白布温泉から吾妻連峰最高峰への周回ルートを辿る 西吾妻山(2,035m)

山形県米沢市・福島県耶麻郡北塩原村

2010年10月12日()    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈霧の晴れた吾妻連峰を眺めながら草もみじの天空を行く〉

 

 

 

会津紅葉狩り登山の二日目は吾妻山連峰最高峰の西吾妻山とした。

この日の会津地方の天気予報が晴れと出たので、2000メートル峰を選んだ次第であった。

しかし、この時期のこの地方の天気は儘ならぬもの、

朝には姿を現していた山頂部も、訪ねてみるとガスに巻かれていた。

紅葉帯は標高1300〜1500メートル辺りで、山上は紅葉も終わり草もみじも晩期といったところであった。

 

《山行記録》

天元台ロープウェイ湯元駅8:05――8:09天元台高原駅・・・・第1リフト乗り場8:23――8:292リフト乗り場――8:403リフト乗り場――8:56北望台9:02・・・9:21かもしか展望台9:23・・・・9:32中大巓分岐・・・・9:41人形石9:47・・・・9:56中大巓分岐・・・・10:12大凹の水場・・・・10:45梵天岩10:55・・・・11:00天狗岩11:07・・・・11:23西吾妻山(2,035m)11:28・・・・11:40西吾妻小屋11:47・・・・11:53若女平コース分岐・・・・11:57大谷地の草原(昼食)12:26・・・・14:18若女平・・・・14:27(休憩)14:38・・・・15:34若女平登山道入口・・・・15:36藤右ェ門沢15:47・・・・15:50県道出合・・・・15:52天元台ロープウェイ方面分岐・・・・16:06天元台ロープウェイ湯元駅

〔北望台からの総所要時間:7時間04分、昼食・休憩等:1時間28分、正味所要時間:5時間36分、歩行距離:11.3q、累積標高差:459m-1,315m

 

〈登山口へのアプローチ〉

  裏磐梯から登山口の白布温泉へは西吾妻スカイバレー(県道2号線)で白布峠を越えて福島県から山形県へ入る。「東鉢山七曲がり」とも呼ばれるこの峠道はなかなかの難所であると共に、好眺望の地でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

〈裏磐梯の桧原湖から見上げる朝の西吾妻山〉

 

 

 

 

 

 

〈白布峠を越えて〉

〈峠から遙か望めるのは飯豊山塊の一角か〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈白布峠への道から遙か雲海に浮かぶ磐梯山を望む〉

 

 

 

8:05 天元台高原ロープウェイ湯元駅

  この日に予定していた周回ルートは案外の長丁場であるので、躊躇なくロープウェイとリフトを乗り継いで行くこととした。平日のこの日のロープウェイの始発は午前8時半の予定であったが、早朝から客の集まりが多かったこともあり、午前8時過ぎにもう臨時の第1便が出発した。標高925メートルの山麓の湯元駅から同1,310メートルの山上の天元台まで僅か4〜5分で運んでくれた。天元台からはスキー場の中を3つのリフトを乗り継いで標高1,820メートルの北望台まで運んでもらった。天元台から上は暫し紅葉した樹林帯に入り、リフト上で紅葉狩りをしながら上って行ったが、3基目のリフトに乗り継ぐとオオシラビソの樹林帯となり、遙か上方の中大巓(1,964m)の北斜面は紅葉も完全に終わり、ダケカンバの白い幹が骸骨林のような風情で立ち並んでいるのが見えるばかりであった。

 

 

 

 

〈天元台高原ロープウェイ湯元駅〉

〈ロープウェイから谷底の新高湯温泉を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈天元台から3つのリフトを乗り継いで上り行く〉

〈天元台高原スキー場の紅葉〉

 

 

 

 

 

〈リフトから雲海に沈む下界を眺望する〉

〈紅葉の中を行くリフト〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉に彩られた吾妻連峰〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈足元の樹林は将に錦に染まっていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈リフト終点近くの中大巓では紅葉がもう終わっていた〉

 

 

 

〈リフト下には登山道も通る〉

 

 

 8:56〜9:02 北望台

  リフト終点の北望台が実質的にはこの日の登山口であった。スキー場のリフト終点というだけの特に何もない散文的な北望台を後にすると、直ぐにオオシラビソの森に入った。この山域独特の脚に来るゴロゴロとした岩の道が続いていた。森に入って直ぐに左に人形石へ直接行く道が分岐していた。荒れた道と聞いていたのでそこには入らず西吾妻山へと向かうメイン道を直進した。20分程で樹林の中に開けた「かもしか展望台」に出た。岩がゴロゴロした広場という感じであった。西方から北方への眺望が良く、飯豊連峰や朝日連峰の好眺望地とのことであるが、見渡す下界はかなり濃い霧のようで何処其処と特定出来るような眺望を得ることは出来なかった。「かもしか展望台」を過ぎると県境の尾根を越えて福島県側の連峰南面に出た。高層湿原帯の中に木道が続き、南方向には大凹(おおくぼ)越しに西吾妻山の山頂部が霧に巻かれようとしているのが見て取れた。ここでは直ぐに西吾妻山へは向かわず、中大巓の東側を巻いて人形石へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈北望台の登山口〉

