戦国時代の無名戦士の墓・千人塚を再訪 二ヶ城山(483.2m)

広島市東区・安佐北区

2010年11月26日(金)    門久単独

 

 

 

 

 

 

〈眼下の静寂の森の中に千人塚がある〉

 

 

 

蝦蟇が峠から二ヶ城山に延びる長い尾根の途中に「千人塚入口350m」の標識が立っている。

この入口からブッシュの中の急傾斜地を下る踏み跡が千人塚まで続いている。

思った以上に険しい高低差と遠さにリピーターを生まない所とも言える。

かつては、この標識に訪れた人の恨み節まで書いてあった。

私達が千人塚を訪ねたのも、もう10年以上も前のことであった。

今年5月に尾根筋から一の谷に下る時に踏み跡を辿ろうとしたが、

若葉のブッシュの下で、その踏み跡は殆ど分からない程に不鮮明になっていた。

そんな折に戸坂入道道海さんから、千人塚についての照会を受けた。

ここはもう一度訪ねて、正確な位置を確認しておかねばと休暇となったこの日午後に出掛けてみた。

 

《山行記録》

菰口憩の森12:25・・・・12:27蝦蟇が峠(二ヶ城山登山口)・・・・13:07千人塚入口13:10・・・・13:16小さな谷・・・・13:30千人塚入口13:35・・・・13:59千人塚14:11・・・・14:35千人塚入口14:37・・・・14:45送電線鉄塔・・・・14:57山頂直下三叉路・・・・15:00二ヶ城山(483.2m)15:05・・・・15:08三叉路・・・・15:20千畳敷(展望岩)12:22・・・・12:37男天狗12:38・・・・15:43送電線鉄塔(広島西幹線6号送電線)15:44・・・・15:50水場・・・・15:59二ヶ城山登山口・・・・16:15上岩上橋(山陽道)

〔総所要時間:3時間50分、休憩等:0時間31分、正味所要時間:3時間19分、歩行距離:6.3q、累積標高差:+493m-603m

 

12:25 菰口憩の森

  午後の出発になり、夕刻から行事も控えていたので蝦蟇が峠に近い菰口憩の森の駐車場まで車で送ってもらった。好天の下での山行であった。蝦蟇が峠の二ヶ城山登山口から長い尾根筋の縦走路に入った。最初の上りは笹で覆われていたようで、それを刈り払ったばかりの道をまだ青い笹の葉を踏みながら登って行った。尾根筋の道は、落葉が厚く積もってそこを歩くのは心地良く、快調に登って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈蝦蟇ガ峠の「二ヶ城山登山口」にこんな案内があった!〉

 

 

 

〈菰口憩の森の落葉松〉

 

 

 

 

〈紅葉した尾根筋を辿り行く〉

〈落葉が厚く積もる尾根筋の登山道〉

 

 

13:07〜13:10 千人塚入口

  途中でメールなどもしながらのんびりと歩き蝦蟇が峠から30分程で「千人塚入口」に到達した。いよいよ千人塚へと下って行く。10年も前の記憶を思い起こす。“小尾根を特に右側の杉林方向に踏み外さずに従順に辿ることを心掛け、ずり落ちるような急傾斜地も下ってブッシュを抜けてやっと到着出来た。その道を戻ることを厭うて、一の谷に下って下山した。” 

森の中に入って直ぐに左側(南)の小さな谷に下りてみた。谷筋から千人塚にアプローチ出来ないかと思ったのだったが、ちょっと無理な様子であったので一旦元の入口に戻った。今度は従順に尾根筋を辿るべく慎重に踏み跡と古いテープを探して下って行った。幾度も道を失って右往左往、行ったり来たりもしたが辛抱強くルートファインディングを繰り返して、入口から25分程でマウンド状に瓦礫状の岩が積み上げられた千人塚に到達出来た。(GPSデータによれば、千人塚の所在地は北緯34度26分33秒、東経132度30分51秒、標高262mの地点)

 

 

 

〈千人塚の探索にここから森の中へ入る〉

〈一旦直ぐ南側の小谷に下りたが、直ぐに入口に戻った〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈赤テープもかなり朽ちてきていた〉

 

 

 

〈慎重に支尾根上の踏み跡を追って行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やっと辿り着いた「千人塚」は瓦礫状の岩のマウンドである〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈誰かが掘ったのだろうか、瓦礫の中に穴が開いていた!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈こんなブッシュがちょっと覆うだけで、塚の植生は極めて薄い〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈馬木郷土史愛好会が設置した案内文が塚の傍らに立つ〉

 

 

 

 

 

