那須岳の中枢部を行く 茶臼岳(1,915m)・朝日岳(1,896m)・三本槍岳(1,916.9m)
栃木県那須郡那須町・那須塩原市
2010年10月14日(木) チャコ&門久
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〈朝日岳への難路から主峰・茶臼岳を仰ぎ見る〉 |
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会津紅葉狩り遠征は安達太良山、西吾妻山、磐梯山の3座で終了の予定であったが、
3座目の磐梯山が好天に恵まれて気分を良くした上に
那須岳の紅葉が見事であるとの情報を幾度か耳にしたので、
ここは行かなくてはなるまい・・・と、急遽那須に向かうこととした。
未踏の深田百名山の分布状況からしても、この機会に行っておくに限ったし、
もう一日こちらで過ごすと、巧くいけば帰路も1,000円高速の恩恵を受けられる可能性があった。
《山行記録》
那須ロープウェイ山麓駅8:22――8:26山頂駅8:31・・・・8:39牛ヶ首分岐・・・・9:10峰の茶屋分岐・・・・9:15茶臼岳(那須岳神社)(1,915m)9:25・・・・9:26噴気口上9:33・・・・9:41峰の茶屋分岐・・・・10:12峰の茶屋跡10:19・・・・11:02朝日岳の肩(1,840m)・・・・11:12朝日岳(1,896m)11:17・・・・11:27朝日岳の肩・・・・11:42熊見曽根11:43・・・・11:50 1,900峰・・・・12:08清水平・・・・12:19北温泉分岐・・・・12:50三本槍岳(1,916.9m)13:19・・・・13:46北温泉分岐13:50・・・・14:00清水平・・・・14:19 1,900m峰・・・・14:23熊見曽根・・・・14:38朝日岳の肩14:45・・・・15:18峰の茶屋跡・・・・15:58那須岳登山口・・・・16:01峰の茶屋県営駐車場・・・・16:15那須ロープウェイ山麓駅前駐車場 〔那須ロープウェイ山頂駅から:総所要時間:7時間44分、昼食・休憩等:1時間12分、正味所要時間:6時間32分、歩行距離:11.7q、累積標高差:+688m、-978m〕 |
8:26〜8:31 那須ロープウェイ山頂駅
那須岳でも躊躇なくロープウェイを利用することにした。午前8時半始発の予定であったが、続々と集まる登山者や観光客の威力に押されるように15分ほど運行が早くなり、我々は第2便に乗ることが出来、午前8時20分過ぎには見事な紅葉の山肌を見ながらもうロープウェイの中の人となっていた。
ロープウェイ山頂駅からザラザラの火山礫の急坂を茶臼岳山頂へと向かった。10分足らず登って行くと左に牛ヶ首への巻き道が分岐していた。そちら方向へ行く人達も結構多かった。我々は足を滑らせながらなおも急傾斜地を登り続けて、山頂直下の火成岩の露岩地帯に入り、右に峰の茶屋跡へ下る道を見送ってから那須岳神社の鳥居の建つ山頂部へと上がって行った。
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〈ロープウェイで山頂駅へ〉 |
〈ロープウェイから紅葉した山肌を見る〉 |
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〈ドウダンツツジの紅が眩しい!〉 |
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〈山頂駅から火山礫の斜面を山頂へ向かう〉 |
〈「八間石」と呼ばれる巨岩帯を登る〉 |
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9:15〜9:25 茶臼岳(1,915m)
那須岳神社の小さな鳥居を潜ると一番の高みにある岩の上に那須岳神社の祠が安置されていた。それ以外は大きな岩が転がるだけの極めて無機質な山頂であった。ただ山頂からの眺望は素晴らしかった。特に北の朝日岳、剣が峰の峨々とした岩稜と、北西方向の流石山から大倉山、三倉山へと続く県境尾根の紅葉した南斜面には心躍らせるものがあった。山頂部の浅い旧火口を右回りに周回しながら、山頂部の西側に落ちている懸崖に噴いている噴気口を眺めた。大自然が命を持っていることを感じる景観であった。無間地獄と呼ばれているようだ。暫し自然の躍動を感じてから、山頂部を離れて峰の茶屋跡へと続く道を下って行った。そこでは朝日岳から鬼面山にかけての稜線の南斜面の素晴らしい紅葉に歓声を上げた。
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〈茶臼岳山頂の那須岳神社の鳥居〉 |
〈那須岳神社の祠〉 |
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〈茶臼岳山頂から北に連なる那須岳連峰〉 |
〈こちらは那須岳連峰南部〉 |
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〈はるか福島県の大倉山、三倉山を望む〉 |
〈三斗小屋温泉のある谷間は紅葉の盛り〉 |
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〈噴気を上げる無間地獄を俯瞰する〉 |
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〈紅葉した無限谷の先に大倉、三倉山を望む〉 |
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〈噴気口越しに三本槍岳までの北部那須岳連峰を遠望する〉 |
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〈霧巻く紅葉した谷間に陽光が射す!〉 |
