復活なった比婆山古道から登る 比婆山(1,264m)・烏帽子山(1225.1m)・吾妻山(1238.4m

広島県庄原市比和町・西城町、島根県仁多郡奥出雲町

2011年7月23日(土)     仁王さん夫妻+チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                         60年ぶりに復活した比婆山古道の飛越岩付近〉

 

 

 

ちょうど1か月前の6月23日の中国新聞朝刊に比婆山古道復元の記事が掲載された。

庄原市比和町三河内(みつがいち)から比婆山御陵に抜ける約2qの登山道で、

60年前まで木材などを運ぶ道であったが、林業の衰退で使われなくなっていたものを、

来年が古事記編纂1300年にあたるのを機に庄原市比和支所が住民の協力を得て整備したという。

比和町側から直接に御陵に登れるというのは新鮮であるので、一度このルートで登っておきたいと思っていた。

仁王さん夫妻も興味津津のようで足慣らしも兼ねて久し振りに一緒に行くというので、

一台の車を吾妻山国民休暇村に置いておいて、比婆山から吾妻山への縦走行の企画とした。

 

《山行記録》

駐車場所9:59・・・・10:00比婆山古道入口・・・・10:10支尾根上・・・・10:17杉林から自然林へ・・・・10:25奇怪なブナの樹10:27・・・・10:51飛越岩・・・・10:58トイレ廃屋・・・・11:02太鼓岩11:11・・・・11:13産子の岩戸11:14・・・・11:16主稜線出合・・・・11:18比婆山(御陵)(1,264m)11:23・・・・11:40鞍部(大膳原近道分岐)・・・・11:44烏帽子山方面分岐・・・・11:51烏帽子山(1,225.m)12:06・・・・12:13大膳原方面分岐・・・・12:30出雲分れ12:35・・・・12:49大膳原キャンプ場(昼食)13:50・・・・14:12吾妻山東面登山道分岐・・・・14:28吾妻山南尾根合流14:34・・・・14:38吾妻山(1,238.4m)14:47・・・・15:29吾妻山国民休暇村

〔総所要時間:5時間30分、昼食・休憩等:1時間53分、正味所要時間:3時間37分、歩行距離:79q、累積標高差:+801m-618m

 

10:00 比婆山古道入口

  廃止になったヒババレースキー場跡から吾妻山国民休暇村への車道を約1qメートル上がった右側に比婆山古道の入口があった。標高820m程度の所であった。車は入口の直ぐ先の道路の膨らみに置かせもらった。登山道は杉林の中に直登気味に拓かれていたが、登り行くと眼前の尾根に直登せず右手の谷奥にトラバースしながら徐々に高度を上げて行った。入口から10分程で支尾根上出て、広やかな杉林の中に延びている登山道を辿って行った。尾根に乗ってから7分程で杉の植林地を抜けると、林相はブナを中心にした自然林に変わった。綺麗な森であったが、灌木や羊歯などを刈りはらった登山道は急な傾斜地に従順に敷設されており、夏の暑さもあって、そこを登って行くのは楽ではなかったが、一歩一歩高度を稼いでいくしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈比婆山古道入口〉

 

 

〈暫し杉林の中を登り行く〉

 

 

 

 

〈約10分で支尾根上に出る〉

20分足らずで杉の植林地から自然林に入る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈奇怪な枝振りのブナの古木〉

 

 

10:51 飛越岩

  40分間ほど黙々と支尾根を直登して暑さと単調さに気分も滅入りそうになった頃、登山道は左折して古事記に出てくる飛越岩という高さ6メートル、幅8メートル程の大岩の下をトラバースして行った。そのトラーバース道が徐々に高度を上げて行くと、やがて今は廃屋となっている古いトイレの建物の前を通過した。かつて古道が通じていたことが実感出来る光景であった。その直ぐ先で比婆山の山頂部の産子の岩屋などを周回する登山道に出た。朽ちた古い道標も残っており、比婆山古道が健在であった頃が偲ばれた。周回路との合流点が太鼓岩で、手で叩けば低い音が共鳴する大岩と小さな祠が祀られてあった。合流点から左右どちへも行けるが、産子の岩戸も久しぶりに見ておこうと左手の道を採った。約5分で主稜線上の登山道に合流し、そこを右に採ると御陵は直ぐであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

            〈飛越岩:伊邪那岐命が黄泉の国の軍勢の追撃を受け飛び越した岩〉

 

 

 

 

 

〈古いトイレ廃屋〉

〈稜線上の周回路に合流する〉

 

 

 

 

〈太鼓岩〉

〈産子の岩戸〉

 

 

 

 

〈イチイの老木〉

〈主稜線の登山道に合流〉

 

 

11:18〜11:23 比婆山(御陵)

  真夏とはいえ比婆山御陵の人気は高く、次から次へとグループ登山者の姿が続いていた。我々も初めて比婆山古道を登ってきたので、改めて御陵に参拝した。比婆山古道の通り初めを完了して、身体の力も抜けたようで、この後は旧知の山道の散策で気分の軽やかであった。気持ちの良いブナ純林の中の道を辿って烏帽子山との間の鞍部に下り、一度烏帽子山に登るのは断念して大膳原への近道に入ったが、その先で烏帽子山からの途を合わせると、メンバーの気が変わってやはり寄っておこうと烏帽子山への道を採った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈御陵のある比婆山々頂〉

 

 

〈ブナの老木に囲まれた御陵〉

 

 

 

 

〈ヤマジノホトトギス〉

〈ヤマアジサイ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈比婆山と烏帽子山の間の鞍部〉

 

 

