池塘ある稜線上を目指す上越国境への山旅 巻機山(まきはたやま・1,967m)

新潟県南魚沼市・群馬県利根郡みなかみ町

2010年8月7日(土)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

〈池塘が点在する巻機山の稜線〉

 

 

 

お盆前の週末、立山剱を歩こうと計画していたが、土曜日が雨の予報。

そこで深田百名山のピークハントに方向転換して、

先ずは昨年8月に雨で登攀を断念していた巻機山を目指すこととした。

上越国境にある山で広島からは遠いが、初めての山となるとまだ気力が湧く。

新潟県の天気予報は不芳ながらも群馬県の予報はまずまずで、ここは群馬県の予報に掛けることとした。

 

《山行記録》

桜坂駐車場8:15・・・・8:16ヌクビ沢・天狗尾根コース分岐・・・・8:19井戸尾根コース登り口・・・・8:30三合目・・・・8:49四合目・・・(井戸の壁)・・・9:18五合目9:22・・・(井戸尾根)・・・10:03六合目展望台10:08・・・(檜穴ノ段)・・・10:53七合目(物見平)・・・・10:55(雨具着る)11:05・・・・11:29(雨具脱ぐ)11:31・・・・11:44八合目11:47・・・・12:07ニセ巻機山(九合目)12:10・・・・12:21巻機山避難小屋12:25・・・・12:55御機屋(1,933m(昼食)13:23・・・・13:35最高峰(1,967m13:38・・・・13:47御機屋(1,933m)・・・・14:10巻機山避難小屋14:14・・・・14:24ニセ巻機山(九合目)14:28・・・・14:38八合目・・・・14:05七合目(物見平)・・・・15:41六合目展望台・・・・16:20五合目16:21・・・・16:46四合目・・・・17:07三合目・・・・17:19井戸尾根コース登り口・・・・17:21桜坂駐車場

〔総所要時間:9時間06分、昼食・休憩等:1時間11分、正味所時間7時間55分、歩行距離:121q、累積標高差±1,422m〕

 

 

 8:15 桜坂駐車場

  関越道を六日市ICで降りて国道291号線へ。かつての難所の清水峠越えの国道であるが、今は峠の手前の清水の集落の先で車道は行き止まりになっていると聞く。その最奥の清水集落で道標に従って左折して登山口となる桜坂駐車場へと上って行った。米子沢を渡った林道の最奥に数十台の車が停められる駐車場があり、少し手前にも第2駐車場も設けられていた。いずれも地元の森林組合が管理されているものである。ここまで広島から940qほどであった。

  桜坂駐車場の奥が登山口で入山届のポストもあった。舗装道を行くと直ぐにヌクビ沢・天狗尾根コースが分岐するが、ここは林道を道なりに行った。数分で尾根コース登り口の道標が立つ分岐で、林道から分かれて灌木の中に延びる登山道へと入って行った。この分岐が2合目と言ったところか。約10分で三合目で、進路は大きく左へ曲がり長い尾根に乗った。眺望のない灌木の中の道で四合目を過ぎると次の五合目までの間は「井戸の壁」と呼ばれている急坂となった。灌木の急傾斜面に大きくジグを切る道が続いた。焼松と呼ばれる五合目に出ると、米子沢の上流部が見渡せたが、山上は生憎と雲に閉ざされていた。五合目を後にして、美しいブナの樹林の中を登って行った。

 

 

 

 

〈桜坂駐車場〉

                       〈ヌクビ沢・天狗尾根コース分岐〉

 

 

 

 

 

〈井戸尾根コース登り口〉

〈三合目からはミズナラを中心とした尾根筋を登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈五合目から雲に隠れた山頂方面を仰ぐ〉

 

 

 

〈五合目の下は「井戸の壁」の急坂だ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈美しいブナの林の井戸尾根を登り行く〉

 

 

 

10:03〜10:08 六合目展望台

  六合目は展望台とも呼ばれており、割引岳(わりめきたけ)、ヌクビ沢、天狗岩などの眺望が開けるとのことであるが、生憎とこの日は天狗岩の頭から上は雲の中に隠されていた。灌木帯の中の「檜穴ノ段」と呼ばれる急坂を登って行くと、何箇所か樹間から天狗岩を望める地点があったがどこも眺望は開けていなかった。物見平と呼ばれている七合目の裸地を過ぎると、俄かに周囲の霧が昇り始めたようで、天狗岩の上空に青空も覗き始め、行く手にはニセ巻機山の斜面や稜線も見えてくるようになった。ひと心地着けるには最適の8合目の小広場を過ぎると、9合目のニセ巻機山まで植生保護のために設けられた横木の急な階段道が続いた。この道を一気に登って稜線上に出ると、その先の霧の切れ目に巻機山本体が覗いていた。

 

 

 

 

〈眺望が雲に閉ざされた六合目展望台〉

〈天狗岩から上は雲の中〉

 