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〈朝日岳〉 |
〈紅葉した朝日岳南斜面〉 |
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10:12〜10:19 峰の茶屋跡
峰の茶屋跡には避難小屋があり、現在の峰の茶屋がある県営駐車場からの登山道も上がってきており、ここから各方面へ道が通じていることから大勢の登山者の姿があった。我々は避難小屋の上の方にあるベンチで小休止を取った。目の前には三斗小屋温泉がある谷が落ちており、その先には山頂でみた流石山から大倉山、三倉山へと続く県境尾根があった。その何処もが紅葉しており、その全山紅葉の眺望に暫し我を忘れるようであった。
この峰の茶屋跡を後にして、更に朝日岳から三本槍岳へと脚を延ばすこととした。峰の茶屋跡の直ぐ先には剣ヶ峰の険しいピークが聳えていたが、登山道はその右側を大きく巻いて朝日岳との間の鞍部に出た。その先は不気味なくらいの岩峰が上に向かって続き朝日岳のピークへと連なっていた。その下部の細い岩の尾根を鎖や手摺りを伝って登り、更には大きな岩壁を左に巻く水平道を鎖を伝いながら登って行くと、何とか朝日岳のピーク下の鞍部に出ることが出来た。
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〈噴気を上げる無間地獄を見上げる〉 |
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〈霧が晴れて大気が澄んできたようだ!〉 |
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〈紅葉した谷間が一際美しい!〉 |
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〈紅葉した山肌を眺めながら行く〉 |
〈峰の茶屋跡にある避難小屋〉 |
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〈紅葉した隠居倉〉 |
〈噴気を上げる茶臼岳を見上げる〉 |
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〈剣ヶ峰を巻いて朝日岳に向かう〉 |
〈これから朝日岳の肩への険路を登る〉 |
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〈細い岩の尾根を登る先行者を追う〉 |
〈険しい岩壁を巻きながら登り行く〉 |
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11:12〜11:17 朝日岳(1,896m)
朝日岳の肩を呼ばれる鞍部から朝日岳の山頂までは10分程で登れた。この頃からこの山域にもガスが巻き始めて、一時的に朝日岳山頂からすぐ目の前にある茶臼岳の大きな山体も見えなくなる程であった。山頂には大勢の登山者の姿があった。那須岳の山群の中でも際立って目立つ山であるので、訪れる人も多いようであった。賑わうピークを早々に後にして先に進むこととした。朝日岳の肩から熊見曽根のピークに上がり、岩を積んだケルンが並ぶ1,900m峰の稜線まではまだ登山者の姿があった。1,900m峰から先を見ると、眼下に清水平の湿原が拡がり、三本槍岳のピークはその遙か先にあった。唖然とする程の遠方に感じられた。その光景の中に登山者の姿は疎らであった。
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〈朝日岳の肩から朝日岳を仰ぐ〉 |
〈朝日岳山頂からガスの巻き始めた茶臼岳を望む〉 |
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〈これから行く熊見曽根、1,900m峰を望む〉 |
〈朝日岳の肩から熊見曽根に延びる尾根道〉 |
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〈紅葉した無限谷〉 |
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〈熊見曽根から1,900m峰を眺める〉 |
〈1,900m峰上のケルン〉 |
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〈1,900m峰から清水平を俯瞰する〉 |
〈清水平の先に聳える三本槍岳〉 |
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12:08 清水平
1,900m峰から清水平までは標高差90メートル程を木組みの階段で一気に下った。ここを登って来ていた人達は一様にくたびれ果てた表情をしていた。清水平は標高1,800メートルの高層湿原で、ここを木道で横切った。そこから一旦眼前の小ピークの中ほどまで登りながら左に巻いて一度鞍部に下ってからこの日最後の三本槍岳への上り道に取り付いた。小ピークへの上りの途中に、右へ北温泉に下る道が分岐していた。
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〈清水平の木道を行く〉 |
〈ハイマツ林の先に三本槍岳を見る〉 |
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〈北温泉への分岐〉 |
〈三本槍岳への最後の登り〉 |
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〈三本槍岳東面のダケカンバはもう葉を落としていた!〉 |
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12:50〜13:19 三本槍岳(1,916.9m)