 

 

 

〈北望台の展望所〉

 

 

 

 

 

〈オオシラビソの森を登り行く〉

〈かもしか展望台〉

 

 

 

 

 

〈木道を辿って人形石に向かう〉

〈振り返れば西吾妻山のピークが望めた〉

 

 

 9:41〜9:47 人形石

  人形石の広場は尾根上に岩がゴロゴロとした空間で、特色のある大岩が数個鎮座しているところであった。一番でかい岩が人形岩のようであった。ここも好眺望地で東へ延びる吾妻連峰の主脈などが一望出来る筈であったが、周りの眺望はすべて白いガスに巻かれており何ひとつ見ることが出来なかった。早々に中大巓分岐へと引き返し先に進むこととしたが、この頃が最も濃いガスに巻かれてしまった時間帯でもあった。中大巓分岐から大凹に下って行く頃からその霧も徐々に晴れてくれるようになり、ガスに隠されていた西吾妻山も少しずつ姿を現すようになった。大凹の水場を過ぎて急斜面をひと登りし、梵天岩手前の高層湿原帯に辿り着いた頃には、はるか東方の東大巓くらいまで見える程に眺望が開けていた。 

 

 

 

 

〈人形石〉

〈ガスに巻かれた木道を西吾妻山方面に引き返す〉

 

 

 

 

 

〈中大巓分岐〉

〈大凹(おおくぼ)を見下ろす

 

 

 

 

 

〈大凹の中を行く〉

〈大凹の水場

 

 

 

 

 

 

 

 

〈梵天岩のピークに続く木道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈いろは沼辺りから遙か中大巓から藤十郎、東大巓に続く山稜を望む〉

 

 

 

10:45〜10:55 梵天岩

  梵天岩とは巨岩が積み重なった小ピークである。この山域随一の展望所と言われており、東北地方南部の数々の名峰など360度の眺望ということであるが、この日は吾妻連峰主脈が東大巓、微かに昭元山辺りまで見え、南に西吾妻山の頂きが見えた程度であった。岩の上で暫し休憩の後西吾妻山に向かい直ぐに天狗岩に出た。ここもゴロゴロした岩の大きな空間で、その西の端に吾妻神社の祠があったので立ち寄って参拝した。天狗岩から浅い鞍部に下り、途中で湿原の木道を歩きながら樹林帯を抜けて行くと、緩い傾斜となってほどなく樹林に囲まれた西吾妻山の山頂に到達した。

 

 

 

 

 

 

 

〈梵天岩:東大巓の先に昭元山の姿も見えるようだ〉

 

 

 

 

 

 

〈梵天岩から大凹越しに東へと続く吾妻連峰を望む〉

〈西吾妻山の山頂は梵天岩の直ぐ先〉

 

 

 

 

 

〈広々とした天狗岩〉

〈天狗岩の一角に祀られている吾妻神社〉

 

 

 

 

 

〈天狗岩から西吾妻山へのアプローチ〉

〈湿原も抜けて・・・・〉

 

 

11;23〜11:28 西吾妻山(2,035m)

  西吾妻山の山頂はオオシラビソの樹林に囲まれた小空間に山名を刻した標柱が一本建つだけのところであった。幾組かの登山者と共に登ってきたが、皆さん標柱と共に記念撮影を済ませると早々にこの広場を背にして先に行ってしまった。山頂を西側に抜けると広々とした湿原となり、その先に赤い屋根の西吾妻小屋が建っていた。40名程度を収容出来るというトイレも併設したしっかりとした無人小屋であった。小屋を後にして天狗岩へと続く木道を行くと直ぐに若女平(わかめだいら)方面への分岐に出合った。

 

 

 

 

〈オオシラビソの樹林を緩く登る〉

〈樹林の中に建つ山頂の標柱〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂を越えると広やかな湿原の先に西吾妻小屋が建つ〉

 

 

〈無人の西吾妻小屋〉

 

 

