山頂のオオヤマレンゲのチェックに 天狗石山(1,191.8m)

広島県山県郡北広島町

2010年6月20日(日)       門久単独

 

 

 

 

 

 

 

〈天狗石山々頂の岩場に咲くオオヤマレンゲ〉

 

 

 

梅雨入りして初めての週末は、梅雨独特のはっきりしない天気であった。

予定していた山行を先へ順延にした前日に続き、この日も同じような天気の朝となった。

とは言え、山へ全く行けない天気でもないようなので、

気になっていた西中国山地のオオヤマレンゲの咲き具合のチェックに

雨に濡れることを覚悟して天狗石山に出掛けてみることとした。

春先からの異常気象でオオヤマレンゲの開花も遅れているものと思い込んでいたが、果たして・・・・!?

 

 

《山行記録》

来尾峠(気温22)9:17・・・・10:14高杉山分れ・・・・10:36佐々木新道合流・・・・10:37天狗石山(1,191.8m)11:01・・・・11:02佐々木新道分岐・・・・11:18天狗石山・オクビ山の鞍部11:20・・・・11:37ホン峠11:38・・・・11:40乳母御前神社11:43・・・・11:44ホン峠・・・・11:59高杉山分れ・・・・12:42来尾峠

〔総所要時間:3時間25分、休憩等:0時間30分、正味所要時間:2時間55分、歩行距離5.6q、累積標高±556m〕

 

 9:17 来尾峠(きたおとうげ)

  天狗石山々頂のオオヤマレンゲのチェックだけなら来尾峠からの西尾根ルートを採れば最短の時間で登れる。広島か豊平町を経由して「細見」で国道186号線に出て、直ぐに才乙(さいおと)への道に入り高杉山西面のユートピアサイオトスキー場を右に見て島根県境の来尾峠まで車を走らせた。峠の登山口にある7〜8台駐車可能な駐車場(トイレ設備はない)には既に1台の軽四輪トラックを含めて4台の車が停められており、準備中に更に島根ナンバーの自動車が一台やってきた。昼には雨になるという天気予報であるが、皆さん仲々にアグレッシブであるようだ。

 

  後からやって来られた島根からの4人組が先に出発し、その後を追うように山へ入った。ミズナラを中心とした森の中を、直ぐに急坂となった道をドンドンと登って行った。急坂は15分ほどの間続き、それが終わると比較的緩やかな尾根筋の道となった。赤松や灌木に囲まれた道は、やがて高度を徐々に増して草原の中を行くようになった。右手に眺望が開け、晴れておれば西中国山地の山々の大眺望となるのであるが、この日は生憎の天気で、隣の高杉山とその麓の才乙の集落、その背後の中野冠山くらいしか眺めることが出来なかった。行く手には天狗石山がその頂を雲に隠していた。急坂でツツジの灌木を背負った年配の男性が下山して来られるのに遭遇した。ツツジをお茶のように乾燥して煎じて飲むと糖尿病によく効くという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山口の来尾峠〉

 

 

〈十数分間の急登が待っている〉

 

 

 

 

 

〈コアジサイ(ユキノシタ科)はまだ咲き始め〉

〈芝刈りのオジサン:糖尿病に効く煎じ薬にするという〉

 

 

 

 

 

〈霧に巻かれた高杉山(1,1486m)、小スギ山を望みながら〉

〈霧に霞む才乙の集落、中野冠山(1002.9m)を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈西尾根から頂上が雲に隠れた天狗石山を仰ぐ〉

〈オクビ山の先に霧に霞む大暮毛無山を望む〉

 

 

 

 

 

〈尾根筋にはタンナサワフタギ(ハイノキ科)が花盛り〉

〈アラゲナツハゼ(ツツジ科)の花も多い〉

 

 

