宮島の名峰の展望ルートを行く 大江山(273m)・三ツ丸子(367m)・先峠山(402m)

広島県廿日市市宮島町

2012年1月23日()   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                 〈ここが島とは思えない重畳たる山並みの続くこの日のルート〉

 

 

 

冬の広島の天気は予見し難い。天気予報は外れることが多い。

時にはその日の予報も外れたりする。

前日の日曜日は午後には雨になるとの予報に外出を控えた。

現実は素晴らしい駅伝日和(広島で都道府県対抗男子駅伝が開催された)であった。
そんなことから、月曜日に山行を決行することとなった。

この日は寒波の張り出しで県北は雪、南部も曇りながら雪が舞うかもという予報であった。

雨ではないことだけを確認して、出掛けることにした。

行き先は長い間暖めていた宮島の三ツ丸子。

広島大学の自然植物実験所近くから大江山に登り先峠まで縦走することとした。

我が夫婦にとっては初めてのルートであった。

 

《山行記録》

宮島桟橋9:26・・・・9:38厳島神社入口・・・・9:46大願寺・・・・9:52大元公園・・・・10:27多々良・・・・10:54広大ゲート・・・・10:59広島大学理学部付属宮島自然植物実験所・・・・11:04三ツ丸子登山口11:05・・・・11:34炭焼き窯跡・・・・11:48鞍部・・・・11:57大江山(273m)12:12・・・・12:17鞍部・・・・12:33展望岩12:34・・・・12:37ピーク(昼食)13:08・・・・13:21三ツ丸子T峰(好眺望)13:29・・・・13:33三ツ丸子U峰(中央峰)(367m)13:41・・・・13:44三ツ丸子V峰13:45・・・・13:59鞍部・・・・14:23先峠山(402m)14:32・・・・14:45先峠14:46・・・・14:56多々良林道出合(岩船岳登山口)15:00・・・・15:16前峠15:17・・・・15:18前峠乗越・・・・15:53大元公園15:55・・・・16:03大元神社・・・・16:10清盛神社・・・・16:18御笠浜・・・・16:27宮島桟橋

〔総所要時間:7時間01分、昼食・休憩等:1時間22分、正味所要時間:5時間39分、歩行距離:13.3q、累積標高差:±1,065m〕

 

 9:26 宮島桟橋

正月三日以来の宮島であった。ひと月に二度も来たことになる。平清盛人気醸成中とは言え、平日のこの日の人出は初詣時期とは比べようもなかった。満潮の海面に浮かぶ厳島神社の背後を回ってから大元公園に出て、多々良への海岸道路を辿って行った。沿道は徐々に野趣に富んで行くようになり、やや高みから見る満潮の大野瀬戸は美しかった。多々良を過ぎて直ぐに広島大学植物実験所の案内板があった。車道はその実験所の建物まで続いていた。沿道の樹木には多くの説明札が付けられており有益であった。実験所管理棟手前の車道に車止めが設置されていた。かつてはこうしたものはなかったのであるが・・・。管理棟前を過ぎると道はダートに変わった。樹林の中を行くと三差路に突き当たった。ここは左の大江・大川浦方面への道を採った。右へ行けば室井砲台跡である。暫し谷の上流に向かって入って行くと再び三差路に突き当たった。ここも標識に従って大江・大川浦方面への右手の道を採ったが、直ぐに枯れ沢を渡ると左手の山中に入って行く踏み跡が目に入ってきた。その入口に道標があり、この道筋は記載されているものの行き先の表記はなかったが、この道こそが三ツ丸子への登山道である。

 

 

 

JR西日本の連絡船で宮島へ〉

〈船上からこの日歩く山域を望む〉

 

 

 

 

〈満潮の海に浮かぶ朝の厳島神社〉

〈先ずは海外沿いの車道の長いアプローチ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈波静かな満潮の大野瀬戸を眺めながら行く〉

 

 

〈多々良辺りの道筋〉

 

 

 

 

〈早くも馬酔木(アセビ)が花をつけていた〉

〈オモト(ユリ科)の実〉

 

 

 

 

〈紅い実をつけたカナメモチ(バラ科)〉

〈広大植物実験所の車止め〉

 

 

 

 

〈広島大学宮島自然植物実験所〉

〈広大植物実験所の直ぐ先に立つ道標〉

 

 

 

 

