木枯らし吹く奥山を歩く 向半四郎山(1,118m)・半四郎山(1,126m)・広見山(1,186.7m

島根県益田市匹見町

2009年11月15日(日)    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈枯れ葉の絨毯の登山道を行く〉

 

 

 

紅葉前線も里まで下りてきて、西中国山地の高嶺の樹々はもう冬枯れの状態となってしまった。

山々が雪に覆われるまでの束の間、この山域は特に誇るもの売り出すものとてなく、

訪れる登山者の数も少なくなり、山中は静寂の世界となる。

そんな静かな山の道をゆっくり長々と歩いてみたいと思っていた矢先に、

リンク先の「低山名山」さんのサイトに「向半四郎山〜半四郎山〜広見山」山行レポートが発表され、

草や笹に覆われていたこの山域の登山道が最近になってきれいに刈り払われていることを知った。

4年前の夏にはマムシを気にしながら笹や草を掻き分けて縦走した道である。

これは行かねばなるまいと決意して前日に宮島に遊んだ身ではあったが登山口の広見谷へと向かった。

 

《山行記録》

小谷橋詰駐車場10:38・・・・10:39半四郎山登山口・・・・12:00向半四郎山(1,118m)12:04・・・・12:25半四郎山(1,126)12:29・・・・12:48(昼食)13:19・・・・13:51広見山(1,186.7m)14:00・・・・14:04尾根筋からの下山口・・・・14:37ジョシのキビレ分岐・・・・14:57広見林道出合・・・・15:02ハゲノ谷林道分岐・・・・15:41横川越分岐・・・・16:08小谷橋詰駐車場

〔総所要時間:5時間30分、昼食・休憩等:0時間48分、正味所要時間:4時間42分〕

 

10:38  小谷橋詰駐車場前日に宮島に遊んだ身ではあったが

  中国道戸河内ICから国道191号線で出合原の道の駅「匹見峡」へ走り、県道307線へ左折して匹見の街へ。そこから恐怖の国道488号線を約10キロメートルだけ吉和方面へ走り(この日は5台程の車と離合したが、いずれも退避所が何とか近くにあった)、鋭角の屈折点で広見林道に入って約300メートルのところにある小谷橋を渡ってすぐ左手にあるスペースに車を停めた。先客は山口ナンバーの車が一台だけであった。駐車スペースのほかは、トイレ等の何の設備もない。

 

  登山口は駐車位置から林道を谷奥に向かって行くと直ぐ左手にある。登山道は渓流に沿って上り始めるが、直ぐに渓流を離れて高みへと上がって行った。道の両脇にはかつて人間が生活を営んでいた証の石積の崖が現れた。そこを過ぎると、概して杉林の中を行く急坂を登って行くこととなtった。時折、杉林が途切れるとまだ紅葉を残した灌木類が現れて新鮮であった。長い急坂上りに飽きかけた頃に杉林を抜けて松の林の中に出た。直ぐに稜線部に出ると、行く先に無半四郎山の山頂部が望めた。山頂部から5人組の登山者が下りてきているところであった。曇天下であったが周囲の眺望は上るほどに良くなって行った。

 

 

 

 

〈広見林道小谷橋詰に3台の駐車スペース〉

〈広見林道脇の登山口〉

 

 

 

 

 

〈かつての集落跡地の中を登り行く〉

〈幾ばくかの名残りの紅葉が・・・〉

 

 

 

 

 

〈杉林の中に登山道が延びる〉

〈稜線部近くになって松林の中を行く〉

 

 

 

 

 

〈稜線に出ると向半四郎山の山頂部が望める〉

〈稜線の右手は紅葉の残る広見谷が深い〉

 

 

12:00〜12:04 向半四郎山(1,118m)

  登山口の標高が約650メートルであるので、標高差450余メートルを1時間20分程かけて辿り着いた。登山道は十分な幅を取って綺麗に刈り払われており、4年前の夏の笹の被さった状態に比べれば高速道路の如くであった。この向半四郎山の山頂部は草や笹で覆われた円頂で、周囲360度の好眺望が得られる。これを見ることが出来れば、この山に登った甲斐があったと言える。この日は雲の垂れこめるような悪天で、遥か遠くまでの眺望までは望みようがなかったが、それでも西中国山地の広島・島根・山口県境の主だった峰々は見ることが出来た。