 

 

 

 

〈七合目の物見平〉

〈天狗岩方面の眺望が開け始めたようだ!〉

 

 

 

 

 

〈八合目付近から霧の晴れたニセ巻機山を仰ぐ〉

〈ニセ巻機山への最後の上り〉

 

 

 

 

 

〈ニセ巻機山の稜線に出ると巻機山が目に飛び込んできた〉

〈イワショウブの蜜を吸うのはヒメシジミか〉

 

 

12:07〜12:10 ニセ巻機山(九合目)

  ニセ巻機山とは気の毒な命名である。長い井戸尾根を登り切ってヤレヤレと思いきや、本当の巻機山はまだ鞍部に下ったその先で、草臥れた登山者をガッカリさせることからこうなったのであろう。別名の前巻機山の方が穏当に思える。眼前に横たわる巻機山本体は、霧に隠されたり、それが流れるとその姿を現わしたりしていた。天気は安定に向かっているようで、この先が楽しみでもあった。ニセ巻機山から木道を下って鞍部に達した。その辺りの草原はお花畑になっており、初夏には色とりどりの花々で飾られているだろうと想像出来た。鞍部には立派な避難小屋が建てられてあった。内部は二階構造となっており、気持ち良く整備、掃除されていた。小屋を後にすると、暫し池塘の点在する草原の中の木道を辿った。その先には、眼前の巻機山稜線に向かって緩やかな上り傾斜の登山道が延びていた。

 

 

 

 

〈ニセ巻機山:まだ霧に閉ざされがちな巻機山の山体が覗く〉

〈霧が流れると巻機山の山容が現れる〉

 

 

 

 

 

〈ニセ巻機山から木道で鞍部に下る〉

〈鞍部にある巻機山避難小屋〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈池塘の点在する草原を巻機山々頂部へと向かう〉

 

 

 

 

 

 

〈ニセ巻機山を振り返る〉

〈御機屋への最後の上り〉

 

 

12:55〜13:23 御機屋(1,933m)

  辿り着いた稜線上は御機屋(おはたや)と呼ばれる巻機山の頂稜部の一角であった。「巻機山頂」の標柱も立てられており、一般的にはここを巻機山の山頂としているようだ。本来の巻機山は割引岳、御機屋、最高点、牛ヶ岳という東西に長い頂稜部を総称するもののようだ。御機屋は無人の静かな頂であった。広い山頂広場のベンチに座って少し遅い昼食を摂っていると、4人組の若者グループがやって来て賑やかになった。天気も安定してきて暫くはガスに巻かれることもないようであった。折角だから少しばかり頂稜部も歩いてみたいと、食後に最高点まで行ってみることとした。片道約10分の道程であったが、池塘の間を行く緩やかな道は山上の楽園を行くような趣も感じられた。

 

 

 

 

〈巻機山の頂稜の一角の御機屋に出る〉

〈御機屋にある巻機山頂の道標:一般にはここが山頂とされている〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈御機屋から辿って来た鞍部〜ニセ巻機山を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈御機屋から最高点、牛ヶ岳を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈御機屋から最高点、牛ヶ岳へと続く登山道〉

〈池塘の側を行く木道の先は最高点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧が晴れてくれて池塘のある稜線の景観を満喫する!〉

 

 

 

13:35〜13:38 最高点(1,967m)

  最高点は植生保護のために立ち入り禁止とされていた。その最高点の側の小さなケルンのある登山道の最高点まで行って折り返した。もっと大きな眺望が得られる日なら牛ヶ岳まで行ってみたい衝動に駆られること間違いないであろうと思ったりした。また霧の立ち始めた御機屋まで返ると、あとは登って来た道をひたすら下って行くだけであった。来た時よりも山上の眺望は良くなっていたので、ここは眺望を楽しみながら下って行くこととした。池塘の点在する草原を抜けて避難小屋に達し、草原の中のテン場に一張のテントを見付けて羨ましく思いつつニセ巻機山への緩斜面を登って行った。

 

 

 

 

〈巻機山の最高点脇のケルン〉

〈登山道は最高点から更に牛ヶ岳方面へと続く〉

 

 

 

 

 

〈最高点付近からまた霧の立ち始めた御機屋を眺望する〉

〈御機屋から池塘の点在する鞍部へと下って行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鞍部近くの池塘越しに御機屋を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

〈霧の立つ栂ノ頭辺り〉

〈ニセ巻機山への上りの草原から御機屋を振り返る〉

 

 

14:24〜14:28 ニセ巻機山(九合目)

  ニセ巻機山の稜線上で巻機山に別れを告げて井戸尾根を下り始めた。眺望が開けておれば、谷川岳に繋がる上越国境の稜線が見渡せるのであろうが、今日はまだ雲がその眺望を隠していた。それでも、斜面を下り行く程に天狗岩方面も眺望を開けてきて、また下って行く井戸尾根もその全体像が分かる程に霧が晴れて来た。これは益々楽しみになってきたと思っていたが、6合目まで下ってくると元の黙阿弥で天狗岩から上はまた雲の中となっていた。樹林帯を行くその先の下山道は、段差の大きな露岩の多い道という悪条件もあって、思っていたよりも長く険しく感じられた。

