西中国山地の奥山を周回する 恐羅漢山(1,346.4m)・台所原・中川山(1,170.2m)・天杉山(1,173.6m)

広島県山県郡安芸太田町・島根県益田市匹見町

2011年9月11日(日   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                              〈島根・広島県境尾根から望む砥石郷山〉

 

 

 

暫く本来のフランチャイズと思っている西中国山地の山々を思い切り歩いていなかった。

そこで思い立って、恐羅漢山・台所原から、これも暫く歩いていない天杉山に脚を延ばすことにして、

季節的にはちょっと早過ぎるかとも思ったが、天杉山から中ノ甲へのショートカットルートを採って、

牛小屋高原からの周回ルートを辿ることとした。

まむし、熊の活動期にワイルドな森を抜ける山行は、ちょっぴり冒険心を刺激するものでもあった。

 

《山行記録》

牛小屋高原駐車場9:39・・・・9:41恐羅漢山立山コース登山口・・・・10:37主稜線出合・・・・10:45恐羅漢山(1,346.4m)10:52・・・・10:55台所原分れ・・・・11:46台所原・・・・12:30中川山(1,170.2m)・・・・12:35岩倉山分れ12:37・・・・13:17天杉山(1,173.6m)(昼食)13:58・・・・14:14中ノ甲林道分岐(ホタノコヤ源頭)14:18・・・・14:56中ノ甲林道出合・・・・15:03中ノ甲橋・・・・15:05中ノ甲登山口15:10・・・・16:08夏焼けのキビレ16:11・・・・16:40牛小屋高原駐車場

〔総所要時間:7時間01分、昼食・休憩等:1時間02分、正味所要時間5時間59分、歩行距離11.5q、累積標高差:±995m〕

 

 9:39 牛小屋高原

  ちょっと長い山行ルートであるが故に、恐羅漢山へは最短ルートの立山尾根コースを採ることにした。スキー場は9月を迎えて営業準備に入っており、抜けて行くゲレンデでは独特の大型の機械で草刈りをしていた。草原や上部の巻き道には、晩夏から秋の花々が競うように咲いていた。一時間弱で主稜線上に上がり、冬の間に深い雪で壊された道標がそのまま放置されているのを悲しく眺めながら、アキチョウジやミゾソバの花々に彩られた尾根道を山頂へと急いだ。

 

 

 

〈恐羅漢山立山尾根コース登山口〉

〈スキー場ゲレンデを登り行く〉

 

 

 

 

〈ゲレンデの草刈りの光景〉

〈砥石郷山、牛小屋谷、遙かに深入山を望む〉

 

 

 

 

〈ヤマハギ(マメ科)〉

〈ツリガネニンジン(キキョウ科)〉

 

 

 

 

〈シロヨメナ(キク科)〉

ハバヤマボクチ(キク科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ホクチアザミの蕾(キク科)〉

 

 

〈アキチョウジ(シソ科)〉

 

 

 

 

〈立山尾根コースの巻き道〉

〈主稜線上の壊れた道標〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈アキチョウジの咲く主稜線尾根道〉

 

 

 

10:45〜10:52 恐羅漢山(1,346.4m)

  山頂付近は不安定な天気のようで、ちょうど登った時には周りは霧に囲まれた状態となっていた。この時間帯は恐羅漢山、十方山、臥龍山などの山頂部がガスに包まれていたようであった。旧羅漢へと向かうという稜線部でお会いした若いご夫妻と写真を撮り合ってから、我々は台所原へ下ることとした。今年の台所原は雪による折れ枝や倒木、それに伸びた笹で歩き辛くなっていたが、登山道の笹はつい最近きれいに刈り払われており歩き易い道に変わっていた。有り難い限りであるが、折れ枝や倒木は放置状態であった。この道は、ブナの美林の中を行く道である。いつ来てもそのブナの森は見事で、気持ちが良いものである。森の中には大きな栃の樹も多いが、今はその実が落ちる時期でもあった。大きな実が高い樹上から落ちて来るのは大変に危険なことでもある。注意をして歩きたいものである。

 

 

 

〈恐羅漢山々頂〉

〈一時的にガスに包まれた山頂付近〉

 

 

 

 

〈キンミズヒキ(バラ科)〉

〈蔦が一足早く紅葉を始めたようだ〉

 

 

 

 

〈霧の中から臥龍山、聖山などが浮かび上がってきた!〉

〈ここから台所原へ下り行く〉

 

 

 

 

〈ブナに美林の中を台所原に下る〉

〈秋近し・・・・!〉

 

 

 

 

〈実りの時期を迎えた栃の古木〉

〈沢山の栃の実が散らばる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナ古木の脚元を抜ける〉

 

 

