サンカヨウの真白き花との出逢いを求めて 大万木山(1,218.0m)

島根県飯石郡飯南町・広島県庄原市高野町

2010年5月14日(金)         チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈この真白き花がお目当てのサンカヨウ〉

 

 

 

このところの山行は春の花シリーズのようになってきたが、今週も大万木山にサンカヨウを訪ねた。

かつてはよく通った大万木山であったが、ここ何年間もご無沙汰で随分と久し振りであった。

そしてサンカヨウの花もその盛りに訪ねるのはやはり久し振りであった。

山上に咲く白き至宝のような花に逢うために登り行く一歩一歩は、決して辛いものではなかった。

 

《山行記録》

門坂駐車場9:06・・・・9:20権現滝分岐・・・・9:35権現滝9:41・・・・9:47登山道・・・9:51(小雨にザックカバー)9:53・・・・9:59避難小屋10:01・・・・10:09一服岩・・・・10:10林道出合・・・・10:16山道へ・・・・10:25等検境ルート出合・・・・10:38毛無コース合流・・・・10:39門坂峠地蔵尊10:46・・・・11:13水飲場11:14・・・・11:15サンカヨウ11:24・・・・11:30サンカヨウ11:35・・・・11:49山頂避難小屋11:52・・・・11:57大万木山(1,218.0)12:40・・・・12:43山頂大ブナ・・・・12:45山頂展望台12:50・・・・13:20大万木権現の祠13:25・・・・14:11横手コース出合・・・・14:15門坂谷方面分岐・・・・14:19赤松の森・・・・14:36門坂駐車場

〔総所要時間:5時間30分、昼食・休憩等:1時間33分、正味所要時間3時間57分〕

 

9:06 門坂駐車場

  広島から国道54号線を北上し赤名峠を越えて島根県に入り飯南町頓原で道標に従って右折して大万木山の登山口へと向かった。頓原からの登山口の駐車場は二つある。門坂駐車場と井出谷駐車場で、いずれもトイレを備えている。我々はこの日は門坂駐車場に車を停めて、滝見コースを登っていくことにした。駐車場には2台の先客の車が停められていた。いずれも広島ナンバーであった。

広島県の天気予報は晴であったが、山陰には寒気が残るため天気の回復は午後になるとの予報であった。朝の大万木山は山頂を雲に隠して、上空はいつ雨が降ってもおかしくない位にどんよりとしていた。そんな中を駐車場で身仕度を整えてスタートした。スタート早々路傍にはユキザサやホウチャクソウなど初夏の花々の群生があった。出発して15分足らずのところで、権現滝への道が左に分岐しているのでそこへわけ入った。この道筋にも多くの花々が咲いていた。

 

 

 

 

〈朝の大万木山は雲に隠れてしまっていた〉

〈門坂谷の登山口〉

 

 

 

 

 

〈早速にユキザサ(ユリ科)がお出迎え〉

〈ホウチャクソウ(ユリ科)も群生していた〉

 

 

 

 

 

〈エンレイソウ(ユリ科)は山域内の各所で見られた〉

〈ツクバネソウ(ユリ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈権化滝への道が左に分かれる〉

 

 

〈新緑の谷間を権現滝に向かう〉

 

 

 

 

 

〈コケイラン(ラン科)〉

〈ラショウモンカズラ(シソ科)〉

 

 

9:35〜9:41 権現滝

  「滝見コース」の名の起こりは、やはり門坂谷に権現滝が懸るが故のことであろう。こじんまりとした滝であるが、今は新緑の谷間に白い飛沫を飛ばしていた。滝の直ぐ下手から上に延びる道を数分行けば大万木山への登山道に出ることが出来る。そこから滝に下ることも出来て便利なのだが、渓流沿いの山野草をより楽しむなら下手の分岐から入ることをお勧めする。イチリンソウの群生を過ぎて登山道を登って行くとどんよりとした空から小雨が落ちて来るようになった。ザックにカバーを掛けてから避難小屋、一服岩を過ぎて、一回林道に出てから再び山道に入り若葉に包まれた門坂谷を詰めて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈新緑の谷に落下する権現滝〉

 

 

 

 

 

〈夏にはこの飛沫が気持ち良い!〉

〈春は水量豊かなようだ“〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この色合いはダイセンミツバツツジ(ツツジ科)か!〉

 

 

 

〈イチリンソウ(キンポウゲ科)の群生があった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈避難小屋〉