 

〈登山道案内・・・赤線を辿ります〉

 

 

11:04 三ツ丸子登山口

  意外に簡単に登山口を確認することが出来た(上の道標の登山道案内を利用すれば先ず迷うことはないと思うが如何であろうか)。渓流沿いに山中へと延びる登山道はこれも意外にしっかりと踏まれたものであった。その道を5分間ほど辿ってから埋められた土管が露出した渓流を渡った。その先は、それまでの道筋とは打って変わって羊歯の繁る谷筋となって、その羊歯を掻き分けるようにして登って行くこととなった。道筋はいつの間にか渓流の流れていた本流を離れて大江山と三ツ丸子の間の鞍部から下ってくる谷間に入っていた。概して羊歯の道で、緩急を繰り返しながら時にホッとする開けた所も抜けながらも灌木の繁る中を登って行った。かなり湿っぽい所を抜けてから、そろそろ鞍部も見えてくるかと思っていると道筋の左手の灌木の中にはっきした炭焼き窯の跡があった。宮島でもかつて炭が焼かれていたようだ。この島で初めて見る窯跡であった。その窯跡から先の鞍部への最後の上りは、足元が古い花崗岩質の急坂でずり落ちそうな一歩一歩を刻みながら登って行くのは甚だきついアルバイトであった。灌木の繁る鞍部に着いてひと安堵ではあったが、先がまだ長いので休みを取ることもなく、そのまま大江山への道を採った。

 

 

 

〈三ツ丸子登山口〉

〈登山口の道標:行き先表示のない渓流沿い(上方向)の道に入る〉

 

 

 

 

〈土管の露出した渡渉点を渡ると野趣豊かな道筋に変わる〉

〈羊歯に覆われた道を登り行く〉

 

 

 

 

〈樹林の先に三ツ丸子のピークが覗く〉

〈こんなホッとする空間も・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈紅いテープに導かれて行けば迷うことはない〉

 

 

 

〈背丈を超える深い羊歯を掻き分けて進む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鞍部直下にあった炭焼き窯跡〉

 

 

〈鞍部への最後の上りは険しい急坂〉

 

 

 

 

〈灌木に覆われた鞍部〉

〈鞍部から大江山への尾根道〉

 

 

11:57〜12:12 大江山(273m)

  鞍部から灌木の繁る尾根筋を抜けて行くと10分間の時間を要せず大江山の山頂に着いた。灌木に囲まれた山頂でそこからは眺望を得られなかったが、山頂部をちょっと外れたところに展望の効く岩棚のような所があり、そこから南の岩船岳方面、東のこれから辿る三ツ丸子方面のなかなかの眺望を得ることが出来た。大江山山頂で正午となったが、ランチタイムは先のもう少し眺望の良い所で取ることして、登って来た道をもとの鞍部まで引き返しそのまま三ツ丸子へと向かった。三ツ丸子までには、その前山とも言える標高330メートル余りの無名のピークを一つ越えねばならなかった。標高差100メートル余の上りがであるが、距離がしっかりとあるので羊歯の中の緩やかな上りの連続といった印象であった。その前山の山頂の直前に上に乗っかれば眺望の効く露岩があったので、そこから三ツ丸子〜岩船岳〜須屋浦までの広々とした眺望を楽しんだ。前山の山頂からは今度は北側の前峠山〜焼山・駒ヶ林〜弥山にかけての山群の絶景が得られた。ここでランチタイムとした。30分間ほどの昼食の後、三ツ丸子に向かったが、羊歯も綺麗に刈られたよく整備された道で、10分ほどの時間で三ツ丸子の最初のピークに到達し出来た。

 

一点だけ留意事項を記せば、かようによく整備された道は三ツ丸子からランチタイムを取ったを標高330メートル余の前山まで続いており、その道は更に前山の山頂から北斜面へと下っていた(その登山道はそのまま多々良林道まで下っているのかも知れないが未確認である。)それに比べて、我々がこの日辿って来た大江山からの尾根筋の踏み跡は、今にも羊歯の中に埋もれそうなものであった。それらの道は前山の山頂で合流するが、大江山からの道は見落とされても仕方がないほどに存在感がなかった。三ツ丸子方面から大江山へ向かう登山者は、この前山のピーク上でよく注意しないと、そのままよく整備された下山道に入ってしまう危険性が極めて高い。ご注意を!!