 

11:51〜12:06 烏帽子山(1,225.1m)

  烏帽子山の広い山頂広場にも沢山の登山者の姿があった。ここからは北方の眺望が素晴らしいが、この日の眺望は霞み気味で、船通山、道後山、猫山の稜線を見るのがやっとで、見えて欲しいものと願っていた伯耆大山の雄姿は眺めることが出来なかった。ここで正午となったが、昼食は大膳原に下ってキャンプ場で摂ることとして、烏帽子岩の上から吾妻山の眺望を見てから先を急ぐこととした。一気に出雲分れの鞍部まで下って小休止の後、花々の咲く大膳原と吾妻山東面を眺めながらキャンプ場へと下って行った。

 

 

 

〈登山者で賑わう烏帽子山々頂〉

〈烏帽子山から比婆山を望む〉

 

 

 

 

〈烏帽子山々頂から道後山〜猫山の稜線を遠望する〉

〈山頂の烏帽子岩から吾妻山を望む〉

 

 

 

 

〈ストックに止まったオニヤンマ〉

〈大膳原への道を採る〉

 

 

 

 

〈出雲分れ〉

〈大膳原から烏帽子山、比婆山を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      〈大膳原から吾妻山を望む〉

 

 

 

12:49〜13:50 大膳原キャンプ場

  大膳原キャンプ場の緑陰で暫しランチタイムとした。虫もおらず、心地よい風が渡って極上の休憩場所であった。最近では珍しく、1時間もの時間を費やしたが、まだまだ離れがたい気持ちでもあった。食事を終えて大膳原に再度出ると、そこはお花畑。数々の花々が咲き乱れ、ひとつひとつと付き合っていると、とても先に進めそうもない状況であった。草原から樹林の中に入ると俄かに気温が下がってまた心地良かった。南ノ原への巻き道の途中から吾妻山の東斜面を登る道に入って吾妻山々頂を目指すこととした。その路傍にも豊かな花々の姿があった。吾妻山南尾根に上がると、そこはカワラナデシコを中心としてより色濃いお花畑状態であった。早くもワレモコウの姿を見ることが出来た。

 

 

 

〈大膳原キャンプ場の広場〉

〈蝶が蜜を求めてヒヨドリバナに集う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈大膳原に咲くヒヨドリバナの群落〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈オオバギボウシのこれから花期を迎える〉

 

 

〈路傍を紅く彩るアカモノの実〉

 

 

 

 

〈今は何よりもカワラナデシコが美しい〉

〈生気みなぎるオオバギボウシの花〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈南ノ原を回る巻き道を離れて吾妻山へと向かうことに・・・!〉

 

 

〈吾妻山東面の道を山頂へと登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                〈吾妻山南尾根上から大膳原とその背後の比婆山連山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              〈カワラナデシロードのような南尾根登山道、左奥に福田頭を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈早くもワレモコウが姿を現していた〉

 

 

〈キバノカワラマツバ(アカネ科)

 

 

14:38〜14:47 吾妻山(1,238.4m)

  吾妻山々頂へも休暇村方面からポツリポツリと登山者が上がってきていた。ここからも大山の姿も見えず、宍道湖も漠としてその水面を確認することが出来なかった。暫し山頂で憩うた後は、国民休暇村まで下るだけであった。ところが、この池ノ原への下山ルート沿いも見事なお花畑状態であった。吾妻山一帯で、カワラナデシコのプレゼンスが極めて高かった。カワラナデシコ・ロードを行くような感じであった。途中の湿地で出会ったチダケサシは初めて意識しながら見た花であった。

 

 

 

〈吾妻山々頂〉

〈山頂から国民休暇村のある池ノ原を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                    〈カワラナデシコ・ロードの登山道にクロアゲハが蜜を追う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        〈猿政山や大毛無山などの大眺望の中を下り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈シモツケ〉

 

 

〈チダケサシ(ユキノシタ科)〉

 

 

 

 

〈アカモノの実〉

〈イヨフウロ〉

 

 

15:29 吾妻山国民休暇村

  吾妻山国民休暇村が冬季休業となってから2シーズンが過ぎたこととなる。久し振りの休暇村であった。涼風が抜けるロビーのソファに座って冷たいものなどを戴いていると、ついこのままここに滞在したい気持ちにもなった。いつか、そんな贅沢も良いかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

                                          〈吾妻山国民休暇村〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈池ノ原から吾妻山々頂を仰ぐ〉

 

 

 

〈イブキトラノオ咲く草原を行く〉

 

 

〔山行所感〕

  比婆山古道復活の記事が出た直後に「低山名山」のグレイシャー隊が早速に歩かれていた。早々のチャレンジに敬意を表したいと思います。今回の我々の歩いたルートは、そのグレイシャー隊とほぼ同じ軌跡であった。決して意識して真似た訳ではないが、比婆山古道のピストンを厭えば、落ち着きが良いのがこのルート設定なのだろう。とはいえ、比婆山古道は復活したのはまだ極く最近のこと、灌木類などを刈りはらった道はまだ十分に踏まれておらず、まだまだ多くの人達の訪れを期待したいところのようであった。

  比婆山古道から外れると、残余のルートは花紀行の趣きであった。今回のような機会がなければ、真夏の吾妻山などに登ることはなかったであろう。ただ、反面で登ってみれば、真夏に咲く花々の多さに驚かされた。カワラナデシコの多さは特筆ものであったし、チダケサシの花は初めて見たような気がする。吾妻山は文字通り四季折々に楽しめる。その真価は、やはり四季折々に訪ねてみないと分からないということであろう・・・!

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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