根開けの比婆山古道を辿どり荒天の御陵へ 比婆山(1,264m)

広島県庄原市比和町・西城町

2012年3月9日(金)    チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                                   〈比婆山の支尾根も根開けの頃〉

 

 

 

今週末の天気はまた芳しからず・・・・・、

わが休暇のその前日の天気も決して良くはなかったものの、県北の降水確率は極めて低い、

そこで思い切って今冬まだ訪ねていない比婆山を目指すこととした。

“山の天気は街で想わず、現地で確認せよ”が山の鉄則か、

この日の比婆山の麓は・・・・、嗚呼、小雨模様・・・。

それでも、濡れそびれるような雨にはなるまいと、

遅い出発にはなったものの比婆山古道を辿って登ることとした。

 

《山行記録》

旧ドルフィンバレイスキー場入口11:57・・・・12:09林道入口・・・・12:29比婆山古道入口(スノーシュー装着)12:36・・・・12:55支尾根上・・・・12:56(昼食)13:25・・・・13:34杉植林から自然林へ・・・・14:29飛越岩・・・・14:40トイレ廃屋・・・・14:49比婆山(御陵)(1,264m)15:02・・・・15:09命神社・太鼓岩15:15・・・・15:21トイレ廃屋・・・・15:28飛越岩・・・・15:48杉植林へ・・・・16:08比婆山古道入口16:11・・・・16:43旧ドルフィンバレイスキー場入口

〔総所要時間:4時間46分、昼食・休憩等:0時間48分、正味所要時間:3時間58分、歩行距離:7.6q、累積標高差:±666m〕

 

11:57 旧ドルフィンバレイスキー場入口

  庄原から国道432号線を北上し比和町山王で県道255号線に入ると、比婆山古道入口まで林道を除雪しているとの嬉しい案内があった。車一台が通れる幅だけ綺麗に除雪した林道を走って比婆山古道入口の直ぐ先の通行止め地点まで行ったものの、何か変。林道入口から通行止め地点まで、車を転回出来るスペースが皆無であった。どうして帰れというのか!!そんなことで、Uターン出来る所まで後進しながらドルフィンバレイスキー場まで引き返したので、肝心の山行の出発が遅くなってしまった。半分は嫌気の差していた気持ちを鼓舞して身支度を整えてから、引き返してきた車道を歩き始めた。当初ここに着いた時には小雨模様であったが、ゴタゴタしている間にこちらは都合良く上がったようだった。渓流沿いにショートカットルートが取れるようであるが、もうこの辺りの雪は緩くなっておりそれは避けることとした。大きなヘアピンカーブを1か所だけショートカットしただけで30分ほど歩いて比婆山古道の入口に到達した。

 

 

 

旧ドルフィンバレイスキー場入口に駐車

〈除雪された車道を歩いて出発!〉

 

 

 

 

〈吾妻山への林道入口の案内板〉

〈綺麗に除雪された林道〉

 

 

12:29〜12:36 比婆山古道入口

  昨年7月に初めて歩いて以来の比婆山古道、雪の時期にも一度歩いてみたいと思っていたのがやっと実ることとなった。入口に立派な石板の名標が建てられていた。ここでスノーシューを履いてから、旧知の杉林の中の道筋を登り始めた。平日でもあり、先行者のトレースなどなかった。今週の初めには雨が続いたので、それ以前のトレースも消えていた。所々に足跡らしき形をした氷の面が続いており、そこが登山道であることが分った。時にルートファインディングを必要としたが、GPSに読み込んでいた夏のルートを参考にルート採りをしながら登った。20分弱で支尾根に出たので、そこでランチタイムを取った。食後はその支尾根をひたすら登った。10分ほどで杉の植林帯からブナを中心にした自然林に出た。その先は夏は汗を掻いた長くきつい尾根筋であったが、冬は雪を踏んでの単調な長い上りであった。根開けした樹々の根元や、登るに従って濃くなっていくガスが気持ちに変化を付けてくれたようであった。

 

 

 

〈立派な標石の建った比婆山古道入口〉

〈除雪はされているが、転回するスペースのない林道終点部〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分足らずで支尾根に乗る〉

 

 

 

〈杉林の中を登り行く〉

 

 

 

 

〈杉の植林から自然林に出る〉

〈支尾根の左手遙かに大膳原の雪原を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈広い支尾根をひたすら登り行く〉

 

 

 

 

 

〈根開けをした支尾根左側の谷間〉

〈積雪量はゆうに1メートルを超えていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                              〈支尾根を上る程にガスに巻かれて来た〉

 

 

 

14:29 飛越岩

  長い支尾根の先の左手に大きな岩が見えてくると、道筋は飛越岩と呼ばれるその大岩の手前を左に巻いてその支尾根の左側の斜面を登って行くこととなった。この辺りまで上ってくると立派なブナの樹が多く、森は美しい。夏には複雑そうに思えた登山道であったが、今は歩き易い斜面を自由に抜けて行けば元トイレの廃屋の裏手に出た。そこから比婆山々頂の御陵までは目と鼻の先であった。夏道は左手の命神社や太鼓岩、産子の岩戸などを経由するが、雪の上では直行が可能だ。イチイの樹にガードされた一線を越えれば、もう御陵の上であった。

 

 

 

