四国東部の麗峰はガスの中 三 嶺(1,893.4m)

徳島県三好市・高知県香美市

2010年8月1日(日)     チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に霞む三嶺ヒュッテ〉

 

 

 

夏の週末は特別に貴重である。

天気が許すのであれば、行ける限りの遠くの山へ、登れる限りの高き峰に行ってみたいと思う。

この週末は狙い定めていた中央脊梁の一峰が好天に恵まれない天気予報となった。

芳しい天気マークが並ぶのは四国地方だけ、

そこで方向転換をして四国の麗しの峰・三嶺へチャレンジすることとした。

 

《山行所感》

名頃駐車場(気温18)6:22・・・・6:44登山道分岐・・・・6:56林道合流・・・・6:59平尾谷登山口7:01・・・・8:01ダケモミの丘8:08・・・・9:04水場分岐・・・・9:21池・・・・9:37三嶺(1,893.4)10:17・・・・10:29池・・・・10:31三嶺ヒュッテ・・・・10:36菅生登山道分岐10:37・・・・10:39三嶺ヒュッテ・・・・10:41池・・・・10:57水場分岐・・・・11:01水場(花園)11:05・・・・11:08水場分岐・・・・11:52ダケモミの丘11:56・・・・12:47平尾谷登山口・・・・12:52登山道分岐・・・・13:05林道合流・・・・13:26名頃駐車場

〔総所要時間:7時間04分、休憩等:0時間58分、正味所要時間:6時間06分、総歩行距離:11.4q、累積標高差±1,286m

 

 6:22 名頃駐車場

  前日の午後に広島を発って祖山谷への入口の道の駅「にしいや」で一夜を過ごして、暁の頃に国(酷)道439号線で登山口の名頃に移動した。40年近い久し振りの祖谷渓谷であった。バスのタイヤは辛うじて紆余曲折する路上にあるが、その窓辺は断崖の上の宙に浮かんでいるという古の国道439号線とそんなに変わらない部分のまだ残る道を遡ってのドライブであった。名頃の集落から少し奥に行った所で右に道を採って祖谷川を渡ると、川向こうに車が30〜40台停められる県営駐車場があった。

  その広い駐車場(水洗トイレが完備されている)に愛車を停めさせて貰って、いよいよ麗しの峰・三嶺へ向かって出発した。かつてはここから2キロメートルほど三嶺林道を上った平尾谷登山口まで車で入れたというが、今は水害からの復旧が未だならずでこの駐車場から歩かねばならない。1キロメートル余り平尾谷に沿った林道を遡って行くと登山者用の近道の山道が山中に延びていた。10分余りその登山道を登って行くと再び林道に合流し、その林道を数分歩くと件の平尾谷登山口に出合った。

 

 

 

 

〈名頃にある県営駐車場に愛車を置いて出発〉

〈平尾谷に沿った三嶺林道を登り行く〉

 

 

 

 

 

〈暫し林道を離れ登山道を抜けて行く〉

〈再び三嶺林道に合流する〉

 

 

 6:59〜7:01 平尾谷登山口

  平尾谷登山口で三嶺林道と別れて平尾谷の上流部の高みに向かう登山道に入って行った。(林道はここで大きく左に旋回してから南側の尾根を越えてその先の四ッ小屋谷側の斜面へ向かって行く。)辿る登山道は横木の階段道等の急坂で平尾谷右岸の高みへ高みへと上って行った。20分程で登山道は進行方向を西から南方向に変えて南側の尾根上への急傾斜面を直登気味に上って行くようになった。ブナや樅、シャラなどの美しい森が広がる気持ちの良い斜面であった。その斜面に下生えがないのがまた妙に新鮮であった。どうも浅い笹原で覆われた斜面であったようであるが、その笹が今は完全に枯れてしまっていた。40分間ほどの急坂登りの後に尾根上のダケモミの丘と呼ばれている一角に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平尾谷登山口:水害前にはここまで車で入ることが出来た〉

 

 

〈きれいに整備された登山道〉

 

 

 

 

 

〈鹿に皮を剥がされた樹々が見られる〉

〈下草のない樅やブナの森を登り行く〉

 

 

