好天の雪の比婆山連峰大漫歩 烏帽子山(1225.1m)・吾妻山(1238.4m)・比婆山(御陵)(1,264m)

広島県庄原市西城町・比和町、島根県仁多郡奥出雲町

2011年2月26日(土)     チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈比婆山系の烏帽子山から吾妻山を望む〉

 

 

 

1シーズンに一度あるかないかの好天に恵まれた週末のこの日、

今冬まだ訪ねていなかった雪の比婆山を歩いてきました。

午前中の雪はしっかり締まって快調に歩けたので、勢いに乗って吾妻山まで脚を延ばしました。

一昨シーズンから吾妻山国民休暇村が冬季休業となり、積雪期に行き辛くなった吾妻山に、

比婆山方面から一度行ってみたいという夢を叶えることが出来ました。

下山時には昨年に引き続いて比婆山の東斜面の直下降にチャレンジしてみました。

こちらは軟弱になった雪に難渋・・・、またしても苦労をしてしまいました。

 

《山行記録》

県民の森駐車場9:25・・・・9:393キャンプ場入口(衣類調整)9:42・・・・10:27出雲峠10:29・・・・10:35ワカン装着10:42・・・・10:50老ブナ(直登ルート取り付き)10:52・・・・11:33烏帽子山(1,225.1m)11:38・・・・12:06出雲分れ12:07・・・・12:13大膳原・・・・12:29(昼食)13:00・・・・13:36吾妻山(1,238.4m)13:45・・・・14:09大膳原・・・・14:21出雲分れ・・・・15:12烏帽子山(1,225.1m)15:14・・・・15:47御陵(1,264m)15:51・・・・15:55尾根筋からの下山取り付き15:58・・・・16:13小ピーク・・・・16:26トラブル16:32・・・・16:53管理道に出る・・・・17:27スキー場下17:31・・・・17:41県民の森駐車場

 〔総所要時間:8時間16分、昼食・休憩等:1時間19分、正味所要時間:6時間57分、歩行距離:11.7q、累積標高差:±987m

 

 9:25 広島県民の森

  比婆山はやはり遠い。広島の自宅を午前7時前に出ても県民の森に着くのは午前9時頃になった。この1週間程の春めいた天気に公園センターの屋根の雪が滑り落ちて建物の周りに雪の壁が出来ていた。除雪した園内の道は路面が姿を現そうとしていた。それでも朝方の冷え込みに辺りに積もった雪はカチンカチンに凍っていた。 装備に迷ったが、スノーシューは車の中に置いておき、ワカンとアイゼンを持って行くこととした。出雲峠への登山道のうち山荘までは路面が出ており、第3キャンプ場までは除雪されていた。その先もトレースの上を歩く限りではワカンも不要で、壺足で悠々と歩いて行けた。

 

 

 

〈広島県民の森の公園センター〉

〈スキーヤ―が行き交う六ノ原から比婆山を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

〈出雲峠への登山道の雪に埋もれた道標〉

〈たっぷりの雪に覆われた登山道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈出雲峠直下の雪原〉

 

 

 

10:27〜10:29 出雲峠

  この一週間程の春めいた天気の持続に樹々の上には雪や氷はなく、出雲峠から仰ぐ青空の下の毛無山の眺望はすっきりとしたものであった。出雲峠を早々に発って後背の杉林に入った。林の中の雪がやや軟弱で、そこでワカンを履いた。杉林を抜けていつもながらにブナの老木に立ち寄った。雪を纏うていない裸の老木は痛々しい姿であった。老木の足元辺りから冬期の登攀ルートとなる急峻な尾根筋が始まり、山頂直下まで急坂登りが延々と続いた。樹林帯を抜けると、緩斜面となり大きな眺望が開けた。 毛無山、伊良谷山、牛曳山の連山の先には大山の白い山体も大きく望めた。灌木が全て雪に埋まった雪原を辿ると山頂は直ぐであった。

 

 

 

〈出雲峠に建つ避難小屋〉

〈出雲峠から毛無山(1,143.7m)〉を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈冬道の尾根筋の急坂を登る〉

 

 

 

〈烏帽子山の老ブナ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈樹林帯を抜けると毛無山、伊良谷山、牛曳山の連山が、遠く大山も見えてきた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈遠く道後山々塊から猫山への連山がクッキリと望めた〉

 

 

 

11:33〜11:38 烏帽子山(1,225.1m)