10:14 高杉山分れ

  汗を掻くのでゆっくりと歩いたせいもあって高杉山分れまで小一時間も費やしていた。高杉山への道を右に見送り、尾根筋をそのまま天狗石山へと登って行った。高杉山分れを過ぎるとそれまでの草原からブナを中心にした森の中へと入って行った。林床には今年もコバノフユイチゴの白い花が多かった。緩やかな気持ちの良い森の中の道を登って行った。森の中で下山して来る女性3人組(2人は山スカであったか!?)にお会いした。「咲いていましたか?」と聞くとにっこりと笑って「咲いていました」と返事があった。これは希望が持てると嬉しくなった。山頂に近くなると大きな露岩も姿を現し、勾配も徐々に急になってきた。もうすぐ山頂というところで、右から佐々木新道が合流してきた。

 

 

 

 

〈倒れてなお指差す「高杉山分れ」の道標〉

〈ブナの森を緩やかに登り行く〉

 

 

 

 

 

〈湿気の多い梅雨の季節に葉が繁る〉

〈林床にはコバノフユイチゴ(バラ科)が多い〉

 

 

 

 

 

〈束ねられたように群れて咲くギンリョウソウ(イチヤクソウ科)〉

〈ブナの深い森を登り行く〉

 

 

10:37〜11:01 天狗石山(1,191.8m)

  山頂に着くと先客万来、8人程の先客があった。もとより狭い山頂ゆえに、座る所もない状況であった。山頂からの眺望は霧に閉ざされてほぼゼロで、楽しみはオオヤマレンゲのみといったところであった。その肝心のオオヤマレンゲであるが、先ずは山頂の断崖下の大きな樹に咲く数輪の花が目に飛び込んできた。既に茶色く変色した花も幾つか、それに満開の花も幾つかと、全般的にはほぼ最盛期を過ぎた頃というイメージであった。山頂の奥の岩場にある樹に行ってみると、ここでも茶色に変色しようとしているもの一輪、その他はちょうど見頃という具合であった。春先からの不順な天候でオオヤマレンゲも大きく開花期を遅らせている筈と勝手に思い込んでいたが、それは大きな間違いであったようだ。本番を控えて今回は事前のチェックという積りであったが、どうも今回が本番になったようである。

 

 

 

 

〈展望台の設けられた天狗石山々頂〉

〈山頂からの眺望は霧に閉ざされていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈順調に開花したオオヤマレンゲ!遅れ気味と思い込んでいたのだが・・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈これは天女の微笑みか!〉

 

 

 

 

 

 

〈山頂の断崖下に咲くオオヤマレンゲ〉

〈断崖下から仰ぎ見てみた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈純白の天女が舞う姿を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大きな葉の間から真白き天女をアップで〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やはり来てみて良かったと思わせる咲き振りである!〉

 

 

 

11:02 佐々木新道分岐

  天狗石山々頂で20分余の時間を過ごした。皆さん見事なオオヤマレンゲに山頂去り難しと言ったところのようで、こちらが早々に発つことにした。昼頃から雨、あるいは雷雨という天気予報であるので、そうゆっくりは出来ないが、山頂直下から佐々木新道を採ってオクビ山との間の鞍部に下り、ホン峠に出て下山することとした。佐々木新道は相変わらず笹が軽く道を覆う程度に荒れていた。それでも歩くには何の支障もなかった。天狗石山南斜面は若い樹ながらもブナの密林状態で、いつ歩いても気持ちの良いところである。15分程で鞍部に下り、オクビ山に寄りたいという願望を押さえてホン峠方面に右折した。天狗石山の南面を巻くこの道を歩く機会は今までになかった。歩いて行く程に、桧林があったり伐採後のニ次林となっていたりと、この山域はかなり人の手が入っていることに気付いた。巻き道のそこかしこに木炭の屑が沢山散らばっており、ここにはかつて炭焼窯が沢山あったことも窺われた。

 

 

 

 

〈佐々木新道を採って暫しブナの深い森の逍遥に・・・〉

〈蜜なブナの樹林を下り行く〉

 

 

 

 

 

〈薄日の射すブナの巨樹の梢を見上げる〉

〈林床にはオオカメノキ(別名ムシカリ、スイカズラ科)の花が残る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈天狗石山とオクビ山の鞍部、ここからホン峠へ向かう〉

 