 8:01〜8:08 ダケモミの丘

  ダケモミ(岳樅)とはウラジロモミ(裏白樅)の別名である。ダケモミの丘辺りにはそのウラジロモミの純林が拡がっていた。ちょっと見には日本アルプスなどのシラビソの林に似た風情であった。(シラビソはウラジロモミよりもっと高山に生育する樹ではあるが。)このダケモミの丘にはニホンジカの食害防護用のネットが張られていた。近年剣山地区ではニホンジカの生息数が増加して、林床植物や天然幼木の食害による被害が拡大しているという。

  ウラジロモミの純林の中を抜けて三嶺の東尾根に乗った。かつて豊かなミヤマクマザサが繁っていた林床は、どうしたことか今は笹の葉一枚ない程に完全に枯れ果てていた。ただ不思議なるかな、ある一角だけは白い花をつけたカニコウモリが群生していた。カニコウモリは鹿の餌にはならないもののようだ。緩やかな尾根道を行く程に樹林の間から周囲の景観が望めるようになって来たが、ガスに巻かれた景観の中に南側の深い谷の先の剣山へと続く尾根の一角が見えるだけであった。水場分岐を過ぎてガレ場の急坂を登って行くと、頭上には霧の中に巨岩が屹立しているのが見えた。笹原の中の急坂を登り切ると山頂部にある池の畔に飛び出た。池は霧に巻かれて乳白色をしていた。ここまで登って来ると三嶺の山頂はもう直ぐである。

 

 

 

 

〈ダケモミの丘の分岐〉

〈鹿食害防護用のネットを張った森〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林床の笹が枯れてしまった樹林〉

 

 

 

〈ウラジロモミ(ダケモミ)の純林〉

 

 

 

 

 

〈カニコウモリの群生〉

〈霧が晴れてカヤハゲ、白髪山などが望めた〉

 

 

 

 

 

〈水場分岐からガレ場の急坂を登り行く〉

〈巨岩の下を抜けて山頂へと向かう〉

 

 

 

 

 

〈山頂部の一角にある池〉

〈コメツツジの灌木に覆われた山肌を登り行く〉

 

 

 9:37〜10:17 三嶺(1,893.4m)

  池畔の道を左に採って山頂への道を辿って行った。直ぐにコメツツジの群生の中を行く道となった。もう8月となってコメツツジの花はもう僅少しか残っていなかった。この辺りからは、晴れていれば剣山系はもとより石鎚山系までも見渡せる大眺望が拡がっているのであろうが、この日は霧に巻かれて皆目駄目であった。山頂でやや早い軽食とコーヒーを摂りながら或いは天候が回復しないかと待ったがそれも叶いそうになかった。この霧の山頂で年に何十回もこの山に登られるという高松から来られた男性にお話をお聞きしたが、この山で快晴の空に出会うのは僅少、眺望を得られても先ず霞んだ景観である、この日のようなガスに巻かれた山頂が先ずはここの標準で雨に濡れないだけまだマシ・・・というものであった。この男性は、鹿の害の深刻さ(剣山のキレンゲショウマも鹿の食害で酷い状態とのこと)も語っておられた。枯れた笹も60年に一回と言われる開花のせいだけでなく、鹿の害などでこの山域の植生全般が弱っているせいでは・・・と心配しておられたのが印象的であった。

  眺望が晴れるのを早々に諦めて下山の途に就いた。池畔まで戻り池の東畔に建てられたヒュッテを見て、その先にあるいやしの温泉郷方面への下山口を確認した。40〜50人は収容出来そうなヒュッテでは四国の某国立大学の学生が下山準備中であった。ヒュッテを後にして三度池畔を通って名頃への道を採った。

 

 

 

 

〈三嶺の山頂〉

〈山頂の道標:剣山17.0q・天狗塚4.7q〉

 

 

 

 

 

〈霧に隠された天狗塚方面への尾根筋〉

〈コメツツジのガードされたような山頂部の巨岩〉

 

 

 

 

 

〈山頂池を回り込んでヒュッテに向かう〉

〈三嶺ヒュッテ:某大学の学生が下山準備中であった〉

 

 

 

 

 