  烏帽子山の山頂は灌木がちょっと枝を出しているだけの雪原であった。2組3名の先客がおられ、雪の上に天板だけが姿を現したベンチで休憩しておられた。周りの眺望は兎に角素晴らしかった。いつまでも見ていたい程であったが、吾妻山へ脚を延ばす予定にしていたので、先客と交歓する間もなく早々に山頂を後にして出雲分れへの西斜面を下って行った。潤沢な積雪があったので、夏山登山道は気にせずに尾根筋を確実に辿ることに意を用いた。この斜面に先行者のトレースはなかった。30分足らずで出雲分れまで下り、大きな眺望の中を大膳原まで登り返した。出雲分れからは大峠方面から上がってきたトレースがあった。

 

 

 

 

 

 

 

〈烏帽子山々頂〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈烏帽子山々頂の烏帽子岩から吾妻山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈猿政山の右肩に三瓶山が覗く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈船通山の右肩後方に大山、烏ヶ山が屹立する!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈公園センターのある六ノ原の谷間を見下ろす、遙か先には道後山の山塊が見える〉

 

 

 

 

 

〈「出雲分れ」への下りの急傾斜地から吾妻山を望む〉

〈雪に覆われた「出雲分れ」〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈烏帽子山を背に出雲分れから大膳原へ登る〉

 

 

 

12:13 大膳原

  大膳原は広々とした真っ白な雪原で、その先にこれまた真っ白で広々とした吾妻山の東斜面が屹立していた。吾妻山北面の断崖には分厚い雪庇が張り出しており不気味な雰囲気を漂わせていた。東斜面を直登している2組3人の姿が確認出来た。その頭上には雪庇が張り出していたが、そこを突き破って山頂部に上がるようであった。我々はその後を追う前に大膳原の雪原で昼食を摂った。その間に単独行の男性が一人来られた。大峠から2時間でここまで来られたとのことであった。食後、我々も吾妻山東面への登攀に掛かった。登る程に斜度はきつくなって行った。足元の雪は軟弱になってきており、ワカンに乗せた足で蹴り込めば、ステップは簡単に切れた。下山してくる先行の2組3人にお会いした。いずれも大峠からの登山者とスキーヤーであった。40分足らずで東斜面を登り切って、雪庇は先行者が切り拓いていた通路で乗り越えて、山頂部に立つことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

〈大膳原から吾妻山を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈大膳原から福田頭(1,252.7m)を望む〉

〈池ノ段(1279.5)・立烏帽子山(1,299mを仰ぎ見る)

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪庇の張った吾妻山北斜面を見上げる〉

 

 

 

 

 

〈登山者の姿が見える吾妻山東斜面〉

〈東斜面の中ほどから雪庇の張った吾妻山々頂を見上げる〉

 

 

 

 

〈吾妻山東斜面から大膳原、比婆山の山群を俯瞰する〉

〈東斜面の雪原の先に立烏帽子山、池ノ段〜福田頭の山並を望む〉

 

 

13:36〜13:45 吾妻山(1,238.4m)

   2008年3月2日以来3年振りの雪の吾妻山々頂であった。大雪の今冬であったが、このところの陽気に南斜面の雪がかなり融けて笹原が姿を現していた。それでも池ノ原の雪原は真っ白で休暇村の建物も雪に埋もれているようであった。山頂から池ノ原へと続く登山道にはさすがにトレースは確認出来なかった。山頂広場は北斜面の雪庇に続いており、不気味でとても北側へは足を踏み込む気がしなかった。その先の猿政山、高野の毛無山方面の大眺望は素晴らしいものであった。松江から来られたという単独行の男性と暫し交歓をしてしてから、烏帽子山への上り返しのある我々は先に吾妻山を発った。一気に東斜面を大膳原に下り、広々とした大膳原の雪原の縦断を楽しんでから、軟弱となった雪に難渋しながら烏帽子山の西斜面を登った。

 

 

 

〈吾妻山々頂〉

〈南斜面の池ノ原、国民休暇村を見下ろす〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈吾妻山々頂から猿政山、大毛無山方面を眺望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大膳原に向かって一気にッ急斜面を下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大膳原〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大膳原から烏帽子山、比婆山(御陵)を見上げる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈吾妻山東斜面を振り返る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈烏帽子山々頂までもう少し・・・!〉

 

 

 

〈烏帽子山への急傾斜面を登る〉

 

 

15:12〜15:14 烏帽子山(1,225.1m)

