呉娑々宇山上の林道を歩く 

高尾山(424.5m)・呉娑々宇山(682.2m)・藤ヶ丸山(665.4m)・三本木山(486.3m)

広島市東区上温品町・馬木町・福田町、広島市安芸区畑賀町、広島県安芸郡府中町

2010年3月7日       門久単独

 

 

 

 

 

 

〈岩谷観音の頂きから広島市街地を望む〉

 

 

 

週末の二日間ともに雨の予報であったが、

日曜日になると降水確率はガタンと落ちて先ずは雨の降ることはないと確信する状況となった。

こんな日は「行きたい先リスト」の在庫から一つ引っ張り出して出掛けてみることに・・・!

安芸郡府中町の甲越峠近くから高尾山への尾根筋の寺屋敷跡まで呉娑々宇山西面を縫って林道呉娑々宇線が延びている。

一方広島市森林公園から呉娑々宇山の北側を巻く林道が年々歳々延びて来て

昨年だったか寺屋敷跡の先でその府中町の林道と形の上では繋がった。

府中町側は車の走行が可能であるが、広島市側は理由は分からないがずっと通行止めのままである。

この広島市側の林道を一度歩いてその様子を見ておきたいと思っていた。

思い付きでの遅い出発とはなったものの、今回はその林道呉娑々宇線の広島市側の新道区間の踏破を主目的にして出掛けてみた。

 

《山行記録》

東山橋西詰交差点10:44・・・・10:50登山口10:51・・・・10:56温品バイパス下・・・・11:02送電線鉄塔11:06・・・・11:27井戸・・・・11:34岩谷観音跡11:47・・・・11:57岩屋観音山頂11:59・・・・12:12高尾山(424.5m)12:14・・・・12:31送電線鉄塔(11)1232・・・・12:44鞍部12:46・・・・12:54送電線鉄塔12:56・・・・12:59寺屋敷跡(昼食)13:35・・・・13:37広島市側林道・・・・13:57呉娑々宇山登り口・・・・14:07呉娑々宇山(682.2m)14:13・・・・14:17林道出合・・・・14:35藤ヶ丸山登り口・・・・14:43尾根上・・・・14:51縦走路出合・・・・15:00藤ヶ丸山(665.4m)15:11・・・・15:31緑化センター展望広場15:35・・・・15:53西山展望台15:55・・・・15:58ピーク16:06・・・・16:09鉄塔管理道出合・・・・16:11送電線鉄塔(38)・・・・16:13三本木山(486.3m)16:21・・・・16:28鉄塔管理道左折点16:30・・・・16:50鉄塔管理道出合・・・・16:57送電線鉄塔(8)・・・・17:07山陽道側道17:09・・・・17:11「志和35号」トンネル・・・・17:14渡渉・・・・17:17五月ヶ丘団地・・・・17:29五月ヶ丘バス停

〔総所要時間:6時間45分、昼食・休憩等:1時間38分、正味所要時間:5時間07分〕

 

10:44 東山橋

  今回の取り付きは県道70号線温品通りに面した上温品の東山橋詰(最寄バス停:上温品または温品小学校)とした。ここから中国自然歩道が岩谷観音跡へと上っているのでそれを辿ることにした。5分間ほど住宅地の中の急坂を登って行くと最奥のちびっこ広場に達する。その脇に岩谷観音への登山口があり、自然歩道の案内板などが設けられていた。山道を辿り温品バイパス(広島都市高速1号線)の下を潜ってから支尾根に乗る急坂を登って送電線の鉄塔に達した。その足元から広島市市街地、広島湾方面の好眺望が広がっている。その展望所から直ぐに谷筋に入り、更に南隣の支尾根に乗って岩屋観音跡までの急坂を登った。登山道脇には麓の各町内会の方々が桜などの植樹をされていた。今は水溜り然とした井戸の跡を過ぎると観音跡はもう近かった。

 

 

 

 

〈温品通りの「東山橋西詰」交差点が取り付き口〉

〈住宅地の最奥のちびっこ広場が登山口〉

 

 

 

 

 

〈温品バイパスの下を潜る〉

〈支尾根上の送電線鉄塔下は絶好の展望地〉

 

 

 

 

 

〈支尾根を登り行く〉

〈ヤブツバキが咲く〉

 

 

