ミヤマキリシマを訪ねて 平治岳(1,642.8m)・北大船山(1,706m)・大船山(1,786.2m)

大分県玖珠郡九重町・竹田市

2010年6月11日()       チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈平治岳の稜線越しに北大船山、大船山を仰ぐ〉

 

 

 

翌日が遅れていた梅雨入りほぼ間違いなしとの予報の出ていたこの日、

梅雨前の最後の晴天の下でミヤマキリシマに出逢いたいと平日ながらミニ遠征を試みた。

九重のミヤマキリシマも今年は花期が大幅に遅れていたが、

この週末辺りには満開か・・・という情報に心勇んでの出発であった。

さて、山上では満開の所あり、まだ走りの所あり、はたまた蕾の所ありと、

場所によってかなりの跛行性のある咲き振りではあったものの、

新鮮なミヤマキリシマの花の絨毯を存分に楽しむことが出来た一日となった。

 

    《山行記録》

吉部(駐車地)7:47・・・・7:49坊ガツル・暮雨の滝方面分岐・・・・7:53鳴子川橋・・・・7:56山道分岐・・・・8:34大船林道・・・・8:40大船山4号集材路入口・・・・8:50山道分岐・・・・9:23展望所9:25・・・・9:35平治の尾9:38・・・・10:20平治岳(1,642.8m)10:57・・・・11:00展望岩(写真撮影)11:08・・・・11:19前峰11:26・・・・11:54大戸越12:30・・・・13:39北大船山(1,706m)13:41・・・・13:45段原13:47・・・・14:25大船山(1,786.2)14:37・・・・14:58段原・・・・15:23五合目・・・・16:04坊ガツル16:13・・・・16:27大船林道出合・・・・16:45暮雨の滝方面分岐・・・・17:11暮雨の滝入口・・・・17:49大船林道出合・・・・17:52吉部(駐車地)

〔総所要時間:10時間05分、昼食・休憩等:1時間58分、正味所要時間:8時間07分〕

 

 7:47 吉部

  昨年に続いて吉部(よしぶ)から入山することにした。朝の吉部は晴れ上がり、気温18℃、平日ゆえにミヤマキリシマの時期とはいえ車の混雑もなく、有料駐車場を横に見て大船林道を少し奥ほどまで行って路傍の駐車スペースに愛車を停めることが出来た。暫し大船林道を歩き鳴子川に架かる橋を渡ると直ぐに右手に沢に沿った道が延びていて、それが順路ではあるが、今回はそこからなお林道を200m程行って右手に入る巻き道を歩いてみることにした。昨年お会いした登山者に教えてもらっていたルートである。こちらの方が、沢筋沿いの順路よりアップダウンが少なくて楽なようであった。コガクウツギが咲き、緑の濃くなってきた樹林の中を抜けて、山道への分岐から40分弱で再び大船林道に出合った。

 

 

 

 

〈大船林道の駐車スペースに車を停める〉

〈鳴子川に架かる橋を渡って200m程のところで右手の山道に入る〉

 

 

 

 

 

〈鳴子川沿いの巻き道を行く〉

〈コガクウツギ(ユキノシタ科))

 

 

 

 

 

〈夏の陽射しの注ぐ鳴子川の谷間の森〉

〈大船林道に再び出る〉

 

 

8:40 大船山4号集材路入口

 大船林道に出て5分も行くと、行く手に左に分岐する枝林道が見えて来た。その分岐点に「大船山4号集材路」という標識が立てられ、手書きで「平治岳↑」と補記されていた。平治岳へはこの集材路に入って行く。直ぐに鎖が張られた車止めがあったが、それを越えてグリーンシャワーの注ぐ気持ちの良い道を進んで行った。周りの森はきれいに下刈りがなされており、より広々と感じられた。そこにヒラヒラと渡り蝶のアサギマダラが飛んで来た。集材路を10分間ほど行くと、左手の路傍に「平治北登山口」という手製の標識が立てられており、そこから森に中に山道が延びていた。集材路を外れたその山道は暫し谷の奥に向かって東進し、奥まった辺りで南方向に転じてクロボクの急傾斜地に取り掛かった。このルートの名物のような存在の梯子段を登り、その先の滑る急坂を登り切ると左手に展望所があり飯田高原の眺望が拡がっていた。小休止の後、そこから灌木の繁る緩斜面を登って行くと平治岳の北面を仰ぎ見る平治の尾と呼ばれる草地に出た。  

 

 

 

 

〈大船山4号集材路に入る〉

〈アサギマダラ飛ぶ林間を行く〉

 

 

 

 

 

〈集材路を左に外れ北平治の山道に入る〉

〈クロボクの難路を登り行く〉

 

 

 

 

 

〈中腹の展望岩から飯田高原方面を望む〉

〈クロボクの樹林の中を登り行く〉

 

 

