岩壁の深山を歩く 大神ヶ岳(1,177m)・立岩山(1,181.0m)

島根県益田市匹見町

2010年10月1日(金)    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈立岩の岩壁越しに安蔵寺山の稜線を望む〉

 

 

 

山歩きには良い時候となったものの、この週末の天気予報は不芳。

休暇の週末前のこの日は絶好の天気のようなので、ここは近場の西中国山地へ出掛けることとした。

いろいろ検討した結果、もう10年以上歩いていない大神ヶ岳〜立岩山のルートを歩いてみることに。

どんな山道に変わっているかも楽しみにして出発した。

 

《山行記録》

登山口(気温14)10:08・・・・10:27平岩・・・・10:32山葵天狗社10:33・・・・10:34潜り岩・・・・10:39三坂大明神・くにびき国体炬火採火地(右回りコースへ)・・・・10:42東面・・・・10:45北面・・・・10:47正面ルート合流・・・・10:50大神ヶ岳(1,177m)11:10・・・・11:19鞍部・・・・11:37草原の展望所(1,170m)11:43・・・・11:57立岩12:01・・・・12:08(19)立岩山(1,181.0m)(昼食)12:52・・・・13:01立岩・・・・13:14草原の展望所(1,170m)・・・・13:31鞍部・・・・13:44大神ヶ岳直下分岐・・・・13:50三坂大明神・・・・13:54潜り岩・・・・13:56山葵天狗社・・・・14:00平岩・・・・14:18登山口(19)

〔総所要時間:4時間10分、昼食・休憩等:1時間15分、正味所要時間:2時間55分、歩行距離:47q、累積標高差:±551m

 

 

10:08 登山口

  中国道を吉和ICで降り、吉和からは林道「大向長者原線」を採った。順路は国道488号線なのであろうが、これは名にし負う酷道ゆえに避けた。国道488号線の走る中津谷の東側の山中を縫って約9キロメートルの立派な舗装道路が続いていた。大神ヶ岳登山口へ向かう三坂八郎林道の分岐から数百メートル匹見に寄った先で国道488号線に合流したので、合流点で左折してその数百メートルを吉和方面に引き返した。三坂八郎林道への分岐に架かる八郎橋を渡ってその林道に入った。八郎川に沿って曲折するよく整備された走り易い道であった。10分余で広島・島根県境の三坂八郎トンネルを抜けて、7〜8百メートルも下ると登山口であった。林道の右手に登山口となる鳥居があり、道路をはさんだ反対側には自動車が10台は停められようかという駐車場があった。かつてトイレも設置されていたが、今は使われていないようであった。

 

  駐車場には先客の車はなかった。鳥居を潜って山中に入って行った。早速に杉林の中を行く急登であったが、数度ジグザグを切ると左手の山裾を巻く道となって暫し緩やかで安穏な道を行くこととなった。しかしそれは長くは続かず、小さな渓流に突き当たるとその先は再び樹林の中を上り行く急坂となって、それが大神ヶ岳山頂直下まで続いた。とはいえ、その間に平岩、山葵(わさび)天狗社の祠、潜り岩などがあったので気が紛らせた。山頂の大岩の基部まで登って行くと、三坂大明神の祠があり、その傍らに「くにびき国体炬火採火地」の碑が建てられてあった。ここで登山道は左右に分れていた。左が順路であるが、ここは右に採って山頂の大岩の下を南〜東〜北〜西側へ周回してみることにした。東面の大岸壁は迫力のあるものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山葵天狗社・三坂大明神の鳥居の建つ大神ヶ岳登山口〉

 

 

〈杉林の中の急坂を登り行く〉

 

 

 

 

 

〈平岩(ひらいわ)〉

〈山葵天狗社の祠〉

 

 

 

 

 

〈潜り岩を抜けて行く〉

〈大神ヶ岳山頂部の大岩の基部に安置された三坂大明神の祠〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂部東側の岩壁を見上げる〉

〈この岩壁は何かに似ていなかな・・・?〉

 

 

10:50〜11:10 大神ヶ岳(1,177m)

  山頂の大岩の基部を左回りで周回してからその大岩の上の山頂部に登った。東西に長い岩盤の上で灌木の繁る四周は断崖となって落ちていた。南側と東側に眺望のよく効く岩場があり、西中国山地のど真ん中ゆえに、申し分のない素晴らしい眺望が開かれていた。これらを楽しんでいると瞬く間に20分間が経っていた。

大神ヶ岳を後にして立岩山へと向かった。灌木帯から杉林の中を意外と感じる程にドンドンと下って行ってから今度は上りに転じた。最初のピークは南側を巻いてから尾根上に上がった。ここまで来ると尾根筋はブナ林となっていた。しかし尾根歩きは直ぐに終わり、急坂を辛抱して登っていくと登山路は右に折れたが、反対側にも道が延びていたのでこれを行ってみるとここもまた眺望の素晴らしい、標高1,170メートルの草地のピークに出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大神ヶ岳山頂の岩場〉

〈山頂の白骨樹〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南の方角の眺望〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北〜北東の方角の眺望〉

 

 

 

 

 

 

〈これから行く立岩山方面の眺望〉

〈眼下に三坂谷の深い峡谷を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈立岩山に続く縦走路に入る〉

〈立派な杉林を抜けて行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉の秋ももう直ぐ・・・・〉

 

 

 

〈稜線上にはブナの樹も多い〉

 

 

11:37〜11:43 草原の展望所(1,170m)

