夢か現か幻か?雪の尾根道を行く 伯耆大山・宝珠尾根

鳥取県西伯郡大山町

2010年10月29日()     門久単独

 

 

 

 

 

 

〈霧に閉ざされた紅葉と積雪の元谷に下る〉

 

 

 

このところ週末になると天気は悪化する循環に入っているようだ。

台風14号が接近中で、この週末にはその影響で雨模様との予報であった。

金曜日が休日の身ゆえに、この日とて良い天気予報ではなかったが、

週末に行くよりはまだマシだろうと、まだ紅葉が楽しめる筈の大山の宝珠尾根を目指した。

だが、現地に着いて「ありゃ〜・・・」「うひゃ〜」と驚いたことには、

前々日に初冠雪となった雪がまだ残っており、山上の登山道はもう冬の山の佇まいとなっていた。

紅葉に、雪に、霧に・・・、どれが現実どれが幻想かが判然としない眩暈のようなものを感じてしまった。

季節の進行はこちらの意識よりかなり早足となってきているようだ。

 

《山行記録》

南光河原駐車場(8)9:31・・・・9:37大山寺参道・・・・9:47金門9:50・・・・9:58大神神社奥宮10:01・・・・10:06二俣・・・・10:13管理道(下宝珠越・ユートピア登山口入口)10:16・・・・10:43下宝珠越10:44・・・・11:30中宝珠越・・・・12:20上宝珠越12:24・・・・12:29砂滑り上・・・・12:47砂滑り下・・・・13:02元谷ケルン上堰堤(昼食)13:35・・・・13:52大堰堤・・・・14:01下宝珠越・ユートピア登山口入口・・・・14:08二俣・・・・14:11大神神社奥宮14:14・・・・14:35南光河原駐車場

〔総所要時間:5時間04分、昼食・休憩等:0時間50分、正味所要時間:4時間14分、総歩行距離:71q、累積標高差:±782m

 

 9:31 南光河原駐車場

  大山にはいつものように下道を走り、庄原市から道後山の麓を走る国道183号線で広島・鳥取県境を越え180号線、181号線を辿った。このルートで初めて大山の姿を仰ぎ見る江府町まで来た驚いたことには、稜線部が雲に隠れたその南壁の半ばまでが冠雪していたことであった。2日前に初冠雪したことは知っていたが、ここまで積もっているとは思わずノーチェックで来ていた自分の迂闊さに落胆すること半分の気持ちでもあった。

  紅葉の季節とは言え、平日で積雪の山ゆえか南光原駐車場は8割程の埋まり具合であった。大山北壁や三鈷峰は殆どが雲に中に隠れているようであった。それでも夏山登山道で山頂を目指す登山者の姿が多く見られた。当方は紅葉の美しい宝珠尾根からユートピアを目指すべく、佐陀川の河原を渡る近道で大山寺参道に抜けてから、金門で半分霧に閉ざされた北壁を拝み大神山神社奥院へと進んだ。

 

 

 

〈江府町から見上げる大山南壁〉

〈米子道溝口IC近くの棚田から大山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈桝水原から積雪と紅葉に彩られた大山稜線部を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈南光河原駐車場付近から紅葉した宝珠山を望む〉

〈大神山神社奥院への石畳の参道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈金門から霧に殆ど閉ざされた大山北壁を望む〉

 

 

 

 9:58〜10:01 大神神社奥宮

  大神山神社には二人の参拝者の姿があっただけで、登山者の姿はなかった。山行の安全を祈願してから後背の森に入って行った。神殿裏側の庭に融けずに残った雪の小山があった。初冠雪の雪はかなりの量であったようだ。森に入ると直ぐに二俣の分岐である。右に行者谷コースを見送り、下宝珠越への道を採った。ゴロゴロとした玉石の坂道を暫し登っていくと元谷に向かう管理道に出合った。「下宝珠越・ユートピア登山口入口」という表示があった。管理道を横切ってそのまま谷間の道を進んだ。玉石の間に残雪が目立つようになった。どんどんと登っていくと、その積雪の量が増えて来ると共に周りのブナの樹々の紅葉がはっきりとして来た。

 

 

 

〈大神山神社奥院〉

〈二俣:行者谷ルートと下宝珠越ルートの分岐点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪の残る下宝珠越への登山道〉

 

 

 

〈管理道脇の下宝珠越・ユートピア登山口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した下宝珠越付近のブナ林〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下宝珠越直下の谷間から弓ケ浜方面を遠望する〉

 

 

 

10:43 下宝珠越

  下宝珠越まで登ると稜線部のブナの美林は紅葉の盛りを迎えていた。ただ上空は厚い雲と霧に覆われており、陽光が射すこともなく色合いはやはり冴えなかった。尾根筋に延びる登山道には雪が積もっており、登り行く程に雪中行の趣となってきた。数人の先行者のトレースが確認出来た。見頃の紅葉の樹間に雪がこびり付いた大山北壁が覗いていた。10月のこの時期にこんな光景を見るとは・・・・驚きであった!1,242mのピーク近くになってくると、紅葉も盛りを過ぎてその色合いが変わって来た。稜線部から見える筈の三鈷峰や北壁は濃いガスの中で、その姿を見ることは出来なかった。

 

 

 

〈下宝珠越〉

〈紅葉した宝珠尾根〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈宝珠尾根筋から宝珠山方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪の残った宝珠尾根筋の登山道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナ林の樹間から積雪した大山北壁が覗く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈宝珠尾根の紅葉と雪景色〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈やや盛りが過ぎた感じの宝珠尾根の紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナの枝越しに望む大山北壁〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉で彩られた三鈷峰西壁〉

