氷結した石鎚山の名瀑を訪ねる 高瀑(たかたる)

愛媛県西条市

2012年2月18日(土)    N川さん+O村さん+T橋さん+門久

 

 

 

 

 

 

                                     〈高さ132mの氷結した高瀑〉

 

 

 

2週間前に恐羅漢山々頂でお逢いしたN川さんからお誘いを頂いて石鎚山系の名瀑・高瀑へ行ってきました。

行きたくても仲々に行けない高瀑渓谷の最奥、西ノ冠岳の山懐にある滝です。

前日の夜に雪の舞う広島を4人相乗りの車で出て、

高瀑渓谷の入口の川口(こうぐち)から少し入った諏訪神社前の広場でテント&車中で前泊しました。

星空がとてもきれいな寒い夜でしたが、この寒さを知るのも冬の山行ならではのこと。

明けた当日の朝は曇り空ながらも、心配した大雪の心配はなさそうで、

氷結した名瀑の見物に勇躍出発することとなりました。

 

《山行記録》

登山口8:28・・・・8:31渡渉点8:34・・・・8:38渡渉点・・・・8:44赤ノベラ・・・・9:22のぞきの滝9:23・・・・9:41丸渕9:44・・・・10:02渡渉点・・・・10:10無名滝・・・・10:20天狗の子育て岩・・・・10:32高瀑(昼食)11:22・・・・11:50丸渕・・・・12:00のぞきの滝・・・・12:25赤ノベラ・・・・12:36登山口 

〔総所要時間:4時間08分、昼食・休憩等:0時間57分、正味所要時間:3時間11分、歩行距離:3.4q、累積標高差:±516m〕

 

 8:28 登山口

  諏訪神社から林道折掛石鎚線を辿ること1時間30分程でやっと登山口に到着した。何せこの林道には新鮮な落石がゴロゴロしており、落石を人の手でラッセルしながらの走行を余儀なくされると共に、上るに従って雪が深くなり最終局面ではアイスバーンの路面となってスタッドレスタイヤの上にチェーンを巻いて何とか走ることが出来た。山慣れたN川さんだからこそ走行出来たのであろう。登山口には綺麗に整理された休憩舎とトイレがあり、その間に10台足らずの車が停められる広いスペースがあった。思ったほどの積雪量ではなかったが、この先かなり滑り易い所も多いとのことで全員アイゼンを履いて出発した。直ぐに加茂川源流の高瀑渓谷の渓流を渡渉して右岸から左岸に移ったが、直ぐにまた右岸へ戻った。登山道はひたすらこの渓谷を遡るようであった。右岸に戻った地点のやや上流部にここでは「赤ノベラ」と呼ばれている赤ナメの沢が延びていた。夏なら気持ち良くその上を遡上出来そうであった。そこを過ぎると、道はV字をなす四国ならではの急峻な谷間の懸崖の上を巻くようになり、時には梯子の力も借りながら高度を上げて行った。右手には常に深い谷が落ちていた。その谷間には幾つも滝が懸かっているようであったが、登山道からは「のぞきの滝」と呼ばれる半分凍った滝が眼下に見下ろされた。懸崖の巻き道を抜けると岩場に氷柱が簾の如く下がるちょっとしたゴルジュ帯に下った。その先が丸渕であった。

 

 

 

〈アイスバーンの上に新雪が積もった林道折掛石鎚線〉

〈標高1000m程の登山口〉

 

 

 

 

〈加茂川の源流を遡上するルートに出発〉

〈幾度もの渡渉を要するルートであった〉

 

 

 

 

〈赤ノベラ:夏には気持ち良げなナメであった〉

〈雪は少なかったが、アイスバーンの道をアイゼンで登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈深い谷上の標高1,300m程の稜線は流石に真っ白であった〉

 

 

〈時折梯子に助けられ河岸の道を行く〉

 

 

 

 

〈氷柱の垂れる険しい斜面を巻いて行く〉

〈巻き道の下には深い谷が落ちていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈日射しを浴びる高瀑渓谷の下流部〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈懸崖の上に設えられた登山道を行く〉

 

 

〈のぞきの滝〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈氷結した渓谷の岩場〉

 

 

 

〈真白き中を登り行く〉

 

 

 9:41〜9:44 丸渕

  ゴルジュ帯の先に低い滝が落ちる丸い形をした滝壺があった。それが丸渕であった。そこで一旦気持ちを落ち着けてから、一転その右手に屹立しているかのような懸崖に向かって登り行くこととなった。ここから先は実に険しい地形が続くこととなった。丸渕の背後の懸崖は大きく右手に巻いてから左手に巻き返すようにして越えた。途中から西ノ冠岳方面が望めたが濃いガスに巻かれていた。越えた所は広々とした二つの谷の合流点であった。ここで渡渉をして左手の谷筋に延びる道を採った。その上り口に結氷した滝が落ちていた。それなりの規模の滝にも思えたが、N川さんによれば無名の滝とのことであった。偉大な高瀑に比べれば、どの滝も面目を保つことなど出来ないのであろう。この無名滝を巻いて登るのがまた険しい道筋であった。右岸の急傾斜地を一気に上がってから滝の右岸の肩へと巻くよう登って行った。その上りの途中に「天狗の子育て岩」と名付けられた岩穴があった。滝上の肩を越えるとブナ林となり、そこを抜けて行っていると樹間に白く光るものが見え始め、やがて視界全体に白い巨人が飛び込んで来て脳天に強い一撃を浴びせられたような衝撃を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈丸渕〉