〈薄い踏み跡を辿って尾根筋の登山道に戻る〉

〈復路には赤テープでマーキングをしながら歩いた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈千人塚への軌跡〉

 

 

 

14:35〜14:47 千人塚入口

   千人塚探訪を終えれば、あとは許された時間の限りで好きな所を歩くだけであった。取り敢えずは二ヶ城山の山頂を目指すこととした。好天の下の山行ゆえに気持ちの良い山歩きであった。枯葉色の樹々が多い山域であるが、山の斜面の紅葉もほどほどに楽しめた。古い花崗岩の露岩が多い尾根筋を辿って二ヶ城山の山頂に着いた。誰一人とも会わない静かな山中であった。

 

 

 

〈「千人塚入口」に戻り、二ヶ城山へ向かう〉

〈上空は気持ち良い秋の空〉

 

 

 

 

〈送電線は太田川を越えて緑井方面に向かう〉

〈二ヶ城山々頂への尾根筋には大きな露岩が点在する〉

 

 

 

 

〈尾根筋から呉娑々宇山を仰ぎ見る!〉

〈二ヶ城山々頂直下の三叉路〉

 

 

15:43〜15:44 二ヶ城山(483.2m)

  二ヶ城山の山頂から見る景色は、秋の午後遅くの斜光に照らされてセピア色に変色した古い写真を見るようであった。静かな山の頂でその景観を独り占めして暫し至福の時を過ごした。山頂広場北側の一角の樹木が伐採されており、木ノ宗山から高鉢山、白木山方面の眺望が得られるようになっていた。

  二ヶ城山からの当初は口田南(矢口が丘)ルートを下ろうと思っていたが、眺望が良いしまだ時間の余裕も若干あったので上岩の上(落合南)へのメインルートを採ることにした。千畳敷の展望岩や男天狗の岩場の上で好眺望を楽しめた。

 

 

 

〈二ヶ城山々頂〉

〈山頂の樹にこの標識が括りつけられていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈温品の街越しに島々の点在する広島湾を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈太田川放水路の先の光る海に宮島が浮かぶ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈樹々が切り払われて木ノ宗山、高鉢山方面の眺望が開けていた!〉

 

 

 

 

 

〈千畳敷の先の展望岩から松笠山越しに広島湾を遠望する〉

〈遙か北方の白木方面の谷間を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈男天狗からの高陽ニュータウン、可部方面の眺望〉

 

 

 

15:43〜15:45 広島西幹線6号送電線鉄塔下(展望所)

  送電線鉄塔の足元の展望地から阿武山や、広島インターチェンジ方向の好眺望を楽しんでから、ルート上随一の古い花崗岩質の急坂を下って水が殆ど枯れた地獄谷の水場を経て二ヶ城山林道にある登山口に出た。いつもは心地良い瀬音を聞かせてくれる二ヶ城林道沿いの渓流も、このところの少雨もあって随分と細い流れとなっていた。

 

 

 

〈尾根を下って行くと6号鉄塔が見えてくる〉

〈6号鉄塔下から団地群越しに阿武山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈二ヶ城山林道にある「二ヶ城山登山口」〉

 

 

 

〈落葉の積もった登山道を下り行く〉

 

 

16:15 上岩上橋

  二ヶ城山林道を下って高陽中央霊園前に出た。その先に山陽高速道が走っており、その上に上岩上橋(かみいわのうえはし)が架かっている。その橋の袂に登山者の車も停められる空間があるが、この近くに犬の訓練施設も出来ており、最近ではそこへ通う人達と共存関係にあるようである。ただ見るところ、犬の方がやや多勢とも感じる。この日は平日ゆえに一台の車もなかったが・・・。そこを後に、我が家を目指した。

 

 

 

〈上岩上から鬼ヶ城山を望む〉

〈山陽道に架かる上岩上橋〉

 

 

〔山行所感〕

  休暇の平日、好天に誘われて思い立って懸案としていた千人塚への再訪を果たすことが出来た。この辺りの単純なようで、実際に踏み入ってみると複雑な地形は、一度くらいの踏破で確かな軌跡を自ら描くこととても不可能であった。その点で、GPSという文明の機器はこのような地形の中で場所を特定するのに便利そのもので、今回はその力を借りて千人塚の具体的な場所をそこへの軌跡を明らかにすることが出来た。また尾根筋への復路には、赤テープで道を見失わない程度の間隔でマーキングをしておいたので、多分暫くはそれを辿れば千人塚まで到達出来ると思う。とは言え、そこは古の無名戦士の墓所であり、静寂の中で多くの御霊が安息されんことも願うものである。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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