11:34〜11:47 岩屋観音跡

  久し振りの岩屋観音跡に佇んでいると一組の山好きなご夫妻が道隆寺の方から上がって来られたので暫し広島市北部の渋い山の情報交換などをした。温品側へ下られるというそのご夫妻とお別れして高尾山へと上って行った。岩屋観音の山頂の岩に上に立つと俄かに北風に吹かれ始めて寒く感じるようになった。ここからの府中町から広島市にかけての市街地やその前面の広島湾の眺望はいつもながらに大きなものだ。岩谷観音を過ぎると高尾山への岩場がある。下りの時には厭な所だが、上りは辛抱して登るだけである。高尾山の三等三角点を過ぎると暫し牧歌的な尾根道が続く。意外に長い道筋であるが、時折行く手や南の海田湾、絵下山方面の眺望が開けて楽しい。眺望の良い送電線鉄塔を過ぎると一旦大きく下る。下り切った鞍部は三差路となっているが尾根筋を直進した。やや急坂となった登山道を登って行くと高い送電線鉄塔の下に出た。呉娑々宇林道が上ってきている寺屋敷跡はその直ぐ先だ。この鉄塔下で、呉娑々宇山から岩谷観音方面へ向かう東広島市からの34名の団体の通過を待った。

 

 

 

 

〈高尾山の尾根筋に出ると岩屋観音跡だ〉

〈寺の礎石の残る岩屋観音跡〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈岩谷観音跡から府中町、広島市街地を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈眼下には温品の街、その先に牛田山、武田山などを望む〉

〈この日の登山口の上温品の街の先には松笠山が鎮座する〉

 

 

 

 

 

〈岩谷観音山頂〉

〈観音像の背後から市街地を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈岩谷観音山頂からの府中町、広島市街地、広島湾の大きな眺め〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈高尾山々頂〉

 

〈呉娑々宇山への尾根道を行く〉

 

 

 

 

 

〈高尾山から呉娑々宇山への尾根筋〉

〈高尾山の稜線から南の海田湾方向を望む〉

 

 

12:59〜13:35 寺屋敷跡

  寺屋敷跡にある小さな休憩所で遅い昼食を摂った。寺屋敷とは1200年前に弘法大師が開基した薬王寺の跡とのこと。約1000年前に麓に道隆寺が建立されるまでの間厚い信仰を集めていたという。昼食後に、いよいよ新しい林道歩きである。寺屋敷跡の直ぐ先で高尾山への尾根を掘り切って府中町側の林道と広島市側の林道が接合されている。以前にあった尾根筋の道が今では分断されて、登山者は一度この林道まで下って来なければならなくなってしまった。自然破壊と言えばその通り、車優先と言えばその通りであると思う。その接合点にはまだ堅牢なガードレールで通行止めがされており、広島市側に車は乗り入れることは出来ない。広島市森林公園側ももう何年も乗り入れを許していないので、広島市側の林道は全面的に車両通行止めのようだ(何のために道を造ったの?という疑問も湧く)。車が来る心配のない道路であるので、気兼ねなく歩けた。新しい道であるが、路面には杉や桧の枯葉や法面や斜面から流れた土が溜り、また猪がその土を掘り繰り返したりしていて、決して美しいとは言い難い状態だ。法面への草の根付きはまだまだと言った感じでもある。殆ど高低差のない道で歩くのは極めて楽だ。所々に空き地や園地が設けられていて、窮屈感のない道路空間となっている。寺屋敷跡から20分足らず行くと頭上に呉娑々宇山々頂のマイクロウェーブの鉄塔が見えてきた。林道から山頂までも10分間ほど。稜線を行くよりも、やはり林道を歩く方が速いようだ。 林道歩きの途中で出遭った道隆寺から登って来て水分峡に下るという男性の単独行者を呉娑々宇山々頂まで案内した。

 

 

 

 

〈寺屋敷跡の休憩所〉

〈高尾山への尾根を掘削した府中町・広島市の林道接合点〉

 

 

 

 

 

〈接合点から広島市側の新しい林道が延びる〉

〈未だ法面が安定していない新道を辿ってみた〉

 

 

 

 

 

〈林道からの広島市街地の眺望〉

〈林道から呉娑々宇山々頂を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林道歩きの軌跡〉

 

 

 

 

14:07〜14:13 呉娑々宇山(682,2m)

