとつ越えたその先のピークであった。露岩が積み重なったような奥白根山の山頂には、数多の登山者の姿あり、山頂標識の前で記念撮影する人達が順番待ちの状態であった。相変わらず四周は雲海で囲まれていて、そんなに遠くもない男体山さえも見えなかったが、山頂東側直下にある五色沼だけがきれいに見えていた。周りの火口壁が紅葉したその五色沼の美しいこと!! 時折霧が流れてその五色沼の先の前白根山が姿を現すこともあった。混雑した山頂から少し離れた五色沼を見下ろす稜線上に移動して早い昼食を摂ることにした。

 

 

 

 

〈山頂部のピークに祀られた奥白根神社奥社〉

〈山頂部には数多くの噴火口跡の窪みが見られた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈沢山の登山者が見られる奥白根山々頂〉

 

 

 

 

 

 

〈この岩の上が最高点だ!〉

〈最高点での記念撮影の順番待ちの行列〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂の東側には五色沼が覗いていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈五色沼の火口壁は紅葉の盛り!!〉

 

 

 

 

 

 

〈ほんの短時間だけ姿を現したの錫ヶ岳(2,388.0m)か?〉

〈霧の中から姿を現した前白根山(2,373m)〉

 

 

 

 

 

〈五色山(2,379m)の先に霧の中から覗くのは金精山方面〉

〈紅葉した五色山への登山路周辺〉

 

 

12:43〜12:55 五色沼

  昼食後にその五色沼に下ってみた。奥白根山々頂の一角から急坂を下ってダケカンバの林が拡がる前白根山との間の谷間に下りて行くと五色沼避難小屋があった。覗いてみると、寝具を含めてきれいに整理整頓されていた。その小屋の前でお腹に子供を宿した雌鹿に遭遇した。忙しく草を食んでいた。紅葉の美しい谷間を下って行くと五色沼の湖畔に飛び出た。東側から南側の火口壁が見事に紅葉した別天地であった。見上げれば、奥白根山が険しく厳めしい表情をしてこの別天地を睥睨しているようであった。ここは少しでも長く滞留したい所であった。

 

 

 

 

〈ダケカンバの繁る前白根山との間の鞍部に下る〉

〈白根隠山(2,410m)が〉行く手右側に覗く〉

 

 

 

 

 

〈五色沼を覗きながら鞍部へと下って行く〉

〈紅葉の美しい五色沼避難小屋周辺〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈五色沼の湖畔〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈五色沼火口壁の紅葉は今がピークのようだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈五色沼越しに奥白根山を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

 

〈弥陀ヶ池との間の尾根上から五色沼を眺む〉

〈紅葉した樹間に五色山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した樹々越しに奥白根山の北面を仰ぎ見る〉

 

 

 

13:41〜13:50 弥陀ヶ池

  奥白根山の山上には五色沼のほかにともう一つの火口湖がある。それが弥陀ヶ池である。五色沼から奥白根山頂北側直下の小尾根を西へ越えた狭い谷間にある小さな湖である。湖畔からは北麓の菅沼登山口へと下る登山道が通じている。想っていた以上に厳しく感じられた小尾根越えをしてその湖畔に辿り着いたが、オオシラビソと色付いた灌木に囲まれた美しく静かな湖であった。ここもまた、ゆっくりとしたい所であった。

  火口湖の弥陀ヶ池から一旦奥白根山と座禅山(2,317m)との間の鞍部へ火口壁を登り、その鞍部から西の七色平がある高原状の台地へ急な谷間を下って行った。 オオシラビソを中心にしたその谷間は、暗く深く幽谷の趣きの強い所であった。

 

 

 

 

〈オオシラビソの樹の向こうに弥陀ヶ池の湖面が光る〉

〈弥陀ヶ池は小さくて静かな雰囲気の火口湖であった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この湖岸に北側の菅沼へ下る登山道が通じている〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈見事に紅葉した樹々が湖面を彩る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈弥陀ヶ池湖畔から奥白根山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈奥白根山と座禅山の間の鞍部から弥陀ヶ池を振り返る〉

 

〈七色平方面への急坂を下る!〉

 

 

14:29〜14:32 七色平

  谷間の急坂を下ると六地蔵と七色平への分岐に着いた。所要時間は25分程であったが、谷間上の鞍部にあった案内板にはこの間が40分間と記していた。ちょっと長過ぎる思いながら下って来たが案の定であった。気を付けたいものである。その分岐から数分で七色平に出た。樹林の中にポッカリと開いた草地であった。説明板では七色平とは「浄土」を意味するとのことであった。その脇に古い避難小屋があったが、こちらは汚れていて出来れば使いたくない状態であった。七色平から更に数分で、朝方通った「七色平分岐」に出た。そこからロープウェー山頂駅まで30分程の道程であった。途中樹々の上にこの日初めて奥白根山の西面を仰ぐことが出来た。

 

 

 

 

〈弥陀ヶ池上からの急坂を下ると七色平はもう直ぐだ!〉

〈シラビソの樹林の中の登山道を行く〉

 

 

 

 

 

〈樹林の中にポッカリと開けた七色平〉

〈七色平避難小屋:ちょっと古くて汚れた小屋であった〉

 

 

 

 

 

〈大日如来まで帰還〉

〈樹々の上から奥白根山の西面が覗いていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈色付いた森の中を下り行く〉

 

 

 

15:06 日光白根山ロープウェー山頂駅

  登山口の二荒山神社に下山の報告を兼ねて参拝している時までは青空が見えていたと思ったが、神域を出てロープウェー山頂駅の空間に出るとわが目を疑うような天気の急変で、そこは霧に巻かれていた。天空の足湯に浸かりながら奥白根山の厳つい西面を眺めてみようと思っていたが、儚くもそれは夢と終わってしまった。この霧は朝方の霧の比ではなく、もっと濃いものであった。レストランの売店で登山バッヂを購入し、標高2,000メートル天空の足湯に浸かってから、霧の山頂駅に別れを告げてロープウェーの中の人となった。

 

 

 

 

〈ロープウェー山頂駅周辺は霧に巻かれていた〉

〈標高2,000mの天空の足湯で暫し憩う〉

 

 

 

 

 

〈濃い霧を裂くようにロープウェーは山麓へと下って行った〉

〈下山後は白根温泉薬師の湯で入浴した〉

 

 

 

〔山行所感〕

  この日の天気は何という不思議なものだったのだろうかと思う。ロープウェーの山頂駅の係員や下山後の白根温泉で聞くに、この日これらの所で晴れたのは午後のごく短い時間であったという。我々が山上で青空の下で過ごしたのは、午前10時過ぎから午後3時頃までの5時間であった。ということは、この日は奥白根山の雲上だけがこの辺りで最も良い天気であったということである。概して山上は晴れて、下界は曇りであったというところか!故に山上から周囲の峰々などの眺望を得ることが出来なかった訳だ。

  本来この山は周囲360度の大眺望を誇るところである。やはりそれを見れなかったことは寂しい限りであるが、自然界のこと故に仕方ないことと、素直に諦めることが肝要である。ここでも予期せぬ紅葉を存分に楽しめたので満足することにしよう。

 

 

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