  この草原の展望所とでもいうべきピークからの眺望も秀逸であった。特に吉和冠山から小五郎山にかけての山塊が一条の稜線のように延びている様は秋の高い空と相俟って誠に美しいものであった。またつい先程までいた大神ヶ岳の山頂部も南面を杉林の鎧で防御しているようで、また楽しい景観と言えた。

  1,170mピークを後にして北に続く尾根道を立岩山へと向かった。緩やかに下る尾根道を辿って行くと、それまで樹間に見え隠れしていた大きな岩の塔が見えてきた。立岩山の前衛の立岩である。見るからに爽快になる懸崖が、西方の名峰・安蔵寺山と対峙していた。この山域を代表する景観であると思う。登山道は鞍部からこの岩の塔の先まで一旦登り、もう一度浅い鞍部に下ってから立岩山に登り返した。山頂部の肩に乗ってから、立岩山の山頂広場へと進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

〈1,170mの草原の展望所から大神ヶ岳を見返す〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈吉和冠山〜小小五郎山の大眺望〉

 

 

 

 

 

 

〈これは立派なノギラン(ユリ科)のよう〉

〈ツルリンドウ(リンドウ科)

 

 

 

 

 

 

 

 

〈立岩山の前衛の「立岩」〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈立岩から深い谷の向こうに安蔵寺山(1263.2m)を望む〉

 

 

 

 

 

 

〈キクバヤマボクチ(キク科)〉

〈アキノキリンソウ(キク科)〉

 

 

12:08〜12:52 立岩山(1,181.0m)

  立岩山の山頂にも他の登山者の姿はなかった。平日ゆえにこの日この山域に入山したのは我々だけであったようだ。山頂広場の木陰で昼食を摂った。気温も20℃を切っていて、風が吹けば誠に心地良い山上であった。山頂部の肩からは、眼の前に大きな大きな安蔵寺山の姿があった。どこから眺めても気宇壮大にしてくれる山である。

  昼食を終えて、来た道を引き返すこととした。往路では気付かなかったが尾根筋のブナの葉もやや黄色く色付き始めた気配が感じとれた。立岩の懸崖の中ほどには白いノギクの花が咲き懸っていた。これらは路傍のアキチョウジの群生ともどもに秋の訪れを感じさせるものであった。

 

 

 

 

〈立岩山々頂の小広場〉

〈二等三角点が建つ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂部の肩から眼前に横たわる安蔵寺山を眺める〉

 

 

 

 

 

 

〈やや色付き始めた尾根筋を大神ヶ岳へ引き返す〉

〈白いノギクの咲く立岩の岩壁〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈岩壁に咲く花と同じキク科の花が路傍にあった、リュウノウギクであろうか・・・〉

 

 

 

 

 

 

〈稜線上にはアキチョウジ(シソ科)の群生があった〉

〈ゴマナ(キク科)ももう終盤の頃でした〉

 

 

13:44 大神ヶ岳直下分岐

  順調に歩いて大神ヶ岳山頂の大岩の基部まで帰ってきた。上りにはこの大岩の反対側を周り込んだので、南面をよく観察してみた。多くは樹木で視界を遮られえいるが、時に山頂部まで見上げることが出来た。その高度感には人を酔わせるものがあった。大岩基部の三坂大明神に下山の参拝をしてから、杉林の中の急坂を特色のある岩や山葵天狗社などに立ち寄りながら下って行った。

 

 

 

 

〈大神ヶ岳へ続く樹林〉

〈大神ヶ岳山頂直下の分岐:左が山頂、右が登山口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈蔓に覆われた大神ヶ岳山頂部南面の岩壁を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈岩壁の基部にある三坂大明神の祠〉

〈潜り岩を抜けて下り行く〉

 

 

14:18 登山口

  下り来て、高度を下げて来ても自動車の騒音が聞こえてくることもない静かな山峡であった。無事に鳥居の登山口に下山した。結局、この日の入山者は我々の他にはなかったようだ。この時期特に気を付けなければならない動物は「まむし、熊、スズメ蜂」の3つであるが、偵察飛行をしていた単騎のスズメ蜂以外にはこれらにも遭うこともなかった。静かなで安穏な山行であった。

 

 

 

 

〈鳥居のある登山口に下山〉

〈島根・広島県境にある三坂八郎トンネル(広島県側)〉

 

 

〔山行所感〕

  実に山深い所である。安蔵寺山など島根県のこの山域に来ると、いつもそう感じてしまう。広島からだと幾つも山を越えてやって来なければいけない。それだけに実距離以上に心理的には遠い存在であり、足繁く西中国山地に通っているにしては、仲々近寄らない山域であった。随分と久し振りに大神ヶ岳〜立岩山を歩いてみて、登山道がしっかり踏まれており、また良く手が加えられていることに気付いた。多くの登山者に愛される山となり、地元の人達を中心によく整備して頂いているようである。嬉しく、有り難い限りである。

  立岩山を往復しても3時間余もあれば下山出来る山域である。登山口までの距離は遠いが、もう少し気楽にこの山にも通って良いかも知れないと改めて感じた次第であった。

  地形図では立岩山は赤谷山と記されている。「西中国山地」(桑原良敏著)にも記されているように、この山は往年より、また地元の人達からも立岩山と呼ばれ、現在でも山中の標識も立岩山となっている。そんなことから、本篇でも立岩山とした。なお、赤谷とはこの山の北方の広見川に流れ込む谷域の名前とのことである。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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