 林道から呉娑々宇山々頂へは馬木方面からの登山道の通る尾根があって難なく登れた、山頂で案内して来た男性と別れて、長い階段道を下ってまた林道に戻った。呉娑々宇山から先の林道は尾根筋直下を尾根にほぼ平行してその北面に延びていた。林道の最高点と思われる所で尾根上の登山道へ簡単に移れそうであったが、この日は林道歩きが主と考えて自重した。進行方向をやや北にして主尾根から外れながらなお林道を行くと藤ヶ丸山への登山口の道標に出合った。ここでこの日の主目的であった林道歩きを終えることにして藤ヶ丸山への道を採った。登山者の歩いた形跡薄い荒れ気味の遊歩道を登って行くと主尾根から北へ延びる支尾根上に出た。そこにあった道標に従って藤ヶ丸山へ向かうと、道は一旦支尾根の反対側の谷間を巻いて主稜線の北斜面に取り掛かり主稜線に乗るというルート取りとなっていた。支尾根上を呉娑々宇山方面に引き返して主稜線に出合ってから藤ヶ丸山に向かう方が遠回りであるかも知れないが良い道で時間もかからないように思えた。主尾根に乗って左側へ大きく回り込むと藤ヶ丸山の頂上であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈呉娑々宇山々頂〉

 

〈山頂直下を林道が通る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈呉娑々宇山々頂と林道を結ぶ長い階段〉

 

 

 

 

 

〈呉娑々宇山から東に延びる尾根に沿って林道が延びる〉

〈広島市森林公園へと続く林道を歩く〉

 

 

 

 

 

〈林道から馬木の街、二ヶ城山、阿武山方面を眺む〉

〈林道からの藤ヶ丸山登山口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈一旦藤ヶ丸山から森林公園への支尾根上に上がる〉

 

〈主尾根の北側に下って藤ヶ丸山へ向かう〉

 

 

15:00〜15:11 藤ヶ丸山(665.4m)

  藤ヶ丸山の山頂はかつては何故か落ち着かぬ荒々しい雰囲気の所であったが、立ち寄る登山者の数も増えて世間によく知ってもらえるようになったのであろうか、今はしっとりと落ち着いた佇まいの山頂らしい感じの所に変わっていた。午後3時を回って山頂には他に人の姿はなかった。さてここから時間があれば長者山から湯坂峠へと縦走したいところであったが、残余の時間を考えれば福田方面へ早く下山するのが賢明と思えた。広島市森林公園を経由しても、広島県緑化センターを経由しても長い歩行が残っているので、どうせ歩くなら未踏の三本木山を経由して小河原方面へ下ろうと考えた。緑化センターまでは曾遊のルートである。松林の美しい急な尾根道を下って福田と畑賀(水越峠)を結ぶ車道へ出た。その車道沿いに緑化センターの第4駐車場と展望比広場があるが、緑化センターには入らず展望広場を抜けてセンターの外縁に沿った三本木山へと続く登山道に踏み込んだ。その登山道が浅い鞍部から上りに転じると羊歯の中を行く道となった。登る程に荒れて来るのではと心配していたが、登り行くと深い羊歯がつい最近刈り込まれたようで大いに安心するところとなった。その上に「西山展望台」という標識の立てられた一角には立派な東屋が建てられてあって、この山が現在も関係者に関心を持ってもらっていることが良く分かるところとなった。

 

 

 

 

〈藤ヶ丸山々頂〉

〈藤ヶ丸山々頂の一角から海田湾方面を睥睨する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈緑化センター上で福田と畑賀を結ぶ車道に出合う〉

 

 

 

〈広島県緑化センターへの登山道を下る〉

 

 

 

 

 

〈緑化センターの外縁沿いに三本木山への登山道が延びる〉

〈羊歯の中に延びる三本木山登山道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道の通る尾根筋の右側は緑化センターだ〉

 

〈藤ヶ丸山からの尾根筋を振り返る〉

 

 

 

 

 

〈西山展望台に立つ東屋〉

〈482mピーク付近から藤ヶ丸山を仰ぐ〉

 

 

16:13〜16:21 三本木山(486.3m)