 

 

 

〈樹林に囲まれた大江山々頂〉

〈手書きの頂上標が樹に掛けられていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                     〈大江山山頂近くからこれから辿る三ツ丸子方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     〈大江山の真南には岩船山が大きな山裾を広げていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈330m余の前山ピークへの尾根筋〉

 

 

 

〈再び鞍部に下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈前山をピークアウトする直前の展望所からのパノラマ(三ツ丸子〜須屋浦までの大展望が拡がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      〈ここから眺める岩船岳は実に峻嶮な峰のようである〉

 

 

 

 

 

〈330m余の前山山頂:ここでランチタイムを取った〉

〈これから行く三ツ丸子、先峠山、更にその先に502mピークが続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

              (左から)前峠山、焼山・駒ヶ林(両峰が重なる)、弥山と続く絶景!〉

 

 

 

 

 

〈一度浅い鞍部へ下る〉

〈灌木の中を登り返す〉

 

 

13:21〜13:29 三ツ丸子T峰

  三ツ丸子とは面白い名前である。何か由緒があるのだろうが未調査である。名前の通り山体には3つのピークがある。真ん中のピークが最高点のようで、国土地理院の地形図には山名の記載はないが367メートルの標高が記されている。この3つのピークを取り敢えずここでは踏んで行く順番にT峰、U峰、V峰を呼ぶこととする。T峰に到達すると岩石が露出したその頂きからその南北に素晴らしい眺望が開けていた。この日のルート中随一、宮島の山々と海の一大スペクタクルであった。いやいや宮島随一の眺望と言えるかも知れない。いつまでも見ていたい眺望であったが、長いルートゆえに先に進むこととした。中央峰のU峰はT峰から数分の距離であった。三つのピークの最高点ではあるが、それ以外にどれと言って特色のない山頂であった。記念撮影だけして通過した。V峰もU峰から数分の距離であった。山頂の一角に露岩がありそこから弥山や502mピーク方面の山々の眺望が得られた。下り始めると急傾斜が待っていた。この山域の北斜面は殊の外に厳しいが、ここもその一つであった。15分弱で鞍部へ下った。ここには多々良林道から先峠山の西側の谷間を縫って登って来て岩船岳への主稜線上の道に先峠山の南側で合流する登山道が延びてきていた。歩いてみたい道だが、まだその機会がなかった。それらが十字路が交わるその鞍部から先峠山へと登り返した。羊歯の中を登る急坂で稜線部に上がり、暫し赤松の多い尾根筋を辿って行くと、ポッカリと空間が開けた先峠山の山頂広場に出た。

 

 

 

〈三ツ丸子T峰から南側には大野瀬戸の大眺望が拡がる〉

〈北側にも駒ヶ林、弥山といった宮島の主峰が望める〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈三ツ丸子T峰から南側のパノラマ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       〈この日辿って来た大江山からの尾根筋を振り返る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  〈焼山、その直ぐ背後に駒ヶ林、宮島最高峰弥山と続く山塊〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               〈この山域の何処からも神秘的な雰囲気を醸す岩船岳が望める〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈遙か大黒神島が望めた〉

 

 

 

 

 

〈三ツ丸子T峰からU峰(中央峰)を望む〉

〈三ツ丸子U峰(中央峰)頂上〉

 

 

 

 

〈三ツ丸子V峰山頂〉

〈三ツ丸子V峰から重畳たる宮島の峰々を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鞍部(左:多々良、右:岩船岳、前方:先峠山)

 

 

 

〈急斜面を下る〉

 

 

 

 

〈先峠山への稜線を行く〉

〈先峠山への稜線から三ツ丸子を振り返る〉

 

 

14:23〜14:32 先峠山(402m)

   先峠山は国土地理の地形図で標高402メートルと記されたピークである。この日のルート中での最高地点であった。ここも樹林に囲まれた山頂で僅かに東隣の502メートル峰の稜線が望める程度で眺望は優れない。暫しコーヒータイムの後に下山にかかった。地形図を見れば双耳峰のような山で、東隣にもう一つのピークがあった。ここからは502メートル峰がきれいに見えた。小振りな灌木の密林を幾つか小ピークを踏みながら抜けて、最後はこれまた常識を越えた急傾斜面を先峠へと下って行った。道は先峠から多々良林道方向に数メートル下ったところで、多々良林道と先峠を結ぶ登山道に合流した。折角であるので、数メートル上って先峠に立った。502メートル峰を越えて奥ノ院へ下りたいところであったが、もう時間も遅いので自重した。峠北面の急傾斜地を一気に下って、多々良林道に出た。

