峻嶮な北面の深い森を登って眺望の峰へ 翠波峰(すいはみね・889.6m)

愛媛県四国中央市

2011年9月24日(土)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

              〈翠波峰から法皇山脈の峰々とその先に赤石山脈の二ツ岳を望む〉

 

 

 

好天予想の秋分の3連休の中日に四国の法皇山脈へと出掛けた。

目指した赤星山は台風の大雨で登山道の橋が流されて登山不能とのお告げ、

隣の豊受山はどうかと登山口に向かうも林道がやはり大雨に荒れていて途中で諦めざるを得ない状況。

気を取り直して東隣の翠波峰の登山口を捜すこととした。

持参の地図は翠波峰をカバーしておらず、不確かな案内書しかなかったが、

麓を車で走って何とか登山口らしき所を見出すことが出来た。

 

《山行記録》

松尾城跡入口10:41・・・・10:45登山口・・・・10:55松尾城跡・あやめ池方面分岐10:56・・・・11:06松尾城跡方面分岐・・・・11:40二の鳥居11:41・・・・11:57(地蔵尊)11:58・・・・12:14中曽根道合流・・・・12:23クレ石方面分岐・・・・12:48車道12:49・・・・12:53あやめ池12:57・・・・13:22水波大権現13:24・・・・13:35東峰13:36・・・・13:40三角点(889.6m)13:42・・・・13:48西峰園地14:29・・・・14:35東峰14:36・・・・14:43水波大権現14:44・・・・15:01あやめ池15:03・・・・15:05車道・・・・15:26クレ石方面分岐・・・・15:33中曽根道分岐・・・・15:45(地蔵尊)・・・・15:57二の鳥居・・・・16:02(休憩)16:10・・・・16:26松尾城跡方面分岐・・・・16:44登山口・・・・16:48松尾城跡入口

〔総所要時間:6時間07分、昼食・休憩等:1時間06分、正味所要時間:5時間01分、歩行距離:10.2q、累積標高差:±1,152m

 

 

試練の朝

  紅葉の季節にはまだまだ早過ぎるものの、赤星ラインをノンビリと歩いて滝巡りをしながら赤星山をピストンしようと午前8時過ぎに登山口へと続く野田林道に入った。林道途中で材木運搬のワイヤを張る作業をしている二人組の男性にお会いした。お二人が仰るには、今年の台風の大雨で登山道に架かる橋が全部流され、その上に今は増水しており登山は不能とのこと。車を旋回させるために登山口まで入ってみたが、登山口の橋も流されており、代わりに危うそうな丸太が渡されていた(前日に地元の方々が渡したとのこと)。

  では隣の豊受山はどうかと豊受台団地から登山口のある林道高野線を暫し辿ってみたが、狭い道が徐々に荒れてきてとても車高の低い車で乗り切るのは不安な状態でギブアップせざるを得なかった。

  二つの山に撥ねつけられて精神的にはもうかなり草臥れていたが、ここで気を取り直して、法皇山脈の更に東にある翠波峰に登ることとして登山口を捜すこととした。

 

 

〈橋が流されて丸太が渡されたばかりの赤星山登山口〉

〈路面が荒れて豊受山登山口まで上がれなかった林道高野線〉

 

 

10:41 松尾城跡入口 

  伊予三島で国道11号線から国道319号線に入り南下し松山自動車道の高架を潜ると直ぐに「松尾城跡」の道標があったので左手の側道に入った。高速道の目線まで上がると直ぐに右手の山側に舗装された農道が延びおり、その分岐に「松尾城跡800m」の道標が立っていたので登山口は近いとその近くの空き地に愛車を停めさせてもらった。

もう午前10時半も回って遅い出発時間とはなったが身支度を整えて舗道を山に向かって歩き始めた。数分で舗道から外れて登山道が山中に延びておりその入口に「市指定史跡 松尾城跡」、「松尾城復元 ふるさとの道」といった道標が立てられていた。周りは養鶏舎の多い所のように見受けた。登山道に入ると蜘蛛の巣がずっと先のスカイラインの車道に出るまで連々と続き、もう長らく登山者が歩いていない道であることが推察出来た。登山道は概して深い杉林の中の急傾斜地に延びており、道はやや荒れ気味で樹間に陽が射す所には夏草が茂っていた。松尾城跡、二の鳥居、石畳の道、深く掘り割られた道、首なし自蔵尊などの史跡が深い森の中に点在して、ここが嘗ては生活の道、信仰の道であったことが偲ばれた。2時間程度で山頂まで登れるかと思っていたが、歩き難い道のせいか、朝からの試練に気力が萎えていたせいか、あやめ池の手前で車道に出合った時点でもう2時間もの時間を費やしていた。

 

 

 

〈松尾城跡入口:松山道の側道脇にこの標識を見付けた〉

〈路側の空き地に愛車を停めて左奥の翠波峰を目指す〉

 

 

 

 

〈登山口:車道から分れて登山道へ〉

〈山頂近くまで蜘蛛の巣との格闘?が続いた!〉

 

 

 

 

〈この標識で翠波峰に向かっていることを確認!〉

〈右に松尾城跡への夏草に埋もれた道が分れる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈深い杉林の中に登山道が続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈倒れて散らばり果てた二の鳥居〉

 

 

〈石畳の道が残る〉

 

 

 

 

〈「仏」の標識の先に二体の地蔵尊(うち一体は首なし〉を拝む〉

〈中曽根道合流点の標識〉

 

 

 

 

〈掘り割れた登山道〉

〈登山口から2時間で車道に出合い翠波峰の山頂部を望む〉

 

 