  暫し山頂に佇んだ後は、すぐ先に見える半四郎山へと歩を進めた。一旦、ホウゾウのクビレと呼ばれる鞍部へと下ってから半四郎山への上りに取り付いた。見返すと向半四郎山の東斜面の草原に草を刈られた登山道がジグザグ模様を描いていて楽しかった。鞍部からの上りは距離は短いながらも滑り易い急坂で、登山道脇の灌木類を掴みながらの登攀を余儀なくされた。山頂部にかかると、笹原の美しい緩斜面に変わった。

 

 

 

 

〈向半四郎山々頂、遥か先に広見山を望む〉

〈広見谷を挟んで五里山、大神ヶ岳・立岩山の山塊が続く〉

 

 

 

 

 

〈裏匹見峡の北側の尾根筋の先に安蔵寺山、燕岳が横たわる〉

〈半四郎山の稜線の先に焼杉山、ボーギのキビレ、十方山を望む〉

 

 

 

 

 

〈これから行く半四郎山、広見山〉

〈ボーギのキビレ(横川越)から下るオオアカ谷をアップ!〉

 

 

 

 

 

〈意外に大きい焼杉山!〉

〈ホンゾウのクビレと半四郎山〉

 

 

 

 

 

〈ホンゾウのクビレから向半四郎山を見返る〉

〈半四郎山への急坂〉

 

 

12:25〜12:29 半四郎山(1,126m)

  半四郎山の山頂も笹で覆われた円頂で、好眺望を誇っている。向半四郎山に比べれば、眼前に恐羅漢山から続く焼杉山が迫っていて、仲々に迫力がある。またこの日の主役である広見山も近くなっただけに大きな体躯を現わしていた。また北方に表匹見峡の谷を隔てて聳える春日山が一際美しかった。

  この頂で昼食をと考えていたが、吹く風が強くて冷たくてその気が失せ、下った鞍部近くの風避けが出来るとこまでさらに行くことした。山頂の気温は4℃程度であった。広見山への道は、七人小屋のクビレと呼ばれる鞍部まで一旦下る。この間の標高差は150メートル程度で、それまでの登った労苦を考えると勿体ない。しかし、この鞍部のミズナラやブナの森が仲々に美しかった。七人小屋のクビレからの上り返しの稜線部で昼食を摂ったが、両面を半四郎山と広見山の美しい斜面に挟まれブナやミズナラなどの美林の中の棚のようなその一画は何と居心地が良かったことか!食後、広見山へと向かったが、笹原や樹林が綺麗で、またこの日最後の上りと思えば、その急坂も何ともなかった。

 

 

 

 

 

 

 

〈半四郎山々頂から恐羅漢山、旧羅漢山、焼杉山を眺む〉

 

 

 

 

 

 

〈半四郎山々頂から見た向半四郎のジグザグ道〉

〈笹原の中の登山道を広見山へと向かう〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈半四郎山々頂から春日山を遠望する

 

 

 

 

 

 

〈杉の巨木越しに広見山を仰ぐ〉

〈樹々も落葉した七人小屋のクビレ付近〉

 

 

 

 

 

〈落葉したブナの枝は蜘蛛の巣模様〉

〈気持ちの良い登山道を行く!〉

 

 

 

 

 

〈広見山への登攀路から半四郎山、向半四郎山を振り返る〉

〈広見山の山頂も近い!〉

 

 

13:51〜14:00 広見山(1,186.7m)

  かつての広見山山頂部は灌木類が無秩序に繁り、辿り着いてみれば壊れた指導標が散乱する無残なところというイメージであったが、今回は灌木類の影もなく、山上は見事な笹原で覆われて、山頂広場が見事に刈り込まれた別世界のような佇まいに変容していた。眼前の恐羅漢山、旧羅漢山の山頂部は相変らず雲で覆われてその姿を現していなかったが、天杉山や吉和冠山、三ツ子山などが姿を現してくれて眺めることが出来た。ここでこの日の山岳眺望も最後となるので、しばし一日親しんだ景色をもう一度眺め直してから下山することにした。

