<チャレンジ あさきた里山マスターズ>

神倉山と対峙するこれまたハングライダー・フライト場のある山 荒谷山(620m)

広島市安佐北区白木町

2010年3月3日(水)      団地の団塊さん+門久

 

 

 

 

 

 

〈井原市の三篠川河畔から荒谷山を仰ぐ〉

 

 

 

同じ団地に住む団塊さんから「あさきた里山マスターズ」にチャレンジしてみようかという誘いがあり、

それでは安佐北区の最も遠いところにあって、こんなことでもなければ先ずは登ることもない荒谷山に狙いを定めた。

同じ名前の山が長楽寺にもあって、そちらの方が有名である。

こちらは白木の井原市にあり、登山の対象となる山というよりも、

ハングライダーのフライト場のある山、あるいは雲海のビューポイントとして名が馳せているようである。

調べてみると、麓から山頂近くまで林道が通じており、登山をするにしてもその林道を歩くしかないようであった。

そんな登山もたまには良かろうと出掛けてみることにしたという次第である。

 

《山行記録》

甲田集落 9:52・・・・10:01林道赤柴線・「武田武将」の碑・・・・11:09ハングライダー・フライト場11:18・・・・11:19井原雨量観測局・・・・11:25山頂部登り取り付き・・・・11:37北ピーク11:44・・・・11:45荒谷山(620m11:46・・・・11:57山頂部取り付き・・・・12:04ハングライダー・フライト場(昼食)13:02・・・・13:13南西尾根取り付き・・・・13:36林道赤柴線出合・・・・13:58甲田集落

〔総所要時間:4時間06分、昼食・休憩等:1時間15分、正味所要時間:2時間51分〕

 

 9:52 甲田集落

  広島市内から県道37号線(高陽中央通り・白木街道)を走って井原市へ。JR芸備線井原市駅の少し手前にある交差点を県道68号線へ左折した。山越えをして国道54号線は可部の大林へ抜ける道である。1キロメートル足らず行った甲田集落を登山口と定め駐車場所を捜すも、県道の交通量が意外に多く且つ道路の幅員も概して狭いので、路傍の膨らみに停めることは迷惑なことと思って諦めた。慰霊碑と刻まれた大きな自然石が建つ地点から北の山地に向かって入っている細い舗装道が荒谷山へと上って行く道と見当をつけて乗りいれた。約300メートル程上った路傍に駐車スペースを見付け、そこなら迷惑を掛けることもなかろうと車を停めた。

 

 

 

 

〈駐車地点から甲田集落方面を望む〉

〈耕作放棄された田圃の跡〉

 

 

  駐車地点からひたすらその舗装道路を歩くことにした。出発して直ぐの杉林を抜けると放棄された耕作地跡に出た。しっかりとした石垣やコンクリート壁に囲まれた段々畑は芝や雑草で覆われていた。畦などには今は用をなさない電柱まで立っており、その辺りに過去住居もあったことが偲ばれた。再び杉林の中に入ると、「林道赤柴線」の標識があり、その直ぐ先に「武田武将の墓」と刻まれた自然石が建っていた。碑の側面に「天文9年」の文字が見えた。帰宅してから調べてみると、この年(1540年)は山陰の尼子勝久がこの山の背後にある毛利元就の居城吉田郡山城を攻めた年であることが分かった。武田武将が安東は銀山城の武田氏であるとすれば、この時武田氏は尼子に味方して毛利攻めに加わっていた筈である。その時の古戦場でそこで戦死した武将を弔う墓なのであろうか・・・? その翌年には武田氏は可部の熊谷氏に攻められて滅亡したのであるが。そんな歴史を感じる一角を過ぎると、綺麗な杉や桧の林を抜けながら道はどんどんと荒谷山の西側を巻いて登って行った。登ってきた谷が詰まる頃になると松林が多くなり、シーズンには松茸でも採れるのであろうか多くの山主が入山禁止の札を出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈舗装された林道赤柴線を登り行く〉

 

〈路傍に建つ「武田武将」の墓碑〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈各所に「入山禁止」の注意書きが掛かる〉

 

 

 

〈杉、桧の林の中を林道は抜けて行く〉

 

 

 

 

 

〈林道は荒谷山の西側を大きく迂回しながら上って行く〉

〈早くも馬酔木(アセビ)が5〜6分咲き〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林道が山上に上がってくると行く手にハングライダーのフライト場が見えてくる〉

 

 

 

11:09〜11:18 ハングライダー・フライト場

  谷の奥まったところで林道は南に大きく迂回して山の南面に出て東西に延びる山の稜線の直ぐ下を東に進んで行った。行く手にはハングライダーのフライト場が見えてきた。荒谷山の山頂部から南へ下る険しい尾根の最上部に丸いマウンドを築き、その上から飛び立つ構造のようだ。林道を辿ってフライト場に到達すると、マウンドの上にテント状のカバーが掛けられており、東や南方向に飛び立つことが出来るようであった。フライト場に立つと、北方の向原から右に回って東、南、そして南西方向に広々とした眺望が開けていた。何よりも志和口から向原へと続く三篠川沿いの平野部が眺望のメインで、それを囲む山並の東側には鷹ノ巣山が、南西側には白木山が抜きん出ていた。暫しその大眺望を楽しんだ。

 

 

 

 