 

 

 

〈先峠山々頂〉

〈ここにも手書きの山頂標があった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈小ピークから502m峰を仰ぐ〉

 

 

 

〈灌木の中の急坂を下り行く〉

 

 

 

 

〈先峠越しに弥山を望む〉

〈先峠〉

 

 

14:56〜15:00 多々良林道(岩船岳登山口)

  多々良林道との出合にこの日久々に見る公設の道標があった。それには「高安が原を経て青海苔浦」と記されているが、登山者からは「岩船岳登山口」と呼ばれることが多いように思う。正月3日と同様に、この日も岩船岳に背を向けてここから前峠へ向かうこととした。水の多い渓流を渡ってから、羊歯の中に延びた踏み跡を登って行った。振り向けば先峠やその北面の険阻な斜面が、見上げれば前峠山を望むことが出来た。前峠まで緩やかな山道を登ると、道は左に曲がって前峠山への尾根筋に乗るが、直ぐに大元公園へ下る登山道が右側の谷間へと延びていた。前峠乗越と呼ばれる地点で、この日はここから順路よろしく大元公園へ真っ直ぐに下山することとした。かつてのこのルートは、人跡も薄く倒木なども累々として荒れていたが、今では利用する登山者の数も随分と増えたようで、一般登山道のように硬くよく踏まれた道となっている。前峠から大元公園の出合いまで30分余りの時間を要した。大元公園を抜けて水族館前に出て、久し振りに人を見た。この日、広大植物実験所の手前の車道で散歩中の人に会って以降、山中で誰にも会うことがなかった。朝の海は満潮であったので、この夕刻は干潮の筈と、清盛神社から西松原を抜けて厳島神社前面の潮の引いた浜を横切って御笠浜へ上がった。人通りも疎らな海岸沿いの道を桟橋へと急いだ。

 

 

 

〈先峠からの急坂を下って多々良林道に出る〉

〈渓流を渡って前峠への道を採る〉

 

 

 

 

〈前峠へは羊歯の中を登り行く〉

〈前峠山を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

〈前峠〉

〈前峠乗越から大元公園への道〉

 

 

 

 

〈大元公園に出る〉

〈樅の木が美しい大元公園〉

 

 

 

 

〈大元神社〉

〈清盛神社〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                     〈夕陽を浴びる厳島神社社殿〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                            〈厳島神社大鳥居〉

 

 

 

16:27 宮島桟橋

  この日は時間が遅くなるに従って上天気となってきたようであった。午後4時を大きく回って冬の低い西日に宮島の街もほんのりと暖色系に彩られて行っていた。夕刻の大野瀬戸をJR西日本の連絡船で宮島口へと渡った。大野瀬戸の南方向にこの日歩いた三ツ丸子から大江山にかけての尾根筋がシルエットになって海へと下っていた。

 

 

 

〈宮島桟橋前の広場〉

〈連絡船上から五重塔を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                          〈夕暮れの大野瀬戸〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈この日辿った山域を遠望する〉

 

 

 

〔山行所感〕

  長い間暖めていた三ツ丸子ルートを踏破することが出来た。リンク先の「低山名山」のグレイシャーさん、タロさんご夫妻が2010年3月27日に歩いた記録を参考にさせて頂いた。やはり山というところは行ってみないと分からないもので、広大植物実験所のある室井から先峠までは全面的に野趣に富んだ佇まいの山域であろうと勝手に考えていたが、それは大江山一帯くらいで、三ツ丸子の周辺はシダ類もきれいに刈られてよく手入れされて歩き易い登山道であった。先峠山の山域も険しさは仕方ないとしても、歩く登山者もほどほどに多い様子で、登山道が羊歯で覆われてしまうという様子もなく、登山者に親しまれている様相を呈していた。総体的にまだ一般ルートと呼ぶには早過ぎるとは思うものの、この山域でも登山道が整備されているというのは、宮島の奥深さなのだと思う。眺望に優れたこの山域であり、きっと徐々により多くの登山者の方々が訪れるようになる所であると思う。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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