雨の周回ルート、林道が伸長してきた上峠を下る 大暮毛無山(1,082.5m)

広島県山県郡北広島町

2009年12月12日(土)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈霧に閉ざされた雨の降る大暮毛無山々頂〉

 

 

 

雪の季節が間近になってきた。

今年は雪の降る前に大暮毛無山に登り上峠を回って下山しておきたいと思っていた。

どういう訳か上峠ルートは未踏のまま残っており、

無雪期に一度でも歩いて、積雪期の縦走行の下見としたいとの願いからである。

この日の芸北地方の天気予報は雨の可能性を消せない冴えないものであった。

それでも午後になれば降水確率は下がる見込みというので、天狗の水を汲みに行って時間調整をして登山口へ赴いた。

雨が上がる気配が漂う登山口を雨具を纏って出発した。

 

《山行記録》

毛無山登山口10:57・・・・11:12老御前神社11:14・・・・11:42林道細見大塚線横断・・・・11:59カタジ谷出合12:01・・・・12:35尾根道合流12:36・・・・12:38毛無山(1,082.5m)12:49・・・・13:13携帯電話中継局鉄塔・・・・13:30林道細見大塚線伸長工事現場・・・・13:33三差路(移原分岐)・・・・13:39上峠・・・・13:55林道出合・・・・14:05車道・・・・14:09大暮養魚場分岐・・・・14:21毛無山登山口 

〔総所要時間:3時間24分、昼食・休憩等:0時間16分、正味所要時間:3時間08分〕

 

 10:57 毛無山登山口

   豊平の街を抜けて国道433号線の志路原で県道40号線に入って細見へと向かった。大暮毛無山の東麓の移原を過ぎると間もなく「大暮養魚場」の看板が路傍に立っている。この看板に従って県道から右折して谷間に入って行った。大暮の谷である。大暮の集落を抜けて左へ養魚場への道が小橋を渡って延びるのを見送って深山へ向かって直進すると、右手に「毛無山登山口」の小さな標識があり舗装された細い道が山中へと上っていた。登山口と反対側の路傍に数台の自動車が停められる空地があり、ここに我が愛車を停めさせてもらった。雨の日故か、ほかに停められている車はなかった。

 

 

 

 

〈(右)登山口〉

〈大暮谷最後の民家を下に見て登山道へ入る〉

 

 

   細い雨がまだ残る中を出発した。細い舗装道を上って農家の物置の間を抜けて行くと道は山道へと続いていた。この登山道は極めてユニークな道である。決して山に登ろうとしない登山道である。登るべき山の西面をトラバースしながら北面へと続いている。行き着く先は毛無山の遥か北方の阿佐山へと続く尾根筋の横吹峠である。そんなことから「横吹道」と呼ばれるという。登山口から15分弱で老御前(うばごぜん)神社がある。平家落人伝説の残る土地でもある。登山道は途中で林道細見大塚線を横断して極めて緩慢に斜面を巻いて行った。登り始めて直ぐに雨は上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈老御前神社〉

 

 

 

〈分厚い落ち葉の絨毯を踏み締めて行く〉

 

 

 

 

 

〈毛無山の西面をトラバースして行く「横吹道」〉

〈路傍の斜面の苔生すガレ場〉

 

 

 

 

 

〈林道細見大塚線を横断して登り行く〉

〈北面に回って、樹林越しに大暮毛無山の山頂部を望む〉

 

 

11:59 カタジ谷出合

  「横吹道」は毛無山の北面で沢筋に出合う。カタジ谷である。横吹峠へはこの沢を渡って直進する。横吹峠まで行って尾根筋の阿佐山方面との縦走路を辿って毛無山に引き返すことも出来るが、ここは直接尾根筋に上がる近道を採ることにした。沢の手前から右手の急斜面を上って行く踏み跡がある。過去に幾度か上ったことのある道である。沢筋を外れると直ぐに桧林に突っ込んで喘ぐようにして急坂を上って行くとやがて尾根上に出て縦走路に合流するのであるが、この日は桧林に入るべく急坂に取り付こうとしていると、右手に続く桧林と自然林の境目にテーピングがしてあり、それに沿って薄いながらも踏み跡が上へ上へと延びていることに気付いた。初めて見る道筋であったが、こちらも毛無山へ向かっているのは間違いないと思い、その踏み跡を辿ってみることにした。この道は、見事に桧林(植林地)と自然林の境目に沿ってずっと続いていた。尾根の西側一帯は桧林であるので、道は決して尾根上には上ろうとせず、尾根の西側斜面を巻くように山頂方向へ向かっているようであった。この道を上り始めて間もなくまた雨が降り始め、徐々に本格的な降り具合となってしまった。雨が強くなるに従って、樹林の中には濃い霧が巻いてきた。

 

 

 

 

〈カタジ谷出合〉

〈渓流を渡って行けば横笛峠に通じる〉

 

 

 

 

 

〈この浅い沢筋を登り行く〉

〈植林と自然林の境目を忠実に辿る踏み跡があった〉

 

 

 

 

 

〈登り行く程に雨となって霧に巻かれた〉

〈雨と霧の中に立つブナ〉

 

 

 

 

 