9:35〜9:38 平治の尾

  平治の尾の草地には今が盛りと咲くミヤマキリシマの株が点在していた。その先には雲ひとつない青空をバックにした緑の灌木に覆われた平治岳の北斜面が拡がっていた。暫しその眺望を楽しんでから、灌木の中を行くクロボクの道を山頂に向け登って行った。最初は緩斜面であるが、登る程に斜度が徐々に増していった。山頂近くまで眺望は全く効かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

〈ミヤマキリシマが見頃の平治の尾〉

 

 

 

 

 

 

〈満開のミヤマキリシマ〉

〈平治岳北面〉

 

 

 

 

 

〈灌木に覆われた急坂を登〉

〈ツクシヒトツバテンナンショウ(サトイモ科)〉

 

 

10:20〜10:57 平治岳(1,642.8m

  平治の尾から約40分の登攀で三等三角点標石と山名標の立つ平治岳の山頂広場に飛び出た。狭いその山頂広場から山の西面や南面に回り込むと、そこはミヤマキリシマが斜面全体を覆う山域で、ドラマチックにその眺望は変わった。最初に西面に咲くミヤマキリシマを見た時の感想は、「きれい! がまだ少しばかり早かったか!」というものであった。三俣山を望む西面のミヤマキリシマはまだ蕾のものも多く、桜に似せて言えば7〜8分咲きで、満開は翌週の半ば頃になろうかと思われた。それでも、西面のテラス状の岩場まで足を運んで四周を眺めてみると、清新な花々の波頭の連なりを見るようで実に美しく感じられた。40分間近くその景観を楽しみ、さらに山頂の直ぐ南側の展望岩にも上がり、また違ったアングルからの眺望を楽しんだ。更に平治岳前峰へと下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈満開間近の山頂付近のミヤマキリシマ(ツツジ科)〉

 

 

 

〈平治岳山頂〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈三俣山を望む平治岳の稜線〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈満開近い稜線のミヤマキリシマ越しに大船山を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈西面のテラスから平治岳山頂方向を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ピンクの平治岳西面越しに坊ガツル、九重連山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平治岳の前峰越しに大船山を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平治岳西面テラスから九重連山の核心部を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈展望岩から平治岳西面越しに三俣山を望む〉

 

 

〈展望岩から俯瞰した平治岳前峰付近の登山道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈展望岩から大船山を望む〉

 

 

 

〈展望岩から遙か由布岳を望む〉

 

 

11:19〜11:26 前峰

  平治岳の前峰まで下って頂きの岩の上から平治岳の山頂部を振り返ると、西面の鱗状のミヤマキリシマが実に美しかった。岩から下りて裏側に回り込むと、また違った趣の西面越しの三俣山から坊ガツルの景観が望めた。ここも平治岳を代表する景観の一つであろうと思う。前峰から大戸越を見下ろす南の峰に移ると、今将に満開の南面を俯瞰することが出来た。この日はどこかのテレビクル―がその斜面で長い時間を掛けて取材中であった。その美しき南面の下山専用道を通って大戸越へと下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

〈前峰から平治岳西面の稜線を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南の峰から前峰の斜面を眺望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南斜面越しに黒岳を望む〉

 

 

 

〈南の峰から南斜面を見下ろす〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈青空の中のミヤマキリシマ(ツツジ科)〉

 

 

 

〈南斜面から北大船山を仰ぐ〉

 

 

11:54〜12:30 大戸越

  平治岳の山上でのんびりしたこともあって、大戸越に下ったのは吉部を発ってから4時間強も経った正午近くとなっていた。平日とは言え、大戸越では大勢の登山者が憩うていた。我々もここで昼食を摂った。陽射しは強かったが、吹き抜ける風は心地良かった。何よりも満開で今が見頃の大戸越のミヤマキリシマに心は満たされた。40分間近い昼食を終えて、更に北大船山へと登ることとした。大船山周辺のミヤマキリシマもやはり見ておきたかった。大戸越からはガレ場の斜面を一気に登ることとなる。歩き難い道であるが、時折見える北大船山の北面や対面の平治岳南面の眺望が疲れを忘れさせてくれた。大戸越から45分程で北大船の稜線に出ることが出来た。一昨年は虫害で見るも無残であったその辺りのミヤマキリシマがもう完全に復活しているようで嬉しい限りであったが、咲き具合はまだ蕾が殆どで、満開まで1週間から10日は要するのではないかと思えるものであった。北大船山の山頂部までの稜線部もずっと同じような状態であった。

 

 

 

 

 

 

 

〈下山道から大戸越を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈賑わう大戸越〉

 

 

 

〈大戸越から見上げる平治岳南斜面〉

 

 

 

 

 

〈大戸越を後に北大船へと向かう〉

〈ミヤマキリシマに彩られた登山道から北大船山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈北大船山への登山道から平治岳南斜面を仰ぐ〉

〈チゴユリ(ユリ科)〉

 

 

 

 

 

〈ニョイスミレ(スミレ科)〉

〈イワカガミ(イワウメ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北大船山稜線付近から平治岳を望む〉

 

 

 

 

 

