竜ヶ岳から南尾根を辿りカタクリの山へ 寂地山(1,337m)

山口県岩国市錦町

2010年5月1()   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈寂地山南尾根の林床に群生するタカクリ〉

 

 

 

最近では中国地方の高嶺のカタクリは気象条件が定まらないことから花期がはっきりしないが、

寂地山ではもう盛りを迎えた頃では・・・と聞く。

イワウチワに続く花シリーズはカタクリにしたいと思っていた。

それも出来れば今年は久し振りに寂地山のカタクリの花に逢いたいと願っていた。

そんなことからうまく大型連休中の日程の空いたこの日に少し早く起きて寂地峡を目指した。

ちょっと冒険心を起こして、人跡薄い寂地山南尾根からアプローチすることを狙った。

 

 

《山行記録》

寂地峡駐車場8:22・・・・8:29延齢水・竜尾の滝・・・・8:33登竜の滝・・・・8:35白竜の滝・・・・8:39竜門の滝・・・・8:42竜頭の滝・・・・8:46木馬トンネル・・・・8:51竜ヶ岳観音分岐・・・・9:00竜ヶ岳9:05・・・・9:06南尾根分岐9:09・・・・10:05(休憩)10:09・・・・10:19 874m地点10:23・・・・11:24イワカガミの広場(地図捜索)11:39・・・・12:10カタクリの花に出逢う・・・・12:48縦走路出合・・・・13:19寂地林道コース分岐・・・・13:28寂地山(1,337m)14:07・・・・14:14寂地林道コース分岐14:18・・・・15:05寂地林道終点・・・・15:37犬戻の滝15:41・・・・15:51寂地林道出合(犬戻遊歩道入口)・・・・16:28寂地峡駐車場

〔総所要時間:8時間06分、昼食・休憩等:1時間18分、正味所要時間:6時間48分〕

 

 8:22 寂地峡駐車場

  午前8時過ぎの寂地峡駐車場は意外にも自動車は疎らであった。往年のカタクリの季節には車が溢れていたことを思うと嘘のような景色であった。ここは大型連休中のターゲットにならないということなのであろうか?ともかく静かな朝の峡谷は気温10℃で、昨日までの冷え込みから脱出しようとしているかのようであった。久し振りの寂地であったので、五竜の滝経由で登り始めることにした。延齢水の湧く登山口から豪放な5つの滝が懸る懸崖を登って行った。懸崖の上で木馬トンネルに出合う。真っ暗なトンネルを潜るといよいよ寂地峡の渓谷が始まる。数分行って渓流を橋で渡ると右手の山上へ竜ヶ岳観音への道が分れていた。急峻な斜面にジグザグの登山道が稜線上まで延びており、そこを一気に登った。

 

 

 

 

〈寂地峡案内所のある駐車場〉

〈この橋から入山する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈竜尾の滝〉

 

 

〈竜頭の滝〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈木馬トンネルを抜けると寂地峡だ〉

 

 

〈寂地峡の清流〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈寂地峡を離れて竜ヶ岳へと登る〉

 

 

〈竜ヶ岳への険しい上り〉

 

 

 9:00〜9:05 竜ヶ岳

  五竜の滝のちょうど真上に当たる小ピークが竜ヶ岳で、頂きには巨岩が露出しており、それが観音岩と呼ばれているようだ。その岩上からはこれから辿って行く寂地山南尾根や右谷山、寂地山の山容が望めた。ここへは登山口の延齢水からCコースを辿れば五竜の滝を経由せずに直接登ってくることが出来るようだ。観音岩から下りていよいよ南尾根筋に入ることとした。取り付きは稜線部に指導標と共に立つ「ゴミを捨てないで」と記された黄色の看板の左手である。ここを置いては山中への入口になりそうな所は他にないので迷うことはないであろう。踏み入ってみると、そんなに踏み込まれているとは言えないものの、確かな踏み跡が間断なく続いており、迷うことなく歩くことが出来た。赤松を主体とした林の中にイワカガミの群生を見つけた。花期はこれからなのであろうが、かなりの規模の所が何箇所かあった。ひたすら尾根を外すことなく進んで行けば迷うこともない。ただ注意を要するのは何箇所かある露岩。注意深く観察すれば、岩の先に続く道筋は直ぐの見付かるであろうし、足元に注意をすれば滑落することもないであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈竜ヶ岳〉