〈40分間近く尾根筋の西面をトラバース気味に登った〉

〈尾根道に合流すると山頂は目と鼻の先であった〉

 

 

12:38〜12:49 毛無山(1,082.5m)

  初めて通ったカタジ谷出合からの巻き道ルートは、結局は毛無山々頂の直前で縦走路に合流した。時間にして2分程手前の地点である。ブナの大木に囲まれた毛無山の山頂は濃い霧に巻かれていた。もともと眺望のほとんどない山頂であるが、完全に霧に閉ざされた状態であった。他の登山者の姿もなく静寂そのものであった。ここでのんびりと昼食を摂る心算ではあったが、生憎の強く雨ゆえにそれを諦めて、立ったままでおむすびを食して早々に下山にかかった。

  下山は先ずは南西に延びる尾根筋を辿って上峠へと向かった。初めて通る道であるが、有り難くもよく手入れされた気持の良い道であった。季節柄落ち葉の分厚い絨毯が敷かれ、なかなかのクッションである。ただ時代の流れは、この心地良い尾根筋をいつまでもそのままの姿で置いてはくれないようであった。下り始めて30分足らずの所に携帯電話の中継局鉄塔が建てられ、その地点に上がって来る車道まで拓かれていた。無骨と言えばこの山域には無骨な代物である。そればかりではなく、なお15分余り下って行った上峠の直前でもっと無粋なものに出合ってしまった。毛無山の西斜面の中ほどで止まっているものとばかり思っていた林道細見大塚線であったが、その先の伸長工事が行われているようで、もう上峠を回って山の東面にまで新しい道が拓かれようとしていた。

 

 

 

 

〈大きなブナの樹に囲まれた大暮毛無山々頂〉

〈広い山頂広場の中央に三等三角点が建てられている〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂は完全に霧に巻かれて眺望は全くなし〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾根筋の道も分厚い落ち葉の絨毯だ〉

 

 

 

〈ブナ林を抜けて上峠向け下山開始〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈よく手入れされた尾根筋の登山道〉

 

〈携帯電話の中継局鉄塔が現れる〉

 

 

 

 

 

〈突然に林道敷設現場に飛び出た〉

〈東南東方面の眺望:遥か熊城山・丸掛山・樋佐毛山の稜線か!〉

 

 

 

 

 

〈林道細見大塚線の伸長工事現場を横切って下って行く〉

〈移原への分岐点を右に大きく曲がって上峠へ向かう〉

 

 

13:39 上峠

  林道の工事現場の直ぐ下部が移原への分岐点で、そこを右に大きく曲がって上峠への道を採ると直ぐに道路敷設現場に戻り、土盛りの下になってしまった登山道を暫し行くと舗装された道路面に上がった。そこが上峠であった。何のことはない、先程の林道工事現場出合い地点から直接林道を歩けば上峠は直ぐであったのだ。こんな状態であるから、上峠はもう山の気を感ずるような所ではなかった。残念なことである。林道を離れて大暮へのやや荒れ気味な峠道を下って行ったが、今ひとつ心の晴れない気分であった。また一つ静謐な山域を失ってしまった現場を目撃し、その口惜しさに支配されていたようだ。  

 

 

 

 

〈直ぐにまた林道施設現場に出合った〉

〈上峠に上がると林道はここまでは舗装されていた〉

 

 

 

 

 

〈登山者に訴えているのか、工事関係者へか?〉

〈上峠から大暮への下山道は暫し林道と並行する〉

 

 

 

 

 

〈林道を離れると再び静かな峠道となる〉

〈桧林を下り行く〉

 

 

 

 

 

〈上峠から30分弱で林道に出合う、ここは左手に道を採る〉

〈林道を大暮の集落に向け下り行く〉

 

 

14:21 毛無山登山口

  上峠からの下山道も最後は林道に出た。細見大塚線のような大規模林道ではなく、まさに具体的なニーズがあって敷設された道であろうから、「歩いても良いか!」という気持ちになる。林道が出て来た大暮の里の道は、車を停めた登山道から15分も下手のところであった。弱くなったものの、雨はまだ降り続いていた。

 

 

 

 

〈林道歩き約10分で里の車道に出た〉

〈大暮にはたたらの遺跡を回る探勝路が設けられている〉

 

 

 

 

 

〈養魚場への分岐に出て、右に道を採る〉

〈深山へ続く道を暫し上り行くと車を停めた登山口だ〉

 

 

 

〔山行所感〕

   今回の周回路は上峠を経由して山の気を感じながらの静かなエンディングを想定していたのだが、本文中に記したように賑々しくも散文的な山域に変貌してしまったようだ。季節を変えてまた通ってみたいとの想いが、果たして蘇るか今のところ自分でもよく分からない。

   カタジ谷出合と毛無山々頂をほぼ直接つなぐ稜線直下の西面ルートは、たまたま今回気付いたルートであったが(皆さんにはとっくに了知のルートであるかも知れないが)、ブナやミズナラの自然林側を行くだけに、桧林の尾根ルートより面白いルートではないかと思う。より多くの人達に通って欲しいものである! 横吹道と言い、兎にも角にもトラバース道が横行するのが、この山であるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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