〈まだ咲き始めの北大船山稜線のミヤマキリシマ〉

〈米窪越しに北大船山、大船山を望む〉

 

 

13:39〜13:41 北大船山(1,706m)

  北大船山の山頂付近のミヤマキリシマもそれまでの稜線部と同様これからと言ったところであった。山頂部に一部よく開いた株があったが、まだ僅少であった。特に坊ガツルを望む斜面は蕾の株が目立った。山頂にもう長い時間留まる必要はなかった。期待と大きく違った咲き具合に少々落胆した気持ちを抱いて段原へと下った。そこからは折角ここまで来たのだからと大船山まで脚を延ばすこととした。登山道脇のツクシドウダンやベニドウダンの花も是非共見ておきたかった。

 

 

 

 

〈北大船山々頂〉

〈北大船山の稜線〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈まだ走りの北大船山稜線のミヤマキリシマと九重連山〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈三俣山、硫黄山方面を望む稜線〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈まだまだこれからの北大船山のミヤマキリシマ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北大船山から段原、大船山を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈段原〉

〈段原から北大船山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈段原付近から大船山を仰ぎ見る〉

〈大船山への登山道から段原、北大船山を振り返る〉

 

 

 

 

 

〈ミツバツチグリ(バラ科)〉

〈ベニドウダン(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

〈クサボケ(バラ科)〉

〈ツクシドウダン(ツツジ科〉

 

 

14:25〜14:37 大船山(1,786.2m

  大船山の山頂には3組程の登山者の姿しかなかった。もう午後3時に近い遅い時刻であったせいもあろうが、北大船山のミヤマキリシマがまだまだの状態で、ここまで脚を延ばす元気も湧かないのかも知れなかった。大船山々頂周辺にもミヤマキリシマの樹がかなりあるが、北大船山よりまだ遅い開き具合で殆どが蕾の状態であった。満開までは、完全に2週間は必要であろうと思われた。暫し山頂からの大きな眺望を楽しんでから段原に引き返し、更に坊ガツルへの下山ルートを採った。

 

 

 

 

〈標柱が新しくなっていた大船山々頂〉

〈山頂直下の御池〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大船山から平治岳、米窪、北大船山、段原を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

〈大船山から九重連山を眺望する〉

〈針窪とピンクに彩られた立中山を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈マイズルソウ(ユリ科)の群生〉

〈オオヤマレンゲ(モクレン科)の蕾〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈段原に戻り、ここから坊ガツルへの道を採る〉

 

 

〈下山道から立中山、九重山塊を望む〉

 

 

16:04〜16:13 坊ガツル

  坊ガツルに下って先ずやりたいことは、この春に完成した新しい管理休憩舎を見ることであった。以前にあった古い建物の奥辺りの位置に建てられており、中は新しい木の香りがし、10人以上の人が悠々泊まれるスペースもあった。キャンプ場のテントの数は少なかった。平日のせいもあろうが、翌日が雨の予報ゆえにキャンプを諦めた登山者もいたのではなかろうか。そういう我々もその組である。やはりここに来るとテントを張りたくなるものだ。坊ガツルを後にして、鳴子川に沿った道を吉部へと下った。昨年立ち寄った暮雨の滝は今回はスキップした。

 

 

 

 

〈新築された管理休憩舎〉

〈坊ガツルから三俣山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈坊ガツルキャンプ場から稜線部がピンクに染まる平治岳を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

〈サワオグルマ(キク科)〉

〈大船林道を下山の途に〉

 

 

 

 

 

〈コツクバネウツギ(スイカズラ科)〉

〈白いサワフタギ(ハイノキ科)と平治岳〉

 

 

 

 

 

〈ニガイチゴ(バラ科)〉

〈ジシバリ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈サワフタギ(ハイニキ科)〉

〈ハルリンドウ(リンドウ科)〉

 

 

 

 

 

〈鳴子川沿いの登山道を吉部へ急ぐ〉

〈登山道の最後は急坂の難路だ!〉

 

 

17:52 吉部(駐車地)

  10時間余の山行を無事に終えて、吉部へ帰還した。午後6時に近い時刻で、沢山停められていた大船林道脇の駐車スペースの車はもう随分と少なくなっていた。ミヤマキリシマの季節の休日の大混乱とはまったく異なる静寂の世界であった。翌日がもし雨でなければ、大変な混雑になることは間違いなかった。

 

 

 

 

〈大船林道に出る〉

〈車も疎らになった大船林道駐車スペース〉

 

 

 

〔山行所感〕

  今年も平治岳、北大船山のミヤマキリシマを訪ねることが出来た。咲き具合からして、昨年に比べて10日間は花期が遅れているようだ。何とか満足出来たのは平治岳のそれであった。まだ1週間〜2週間は花が楽しめるようだ。今年は花期も遅かったが、随分と長い花期となるようだ。

  今年のルート設定は、昨年とほぼ同じルートであった。ちょっと工夫が足りないようで要反省というところか!来年は、ちょっと違ったルートを歩くことにしなければ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

 

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