 

 

〈竜ヶ岳山頂の観音岩〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈竜ヶ岳観音岩から寂地山南尾根を仰ぐ、左奥は右谷山〉

 

 

 

 

 

 

〈竜ヶ岳からの南尾根への入口〉

〈尾根上に微かだが確かな踏み跡が続く〉

 

 

 

 

 

〈尾根筋の各所でイワカガミの群生が見られた〉

〈ミヤマシキミ(ミカン科)の花〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈こんな営林署の注意書が転がっていた〉

 

 

〈西側の谷から上がってくる踏み跡〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この岩場は東側を巻いた〉

 

 

 

〈辛うじて通り抜けられる岩場を越える〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈874m地点への急傾斜面を登る〉

〈南方向には鬼ヶ城山(1,030.9)を仰ぐ〉

 

 

10:19〜10:23 標高874m地点

  南尾根を三分の一ほど進んだところにある地形図に874mと記されている地点への標高差100メートル程の上りが最も急な斜面であった。ただ下草の笹は浅く、また灌木も多かったので登るのにそんなに難はなかった。コバノミツバツツジが咲き、芽吹き前の樹間から鬼ヶ城山なども眺められて、上りの辛さを除けばこの季節は牧歌的な感じさえもした。登り切るとミズナラを中心とした雑木林となり、まだ葉を付けない樹林の先に右谷山から寂地山に続く稜線も望めた。それから先は自然林と桧の樹林との境界線沿いの尾根を行く感じとなった。桧林が途切れるとミズナラ林からブナ林へと林相は変わっていった。大分尾根を詰めて標高1,200メートル近くまで登ったところで、カタクリの花に出逢った。ブナ林の中の笹の林床に数多のカタクリの姿があった。笹が薄いところには群生しており、踏み付けずに歩くのは困難な程であった。人の手が届かぬところの野生の華麗な花達を見ていると、一際感慨深いものがあった。もう直ぐ縦走路というところであったが、このカタクリの観察や撮影に40分近くも費やしてしまった。

 

 

 

 

〈874m地点にある岩場を越える〉

〈874m地点から右谷山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈桧林と自然林の境目の笹の尾根を登る〉

〈ブナやミズナラの林は芽吹き直前〉

 

 

 

 

 

〈ミズナラの林床にコバノミツバツツジ咲く〉

〈ミズナラの樹林の先に右谷山からミノコシ峠への稜線が覗く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナの稜線の日溜まりの咲くコバノミツバツツジ〉

 

 

 

 

 

 

〈芽吹きを迎えたブナの巨樹〉

〈林床のイワカガミの群生〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナの林床に花を開いたカタクリ(ユリ科)の群生が現れた〉

 

 

 

 

 

 

〈姉妹花か!?

〈大きく萼を開いた姿も凛として良いものだ!〉

 

 

 

 

 

〈見事な花紋が浮かぶ!〉

〈厳しい環境下に可憐に咲く!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈人出の届かぬ深い山に静かに咲く〉

 

 

 

〈二輪の良きコレボ〉

 

 

 

 

 

〈コゲラのタンブリングの跡〉

〈美しきブナと笹の尾根〉

 

 

12:48 寂地山〜右谷山縦走路出合

  何はともあれ南尾根を辿るのに4時間30分近くもかかって寂地山から右谷山への縦走路に出た。出合地点からもう縦走路沿いはカタクリの群生であった。ただ思ったほどにはそれを見に来た登山者の数は多くなかった。かつては、笹を漕いで歩いていたこの縦走路であったが、今では笹が綺麗に刈られてそこカタクリが群生している。ワイルドな南尾根などを歩いて来た身には、そこはまるで公園の中のように感じられた。カタクリは可憐であった。途中で行き交った登山者の方が、「この先に白い花があったよ!」と教えてくれた。そうそう白い花を見つけるのは、登山者に課せられた宿題のようなものでもあったことを思い出した。綺麗な花を眺めながら、南尾根の歩きとは全く異なったリズムで寂地山の山頂を目指した。

 

 

 

 

〈この地点で南尾根から縦走路に出た〉

〈縦走路沿いはカタクリの群生!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈今盛りと咲く縦走路沿いのカタクリ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈二輪で遊び戯れている感じ・・・〉

 

 

〈こちらは何か語らっている感じ・・・〉

 

 

 

 

 