 

 

〈新緑の門坂谷を登り行く〉

 

 

 

 

 

〈ここは山深いところ、彼らの棲家です!〉

〈時折青空が覗くようにもなった〉

 

 

 

 

 

〈タチツボスミレ(スミレ科)が谷間に咲く〉

〈キランソウ(シソ科)がと登山道脇の土手に咲く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈上るほどにチゴユリ(ユリ科)が多くなっていった〉

 

 

 

 

 

 

〈山頂部を右手に仰ぎながら登り行く〉

〈毛無コースと合流する〉

 

 

10:39〜10:46 門坂峠地蔵尊

  地蔵尊の安置されている門坂峠は数ある山中の峠の中でも好きな所の一つである。久し振りの大万木山であるが、そのご無沙汰の間に地蔵尊の祠も新しくなっているようであった。ここはまた北から西方向の展望地でもあるのだが、将に天と地の間だけは晴れ始めたようであったが、空はまだまだ厚い雲に閉ざされており三瓶山の山頂部も姿を隠していた。地蔵尊脇を過ぎて山頂へと向かった。暫しジグザグの上りが続くが、毛無山方面から延びてくる主稜線に乗ると緩やかで広やかな尾根道となった。ブナの樹に包まれたこうした道は登山者を幸せな気持ちにさせてくれるものだ。まだ行く手の山頂付近はガスに包まれているようであったが、その緩斜面をのんびりと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈門坂峠の地蔵尊を祀る祠〉

 

 

〈門坂峠から北方の吉田町の谷間を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈県境尾根の先に吉田毛無山を望む〉

〈西方には山頂部が雲に隠れた三瓶山が聳える〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾根上の緩斜面はいつも楽しく歩ける所だ!〉

 

 

 

〈気持ち良いブナの尾根筋を行く〉

 

 

 

11:13〜11:14 水飲場

  主稜線上の緩斜面がやや傾きを急にして山頂部への最後のアプローチを始めようかとする所に「水飲場」がある。山頂直下にありながら清水がコンコンと湧き出ており、登山者にとってはオアシスとなる水場である。その水場の登山道を挟んで反対側の灌木の中にもうそろそろサンカヨウの群落がある筈であった。そう思いながら灌木の根元辺りを覗きこんでみると「あった、あった!」、小さく真白い独特の花が大きな緑色の葉の先にちょこんと乗っかるように咲いている姿が並んでいた。登山道からその群落へ踏み分け道も出来ていた。そこから山頂直下の避難小屋までの間は、もうサンカヨウの観賞会、撮影会となったのは言うまでもない。山頂避難小屋の周囲から下方にも大きな群落があるが、こちらの方は高度が高いせいかまだ蕾が多いように感じた。それと共に付いている蕾の少なさが気になった。とは言え、まだ花のピークには少し早かったもののそれでも存分に花を楽しませてもらって、山頂へと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この右手に水飲み場がある〉

 

 

〈山頂直下ながらコンコンと水が湧く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈水飲み場の近くで待望のサンカヨウの花に出逢った〉

 

 

〈サンカヨウはメギ科の多年草である〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この花は高貴さを湛えた白さだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大きな葉に小さな花が付くが、存在感のある花であるのが不思議だ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈こうして群生する!〉

 

 

 

〈この白は無垢に通じる!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈「純」という感じのする白さで!〉

 

 

 

 

 

 

〈「素朴」という感じの佇まい!〉

〈林床を明るくする花たちだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈冷え込んだ天気に少しばかりシモヤケに罹ったようだ!〉

 

 

〈サンカヨウに彩られた山頂避難小屋〉

 

 

11:57〜12:40 大万木山(1,218.0m)

  いつも休日には賑わっている大万木山の山頂は平日のせいで昼の時間だというのに無人であった。昼食をとっている間に2組4人の登山者が上がって来られたが、それでも静かな山頂であった。ここでもゆっくりと弁当と食後のコーヒーを楽しんだ。食後は権現コースを採って下山することにした。かつては渓谷コースを採ることを常としていたが、やはり時には変化をつけることも必要だ!山頂大ブナ(タコブナ)にも会い、その先の山頂展望台にも寄った。吉田毛無山から鯛ノ巣山に続く稜線や遠く宍道湖を望む大きな眺望が拡がっていた。権現コースは山頂から北西に延びる尾根を暫し辿る。ブナの密林に包まれた気持ちの良い尾根筋である。樹間からは青々とした新緑の奥出雲の山地が望めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大万木山の山頂広場〉

