今なお静かな尾根道を歩く 大佐山(1,069.0m)・鷹ノ巣山(943.3m)

広島県山県郡北広島町・島根県浜田市

2010年6月5日(土)         チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

〈初夏の色合いの樹海の先に西中国山地の名峰が並ぶ〉

 

 

 

素晴らしい天気に恵まれた一日、久し振りに芸北の大佐山から鷹ノ巣山の稜線を歩いた。

笹が被さった踏み跡を雨上がりに歩いてずぶ濡れになった悪い記憶がいつまでも尾をひき、

随分と長い間この山域に踏み込んでいなかった。

麓の尾崎沼で3年前に熊に遭遇したことも影響しているようだ。

だが歩いてみると、芸北地域の山々の中ではまだまだ野趣が色濃く残っている山域で、

もう少し見直しても良い山であるとの想いを抱くに至った。

 

《山行所感》

大佐スキー場駐車場)8:57・・・・9:01レストラン前・・・・9:10里見尾根9:13・・・・9:1478リフト乗り場・・・・9:54 935mピーク下10:05・・・・10:36リフト終点・・・・10:46大佐山(1,069.0m)11:07・・・・11:38大原山(1,011m)・・・・11:49最低鞍部(八幡洞門コース合流)・・・・12:02八幡三方12:04・・・・12:34県境広場12:36・・・・12:45鷹ノ巣山(943.3m)12:50・・・・12:56林道出合・・・・13:00林道終点13:02・・・・13:11県境広場13:50・・・・14:26八幡三方14:28・・・・14:42最低鞍部(八幡洞門コース分岐)・・・・14:55林道終点・・・・15:05県道出合・・・・15:29林道分岐15:30・・・・15:48峠・・・・16:29国道186号線出合・・・・16:34大佐スキー場駐車場

〔総所要時間:7時間37分、昼食・休憩等:1時間28分、正味所要時間:6時間09分、総歩行距離15.1q、累積標高±906m

 

 8:57 大佐スキー場

  今回の登山口に選んだのは大佐スキー場であった。ハイキングコースのイメージが強く、今までこのルートからは登ったことがなかった。国道186号線に面した広い駐車場に自動車を停めてスタートである。スキー場のレストランなどは夏場も営業しており、トイレを借りることも出来る。レストラン前から緩やかなスロープに管理道路が上って行っている。この道を登って行くのが順路のようであった。登り始めて10分程で里見尾根に上がったので、その尾根伝いに山頂まで登って行ける道はないかと窺ったが、それらしいものは見付からず、そのまま一旦尾根を越えてゲレンデ内の管理道を辿って行くことにした。ゲレンデ内には花が咲き、蕨などもまだの残っており、それらと付き合っていると登る速度は遅々としたものになってしまった。

 

 

 

 

〈登山口の大佐スキー場〉

〈ゲレンデ内の管理道路を登って行く〉

 

 

 

 

 

〈大佐スキー場のゲレンデから大潰山を望む〉

〈ニガナ(キク科)が群れて咲くゲレンデを登る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈蝶がアカツメクサ(マメ科)の蜜を吸う〉

 

 

 

〈コウゾリナ(キク科)の群れ咲く中を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈緑が濃くなって夏の様相を呈してきた山中〉

 

 

〈大佐スキー場の管理道路をなお登り行く〉

 

 

 

 9:54〜10:05 935mピーク下

  登山口から1時間経った頃に935mピーク直下のゲレンデ最上部に着いた。標準速度であればもう大佐山々頂に着いていないといけない時間であったが、ここでも大休止をして蕨狩りと決め込んだ。また周囲の野辺には可憐な花々が咲いており、それらを楽しむことも出来た。大休止後は、レンゲツツジの咲く最上部の長いゲレンデを抜けてから、ブナの樹々の立ち並ぶ山道を暫し辿って大佐山の山頂に出た。

 

 

 

 

 

 

 

〈935mピーク直下から阿佐山、天狗石山等の山塊を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

〈アカモノ(別名:イワハゼ)(ツツジ科)〉

〈ヒメハギ(ヒメハギ科)〉

 

 

 

 

 

〈これから最後のゲレンデを登り行く〉

〈ミツバツチグリ(バラ科)〉

 

 

 

 

 

〈ナルコユリ(ユリ科)〉

〈レンゲツツジ(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

〈リフト終点〉

〈この踏み跡の先が大佐山の山頂である〉

 

 

10:46〜11:07 大佐山(1,069.0m)