〈飛越岩:ここで支尾根を離れて左手を巻いて登り行く〉

〈「飛越岩」とは・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雪の斜面をトラーバース気味に登り行く〉

 

 

〈立派なブナ樹が多い〉

 

 

 

 

〈廃屋となったかつてのトイレ舎を通過〉

〈イチイの樹が出現すると御陵は近い!〉

 

 

14:49〜15:02 比婆山(御陵)

  イチイの樹の間を抜けて御陵の領域に出て驚いた。一帯は濃いガスに包まれて視界いくばくもなく、稜線上の樹々の枝にはそれまでにはなかった氷が付着して霧氷の森のような状態であった。稜線の東の西城町(県民の森)側からの烈風に乗って濃いガスが吹き上がって来ており、それが樹々に当たってエビの尻尾を形成している様子であった。辺り一面にそのエビの尻尾の氷の結晶が落下しており、さながら氷の華が堆積した感じであった。ちょっと大きめの枝には、エビの尻尾が延びているのが目撃出来た。何と言う、面白くも荒れた世界であったろうか!これだから、荒れてもなお山の世界は面白すぎるというものだ。

  とは言え、荒れてガスに包まれた山頂に長居は無用と、記念撮影をして早々に下山の途に就くこととした。時間も遅く、稜線上は天候不芳であるので、新たなリスク要因は排除し、来た道を下ることとした。ただ帰りには、太鼓岩、命神社を回った。命神社の祠近くの大きなイチイの樹が雪の重みに傾いていたが、果たして蘇生なるであろうか、ちょっと心配である。

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈ガスに巻かれ雪に埋もれた御陵〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈完全にガスに巻かれた比婆山の稜線部〉

 

 

〈何とか掘り出されていた御陵の祠〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈イチイの葉に密着したエビの尻尾〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           〈西城町(県民の森)側から吹き上がる烈風に凍てついた山頂部の樹々〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈御陵のブナの樹の枝にも氷の華が!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈眼前で樹の枝に成長するエビの尻尾!!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          〈氷の華(エビの尻尾の結晶)が散り落ちた地面〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈エビの尻尾の結晶を掬い上げてみた〉

 

 

 

 

 

〈ガスに巻かれた山頂から早々に撤退!〉

〈太鼓岩〉

 

 

 

 

〈命神社の祠〉

〈「命神社」とは・・・・〉

 

 

15:28 飛越岩

  飛越岩からまた支尾根に乗って一気に下った。飛越岩辺りはまだ濃いガスに包まれていたが、数分下って行くとそのガスも晴れた。山頂近くには西城町側から吹き上がってきた濃いガスが稜線を乗り越えて流れ込んで来ているということであろう。それに反してこちら比和町側の平穏なこと。同じ山も東側と西側では大違いである。自然林から杉の植林帯に入ると、雪質は一変した。スノーシューに掛かる感じは、柔から剛に変わった。とはいえ、いずれもしっかりと締まった雪で、この日は気持ち良くスノーシューで歩くことが出来た。カンジキであれば、もっと楽であったかも知れない。

 

 

 

〈飛越岩辺りは相変わらず濃いガスの中〉

〈見事なブナの樹々の間を快調に下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                        〈下る程にガスが明ける〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈美しいブナの樹の林立する尾根!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈杉の植林地まで下り来た〉

 

 

〈よく締まった雪の斜面を下る〉

 

 

16:08 比婆山古道入口

  比婆山古道入口でスノーシューを脱いでから、除雪された車道を従順に辿って旧フドルフィンバレイスキー場まで下った。雪融け水で水嵩の増した渓流や、根開きした樹林帯の色合いなどを眺めていると、季節は移ろい春が直ぐそこまで来ていることが実感出来た。この辺りは、今季節の移ろいの中で最も美しい頃合を迎えているようにも思えた。

 

 

 

〈比婆山古道入口へ下山〉

〈除雪された道を歩く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈のびのびとした空間でした!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           〈春が近づいてくる瀬音が聞こえるようでした〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         〈芽吹きが近いことが感じられる樹林の色合い!〉

 

 

 

16:43 旧ドルフィンバレイスキー場入口

  元のドルフィンバレイスキー場の入口ゲートの周りが除雪車の基地や路線バスの転回場となっており綺麗に除雪されていた。この日はその一角にわが愛車を駐車させて頂いた。もとより平日・金曜日であり、かつ世間の常識では悪天の一日であったので、山中でお会いした登山者もなく、この駐車場に停められた車も我が車だけであったようだ。下山して見上げると、ガスの中に隠れていた御陵の辺りも夕方になって姿を現しそうな状態であった。

 

 

 

 

 

 

 

〈旧ドルフィンバレイスキー場の先に福田頭を望む〉

 

 

 

〔山行所感〕

   少々の悪天予報でも山に出掛けるとこんなこともあるという見本のような一日であった。結果からいえば、比婆山古道があったから登れたこの日の比婆山であった。多分、六ノ原(県民の森)に赴いていたならば、登山を諦めるか途中から引き返していただろうと思う。比婆山のブナの稜線を挟んで西側と東側は大違いの天気であった。比和町側から冬の比婆山に登るという体験は新鮮だった。多様な登山ルートがあるということは、その山で遊ぶ楽しさが増すということを改めて実感出来た山行であった。またこれからも比婆山古道を使わせてもらって比婆山に登ることになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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