〈白いカタクリの花も見付かった!〉

〈明るい日射しを浴びて咲く〉

 

 

 

 

 

〈エイレンソウ(ユリ科)も仲間に加わって〉

〈まるで公園のように人手の加わった縦走路〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈仲良き二輪の花!〉

 

 

 

〈登山者が行き交う縦走路〉

 

 

13:28〜14:07 寂地山(1,337m)

  山頂に着いて、遅い昼食を摂った。時間的に遅いとは言え、この山頂も往年のような賑わいはなかった。昼食を摂る場所を確保するのに難渋するような時もかつてはあった。まだ芽吹きを迎えていない山頂付近のブナ林であったが、そこを渡る風はやはりまだ冷たかった。今春の天気は仲々に安定しないようだ。やがて、冬から夏へ一気に季節が移るというようなことになるかも知れない。この季節にすれば静かな山頂を後に下山の途に就いた。寂地林道コースを下ることにして、山頂直下の三叉路を林道へ向け下り始めると、カタクリは早々に姿を消し、その後はミヤマカタバミなどの初夏の花々が路傍を飾っていた。

 

 

 

 

〈寂地山々頂〉

〈山頂に咲くカタクリ〉

 

 

 

 

 

〈高嶺に咲く厳粛な感じの花〉

〈午後の陽射しの中で歌う・・・〉

 

 

 

 

 

〈寂地林道への分岐〉

〈分岐付近のカタクリ群生〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日最後のカタクリの花!〉

 

 

 

 

 

〈ミヤマカタバミ(カタバミ科)〉

〈寂地林道まで2qの山道が続く〉

 

 

 

 

 

〈ボタンネコノメ(ユキノシタ科)〉

〈キケマン(ケシ科)〉

 

 

 

 

 

〈ニリンソウ(キンポウゲ科)〉

〈ヤマエンゴサク(ケシ科)〉

 

 

15:05 寂地林道終点

  寂地山々頂から1時間足らずで寂地林道最上部に出た。ここから寂地峡駐車場まではまだまだ長い。忍の一文字で歩くか、今日の楽しかった一日を反芻しながら単調な林道を歩くかである。途中で犬戻の滝へのショートカットがあり、ここだけは変化がある。犬戻の滝の迫力ある流下に触れるのも良いものだ。長い一日であったが、それでも元気に歩けて、1時間半足らずの林道歩行で駐車場まで無事に帰り着けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈寂地林道に出る〉

 

 

〈暫し林道歩き!〉

 

 

 

 

 

〈エイザンスミレ(スミレ科)〉

〈タチツボスミレ(スミレ科)

 

 

 

 

 

〈寂地林道から犬戻の滝への分岐〉

〈犬戻の滝〉

 

 

 

 

 

〈犬戻の滝入口で寂地林道と再び出合う〉

〈犬戻の滝入口から上の寂地林道は通行止〉

 

 

16:28 寂地峡駐車場

  寂地峡入口の園地にはキャンプ場があり、駐車場にある案内所でキャンパーの受付をしている。大型連休中のこの日も数組のテントが張られていた。ここは水も良いので、快適なキャンプが楽しめるかと思う。夕刻の駐車場も車は疎らであった。駐車場に面した茶店も早々に店を閉じていた。昼間とてそんなに多くの来訪者があった様子はなかった。些か寂しいが、静かな静かな寂地峡、寂地山であった。

 

 

 

 

〈下って来た寂地林道沿いの谷間を振り返る〉

〈西陽の中の竜ヶ岳を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈寂地峡入口へ帰ってきた!〉

〈夕刻遅く車はもう疎らな駐車場〉

 

 

 

〔山行所感〕

  南尾根を初めて辿り、カタクリの寂地山を楽しもうという今回の山行は、先ずもって初期の目的を達成することが出来た。だがしかし、「二兎を追うもの一兎を得ず」ではないが、中身はかなり間延びしたものであったことは我ながら否めないところである。まあそれは南尾根の最上部で出逢ったカタクリの花から始まった、カタクリの花の観賞と撮影によるものであったので、花シリーズ山行の趣旨から言っても仕方のないことであったと言えようか。言ってみれば、南尾根踏破とカタクリの花探訪の両者に時間を十分に掛けたということであろう。まあ、少々時間はかかり過ぎたが、満足する山行であったと結論付けるのが正しいか・・・!

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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