  広々と眺望の開けた明るい山頂である。西中国山地の名立たる峰々がズラリと眺めることが出来た。これだけ広々として伸びやかな山頂は広島県下の山では稀有な存在である。天気も良く風も心地良かったので、山頂で昼寝でもすれば気持ち良かったのであろうが、鷹ノ巣山まで行く気で来たので先に進むことにした。山頂でお会いした群馬県出身の最近広島へ転勤してこられた単独行の男性はこれから暫しこの山頂でノンビリとするとのことであった。大佐山々頂からの稜線上の道は笹が被さることもなく、思っていた以上に良く踏まれておりまた整備もされていた。時折り樹間や小ピーク上から見える掛頭山や臥龍山の眺望は素晴らしかった。幾つかの小ピークを越えて、40分程で最低鞍部の八幡洞門コースとの合流点に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

〈眺望が拡がる大佐山々頂〉

 

 

 

 

 

 

〈レンゲツツジ咲く尾根を鷹ノ巣山に向かう〉

〈尾根筋から臥龍山、恐羅漢山など西中国山地の主稜を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈緑深まる稜線を行く〉

〈ウリハダカエデ(カエデ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈緑の樹海の先に掛頭山、臥龍山を望む〉

 

 

 

 

11:49 最低鞍部(八幡洞門コース合流)

  最低鞍部から10分余の八幡三方と呼ばれている三叉路までは、なお比較的良く整備された道であった。八幡三方で道は二つに分かれる。右に道を採ると鷹ノ巣山への稜線上の道である。左手に採れば八幡洞門の上を通り998.4mの三角点のあるピークを越えて掛頭山への登山口のある土草峠へと下ることが出来るようである。後者のルートはいつか辿ってみたいと思っているが、三叉路から見たところ入口の道は笹がきれいに刈られていた。反対に鷹ノ巣山への道は、八幡三方から先は笹が被さった尾根筋の踏み跡然とした道であった。笹を掻き分けながら進んで行くと、樹林はより密となり、どんどんと深い森に入って行く感じであった。行く程に笹が深くなって、4つ目のピークの背丈程の籔を下って行くとやっと県境広場に出ることが出来た。県境広場から鷹ノ巣南面を巻く林道を1分程進み右へ鋭角に曲がる枝林道に入り、更に1分程行くと左手の山の斜面へ踏み跡が延びているのでそこを辿った。県境広場から10分程で山頂に出た。

 

 

 

 

〈最低鞍部で八幡洞門コースが合流する〉

〈まだ歩き易い八幡三方への道〉

 

 

 

 

 

〈八幡三方にある古びた道標〉

〈鷹ノ巣山へ笹を被った踏み跡を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈行く程に深い森の中であることを実感する!〉

 

 

 

〈グリーンシャワー注ぐ尾根筋を行く〉

 

 

 

 

 

〈鷹ノ巣山々頂直下の県境広場に出る〉

〈鷹ノ巣山々頂への最後の踏み跡を登る〉

 

 

12:45〜12:50 鷹ノ巣山(943.3m)

  鷹ノ巣山の山頂は樹林に囲まれた三等三角点が建つだけの狭い空間であった。かつては、西面から南面の方向の眺望が開けていたように記憶するが、樹木が成長して視界を閉ざしてしまったようだ。山頂には虫が多くとても落ち着いて昼食を摂るような状況ではなかった。山頂からかつてクマザサの中を南西側の林道終点まで登山道が通じていたが、もうその登山道も樹林の中に消えていた。南面の下草を掻き分けて下って行くと直ぐに林道に出たので、それを西に進んで林道終点部まで行ってみると、昔日の如く旧芸北町の八幡から臥龍山、さら恐羅漢山などの名立たる峰々を眺めることが出来た。

 

 

 

 

〈樹々に囲まれた鷹ノ巣山々頂〉

〈山頂から南面の籔を下る!〉

 

 

 

 

 

〈南面を巻く林道に飛び出る!〉

〈林道終点部から鷹ノ巣山々頂を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鷹ノ巣山南面の林道終点部から南方の峰々を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈鷹ノ巣山南面を巻く林道〉

〈ギンリョウソウ(イチヤクソウ科)〉

 

 

13:11〜13:50 県境広場

  県境広場に戻って木陰で遅い昼食を摂った。昼食後には、来た道を辿って最低鞍部の八幡洞門コース分岐まで引き返すこととした。食事を摂ってエネルギー補給をしたので、帰路の足の運びは快調であった。深い森の中を笹を掻き分けながら4つの小ピークを越え、更に5つ目に達すると八幡三方の三叉路であった。そこからは歩き易い道を10分余下ると最低鞍部に到達した。

 

 

 

 

〈県境広場に戻り昼食を摂った〉

〈県境広場から八幡洞門コース分岐まで引き返すことに〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ミズナラやシャラ、赤松を中心にした美しい森を抜ける〉

 

 

 

〈笹原を掻き分けて小ピークを越える〉

 

 

 

 

 

〈八幡三方の三叉路に戻ってきた〉

〈八幡三方に聳えるブナ〉

 