12:53〜12:57 あやめ池

  車道を横切って登山道を進むと直ぐの平坦な所に出た。そこには翠波峰の山頂部を背にして小さな池があった。あやめ池である。今はススキの原に囲まれたこの池は透明の綺麗な水に満たされていた。池を後に、再び杉林の中に入り2度ほど車道を横断しながら樹間の急傾斜地を登って行った。20分程でダートの林道に出ると、その先に石造りの立派な鳥居とその先に長く高い石段が現れた。水波大権現の境内であった。長い石段を上り切ると大権現の祠があり、その左手にはコンクリート製のベンチとテーブルのあるちょっとして広場があって、その先からは金砂湖と東方向の山々の大眺望が得られた。登り始めて初めて得られた眺望であった。大権現を後に尾根筋の道を翠波峰東峰に向かって登って行った。短いながらもここはかなり険しい道であった。

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈あやめ池越しに翠波峰山頂を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈メマチヨイグサ(アカバナ科)〉

〈ベニバナゲンノショウコ(フウロソウ科)〉

 

 

 

 

〈杉林に再び入って水波大権現を目指す〉

〈参道に出合う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      〈水波大権の鳥居が現れた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈石段の上部に置かれた狛犬〉

 

 

 

〈天に昇るような水波大権現の石段〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                            〈水波大権現の祠〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         〈水波大権現の祠の裏手から金砂湖を俯瞰する〉

 

 

 

13:35〜13:36 翠波峰東峰

  翠波峰は東西の二つの峰のある双耳峰である。その一つの東峰は青々とした芝の広場を持つ静かなピークであった。ここからも金砂湖の堰堤側が望めた。西峰に向かう途中には三等三角点のある小ピークもあった。三角点の標高は889.6m。地形図によれば、東西の双峰は900mを超えているが正確な高さは分らないので、このレポートではこの三角点の標高を翠波峰の高さとした。三角点のある小ピークを下ると、翠波峰スカイラインの頂上部に出て様相はガラっと変わった。それまでは人っ子一人も会わない静寂そのものの世界であったが、その先はドライブウェイを車を駆って上って来た観光客の世界であった。

 

 

 

〈翠波峰東峰山頂〉

〈東峰山頂から俯瞰する金砂湖〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈三角点への稜線から西峰を望む〉

 

 

〈平野橋の架かる金砂湖上流部を望む〉

 

 

 

 

〈翠波峰三角点ピーク〉

〈三等三角点(889.6m)〉

 

 

13:48〜14:29 翠波峰西峰

  西峰ピークの周りには翠波峰広場、西峰展望台などの空間が拡がり、北側には瀬戸内海に面した市街地と海の眺望が、南側には金砂湖とその先の四国の峰々、東西には法皇山脈の峰々の連なりといった大眺望が開けていた。ここへはスカイラインを通って車で上って来られる。好天のこの日は、家族連れを中心にして沢山の観光客の姿が見られた。西峰のピークには、法皇山脈の北面の上昇気流に乗って飛ぶオオタカの飛翔を狙う撮影隊が陣取っておられた。我々もこれらの大眺望を楽しみながら、展望台で遅い昼食を摂った。ここでお会いした中年のご夫妻から「かつては学校登山で麓の小学生が例年翠波峰に登っていた」というお話をお聞きした。食後は、登って来た道を辿って下山の途に就いた。

 

 

 

〈翠波峰西峰〉

〈伊予三島の市街地を俯瞰する〉

 

 

 

 

〈土居から新居浜方面を俯瞰する〉

〈翠波峰西峰から翠波峰広場を見下ろす〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈法皇山脈峰々、二ツ岳を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈金砂湖に架かる平野橋を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈西峰山頂は大鷹の飛行の撮影隊で満杯であった〉

〈法皇山脈はさながら送電線街道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈水波大権現を後に下山の途に〉

 

 

 

〈水波大権現を包む樹林〉

 

 

15:01〜15:03 あやめ池

  野趣豊かな上りと同じ登山道を下って行った。上りでは随分と荒れ果てた登山道と思ったものの、下りではそれほどの荒れ具合とは思わなかったのは不思議であった。上りに苦しめられた蜘蛛の巣との格闘がなかったのがその一因かも知れない。あるいは、既知となった史跡等が現れるが心地よいリズムになったせいかも知れなかった。

 

 

 

〈古木の足元に建つ古い道標〉

〈あやめ池〉

 

 

 

 

〈法皇山スカイライン脇の草叢を分けると登山道が延びていた〉

〈苔生した倒木の下を潜る〉

 

 

 

 

〈オタカラコウ(キク科)〉

〈ウド(ウコギ科)〉

 

 

 

 

〈荒れた登山道にケルンが立つ〉

〈鬱蒼とした杉林に午後の斜光が射す〉

 

 

16:48 松尾城跡入口

  上りには3時間ほどかかった道を2時間余で下って登山口に戻ってきた。高く広々とした法皇山脈の山地を後背にして製紙工場のエントツが建ち並ぶ市街地が眼前に拡がるというのは、如何にも伊予三島、川之江(今や四国中央市という模糊とした名前になってしまった)らしい。この海岸部の景観と振り返って見る山の景色はやはり対照的であった。

 

 

 

〈登山口に下山〉

〈伊予三島の製紙工場群を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      〈登り来た翠波峰を振り返る〉

 

 

 

〔山行所感〕

  好天の下なのに、長い時間鬱蒼とした深い杉の林の中の眺望が一切ない急坂を登って行くのは、正直楽しくなかった。早朝から二つの山に撥ねつけられたショックも気持ちを萎えさせていたのであろうか。ただ頂稜部からの大眺望は逸品であった。この日逃した赤星山、豊受山とその背後に奇影を描く二ツ岳のスカイラインは瞼に刻み付けられた。赤星山、豊受山はもう少し研究して再チャレンジすることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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