〈ハングライダー・フライト場〉

〈フライト場から志和口方面を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北方の向原方面〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈神ノ倉山北稜の先に鷹ノ巣山、カンノ木山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈井原の田園を挟み神ノ倉山が対峙する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南の方角には安駄山から高鉢山の稜線が続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈目を南西に転じれば白木山が山並の上に抜きん出ていた〉

 

 

 

11:37〜11:46 荒谷山(620m)

  目的の荒谷山の山頂へは、先ずはフライト場からそこからダートとなった林道赤柴線を先に進んで行く。5分も行くと林道はピークアウトして北の安芸高田市方向へと下り始めた。下り始めて直ぐの左手の路傍の灌木に赤いテープが付けられており、その足元から目の前の険しい斜面の中へ薄い踏み跡が延びていた。テープも踏み跡も見逃されてもおかしくない地味さであった。踏み入ってみると、「ヘェー、こんなところを本当に登るの・・・?」という文字通り胸突きの柴を掻き分けて行く、いや灌木を掴みながらでないと上がって行けない急斜面であった。団塊さんも難渋していた。それでも10分もかからずに稜線上に出ることが出来たが、山頂が何処か分からなかった。この山の頂には三角点がないのである。なお柴を掻き分けながら最高地点と思われる所を捜した。南北2つのピークらしい地点があり、北の方が高いと思ったが、引き返す時に南側のピークに立ち寄ると狭いながらも少しばかり踏み込まれた空間があり幾つかのテープが付けられ、灌木に巻かれた黄色のテープには標高の「620」の文字も見られた。帰ってから軌跡を見てみると、やはりこの南ピークの方が山頂のようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ダートの道となった林道赤柴線を暫し辿る〉

 

〈林道脇に山頂への取り付き点がある〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈あくまでも薄い踏み跡で、テープが何よりも頼りになる〉

 

 

 

〈ずり落ちる急傾斜地を登る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南側のピークには各種のテープがあった〉

 

 

 

〈この辺りが北側のピーク〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やや開けた感じの南側のピーク〉

 

〈滑り落ちそうな急斜面を下山する〉

 

 

12:04〜13:02 ハングライダー・フライト場

  山頂から険しい斜面を下って再びハングライダーのフライト場へ戻って来てそこで昼食を摂った。平日ゆえに誰も来ることはないだろうと思っていたが、食事中に林道を走ってきた2組の来訪者があった。一組は犬連れのご夫婦で自動車を置いて山頂方向のダートの道へ歩いて向かわれた。他方はオートバイで来られた信州から九州の山々に登り続けられている68歳の男性であった。今や平日とても山の上は賑やかである。

 

 

 

 

〈フライト場から荒谷山山頂部を仰ぐ、山頂は右側のピークの後方〉

〈広々としたフライト場でランチタイム〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈神ノ倉山のフライト場が直ぐ南指呼の間にある〉

 

 

 

13:13 南西尾根取り付き点

  昼食と来訪者との交歓でフライト場で一時間を過ごしてから下山にかかった。上りに使った林道をそのまま下るのが順路であるようであるが、やはり上りと下りでは変化を付けてみたいものである。地形図を見ると林道から二つの支尾根が南西方向に延びており谷底の林道に短距離で下れるようであった。団塊さんとも諮って、そのうちでも西側のより易しそうな尾根筋を採ることにした。最初は落ち葉が分厚く積もった広々とした尾根筋で、灌木も少なくて心地良く歩けた。徐々に傾斜も急になり灌木帯から桧林へと入って行ったが、尾根筋もしっかり確認出来て快調に下って行けた。20分余でほぼ予定していた通りに林道に出ることが出来た。この支尾根の様子では、もう一つ東側の支尾根も簡単に下れそうである。

 

 

 

 

〈暫し登り来た林道を辿ってから樹間の尾根に乗ることに・・・!〉

〈灌木も少なく広々とした南西尾根に乗った〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈灌木帯を抜けて桧林の中に踏み入る〉

 

〈概して歩き易い尾根筋であった〉

 

 

 

 

 

〈20分余の尾根歩きで再び林道に出合った〉

〈林間の舗装道路を下って行く〉

 

 

13:58 甲田集落

  林道に出れば、もう自動車を停めた甲田集落の上まで谷間のその道を下って行くだけである。杉や桧の林を抜け、集落跡を再び見ながら下ること20分余で駐車場所へ帰着した。帰路に広島市指定の天然記念物の大イチョウを見学しに、荒谷山東麓の新宮神社に立ち寄ってみた。老人ホーム三篠園の隣にある神社で、その境内の中央に立つその木は広島市内最大のイチョウとのことであった。

 

 

 

 

〈集落跡に小屋や放棄された田畑が残る〉

〈雑草や芝で覆われた田圃の跡〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈荒谷山の東麓にある新宮神社〉

 

〈新宮神社の大イチョウ〉

 

 

 

〔山行所感〕

  山頂部の踏み跡を見ても、ごく最近まで登山の対象とはなっていなかった山のように思えた。安佐北区が提唱する里山マスター運動で足を運ぶ登山者が出てきているようだ。山頂直下まで良く整備された車道が延びる山である。麓から歩く人はどれくらいいるだろうか・・・? 歩いてみると、この山の歴史やこの地域の人達の生活ぶりの一端が見えてきて楽しい。是非共歩くことを提唱したい。

  団塊さんに声を掛けてもらって、今回この山に登る機会を得た。有り難い体験となった。またフライト場からの広々とした眺望は、「まだこの地域の山野も歩き尽くしていないだろう・・・」と語っているようでもあった。

 

 

 

 

 

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