 

 

 

 

〈八幡洞門コース分岐のある鞍部に下る登山道〉

〈樹間から掛頭山を仰ぐ〉

 

 

14:42 最低鞍部(八幡洞門コース分岐)

  最低鞍部から八幡洞門コースを採って雲耕(うずのう)へ下る県道307号線に出ることとした。通ったことのない南側の山越えの林道を通って大佐スキー場まで戻っても、同じ尾根筋をピストンするのと距離的にはそんなに変わらないと踏んでのことである。八幡洞門コースも歩き易い道で、15分足らずで林道終点に出て、更に10分足らずで八幡洞門直ぐ下の県道に出た。

 

 

 

 

〈最低鞍部の三叉路〉

〈レンゲツツジ咲く八幡洞門コースを下り行く〉

 

 

 

 

 

〈林道の終点に出る〉

〈林道終点部から山道への入口にあった道標〉

 

 

 

 

 

〈林道を県道に向けて下り行く〉

〈ウマノアシガタ(キンポウゲ科)〉

 

 

15:05 県道合流

  八幡原と国道186号線方面との繋ぐ県道307号線は予想以上に交通量の多い道であった。歩道のない道を歩くので、通過する自動車に気を使うことを余儀なくされた。特に建設関係の大型車が多かった。しかし路傍には初夏の花々が咲き誇っていたり、これから蕾を開こうとしていて楽しませてくれた。県道出合の「大佐山登山口」から25分程歩き、まだ雲耕の集落までは距離のある地点で左(北)へ入る林道があるのでそこに入った。地形図では、その先から谷間を辿り山を越えて大佐スキー場の直ぐ南側に出ることが出来るようであった。辿り行くと林道は山越えになるとダートの道となったが、いつでも自動車が通れるように整備されており、沿道は多くの植生にも恵まれているようであった。

 

 

 

 

〈県道307号線に出る〉

〈トチノキ(トチノキ科)の花〉

 

 

 

 

 

〈マムシグサ(サトイモ科)〉

〈タニウツギ(スイカズラ科)〉

 

 

 

 

 

〈雲耕の集落の手前で左折して山越えの林道に入る〉

〈オオデマリ(スイカズラ科)〉

 

 

 

 

 

〈山越えの林道はダートの道となった〉

〈林道の峠付近〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈イノシシのヌタ場のある峠〉

 

 

 

〈峠にあった有害鳥獣捕獲用の罠〉

 

 

 

 

 

〈ササユリ(ユリ科)〉

〈林道三叉路、大佐スキー場は近い!〉

 

 

16:34 大佐スキー場

約1時間でこの山越えを終えて大佐スキー場の駐車場直ぐ南の国道186号線に出ることが出来た。本来は静かな谷間なのであろうが、別の大駐車場でレーシングカーもどきの走行をしている車のタイヤの軋み音が谷間に響き渡っており、落ち着けぬ雰囲気が漂っていた。国道脇の広い駐車場にはわが愛車が停まっているだけであった。この日山中で出会ったのは、大佐山山頂の群馬県出身の単独行の男性と、大佐山山頂に少し遅れて着いて先に進んだが直ぐに引き返して来られた若いペアの2組3人だけであった。

 

 

 

 

〈大潰山を仰ぎながらの大佐スキー場へのアプローチ〉

〈国道186号線に出る〉

 

 

 

 

 

〈カンボク(スイカズカラ科)〉

〈国道196号線に面した駐車場から大佐山を仰ぐ〉

 

 

 

〔山行所感〕

  久し振りの大佐山〜鷹ノ巣山は下山してみると意外にも充実感に溢れるものであった。大佐スキー場のゲレンデ内の道は、数々の初夏の花が咲き楽しかったし、山菜大好きのチャコにも楽しい所であったようだ。お陰でこの上りは登山の態をなしていなかった。でも、こんな山歩きも時に楽しいものである。

大佐山々頂の伸びやかさは、本文にも記したが近くの山々では仲々に得られぬものだと思う。スキー場から上っても、八幡洞門コースを上っても、大佐山への道は楽しく歩ける程に整備されていて、もっと多くの登山者に来てもらいたいと言っているようだ。土草峠からの道がどの程度かは、いつか実地検分したみたい。

鷹ノ巣山は、今では訪れる人もあまり多くないようだ。眺望のない山はここクラスになるとちょっと弱い感じがする。南面を巻く林道からの登山道の復旧を望みたいものだ。それと共に八幡三方からのここ10年、15年大きな変化がない笹被りの踏み跡をどうするかであろう。今の姿も深い森を行く神秘性があって魅力的ではあるが、多くの登山者を呼べるものはないであろう。この辺りは、熊の棲家としては良い環境かも知れない。人間中心の話はこの辺りで止めておこう。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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