11:46 台所原

  ブナの森を抜けて行って台所原の中心部に立つズナラの古木に挨拶をして、その脚元の分岐から中川山、天杉山方面への道を採った。この道も今年はずっと荒れていたが、ここも綺麗に笹が刈り払われており歩き易い道になっていた。ただ、台所原から亀井谷に向かう道だけは、深い笹が被さったままで藪漕ぎ必至という佇まいのままであった。台所原を出ると登山道は直ぐに島根・広島県境の尾根上へと急坂を登って行った。この尾根は兎に角ミズナラの森が素晴らしい。いつも目を覚まされるような感動を覚える。中川山への急坂はきついものがあるが、それはほんの暫しの間である。あとには気持ちの良い尾根筋の漫歩が待っている。ただ一つだけ加えるとすれば、中川山への尾根道では案外に蝮と遭遇することが多い。この日も、ここで2尾と遭遇した。余談ながら、今回の山行中に遭った爬虫類は、この蝮のほか、ヤマカガシ3尾、蛇3尾であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナの森が拡がる台所原〉

 

 

〈ミズナラの古木も混じる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日はここから中川山・天杉山へと向かった〉

 

 

 

〈台所原の主のミズナラの古木)〉

 

 

 

 

〈ツルリンドウ(リンソウ科)〉

〈ママコナ(ゴマノハグサ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                      〈島根・広島県境尾根に乗るとミズナラの森が拡がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      〈実に見事なミズナラの密林〉

 

 

 

 

 

〈ヤマジノホトトギス(ユリ科)〉

〈このコブのあるブナに出合うと中川山の頂が近い〉

 

 

12:30 中川山(1,170.2m)

  今までこの山を「中川山」(なかごうやま)と呼んできた。桑原良敏氏の「西中国山地」でも同様である。だが、最近は台所原の道標や安芸太田町発行の「西中国山地トレッキングマップ」などで「中ノ川山」(なかのごうやま)と標記されている。是非はよく分からないが、ここでは従前通り標記することとする。この中川山の山頂は登山道の脇に四等三角点があるだけの散文的なところである。この日は刈り取られた笹が被さってその三角点が隠されていたので、捜しているとドクロを巻いた蝮を目撃してしまった。勿論早々に立ち去ることとした。5分程で左に岩倉山方面への登山道が分岐したが、そのまま県境尾根を辿って行った。天杉山まではまだまだ遠く、ブナを中心とした森は益々深くなって行く感じであった。眺望は殆ど効かないが、途中の鞍部から右手に砥石郷山、夏焼けのキビレ、夏焼けの丘が望めた。

 

 

 

〈草叢に隠れたいた中川山の四等三角点〉

〈栃の木に宿を借りたアキチョウジ〉

 

 

 

 

〈深い深い森の中の尾根道を行く〉

〈樹々の先の天杉山が見えてきたが、まだ遠い!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈中ノ甲の谷を挟んで夏焼けのキビレを望む〉

 

 

 

 

 

〈尾根道のブナの古木〉

〈奥山にも秋の兆しが・・・!〉

 

 

13:17〜13:58 天杉山(1,173.6m)

  昼食も摂らずに(摂る所もなく)、午後1時を大きく回った時間に天杉山に到着した。恐羅漢山から2時間半足らず、台所原からは1時間半の時間がかかっていた。やはり遠い山である。かつてはかなり広い範囲の笹が切り拓かれていた山頂部であったが、今は登山道脇がちょっとだけ広めに刈られているだけで、三等三角点も笹の中に隠されようとしていた。狭くても、他に登山者の姿がある訳ではないので、広場の真ん中に陣取って遅い昼食を摂ることにした。かつてあった山頂標識もなくなっており、大きく立派なアキノキリンソウが咲くだけの山頂であった。昼食後は、更に県境尾根を辿って北の野田原の頭との間の鞍部まで下った。 この天杉山の北面の道は意外と思えるほどに急坂であった。途中には、かつて「ご神木」という札の掛かっていた杉の巨木が健在であった。

 

 

 

〈天杉山々頂〉

〈笹に隠れようとしている三等三角点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈アキノキンソウ(キク科)〉

 

 

 

 

 

〈天杉山の上空には青空が拡がった〉

〈天杉山から唯一望める深入山にも今や杉の樹が立ちはだかる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈深い笹藪の中に延びる急坂を下り行く〉

 

 

〈天杉山北面にある杉の古木「ご神木」〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈深い森の樹間に遙か日本海を望む〉

 

 

 

〈ブナの古木も見られた)〉

 

 

14:14〜14:18 中ノ甲林道分岐(ホタノコヤ源頭部)

