雪の高嶺を楽しく歩く 恐羅漢山(1,346.4m)

広島県山県郡安芸太田町

2012年2月5日()     門久単独

 

 

 

 

 

 

                              〈恐羅漢山々頂直下のモンスターを拡大〉

 

 

 

前日に我が家の裏山の薮の尾根を歩きながら、やはりこの季節は雪の山を歩かねばと思った。

生憎とチャコは風邪で山どころではなく、誰とも調整をしていなかったので、単騎での出陣とし行き先は恐羅漢山に定めた。

恐羅漢山なら、百本杉からの支尾根ルートに前日来のトレースが残り、

楽々の登攀で山上の樹氷群を楽しめるだろうとの心算であった。

出遅れているこの冬の雪山の省エネでの実績作りを狙ったわけであったが、

天はこの浅はかな企みをとっくにお見破りのようで、狙いは大外れとなって意外な展開に・・・・!

 

《山行記録》

牛小屋高原10:09・・・・10:12カヤバタゲレンデ・・・・10:28百本杉10:35・・・・11:30主尾根出合・・・・12:40立山尾根道合流・・・・12:57恐羅漢山(1,346.4m)13:10・・・・14:30車道出合1434・・・・14:38二軒小屋駐車場

〔総所要時間:4時間29分、休憩等:0時間24分、正味所要時間:4時間05分、歩行距離:5.4q、累積標高差:+435m・-604m〕

 

10:09 牛小屋高原

  午前10時少し前に牛小屋高原に到着した。国設・民営の恐羅漢スキー場が合体して「恐羅漢スノーパーク」が誕生した精か千客万来の盛況のようで、牛小屋高原の駐車場は満車となっており、係員に誘導されて駐車場脇の路面に縦列駐車することとなった。身支度を整えてから、スノーシューを履いて夏焼けのキビレへの登山道に入った。カヤバタゲレンデまではスキーヤーなどのしっかりした踏み跡が続いていた。例年になく沢山のお客を迎えたゲレンデを見上げてから登山道に戻ると、予期に反して登山道を覆う厚い雪の上にトレースはなく、ただ白い路面が林の中へと延びていた。前日のこの山域はかなりの荒れ模様で積雪もかなりあったようで、その嵐と雪が全てのトレースを消してしまったようだ。そして、この日もそれまでにただの一人も入山していないことも理解出来た。新雪を踏んで登山道と思える所を百本杉まで入って行った。途中でかなり登山道から外れていることに気付いて軌道修正を余儀なくされた。

 

 

 

〈駐車場は満車、路面に縦列駐車〉

〈登山口〉

 

 

 

 

〈カヤバタゲレンデ〉

〈トレースのない純白の登山道に入る〉

 

 

10:28 百本杉

  百本杉の手前から支尾根に入って主尾根を目指した。積雪期だけのショートカット・ルートである。夏山登山道の通る夏焼けのキビレを経由するより遙かに近道となる。このルート上にも当然のことながらトレースはなかった。先客の踏み跡の痕跡らしきものさえ確認出来なかった。前日の風雪が全て消してしまったようだ。フワフワした新雪は気持ちの良いものであったが、そこをラッセルして登って行くのは骨が折れた。単騎での間断のないラッセルは一際堪えたが、ここは単独行の気軽さから汗を搔かないようにスピード調整しながらゆっくりと登って行った。時折、雲間から陽が洩れてくることもあり、あるいは青空が拡がるかとの期待を抱かせたがそれが叶うことはなかった。霧氷が結ぶことなく雪の綿帽子を被った樹々が林立する支尾根の上部に達すると、右手に砥石郷山の大きな山体を望むことが出来た。曇天で霞んだその背後には深入山の白い山肌が覗いていた。

 

 

 

〈百本杉〉

〈百本杉から支尾根に乗る〉

 

 

 

 

〈振り向けば自らのトレースが残る〉

〈綿帽子の樹林の中を登り行く〉

 

 

 

 

〈樹間から砥石郷山を望む〉

〈牛小屋谷を俯瞰する〉

 

 

 

 

〈支尾根上部から立山尾根を望む〉

〈こんなオブジェも乙なもの!〉

 

 

11:30 主尾根出合

  百本杉の支尾根を登るのに一時間を要して、夏焼けのキビレからの主尾根に出合った。中ノ甲の谷を挟んで対面する天杉山は雪に塗れて真っ白であった。不思議なもので、それまで樹々に綿帽子が載った林であったが、この主尾根との合流点付近から上の斜面には霧氷が結んでおり白く輝く林が拡がっていた。休憩も取らずに主尾根を登り始めた。登り行く程に霧氷は厚く骨太なものになっていった。これはもう樹氷と呼んだ方が適切な凍り具合であった。樹々の密集地などは、頭上も四周も氷に取り囲まれて、まるでクリスタルな世界に迷い込んだかのようであった。広い尾根筋をGPSの力を借りて夏山登山道に沿って登って行った。振り返ると遙か下になった砥石郷山が樹氷の林の先に見えた。主尾根に取り掛かってから1時間10分ほどで、立山尾根道との合流点に到達した。そこから先にはスキー場から延びて来たトレースが山頂まで続いていた。トレースは山頂直下の緩やかな斜面に発達したモンスター群を掻き分けるようにして上へ上へと延びていた。