  下山路は広見山の北東の急斜面から今年5月にジョシのキビレへ上った時に通ったミチガ谷へと下っていく。急坂はなかなかに厳しいが、灌木類に掴まりながら滑らないように気を付けて下って行った。谷筋まで下ってくると、広見林道に出合うまでの間広見川の最上流部の渓流に沿って下るよく踏まれた登山道となった。途中で、ジョシのキビレ方面への分岐も確認出来た(広見林道出合(広見山登山口)側から遡って行く場合なら、登山口の渓流を越えてから3つ目の渡渉点の直ぐ手前右側の笹藪の中)。ただ、最近のこの山域は雨が多いようで、何ヵ所かある渡渉点の水位は随分と高くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

〈広見山々頂〉

 

 

 

 

 

 

〈分解された古い方位板がそれぞれの山を指す!〉

〈恐羅漢山、旧羅漢山の山頂部は雲の中〉

 

 

 

 

 

〈遥かに天杉山を望む〉

〈焼杉山の先に雲を被った十方山の山塊を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈京ツカ山から五里山のたおやかな山稜〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナの美林の尾根道を暫し行く〉

 

〈ミチガ谷への急坂を下る〉

 

 

 

 

 

〈ジョシのキビレ方面への分岐〉

〈ミチガ谷の登山道〉

 

 

14:57 広見山登山口(広見林道出合)

  広見山々頂から1時間ほどで広見山登山口に出た。ここからは広見林道を車の駐車地点まで歩くことになる。この登山口の渓流の岩の上に長い間置かれていた「(広見)山登山口」という壊れた標識が見えなくなっていた。大水に流されてしまったのであろう。強いアクセントのある物が消えてしまったようで、何故か寂しい一画に変わってしまったように感じた。

  広見林道歩きは、周りに花や山菜があるではなし、また紅葉も終わってしまっており、ただ淡々と歩くのみであった。ただ雨後で水量の増した広見川の渓流は時に渦を巻いてなかなかに不気味であった。またボーギのキビレ(横川越)から下って来るオオアカ谷の出口を確認し、踏み跡を探してみたがテーピングはあったものの、はっきりとした踏み跡は確認出来なかった。

 

 

 

 

〈広見林道との出合点がいわゆる「広見山登山口」だ〉

〈広見林道はここで通行止となる〉

 

 

 

 

 

〈広見川に沿った林道をひたすら下って行く〉

〈このところの雨模様で増水した渓流に大きな滝が懸っていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林道沿いの林床にツチアケビが・・・〉

〈谷を下る程に紅葉が現れ始めた〉

 

 

16:08 小谷橋詰駐車場

  広見山登山口から4キロメートル余の林道を歩くこと1時間余で昼前に愛車を駐車した小谷橋詰まで帰り着いた。向半四郎山々頂で出会ったグループの人達のものであったと思われる山口ナンバーの車は当然のこともうそこにはなかった。この日、この山域に入ったのは、我々とこのグループの2組だけであったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈半四郎山登山口付近から小谷橋詰方向を見る!〉

 

〈小谷橋上から見た広見川の渓流〉

 

 

 

〔山行所感〕

  紅葉の季節が終わったら、西中国山地を中心に稜線部を淡々と歩いてみたいと思っていた。笹や萱などの草の刈られた半四郎山・広見山の山域はそんな趣旨にぴったりと嵌るところであった。登山口まで時間がかかり、しかも離合の甚だ難しい恐怖の国道488号線を走らねばならず、なかなかに行き辛いところであるが、行ってみるといつも来てみて良かったと思う山域である。ここほど、広く大きな山の景観が得られる所は中国地方にあっては貴重であると思う。

  山上から見た焼杉山や京ツカ山、五里山の姿は美しかった。藪が厳しくてなかなか行けない所であろうが、ボーギのキビレからのオオアカ谷などは時機を見計らって訪ねてみたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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