 

 

〈山頂の二等三角点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂大ブナ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂大ブナの根元〉

 

 

 

〈山頂大ブナはこれから芽吹き〉

 

 

 

 

 

〈山頂で咲くクロモジ(クスノキ科)〉

〈オオカメノキ(別名:ムシカリ)(スイカズラ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大万木展望台から吉田毛無山〜鯛ノ巣山へ続く山塊を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈遙か北方に宍道湖を望む!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈権現コースは密なブナ林の中を下る〉

 

 

〈オオカメノキ越しに新緑の奥出雲を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈晴れて姿を現した三瓶山を望む〉

 

 

 

13:20〜13:25 大万木権現

  権現コースの登山道が北西尾根を南側(左側)に外れて断崖を巻いて隣の小尾根に乗り移ろうとするその断崖の上に岩穴がありそこに小さな権現様を祀る祠が安置されていた。これが大万木権現で、このルートを権現コースと呼ぶ機縁となったことは明確である。随分と険しく危なげな所であったがちょっと上がらせてもらって参拝した。樹高を超えるその高みからはまた奥出雲の広々とした眺望をも得ることが出来た。この権現様の祠を過ぎると登山道は実に急峻な斜面を下っていくようになった。急ではあったが、下る程に周囲の樹々が緑を増すのが実感出来た。山上ではまだこれから芽吹きという風情であったが、横手コースへ合流する頃には新緑の森の真っただ中に身を置いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈権現を祀った断崖から奥出雲の野を望む〉

 

 

 

〈断崖の岩穴に祀られた大万木権現〉

 

 

 

 

 

〈権現の祠から琴引山を遠望する〉

〈樹間に大江高山火山群を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈険しい断崖を下る〉

〈下る程に緑色が濃くなっていく〉

 

 

 

 

 

〈中腹のブナをもう緑の葉を纏っている!〉

〈新緑のブナ&ミズナラ林〉

 

 

 

 

 

〈トキワイカリソウ(メギ科)も山中に多い〉

〈もう直ぐ木イチゴになるナガバモミジイチゴ(バラ科)の花〉

 

 

14:11 横手コース出合

  急峻な権現コースから水平な横手コースに下りてくるとひと安堵であった。ここからはグリーンシャワーを浴びながらの巻き道のウォーキングが楽しめる。道はブナやミズナラの森から小さな尾根に乗り越しながら見事な赤松の森へと入って行った。かつての日本の森、なかんずく赤松の森はこんなに美しかったのかと改めて気付かされる程の立派な松の樹林である。美しい樹林や豊かな下草などを観察しながら歩くこと20分程で出発地点の門坂駐車場へ着いた。

 

 

 

 

〈権現コースを下って横手コースに出合う〉

〈新緑の横手コース〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈これまた素晴らしい赤松の森〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ユズリハの花に初めて気付いた〉

 

 

 

〈赤松の樹下を飾るユズリハ(ユズリハ科)〉

 

 

14:36 門坂駐車場

  駐車場に戻ってみるとまだ4台の自動車が停まっていた。朝方は別の車を含めて3台であったので、我々がのんびりゆっくりとして来た間に来て帰ったものもあったこととを思えば平日ではあるが延べでは10台近い車が停められたものと推察出来た。朝方はどんよりとしていた空も、この時間になって何とか安定に向かっているようであった。狭い谷間の上には青空も覗くようになっていた。

 

 

 

 

〈移ろい易い天気の一日であった!〉

〈下山後に仰ぐと大万木山は姿を現していた!〉

 

 

〔山行所感〕

   広島・島根の県境に位置する大万木山であるが、この島根県側は広い島根県民の森の一角となっており登山道や避難小屋、道標などがきれいに整備されている。いつもながらに、整備され過ぎていることから来る物足りなさをも感じるという贅沢な悩みはあるのだが、この山の持つ大きな自然の力はいつも偉大に感じるものである。ここが日本列島のほぼ南限とされるサンカヨウの群生もその一つである。広い山中ではあるが主稜線の一角にのみ生育しているのも自然の不思議さである。久し振りにこの季節に訪ねて、美しくも清楚で純なその姿を存分に楽しませてもらった。大万木山は、これからも幾度も訪ねる山であると思う。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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