 

 

 

11:30 中宝珠越

  中宝珠越まで登ってくるとブナの紅葉はもう終盤となって、稜線部の灌木類の葉も大分落ちて疎らになって来ていた。登山道だけでなく、林床にも雪が残るようになった。中宝珠越の直ぐ先にちょっとしたゴルジュ帯がある。積雪で岩の壁は登り辛いかなと危惧していたが、新たなアルミ製の梯子が何箇所かに架けられており事なきを得た。そこを過ぎても上宝珠越までの間は概して急坂が続く。徐々に積雪が増えてきて、ステップを切りながら登って行く急傾斜地も多くなっていった。雪の積もった崩落地の稜線部を過ぎると、完全にガスに巻かれた上宝珠越に出た。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈中宝珠越付近から弓ケ浜、孝霊山方面を遠望する〉

 

 

 

〈中宝珠越付近〉

 

 

 

 

〈紅葉と積雪の中宝珠越付近の登山道〉

〈霧に巻かれた三鈷峰西壁の紅葉を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈樹間から霧と雪の大山北壁を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道の周りは約10pの積雪〉

〈雪の上に紅葉が散る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈積雪した崩落地〉

 

 

 

〈崩落地直下にこんな梯子が設置されていた〉

 

 

12:20〜12:24 上宝珠越

  稜線を辿ってくる間にも三鈷峰や北壁は一切見ることが出来なかったが、上宝珠越に近付くと完全にガスの中に入り込み視界は殆どなくなった。日中にこの天気が回復することも考えられなかったので、この先のユートピアへ行くのをここで諦め砂滑りから下山することとした。ここで追い付いて来た兵庫県から来たという単独行の若者もここから下りるという。私が、一足早く下山の途に就いた。砂滑りはほぼ雪に覆われており、前日までの微かなトレースが残っていたが、この日はまだ誰も通っていないようであった。稜線部で足跡を見た先行者はユートピア方面にまだいるようであった。雪に覆われた砂滑りを、時に腰近くまで雪に埋もれながら下って行った。時節的には荒れた砂滑りであるが、その上に雪が積もって歩き易くなっているように感じた。ガスに覆われた砂滑りであったが、その下部まで下ってくるとそのガスも薄くなり紅葉の色彩が現れてきた。そこからは、雪と岩と紅葉の織りなす特異な景観の中を歩いて下って行った。

 

 

 

〈上宝珠越〉

〈積雪した砂滑りを見下ろす〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に閉ざされた雪の砂滑り、深い所は腰くらいまで雪に沈んだ!〉

 

 

 

 

 

〈砂滑りの下部まで下ると紅葉した光景が開けた〉

〈紅葉した斜面の先に弓ヶ浜も覗いていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に閉ざされた砂滑りを見上げる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大山北壁の紅葉と積雪した崩落地〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈もう真冬のような元谷〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大屏風岩下の紅葉した斜面〉

 

 

 

13:02〜13:35 元谷ケルン

  元谷ケルンまで下って来て、ケルンの直ぐ上にある堰堤の上でちょっと遅い昼食を摂ることにした。その間に上宝珠越で会った青年も下りて来て、食事をしながら30分程話に興じた。彼はこの日の未明に登山口に着いてから夏山登山道で弥山まで登り、元谷に下ってから宝珠尾根を登って来たという。なかなかの強者である。この元谷の堰堤上から見る、霧と雪と紅葉の織りなす景観は特異と言えば特異、なかなかに得難き世界を見せてもらったようであった。

 

 

 

〈元谷ケルンすぐ上の堰堤上で暫し昼食を摂った〉

〈元谷ケルン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈元谷ケルン付近から霧に閉ざされた元谷を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉と雪の元谷は霧に閉ざされて・・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈夏山登山道の通る尾根東斜面の紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉した大山北壁下の樹林〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈元谷周辺の紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧の北壁秋色〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧の元谷〉

 

 

 

 

 

〈大堰堤を後に・・・大神山神社へ〉

〈紅葉を始めた大神山神社奥宮後背の森〉

 

 

14:35 南光河原駐車場

  元谷の大堰堤からこの日は紅葉に彩られた管理道を下宝珠越・ユートピア登山口まで歩き、二俣、大神山神社奥院へと下り、参道の樹々も色付き始めた大山寺の街に下ってきた。佐陀川に架かる大山寺橋の上からはきれいに晴れた弓ヶ浜、美保関方面が望めた。山上の天気とは裏腹に下界は好天の一日であったようであった。

  帰路、まだ早い時間であったので、大山環状道路を走って鍵掛峠の展望台に寄ってみた。大型観光バスも含めて大勢の観光客の姿があったが、こちらから見る大山南壁も半ばガスに隠されていた。南壁下の大山中腹の紅葉は盛りまであと一週間程か!

 

 

 

〈大山寺参道〉

〈大山寺橋から弓ヶ浜を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈帰路に鍵掛峠から霧に半分閉ざされた大山南壁を見上げる〉

 

 

 

〔山行所感〕

煌々と輝くような紅葉にお目にかかるにはもう遅すぎるだろうと思いつつも、それなりに輝く紅葉に宝珠尾根のどこかで出逢えるだろうと疑わず訪ねた大山だったが、上記の通りに全く想定外の展開となってしまった。そこまで想定出来なかったのは経験不足以外の何物でもないが、何故か不思議に登山靴だけは冬靴を履いて登っていた。長い間山登りを続けていると、今回のように全く想定外の山行をすることもあるという証左であったのかも知れない。兎に角、得難い光景を見ると共に、得難い経験も積ませてもらった山行であったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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