 

 

〈丸渕の右手の懸崖に取り付く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈ガスに閉ざされた西ノ冠岳方面〉

 

 

 

 

 

〈懸崖の中ほどの巻き道〉

〈懸崖を登り切り広々とした谷間の合流点に出た〉

 

 

 

 

〈氷結した無名滝〉

〈無名滝右岸の急坂を巻く〉

 

 

 

 

〈天狗の子育て岩の前の急坂〉

〈細かい霧氷の着いたブナ林〉

 

 

10:32〜11:22 高瀑

  白い巨人こそは高瀑そのものであった。最初の衝撃は、予想外に高くて大きい白い巨体の放つ力によるものであった。「いったい何なのか?」 未だ嘗てこんなにデカイ自然の創造物を見たことがあったろうか?高さ132メートルと言われる滝が懸崖で結氷して白い幕となって垂れていた。今年1月18日にも訪ねて完全氷結した高瀑を見ているN川さんによれば、今は融け始めていて規模も3分の1程度になっているとのこと。この週の前半に暖かい日が続いたせいで滝口から落ちる水の温度が上がったのか、水の流れ落ちる真ん中の氷は一足早く融け始めており、時折シャーベット状に崩れた氷が滝壺へ落ちる大きな音が響き渡った。とは言え初めて見る我々には、まだ巨大が創造物であった。ただ唖然と見上げ、必死でカメラのシャッターを切っていた。この凍った名瀑を見ながらランチタイムとすることとなった。食事をしていると、若者4人組が登って来て一際元気な声が山間に響き渡った。食後いつまでもそこにいたいような気持ではあったが、努めて一足早く下山の途に就くこととした。丸渕までの峻路の下りは上り以上に険しく感じられ、一歩一歩気を付けながら下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈目の前の懸崖に氷結した滝が・・・、ただ唖然!!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈高さ132mの高瀑〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈既に融け始め縮小した滝というが、まだまだ想像を超える大きさであった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                         〈霧氷に包まれた滝口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 〈滝壺のすぐ上辺りは融け始めて岩肌が露出しようとしていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           〈滝の下段右手はまだまだ健全な凍結ぶり!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈滝の上部は造形的にも美しい!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈クラゲ状に氷結した部分〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈落下してくる水に融け始めた中心部〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈暫し険しい斜面を下り行く〉

 

 

 

〈下山前に全貌をもう一度見上げる!〉

 

 

 

 

〈空が幾分明るくなってきた!〉

〈丸渕のすぐ上の懸崖を下る〉

 

 

11:50 丸渕

  高瀑から30分足らずの時間で丸渕まで下った。険路ではあるが、やはり上りよりは下りの方が遙かに速いようであった。丸渕からは高低差はまだなおあるものの、それまでよりは優しい道であった。この登山口と高瀑の間は、標高1,000mから1,300mの間であるが、渓谷の最奥部で気温は厳しく低いようであった。凛として張りつめたような冷たい空気の中をそれでも軽快に下って行った。

 

 

 

〈丸渕へ下って来た!〉

〈ガスが薄くなった西ノ冠岳方面〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈廊下状の谷間を下る〉

 

 

〈のぞきの滝に再会〉

 

 

 

 

〈真っ白の稜線部を仰ぐ!〉

〈赤ノベラ〉

 

 

12:36 登山口

  幾度かの渡渉を繰り返し、いよいよ最後の沢を渡ると登山口の広場へと下る道となって全員無事に下山を完了することが出来た。上りに2時間余の時間を要した道を1時間余で下ることが出来たようであった。駐車スペースに停められている車は我々の車1台だけで、高瀑へ登ってきた若者達の車はそこにはなかった。凍結した道ゆえにここまで上がってくる気持ちが失せたようで、途中の道路面がアイスバーンとなる地点に車を置いていた。休憩舎で帰り仕度をしてから、また険しい林道を下って帰路に就くこととした。帰路に今治湯ノ浦温泉の「四季の湯」に寄って暫し疲れを癒した。

 

 

 

〈最後の渡渉〉

〈登山口へ下ってきた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈避難小屋として十分に使えそうな休憩舎から霧氷の峰を仰ぎ見る〉

 

 

 

〔山行所感〕

  大きな自然の中で遊ぶことは、なんと心晴れることであろうか!それにしても、この高瀑の迫力は凄いものであった。人間は欲深いもので、一度見ても、次はこれ以上の物を見てみたくなる。来年も来れるものなら、今度は完全氷結した頃に訪ねてみたいと思う。

  四国の深い谷間にはGPSは力がない。常時衛星を3個以上捕捉していることは難しいようで、GPSの軌跡はあちこちに乱れ飛んでとても修復が出来るような有様ではなかった。下の地図上の軌跡は記憶によって手書きしたものである。

冬季にここの登山口まで上がって来るための第一条件は、林道折掛石鎚線が通行可能なこと。台風や大雨があると脆弱な道路ゆえに長期に亘って通行止めとなるという。そうなっては、迂回路のない道ゆえに、人がこの山域へ入山するのは甚だ困難なようだ。第二の条件は、積雪や凍結の状況となるのであろうが、これもクリアが難しい条件と言えよう。今回は、これらの条件を見事に満たすことが出来たようで、極めて幸運であったようだ。N川さん、O村さん、T橋さんにお世話になったお陰であると思う。ご三人大変にお世話になり有り難うございました。また、どこかでご一緒したいものです。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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