  出雲分れから50分を要して烏帽子山の山稜上に出た。振り返ると吾妻山、山稜の反対側は比婆山系の峰々という雄大な眺望であった。ここで水分を摂りながら下山ルートの最終確定をした。登って来た出雲峠ルートを外して、御陵の先から比婆山の東斜面を突き切って六ノ原から越原越方面への管理道に下ることとした。昨年2月13日同様のチャレンジであった。そう決すれば長居は無用と鞍部に下り美しいブナ林の尾根を御陵へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈烏帽子山の山稜から毛無山三座を遠望する〉

 

 

 

〈烏帽子山から吾妻山を振り返る〉

 

 

 

 

〈烏帽子山の南面の先に比婆山(御陵)を望む〉

〈ブナ林の緩斜面を御陵へと登り行く〉

 

 

15:47〜15:51 御陵(1,264m)

  御陵は厚い雪で埋もれていた。祠はどなたかが掘り出したのであろう前面の屋根の部分だけが姿を現していた。参拝後、いよいよブナ純林の拡がる尾根筋から東斜面の支尾根に下ることとした。暫しスキー場へと続く北面斜面をトラバース気味に移動しながら、地形図と磁石、それにGPSで慎重に南東方向へ下る小尾根を捜した。一旦夏山登山道の通るコブに登ってから、予定通りの小尾根に乗る事が出来た。直ぐにブナ林が終わり桧の幼木の林に入り、なお尾根を外さないように下って行った。傾斜がややきつくなり、雪に埋もれた幼木が多くなったところで、足を埋もれた幼木の空間に落として身動きならなくなりそうになった。そこからの救出劇の後で、進路を桧の成木の樹林の中に変えた。林床の雪はやや軟弱で時に足を取られたが、ほぼ順調に林の中の小尾根筋を下れた。稜線から55分程で管理林道に出ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈比婆山のブナ純林を抜けて行く〉

 

 

 

〈祠が雪に埋もれた御陵〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈比婆山の東斜面の下りにチャレンジ!〉

 

 

 

 

 

〈ブナ林を抜けて桧の幼木林に出ると立烏帽子山が眼前に!〉

〈比較的雪の安定した桧林を下った〉

 

 

16:53 管理道路出合

  管理道路に出てヤレヤレと思いたいところであったが、そうは問屋が卸してくれないのがこの季節の雪の山である。管理道路は潤沢な積雪はあるものの、この何日か登山者が通った様子はなかった。午後遅い時間帯で既に日陰に入ってはいたが、ここ一週間程の春めいた天気に路面の雪は極めて軟弱で、ワカンの足は歩む度に容赦なく雪の中に沈んだ。どこまで行っても雪が締まってくれず、辛抱して沈みながら下って行くことを覚悟した。ここでスノーシューを履いておれば、もう少しが楽であったかも知れないが、スノーシューではそれまでの急斜面の下りで苦労していたことであろう。この時期は装備の選択も難しい。管理道に出てから30分ほど歩いて県民の森スキー場の入口に出た(もっと長い時間歩いたような気持ちであったが・・・30分間だけであったのだ)。ここでワカンを外して、整備された雪道を六ノ原へと歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪の腐りかけた管理道を下り行く〉

 

 

〈ワカンの一歩は確実に沈んだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈県民の森スキー場を過ぎると六ノ原はもう直ぐ〉

 

 

 

17:41 広島県民の森

  8時間余りの山行を無事に終えて県民の森の駐車場に帰り着いた。スキー場の営業時間は既に過ぎて車の数も少なくなっており静かな世界であった。スキー場の機動車だけがスキー場への雪原の整備に動いていた。この日は土曜日、公園センターへの泊まり客もほどほどいるようであった。我々にはなお2時間余の時間をかけての帰路のドライブが残っていた。

 

 

 

〈雪原の表面をなだらかに整形する大型機械〉

〈雪の壁に囲まれた六ノ原の駐車場〉

 

 

〔山行所感〕

  めったにない好天の下の比婆山もそこからの大眺望も美しかった。吾妻山にも脚を延ばせて雪の吾妻山へ比婆山方面からアプローチするという一つの課題を実現出来た。雪の大膳原の大きな眺望は幾度見ても良い位であった。このルート設定をした以上は、烏帽子山への上り返しとそこから六ノ原(県民の森)への下山路は試練であると言える。昨年に続いて比婆山の東斜面を管理道路まで下るルートにチャレンジしてみたが、ことしも軟弱な雪と尾根筋の環境に快調に下る想いは叶わずにやや苦労を伴うこととなった。斜面を下った後の管理道歩きが最も大変であったのだが・・・・。全体を通してみれば、この時期の雪山を装備の選択に惑いながらも、大いに楽しんだ山行であったと言えようか!

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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