 

 

 

〈主尾根に上って山頂方向を見上げる〉

〈西側の谷向うに天杉山が聳える〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈主尾根斜面から砥石郷山、深入山を望む〉

 

 

 

 

 

〈枯木と雪のコラボ〉

〈雪と氷のオブジェ〉

 

 

 

 

〈樹氷の塊〉

〈真白き世界へ入って行く!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                           〈樹氷が頭上を覆う〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                         〈雪の精の棲むところ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                        〈風雪のなせるところ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪、益々深まる!〉

 

 

 

〈モンスターも成長〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈モンスター群を擦りぬけて行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈山頂直下から登り来た主尾根を振り返る〉

 

 

 

12:57〜13:10 恐羅漢山(1,346.4m)

  牛小屋高原から3時間近くかかってやっと恐羅漢山々頂に到達した。背の高い山頂標識の頭だけが雪上に出ていた。ここで想ってもいなかった人達と遭遇した。こちらが山頂に到着するとほぼ同時に旧羅漢山方面から到着した人の姿があった。それが旧知のT沢さんであった。後続はN川さん達3人、一昨年の2月と4月に宮島周回にチャレンジした時にご一緒した人達であった。朝二軒小屋の駐車場を出て、旧羅漢山への道なき尾根筋を登ってからここまで来たという。お互いに奇遇に驚いた。この4人グループは、山頂から東尾根を下って二軒小屋へ直接下りる計画という。一緒に下りようと誘われたので、躊躇することなく同行させて戴くことにした。地図を見ると等高線の間隔の広い緩やかな斜面であるが、広い尾根筋で下る程に谷も形成しており、尾根筋がはっきりしない難しさを持ったところと推察出来た。ナビゲーションはT沢さん、N川さんにお任せすることにして、下山に取り掛かった。下り行くと樹林の中にスキーやボードのトレースが下っており、そのルートも我々が狙っていたところとほぼ一致していた。このトレースに交わりながら、林間を慎重に下って行った。下るほどに尾根が分れ、谷筋も深くなり、ルート取りが仲々に難しいところであった。スキーのトレースは下るほどに北へと方向を向けてスキー場へ戻って行くようであったので、適当なところでトレースを離れて植林の中の小尾根を下って行くと、直ぐに急傾斜地となって、植林地を抜けると直ぐ下に二軒小屋近くの車道が見える懸崖の上に出た。ちょっと尾根筋を北方向に行き過ぎて下山口としては最悪のところかも知れなかったが、下るのが全く不可能という感じでもなかった。トップを取っていたT沢さんが果敢にその懸崖下りにチャレンジした。

 

 

 

〈恐羅漢山々頂標識〉

〈山頂で遭遇したグループ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                             〈北方向の眺望〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈モンスター越しに旧羅漢山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈山頂付近が霞む十方山〉

 

 

 

 

 

〈恐羅漢山東尾根に取り付く〉

〈モンスター群を抜けて下り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈東尾根から遠く焼杉山方面を望む〉

 

 

 

 

 

〈山スキーのトレースを追いながら下り行く〉

〈谷に下らないように慎重にルート取り〉

 

 

 

 

〈豊富な積雪に下りは快調そのもの!〉

〈いよいよ最終盤の植林地へ突入〉

 

 

 

 

〈随分と険しい所に出たものだ・・・!〉

〈遙か下に車道!だが、この急傾斜面は何もの??〉

 

 

14:38 二軒小屋駐車場

  最後の懸崖は谷筋の小さな滝であった。垂直に近い崖も雪があったおかげで足がかりが確保出来て下ることが出来た。真似をすることは決してお勧めしないが、今後も語り草となる勇気ある下降であったと思う。出たところは、二軒小屋駐車場へ至近のところであった。皆さんに再会を約して、N川さんに二軒小屋から牛小屋高原まで車で送ってもらった。

 

 

 

〈二軒小屋近くの車道に出た!〉

〈駐車場から雪に埋もれた二軒小屋を眺める〉

 

 

〔山行所感〕

   楽な山登りなどを思うと、山の神は思わぬしっぺ返しを与え賜うようである。試練の独りラッセルで登っていると、しかしこれもノンビリとした良い山行ではないか・・・と思うようになったのは救いであった。日常を離れた白い氷雪の世界の中で至福の時を過ごしていた。そして、山上での人との出逢いも天の采配なのであろうか。独りラッセルでやや気弱になりかけて上りと同じルートを引き返そうかと思い掛けていたので、恐羅漢山東尾根を直接下る話は魅力的であった。お陰で話の種のお土産付きの楽しい下降を楽しむことが出来た。4人の方々に感謝の気持ちで一杯である。そして、最後には心優しかった山の神にも感謝!

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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