 

 

 

 

〈帰路にはニセ巻機山から巻機山の山容が望めた〉

〈ニセ巻機山の稜線から巻機山に最後のご挨拶〉

 

 

 

 

 

〈ニセ巻機山から清水峠〜谷川連山の大眺望に向かって下って行く〉

〈振り向けば晴れた空の下にニセ巻機山が裾を引く〉

 

 

 

 

 

〈これから下っていく井戸尾根を俯瞰する〉

〈天狗岩方面の霧も晴れてきたようだ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やっと全容を現した天狗岩〉

 

 

〈六合目まで下ると、山上はまた霧の中!〉

 

 

 

 

 

〈井戸尾根のブナの美林を下って行く〉

〈五合目からは左手にニセ巻機山の稜線が望めた〉

 

 

17:21 桜坂駐車場

  9時間の山行で桜坂駐車場へ帰り着いた。ほぼ満車であった駐車場も随分と車の数が減っていた。明日登る方であろうか、早々にここに陣を張って夕食の準備中の車もあった。駐車場を管理している森林組合の方に駐車料(一日500円)を払わねばならないが係員の姿がなかった。登山バッジもその森林組合で売っていると第2駐車場近くの料金所に書いてあったので、そこに行ってみたが無人であった。清水集落への林道を下って行っているとバイクに乗って駐車場方面に向かう係員風の方に出会ったので車を停めて声を掛けると、その通りでバッジも持っておられた。下山後ちょっと離れた五十沢温泉まで赴き、「さくり温泉健康館」(入浴料370円/人)で入浴し汗を流した。

 

 

 

 

〈井戸尾根コース登り口の林道に出た〉

〈車の数も少なくなった桜坂駐車場〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下山後には「さくり温泉健康館」で入浴〉

 

 

 

〔山行所感〕

  久し振りの長駆の遠征で、さて到着してからロングコースの山に登ることが出来るかと懸念したが、何とかそれをこなすことが出来て安堵した。どうも上越国境周辺や北関東の山では天気に恵まれないことが多い。この日も徐々に天気が安定はしてくれたものの、この地域ならではの峰々の大眺望を得るまでには至らなかった。この地域の天気の難しさなのだろうか、選んだ時期が良くないのであろうか?とは言え、霧の中から姿を現してくれた巻機山には感謝するのが筋であろう。

  巻機山はじっくりと取り組めば実に味わい深い山であろうと思った。天気に恵まれず、山では初秋の風が吹こうかというこの時期に登っても感動深い山であった。百花繚乱の初夏や、草もみじから紅葉の秋のこの山の美しさはどんなに大きな感動をもたらせてくれるのであろうか!豪雪地帯ではあるが、この山が雪化粧を始める頃はさぞ清楚な面持ちであるだろうと思ったりもした。魅力的で、機会があればまた登ってみたい山であった。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

 

《この日出会った花々》

 

〈一部不確かなものもあります。間違いにお気付きの際はお知らせ頂くと大変に助かります。〉

 

 

 

 

〈オカトラノオ(サクラソウ科)〉

〈ソバナ(キキョウ科)

 

 

 

 

 

〈ヤマユリ(ユリ科)〉

〈キソチドリ(ラン科)〉

 

 

 

 

 

〈ノリウツギ(ユキノシタ科)〉

                          〈ミヤマホツツジ(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

〈オオカメノキ(実)(スイカズラ科)〉

〈ノギラン(ユリ科)〉

 

 

 

 

 

〈キンコウカ(ユリ科)〉

〈コメツツジ(ツツジ科)〉

 

 

 

 

 

〈ツルリンドウ(リンドウ科)〉

〈シナノオトギリ(オトギリソウ科)〉

 

 

 

 

 

〈ハンゴンソウ(キク科)〉

〈オオヨモギ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈シモツケソウ(バラ科)〉

〈シラネニンジン(セリ科)〉

 

 

 

 

 

〈オヤマリンドウ(リンドウ科)〉

〈ミヤマイワニガナ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈イワショウブ(ユリ科)〉

〈イワイチョウ(ミツガシワ科〉)

 

 

 

 

 

〈ワタスゲ(カヤツリグサ科)〉

〈ニッコウキスゲ(ユリ科)〉

 

 

 

 

 

〈モミジカラマツ(キンポウゲ科)〉

〈ミヤマアキノキリンソウ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈タテヤマリンドウ(リンドウ科)〉

〈ウラジロタデ(タデ科)〉

 

 

 

 

 

〈アカモノ(実)(ツツジ科)〉

〈ノリウツギ(ユキノシタ科〉

 

 

 

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