11:53 若女平コース分岐

  天狗岩への木道を左に外れて若女平コースの登山道に入った。事前の伝聞では石がゴロゴロとした長くて歩き難いハードな道ということであった。分岐から直ぐの大谷地の湿原脇の清水の流れる登山道でランチタイムを取った。食後の回復した体力で長い下山路にチャンレンジすることとした。この若女平コースは伝聞通りの難路で、通る人も極めて少ないようであった。ゴロゴロした石をしっかりと踏みながら下って行くのは、膝や脚にかなりの負担であった。オオシラビソの地味な森を抜けて行き、標高が1,500メート程のところまで下って行くと、ダケカンバを中心とした紅葉した森となった。黄や紅に色付いた森を歩くと気持ちが少しは和らいだような気がした。

 

 

 

 

〈若女平コースの分岐(木道を外れて左へ)〉

〈大谷地の湿原脇で暫しランチタイムとした〉

 

 

 

 

 

〈オオシラビソの森の中の石がゴロゴロした道を下り行く〉

〈各種の道標が樹木に着けられていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈こんな標識も!山スキー用かな?〉

 

 

〈下り行く程に紅葉帯に入った〉

 

 

 

 

 

〈深い樹林の中で眺望はない〉

〈気持ちの良い森の中の道だ!〉

 

 

 

14:18 若女平

  下り行けども行けども仲々に「若女平」に到着しなかった。このルートの名前となっているので、若女平はきっと特別な、いわばメルクマールとなるようなところであろうと思い込んでいたが、そんな雰囲気のある所に出合うことはなかった。稜線部の分岐から2時間近く下って来て、登山道が広々とした平坦な森の中を行くようになったことに気付いた。きっとここが若女平であろうと思っていると、登山道に掲げられていた幾種類かの標識の中の一枚に「若女平」と記されたものが目に飛び込んできた。特別に広場があるわけでもなく、ベンチが用意されている訳でもなく、ただ森の中に登山道が淡々と延びているだけの所であった。「若女平」とは、西吾妻山から北に延びる大きな尾根上の比較的平坦な一帯の呼称のようだ。ダケカンバの森を抜け、ブナの森を抜け、落葉松の林立する細尾根を辿って下って行き、最後に杉林の中の急坂を下って行くと谷間の「若女平登山道入口」に下り切った。

 

 

 

 

〈平坦な森となって「若女平」にいることを実感出来た〉

〈深い森の中を行く、この日相前後して下ったご夫妻〉

 

 

 

 

 

〈凡そ4/5ほどを下って来たということのようだ!〉

〈樹間から天元台のロープウェイ駅が望めた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道入口に下山〉

 

 

 

〈まだ色付いていない落葉松の尾根筋を下る〉

 

 

16:06 天元台高原ロープウェイ湯元駅

  「若女平登山道入口」の標識の建つ地点から谷間を下り、藤右ェ門沢で汚れた靴を洗ってなおも下ると直ぐに県道(西吾妻スカイバレー)に出た。ここから車道を上り返すと車を停めたロープウェイの湯元駅は直ぐであった。下山後の入浴は、湯元駅直ぐ下の米沢市森林体験交流センター・白布森の館(電話0238−55−2118)とした。

 

 

 

 

〈白布温泉口の県道に出る〉

〈周囲の山々も色づき始めたロープウェイ湯元駅〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ロープウェイ湯元駅直下の「白布森の館」で入浴〉

 

 

 

〔山行所感〕

  「一口に吾妻山と呼んでも、これほど茫漠としてつかみどころのない山もあるまい。福島と山形の両県にまたがる大きな山群で、人はよく吾妻山に行ってきたというが、それはたいていこの山群のほんの一部にすぎない。」

 これは深田久弥の「二本百名山」の吾妻山の項の書き出しの部分である。今回の我々の山行も将にこの通りで、吾妻連峰の西の端の山群中の最高地点の周りをほんのちょっと歩いてきただけであったようだ。吾妻連峰の殆どがガスの中に隠れたままで、その全貌を目にすることができなかったが、やはり広く歩いてみたり、詳細を見てみたい山群であると思う。また、この山に登ると東北地方南部の名峰たちの位置関係やその在り様がよく理解出来るようになったように思う。いずれは行ってみなくてはならない飯豊連峰や朝日連峰も、山深く難物のように思ってきたが、ちょっとだけ身近なものになったような気がする。 

  山頂部から下った若女平登山道は、難路というより長くて足元が悪くてハードな道、途中で眺望が殆どなく単調な道ではあるが、この吾妻連峰の地形的な大きさを体感するには良いルートであると思えた。上から下までの林相の変わり様も教科書的でまた面白いものであった。ロープウェイ、リフトという便利な乗り物があり、この道を利用する登山者の割合は極端に低いと思えるが、このルートがいつまでも登山道として保たれることを切に願うものである。 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

〔BACK〕

〔HOME〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ads by TOK2