  羊歯の尾根道を登って行くと露岩が点々としたピーク上に出た。右()側の谷間に下って行く羊歯を綺麗に刈った登山道も分岐していた。山頂であればこの山には三角点がある筈と探してみたが見付からなかった。GPSを見ると、確かに三角のマークに三本木山との山名表記までしてあるというのに・・・!結局は時間ばかり喰って見付からぬままに先を急ぐことにしたが、行きながら地形図を取り出してみると三角点ピークはその先の送電線を越えたところにあることが分かった。初めての所では先ずは地形図を頼りに・・・ということを忘れていたのだ!眺望の良い送電線鉄塔の直ぐ先に確かにその三等三角点があった。そうそうその上にここは「あさきた里山」の一峰でもあった。三本木山の山頂も踏めて、これでこの日の山行も十分に満足出来るところとなった。あとは無事に下山するだけであった。全く予備の知識を持っていなかったが地形図に従って尾根筋を北へ向かった。送電線の巡視路がずっと続いており、それが麓まで導いてくれて楽勝か・・・?と思っていたが、そうは問屋が卸さずに10分も行かないうちに巡視路は尾根を外れて左側へ下って行ってしまった。尾根上にはテープがあり、羊歯の中には微かな踏み跡があったのでここは尾根筋を辿ることとした。下り斜面になると、深い羊歯と滑る地面に苦しめられることとなった。意外な急坂が多く、かつて登山道として整備した時に横木の階段道でも築いていたのであろうが、その時の丸太が一部残っておりそれに乗ったり、躓くと極めて危険であった。20分間ほど深い羊歯漕ぎをしたところで、パッと再び鉄塔の巡視路に出た。テープはその巡視路に乗って、尾根を外れて左の谷間に下るように導いていた。それを辿って行くと、廃材の回収作業場の裏側を通って山陽高速道の側道へ下ることが出来た。

 

 

 

 

〈三本木山々頂近くの送電線鉄塔から馬木方面を望む〉

〈長者山、湯坂峠方面〉

 

 

 

 

 

〈三本木山々頂〉

〈三本木山の三等三角点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈巡視路を外れると羊歯を漕ぐ尾根筋となる〉

 

 

 

〈暫し送電線巡視路を辿る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈かつて登山道として整備した跡が残る〉

 

〈深い羊歯の中の急坂を下る〉

 

 

 

 

 

〈小河原から鬼ヶ城山、白木山にかけての眺望が開けた〉

〈広島東インターチェンジ方面の眺望〉

 

 

17:17 五月ヶ丘団地

  高速道の側道から五月ヶ丘団地に出る道筋を地図とGPSでつぶさに検討した。高速道の下を潜る通路を抜けて北側に回り込んでみると、団地との間の林の中に一筋の踏み跡が続いていた。その地道を辿って行くと比較的広い渓流も流れており、そこを渡渉して行くと五月ヶ丘団地の最上部に出ることが出来た。あとは団地の中を時に犬に吠えられながら下って行くだけであった。団地を出たところに広島バスの市内と小河原・上深川方面を結ぶ路線の停留所があった。

 

 

 

 

〈山陽自動車道の側道に出る〉

〈山陽自動車道の下を潜って五月ヶ丘団地への道を捜す〉

 

 

 

 

 

〈藤ヶ丸山の懐から流れ下った渓流を渡る〉

〈五月ヶ丘団地の最上部に出た〉

 

 

 

 

 

〈五月ヶ丘団地から下って来た山を振り返る〉

〈団地を出ると広島バスのバス停がある〉

 

 

 

〔山行所感〕

  雨の予定が雨が降らずに拾い物をしたような一日、出発の遅い思い付きのような山行であったものの、十分に満足出来る結果を得ることが出来て幸いであった。二ヶ城山や松笠山から呉娑々宇山を眺めると年々歳々山頂直下が荒らされて林道がどんどんと東へ延びて行っていることが分かった。雪の積もった日などには、その傷跡の大きさが実感出来るほどであった。その道もついに高尾山の尾根まで達して府中町側の林道と繋がる所まで来たので、今後どういう使われ方をするのか分からないが、一度その様子を見ておきたいと思っていた。それが今回の山行のきっかけであった。この辺りは縦横に送電線が走り、各種施設が山中に出来た山域であり、自然保護というよりは自然の有効活用策を云々するのが適切なところであるように思う。そんな中で、この林道は今後どんな目的で使われるのか、ひいては何の為に造ったことになるのかを注視していかないといけないように思える状況であった。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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