  天杉山(1,173.6m)と野田原の頭(1,136m)との間の鞍部から東に向かって笹原の中に一条の踏み跡が続いており、その取り付けに「中の甲林道」を記された手製の道標が樹木に結ばれていた。この日は、この踏み跡を辿って中ノ甲へ下る計画でここまで来ていた。道筋がどうなっているかの情報はなかったが、中ノ甲林道までの距離からすれば何かあってもなんとか下りられるだろうとの目論見であった。笹原の中に進んでみると、直ぐに大きな倒木に突き当たった。先人の付けた赤テープを探しながらルートファインディングをすると何とかその先のルートが確認出来た。暫くは広い杉の疎林の谷間に延びる薄い踏み跡を順調に辿って行けた。その先の一カ所、広い谷に渓流が穿たれ始めようかという地形の直ぐ上方で、テープの差し示す道が二手に分れているようで、そのどちらともやがてテープが見えなくなってしまった。地形からして渓流の左岸が正しいように思えて、そちらのルートを探索するとやがて赤テープを見付けることが出来た。後は、やはり薄いながらも渓流の左岸沿いに踏み跡を辿って行くと、やがて下から延びて来ていた伐採用の林道に出た。今は使われてないその林道を下って行くと、中ノ甲橋の上手で中ノ甲林道に出ることが出来た。40分間程の冒険であった。下って来たのは桑原良敏氏の「西中国山地」によると「ホタノコヤ」と呼ばれる谷であったが、倒木によって踏み跡が何箇所かで寸断されており、ルートファインディンに十分注意して臨む必要があろうと感じた。 

 

 

 

 

 

 

 

                       〈県境尾根を外れて中ノ甲林道へ下る踏み跡に入る〉

 

 

 

 

 

〈大きな倒木が行く手を遮る〉

〈深い森の中の薄い踏み跡を行く〉

 

 

 

 

〈アケボノソウ(リンドウ科)〉

〈オオマルバノテンニンソウ(シソ科)〉

 

 

 

 

〈テーピングが拠り所〉

〈下り行く程に険しい渓流の左岸を下り行くようになる〉

 

 

 

 

〈下り来て古い森林伐採用の林道跡に出た〉

〈中ノ甲林道と出合う〉

 

 

 

 

〈中ノ甲橋〉

〈杉林の中に延びる中ノ甲林道〉

 

 

15:05〜15:10 中ノ甲登山口

  中ノ甲林道を暫し十文字峠、聖湖方面に辿り中川川に架かる中ノ甲橋を渡ると直ぐ右手に夏焼けのキビレへと上る登山道の入口があった。「中ノ甲登山口」と記された立派な道標も立てられていた。ここから夏焼けのキビレまでは1時間の道程とあった。それまでに長いルートを歩いて来た者にとっては、最後の上りとは言え有り難くない距離と傾斜と言えた。それでも、我慢しつつ登って行った。今ではあまり使われない道になっているようで、倒木も多く、また各所で橋も落ちてとても荒れた登山道であった。ただどの関門にも登山者が歩くスペースだけは開かれており、その限りでは何とか安全な道と言えた。砥石郷山分れまで上って行くともう峠も近いと元気が出た。夏焼けのキビレの直ぐ手前の老ブナも頭上高くで元気に枝を広げていた。夏焼けのキビレからは、馴染みの道。あと20分程と、カウントダウンしながら歩いた。

 

 

 

〈夏焼けのキビレへの入口「中ノ甲登山口」〉

〈倒木の多い登山道〉

 

 

 

 

〈かなり荒れて来ている中ノ甲登山道である〉

〈杉林を抜けると気持ちの良い自然林の中を行く〉

 

 

 

 

〈「砥石郷山分れ」まで来ると夏焼けのキビレはすぐそこ!〉

〈夏焼けのキビレ近くのブナの古木〉

 

 

 

 

〈夏焼けのキビレ〉

〈牛小屋高原への道をカウントダウンしながら進む〉

 

 

16:40 牛小屋高原

  曇りがちであった朝の牛小屋高原であったが、夕刻のそこは見事に晴れ上がっていた。既に日曜日の午後5時近くとなって、午前中には10台ばかりの自動車が停められてった登山者用駐車場にはわが愛車1台が残っているだけであった。まだまだ釣瓶落としの夕暮れではないものの、我々も取り急ぎ荷物をまとめて、まだまだ峠越えもある家路を急ぐこととした。

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈陽が西に傾いたカヤバタゲレンデ〉

 

 

 

 

 

〈牛小屋高原の登山口に下山〉

〈付近の山々の概念図〉

 

 

〔山行所感〕

  このところ、遠征も儘ならず、また地元の山にどっぷりと浸かることもなく過ごしてきたことから、この日は思う存分歩いてみようと天杉山まで脚を延ばす計画とし、若干の冒険心を喚起するために「ホタノコヤ」の谷のルートを採って周回ルートとした。夏場には気候的に苦しいルートであろうが、真夏日となったこの日は何とか日中の山中は曇りがちになってくれて、思いの外快適に歩くことが出来た。また、季節を違えて歩きたいルートである。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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