送電線巡視路から登り、一の谷を下る 二ヶ城山(483.2m)

広島市安佐北区・東区

2010年5月28日(金)      門久単独

 

 

 

 

 

 

 

〈人跡薄い一の谷を下る〉

 

 

 

好天の予報があるものの諸々の用件があって登山は無理となった週末を前にした休暇の金曜日、

この日の用件を午前中に済ませ、自由になった午後の時間に二ヶ城山に登り気持ちを収めることとした。

出来得れば山頂を踏んでから、惣の谷ルートを踏査したいものと思っての山行であったが、

山上で歳のせいですっかり忘れていた夜の酒席の約束を思い出すこととなり、

ちょっと冒険のショートカットルートを採って下山することとなった。

今回はそんなつまらなくまた情けない顛末の記録である。

《山行記録》

中岩ノ上バス停13:37・・・・13:56山陽道暗渠・・・・13:57特別養護老人ホームなごみの郷・・・・13:59分岐・・・・14:00尾根上の送電線巡視路出合・・・・14:03広島西幹線10号鉄塔入口・・・・14:099号鉄塔・・・・14:188号鉄塔・・・・14:277号鉄塔・・・・14:436号鉄塔(展望所)14:45・・・・14:53男天狗14:54・・・・15:16千畳敷・・・・15:22二ヶ城山(483.2m)15:27・・・・15:40送電線鉄塔・・・・15:48千人塚入口・・・・16:03一の谷出合・・・・16:11小屋掛け跡・・・・16:31マムシに遭遇・・・・16:34砂防ダム・・・・16:37林道終点・・・・16:41産業廃棄物焼却場下・・・・16:43車道(中国自然歩道)・・・・17:11上小田バス停

〔総所要時間:3時間34分、休憩等:0時間08分、正味所要時間:3時間26分〕

 

 

13:37 中岩ノ上バス停

  今回の登山ルートは落合南の「特別養護老人ホームなごみの郷」の裏手から送電線巡回路の通る支尾根に乗って主稜線に上がるルートとし(2008年10月4に下山したルート)、先ずは広島市内から高陽ニュータウンへの郊外バスの中岩ノ上の停留所から出発することとした。バス停の対面にある電気店の角から山側の団地に入って行く道を採り、道なりに進んでいくと城ヶ丘団地と高陽台団地の間の谷間を上って行くようになった。坂道を上り切ったところで山陽道に突き当たり、その山陽道を潜る「広島東6」号トンネルを抜けると、目の前に「特別養護老人ホームなごみの郷」が建っていた。

 

 

 

 

〈出発は高陽中央通りの中岩ノ上バス停〉

〈路傍に咲くユキノシタ(ユキノシタ科)〉

 

 

 

 

 

〈団地の間の道を登って行くと山陽道に突き当たる〉

〈山陽道下のトンネル「広島東6」を潜る〉

 

 

13:57 特別養護人ホームなごみの郷

  「特別養護老人ホームなごみの郷」の建物に向かって右手の用水路に沿ったダートの道に入ると、すぐに右手のその用水路へと下る分岐があった。分岐を右に入って用水路に架かる壊れかけた小橋を渡り、その先の急傾斜面を上って行くと直ぐに尾根上の送電線巡視路に出た。ここからは、その巡視路を送電線鉄塔を辿りながらひたすら登って行くこととなった。この尾根を通る送電線は広島西幹線とのことで、その10号から6号までの5本の鉄塔を伝って行った。二ヶ城山北面の樹林の中を行く道で、最初は比較的緩やかな上りであるが、7号鉄塔手前から主稜線上の6号鉄塔までの間はちょっと厳しい急坂となった。

 

 

 

 

〈「なごみの郷」下の道を右に採る〉

〈尾根上の送電線巡視路に乗る〉

 

 

 

 

 

〈送電線巡視路を辿る〉

〈潜り戸のような倒木の下を抜けて行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈広島西幹線7号鉄塔から来し方を振り返る〉

 

 

〈尾根筋の急坂を登り行く〉

 

 

14:43〜14:45 広島西幹線6号送電線鉄塔下(展望所)

  6号鉄塔の下で高陽中央霊園から上って来るメイン登山ルートに合流した。ここは登山ルートの中で随一の展望所でもある。鉄塔の足元からは山麓の矢口から太田川の向こうの緑井方面の大眺望が得られるが、この日も緑井権現山、阿武山を背にした広島市北郊のその見事な眺望が得られた。ここからは主稜線上のよく整備された登山道を山頂へと登り行くだけである。この日は山頂を踏んだ後で初めての惣の谷ルートを踏査する積りであったので、途中の男天狗には長居をせず、また千畳敷の展望岩には立ち寄らずに先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

〈主稜上の6号鉄塔下から矢口、緑井方面を眺望する〉

 

 

 

 

 

 

〈主稜線上の登山道を行く〉

〈新芽の揃った羊歯〉

 

 

 

 

 

〈男天狗からの高陽ニュータウン、可部方面の眺望〉

〈稜線上から木ノ宗山、高鉢山、安駄山の山並を望む〉

 

 

 

 