 

〈オクビ山への美しい道、またいつか辿ろう!〉

 

 

 

 

 

〈やや荒れ気味のホン峠への巻き道〉

〈かつて炭焼窯が沢山あったことが窺える道筋であった〉

 

 

11:37〜11:38 ホン峠

  天狗石山とオクビ山の間の鞍部から15分余の時間で無事に巻き道を歩き通してホン峠へ出た。さてここからどのルートを辿って下山するか・・・。順当なら谷筋をそのまま抜けてユートピアサイオトスキー場を経由して来尾峠へ登り返すのであろうが、かなりの遠回りとなり時間も余計にかかる。雨が迫っているこの日はやはり最短距離ルートを採ることとして、ホン峠から高杉山分れへ登り返し、そのまま来尾峠へと直接下って行くこととした。ただここまで来たので至近距離にある乳母御前神社にだけは参拝することとした。

 

 

 

 

〈ホン峠の十字路〉

〈ホン峠を西に下ると直ぐに乳母御前神社の祠がある〉

 

 

 

 

 

〈ホン峠に引き返し高杉山分れへと登り返す〉

〈ロープの張られた高杉山分れへの急坂〉

 

 

11:59 高杉山分れ

  ホン峠からロープの張られた急坂を登って高杉山分れに戻った。振り返ると高杉山は霧に巻かれて空はやや薄暗い感じで、いつ雨になってもおかしくない雲行きであった。天狗石山の山頂を覆う雲も朝より発達した様子であった。雨が降り始める前に下山すべく、朝方登って来た道を下って行った。緩やかな尾根道からミズナラ林の中の急坂に掛かると、雨の降り続いた後だけによく滑った。灌木に捕まりながらそこを下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に霞む高杉山〉

 

 

 

〈高杉山分れ〉

 

 

 

 

 

〈西尾根から雲に覆われた天狗石山を見返す〉

〈まだ尾根道のブッシュに中に残っていたヤマツツジ(ツツジ科)の花〉

 

 

12:42 来尾峠

  無事に雨の降り出す前に来尾峠へ下った。駐車場には5台の自動車が停められており、うち3台は朝方にはなかったものであった。例年のオオヤマレンゲのオン・シーズンに比べると遙かに少ない自動車の数である。芳しくない天気予報のせいでもあろうし、また多くの人達が季節感の捕捉に迷っていることも一つの理由であろう。弁当を折角持ってきていたので閑散とした駐車場で昼食を摂って、コーヒーを飲みながら寛いでいると、上りでお会いした女性3人組が才乙方面から車道を上って帰って来られた。彼女達が駐車場に着いた直後に、ザーっと一雨降ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈来尾峠の天狗石山登山口〉

 

 

 

〈来尾峠への急坂を下る〉

 

 

〔山行所感〕

  勝手に遅れていると思い込んでいた、オオヤマレンゲの開花はほぼ順調であったようだ。どうも何につけ季節感に自信がないような状態になっている。不順な天気に、ここ暫くはこんな状態が続くのであろうが・・・・!

しかしながら、見頃に良いタイミングで当たってみると、真っ白なオオヤマレンゲの花が実に見事であった。将に天女のようである。また、タンナサワフタギとアラゲナツハゼの白い花も今が盛りと咲いていた。地味な花であるが、アラゲナツハゼは島根県や山口県では絶滅危惧種とのこと。この山で出合うのが楽しみな花である。

僅か3時間程の歩きでこんな多様で貴重な花々が咲く山の世界を楽しめるとは、来尾峠から天狗石山への道は実に貴重な存在であると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

《天狗石山で出合ったその他の花々》

 

 

 

〈ヤマボウシ(ミズキ科)〉

〈ウリハダカエデ(カエデ科)〉

 

 

 

 

 

〈ムラサキヤマツツジ(ツツジ科)〉

〈シロニガナ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈ニガナ(キク科)〉

〈レンゲツツジ(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

〈アカモノ(別名:イワハゼ、ツツジ科)〉

〈コナスビ(サクラソウ科)〉

 

 

 

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