三本槍岳の山頂には比較的広い空間があり、そこには方向表示盤や一等三角点が設置されていた。もう正午を回った時刻で、登山口からの距離を考えるともう登山者の姿はないかも知れないと思っていたが、山頂広場には3組5人の姿があり、その後で2人の単独行者が登って来た。ここで少し遅い昼食としたが、周囲はガスに巻かれて殆ど眺望を得ることはなかった。昼食後は直ぐに引き返すこととし、これまたガスに巻かれた清水平を横切り、1,900m峰、熊見曽根を越えて朝日岳の肩へと下っていった。この間、三本槍岳方面へ行く登山者に逢うことはなかった。
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〈三本槍岳山頂〉 |
〈一等三角点〉 |
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〈三本槍岳から北へ延びる尾根〉 |
〈山頂から振り返ると1,900m峰の肩に朝日岳の頭が覗いていた〉 |
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〈霧の流れる清水平を帰り行く〉 |
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〈1,900m峰への階段道 |
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〈1,900峰から熊見曽根を望む〉 |
〈霧に巻かれようとする朝日岳〉 |
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14:38〜14:45 朝日岳の肩(1,840m)
霧に巻かれた朝日岳には何人か登山者が登っている気配があった。朝日岳の肩では1組のペアが遅いランチタイムを取っていた。ここから岩場の巻き道、手摺りと鎖のある岩の尾根、剣ヶ峰の巻き道といった難所を通り抜けて峰の茶屋跡まで下って行った。ガスが一様に山塊に巻いており、眺望はもう期待出来ない様子であった。
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〈朝日岳の肩から熊見曽根、1,900m峰を振り返る〉 |
〈岩峰下の巻き道を引き返す〉 |
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〈明礬沢の紅葉〉 |
〈剣ヶ峰の東面を巻いて峰の茶屋跡へ〉 |
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15:18 峰の茶屋跡
午後3時を回った時間で峰の茶屋跡にいる人影は僅かとなっていた。ここからは峰の茶屋の県民駐車場まで広やかな登山道が通じており、この道を採って下山を開始した。鬼面山、飯盛山の南面の紅葉を楽しみにしていたが、この時間帯には眺望はもう完全にガスに包まれて、願いを叶えることは不可能であった。県営駐車場上に「那須岳登山口」の標柱が建てられおり、その傍らに小さな鳥居が建ち、その奥には狛犬が一対設置されていた。園地を抜けて駐車場を横切ってから、ロープウェイ乗り場へと繋がる遊歩道を辿って愛車を停めた駐車場へと下って行った。
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〈峰の茶屋跡の避難小屋〉 |
〈ロープウェイ山麓駅方面への下山路〉 |
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〈霧に巻かれて朝日岳〉 |
〈濃い霧の隙間に紅葉した斜面が時折覗く〉 |
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〈県営駐車場上の登山口〉 |
〈峰の茶屋の県営駐車場〉 |
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〈現在の峰の茶屋〉 |
〈駐車場へ上がってくるドライブウェイ〉 |
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16:15 那須ロープウェイ山麓駅前駐車場
8時間に迫ろうかと山行を終えて駐車場に戻った。ロープウェイ乗り場からはこの日の最終便が出るという放送が聞こえていたが、山上駅でやや混乱しているようで、定刻になっても仲々ゴンドラが動き出す気配がなかった。荷物を片付けてから直ぐ近くの「休暇村 那須」で入浴し、山行の締め括りとした。
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〈那須ロープウェイ山麓駅〉 |
〈この日最終のゴンドラが行く〉 |
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〔山行所感〕
今遠征4座目の那須岳も前半はまずまずの好天に恵まれ、また周囲の紅葉も素晴らしく、スケジュールを一日延期して訪ねてきただけの値打ちが十分にあった。今回歩いたのは南北に長い那須連山の北半分で、主峰・茶臼岳、最高峰・三本槍岳など連山の中でも核心部でもあった。それぞれに個性のあるピーク群で、歩いていてその多様さが楽しくもあった。この連山の西側の谷間にある三斗小屋温泉は、今回は叶わなかったがチャンスがあればいつか行ってみたいところである。
那須岳を加えて4座になった今回の遠征は、全般的には天気に恵まれたとは言い難いものの、それぞれの山の良さを何とか感じることが出来て、いわば充実した遠征になったと言えるものであった。
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〈この日の軌跡〉 |
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