 

〈路傍を飾るヤマツツジ(ツツジ科)〉

〈山頂直下の三叉路〉

 

 

15:22〜15:27 二ヶ城山(483.2m)

  さすがに平日の午後の時間帯ゆえにここまで山中では誰にも会わず来た。山頂にも人の姿はなかった。山頂に着く直前に、友人から携帯電話にメールが入ってこの日の夕刻から広島市内でちょっとした同好会の酒席に参加する約束をしていたことを思い出した。惣の谷ルートの踏査は諦めて、出来るだけ早く下山せねばならなくなった。とは言え、同じ道を引き返したり、よく通るルートを下るのではあまり面白くないので、ここ暫く通っていない一の谷を下ってみる気になった。2007年1月6に、送電線の通る南西尾根から一の谷に下ったのが最後となっているが、一の谷にはまだ薄いながらも林業関係者か電力関係者かの踏み跡が通じている筈であった。

 

 

 

 

〈二ヶ城山々頂〉

〈山頂のコシアブラ〉

 

 

 

 

 

〈山頂から遠く広島湾を望む〉

〈東隣の呉娑々宇山、藤ヶ丸山を望む〉

 

 

 

 

 

〈蝦蟇ヶ峠への長尾根上の送電線鉄塔から広島湾を望む〉

〈尾根上の日溜まりに咲くヤマツツジ(ツツジ科)〉

 

 

15:48 千人塚入口

  200716日と同じ南西尾根の送電線巡視路を辿っても良かったのだが、その5年程まえに千人塚に寄ってから道なき支尾根を一の谷に下ったことがあったので、この日はこのルートを再度行ってみることにした。「千人塚入口」の指導標から繁みの中に延びる踏み跡を辿って行ったが、分厚く積もった落ち葉に踏み跡は消えており直ぐに千人塚への下り道を外して一の谷へ真直ぐに下っていることに気付いた。気が急くので千人塚に寄ることは潔く諦めてそのまま杉林の中の急斜面を下って行った。下草や灌木が殆どない斜面であるので、谷に下るのは難儀なことではなかった。下り着いた一の谷の谷間は間伐材が放置され、このところの長雨でかなり荒れた様相を呈していた。それでも何とか渓流沿いの踏み跡を見付けてその谷筋を下って行った。かつて作業小屋があったと思われる谷の合流点を過ぎて暫し下って行くと、樹林の中の道筋から竹藪の中の道へと移った。3年半前の記憶では道が通っていた筈の籔からはもう踏み跡が消えており、渓流の反対岸に新たにテープが見えて薄い踏み跡があった。途中渡渉などもしながらその踏み跡を辿り、もう間もなく林道に出るかなという所で倒木に突き当たった。倒木越え中にその倒木上で昼寝を決め込んでいたマムシの上に危うく手を置いてしまいそうになるという冷や汗ものの失敗もあった。いつもここの竹藪の道には苦労をさせられる。もう二度と通るものかといつも思うが、やはり数年すると忘れたようにここを通ってしまっているようだ。

 

 

 

 

〈主稜上の千人塚入口から北西方向に延びる支尾根に入る〉

〈支尾根を下って行く〉

 

 

 

 

 

〈一の谷に出合う〉

〈川床に咲くコガクウツギ(ウキノシタ科)〉

 

 

 

 

 

〈かつて小屋掛けがあった雰囲気の谷間〉

〈滑の沢を渡渉する〉

 

 

 

 

 

〈小滝の落ちる沢〉

〈笹原の中の薄い踏み跡を辿る〉

遭遇したマムシをご覧になりたい方は上の写真をクリックしてください

 

 

16:43 中国自然歩道出合

  一の谷を抜け出るまで予想をしていた以上に苦労をしたような気がしたが、山頂から1時間半余で旧高陽町域の中国自然歩道へ出ることが出来たのであるから良しとせねばなるまい。お陰でこの後中国自然歩道を矢口へ下って帰宅し、風呂にもゆっくりと入って酒席に悠々と出掛けることが出来た。

 

 

 

 

〈一の谷林道の終点部に飛び出た〉

〈ウツギ(ユキノシタ科)の蕾〉

 

 

 

 

 

〈一の谷の出口近くにある産業廃棄物の焼却場〉

〈温品〜矢口を結ぶ車道に出る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈車道は中国自然歩道を兼ねる〉

 

 

 

〔山行所感〕

  このところわがホームグランドの二ヶ城山の稜線部が綺麗に刈り込まれ惣の谷への取り付きが何十年か振りにはっきりとしてきたの一度ルート全体を踏査したいと思っている。この日も週末に山に行けない寂しさを収めるためにその踏査行を試みようと思って入山したが、結局は先に延ばす結果となってしまった。代わりに辿ることとなった3年半ぶりの一の谷ルートは相変わらず荒れ模様で、危機一髪のマムシとの超ニアミスがあった為だけではなりが、やはり今はもう通りたくない気分になっている。このルートは多分林業関係者と電力会社の送電線関係者以外は先ず通ることのないルートだと思う。登山愛好者はこんなルートもあることを知っておくだけで十分である。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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