〈菅生分岐から頂上へ続く尾根〉

〈三嶺ヒュッテ上にある菅生分岐(いやしの温泉郷へ下山できる)〉

 

 

 

 

 

〈再び霧が晴れて剣山へ続く尾根筋が見えてきた〉

〈登って来た尾根筋を俯瞰する〉

 

 

11:08 水場分岐

  巨岩下の笹原の急傾斜面を巻き、ガレ場を下ると水場への分岐である。水場の先の急斜面に黄色の大きな花の群生が見えたのでそこに寄り道してみた。水場の先の急傾斜面に見えた黄色の花はトモエソウであった。オトギリソウの花萼の先っぽを名の通り捩じ曲げたような形をしていた。水場から下山道に戻って下山を急いだ。直ぐに樹林帯に入り、美しい特色のある森の中を気持ち良く歩いて下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈水場の先に花園が見えたので暫し寄り道〉

 

 

〈崖を下って行くと水場があった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈水場の急傾斜地にトモエソウの花園が広がっていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈トモエソウの花越しに霧の流れる稜線部を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道の路傍の斜面を埋めたカニコウモリの群生〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈静かで美しい森だ!〉

 

 

 

〈ダケモミの森は深山を想わせる〉

 

 

11:52〜11:56 ダケモミの丘

  ダケモミの丘へは三嶺林道終点からの登山道も上ってきている。その道を右に見送って名頃への登山道を下って行った。ダケモミの丘からは急傾斜地を下って行く。林床は下草が全て枯れているが、ブナやモミなどの樹林はやはり美しかった。平尾谷登山口まで下って来ると、あとは三嶺林道(一部近道の山道)を下って行くだけであった。この林道を下って行くに従ってこの日見ることのなかった陽光が樹々の間から漏れてきた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下草のない急傾斜地を下る〉

 

 

 

〈ダケモミの丘に戻ってきた!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平尾谷登山口へ下山〉

 

 

 

〈急傾斜地に造られた水路を下る急流〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈晴れて来て三嶺林道へ木漏れる陽光〉

 

 

〈植林地の中も抜けて行く〉

 

 

13:26 名頃駐車場

  青空の見え始めた名頃駐車場に下ってきた。名頃から広島は遠いが、折角ここまで来たので帰る前に至近距離にある奥祖谷二重かずら橋を訪ねることにした。いやしの温泉郷で入浴してから帰路に就いた。国道32号線から大歩危渓谷を覗き込んだ。

 

 

 

 

〈三嶺林道の起点〉

〈名頃駐車場〉

 

 

《下山後の楽しみは・・・・》

 

 

 

 

〈奥祖谷二重かずら橋に遊ぶ〉

〈いやしの温泉郷で入浴&祖谷そばを賞味する〉

 

 

 

 

 

〈大歩危の急流と遊覧船乗り場〉

〈大歩危渓谷〉

 

 

〔山行所感〕

   急遽決めた三嶺行きであった。麗しの三嶺の入門コースとでも呼んでも良い名頃ルートをピストンした。標高差1,000メートル近い険路ではあるが、美しい森を抜けて行くルートは楽しかった。三嶺の特色の一つと言われる山上からの好眺望は今回は皆目駄目であったが、これはまた来なさいという山の神の優しいメッセージなのであろうと思う。やはりコメツツジの咲く頃か、紅葉の時期に再訪すべきか!或いは、静かな時期に山上のヒュッテや避難小屋に泊まってゆっくりと歩いてみるべきか!いずれにしても、また訪ねたい山域である。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

《この日出会った花々》

 

 

 

 

〈ノリウツギ(ユキノシタ科)〉

〈オトギリソウ(オトギリソウ科)〉

 

 

 

 

 

〈コナスビ(サクラソウ科)〉

〈ツチアケビ(ラン科)〉

 

 

 

 

 

〈ヤマジノホトトギス(ユリ科)〉

〈カニコウモリ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈イヨフウロ(フウロソウ科)〉

〈ミヤマオトギリソウ(オトギリソウ科)〉

 

 

 

 

 

〈イブキトラノオ(タデ科〉

〈コメツツジ(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈トモエソウ(オトギリソウ科)〉

 

 

 

 

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