アケボノツツジが満開寸前の山に登る 西赤石山(1,625.7m)

愛媛県新居浜市

2012年5月12日(土)   友人夫妻+チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                                 〈霧が晴れようとする西赤石山北面〉

 

 

 

法皇山脈の山稜を淡紅色に染めるアケボノツツジ。

昔から大好きなこの景観を今年は眺めに行きたいと願っていた。

一足早く西赤石山の兜岩に登った方の情報では同山北面の群落はこの週末が見頃ではとのこと。

ここは是非もなく出掛けなくてはと、この日早暁の出発の計画とした。

ふと漏らした情報に友人夫妻が反応し同道することとなり、旅は道連れの愉快な山行となった。

 

《山行記録》

東平臨時駐車場8:10・・・・8:21第3通洞・・・・8:23第3変電所・・・・8:51一本松8:54・・・・9:16西赤石山(兜岩)分岐9:17・・・・10:36兜岩11:38・・・・12:01西赤石山(1,625.7m)12:06・・・・12:54東山・・・・13:28銅山越13:36・・・・14:06銅山峰ヒュッテ14:09・・・・14:17上部鉄道跡分岐・・・・15:03第3通洞15:04・・・・15:16東平臨時駐車場

〔総所要時間:7時間06分、昼食・休憩等:1時間23分、正味所四時間:5時間43分、歩行距離:12.3q、累積標高差:±1,475m〕

 

 8:10 東平(とうなる)

  今までは旧別子銅山入口の日浦登山口から西赤石山へ登っていたが、今回は今や「東洋のマチュピチュ」として売り出し中の法皇山脈北側の東平から登ることとした。大正時代から昭和の初めまで別子銅山の採鉱本部が置かれたところで標高750メートルのところにある。国道11号線の東城交差点から県道47号線に入り、道の駅を併設した観光施設「別子マイントピア」前を通って河又からちょっと狭く車の離合が大変な導入路を走って辿り着いた。広い駐車場があるが、折からアケボノツツジの盛りとあって数多の登山者が押し掛けることから、奥まったところに登山者専用の臨時駐車場が用意されていた。我々も本来の駐車場でトイレを済ませてから、臨時駐車場へ車を回した。午前8時前というのに臨時駐車場はほぼ満杯に近い盛況であった。

  身支度を整えて山行開始。この日はここ東平から西赤石山北面のアケボノツツジの群生地を一望する兜岩への最短ルートを採ることにしていた。初めて歩くルートへの期待と緊張感の中での出発となった。駐車場を出ると檜林の中を巻くように「銅山峰、西赤石山」への良く整備された登山道が谷の奥へと延びていた。それを辿って10分も行くと第3通洞と第3変電所跡前の広場に出た。ここで谷は尽き、銅山越へ行く道と兜岩方面の一本松へ行く道が分れた。我々は後者の道を採った。煉瓦造りの第3変電所跡の建物脇から直ぐに急坂が始まり、そこからかつて山上で粗銅などを運ぶために設えられていた上部鉄道の路盤跡が残る一本松までの標高差約250メートルを一気に登った。

 

 

 

〈東平臨時駐車場〉

〈巻き道を第3通洞へ〉

 

 

 

 

〈第3通洞〉

〈第3変電所跡〉

 

 

 

 

〈急坂を登り行く〉

〈樹間に覗く稜線部は霧の中〉

 

 

 8:51〜8:54 一本松

  一本松からは暫く上部鉄道の路盤跡の平坦な道を歩くこととなった。V字谷の法皇山脈の急斜面に付けられた鉄道路盤の谷側は、それは見下すのも恐ろしい程に高い崖や石垣となっていた。その路盤跡を20分間余歩くと、兜岩から下ってきている尾根筋に行き着き、まだ先へと続く上部鉄道跡に別れを告げてその尾根筋を辿る登山道に入って行った。ここからも急坂が長々と続いた。樹林の中で、周りの眺望は殆ど得られなかったが、時折樹間から見える対面の斜面や頭上遙かな稜線部方面は濃いガスに包まれており、それを見るにつけ鬱とした気分となり、足取りも決して軽くはなかった。登るに従って、ガスの間に間にアケボノツツジの淡紅色の花が見えてくるようになった。時には頭上に満開の花が現れた。兜岩も近くなってきて、何とか瞬間でもガスが開けてくれないものかと思っていると、俄かに頭上から明るい光が射すようになった感じとなった。「これは晴れる予兆ではないか!」と思う間に、それまで周囲を覆っていたガスがドンドンと消えて行って、瞬く間に頭上に青空が現出してきた感じであった。

 

 

 

〈一本松の指導票〉

〈上部鉄道の路盤跡を暫し行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈今は朽ちた木橋の架かる七釜谷〉

 

 

 

〈路盤跡を支える高い石垣〉

 

 

 

 

〈かつては鉄道用の橋が架かっていた小さな渓流を渡る〉

〈上部鉄道跡を離れ兜岩への上りに掛かる〉

 

 

 

 

〈再び急坂が続く〉

〈路傍に落下したアケボノツツジの花弁〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈頭上を飾るアケボノツツジ〉

 

 

〈まだガスに巻かれたままの斜面〉

 

 

 

 

〈俄かにガスが晴れてきたようだ!〉

〈斜面のアケボノツツジも鮮明になってきた!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                        〈山頂付近までガスが晴れてきた西赤石山を仰ぐ〉

 

 

 

10:36〜11:38 兜岩

  我々が兜岩に着くと同時に劇的に晴れ渡ってきた感じであった。晴れるといかにも安定した天気で、もう天気の急変を心配する必要はないようであった。岩の上には大勢の登山者の姿があったが、何とか坐る場所を確保して少し早めのランチタイムにすることとした。満開に近いお目当てのアケボノツツジの群落を目の前にしての食事が不味い訳はなかった。劇的な天気の好転は、メンバーの中にお天気男(あるいはお天気女)がいる筈で、それは誰かなど話題も尽きなかった。居心地が良かったせいで、1時間が過ぎるのが実に早かった。心残りではあったが、西赤石山北尾根の足場の悪い急坂を登って山頂へと向かった。その山頂直下で残雪を見た。前日の寒波はここには雪を運んできたようであった。

 

 

 

〈兜岩から晴れた西赤石山を望む〉

〈兜岩の先に新居浜の街と瀬戸内海を遠望する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈アケボノツツジに彩られた西赤石山北面〉

 

 

 

 

 

〈満開まであと少々といったところか!〉

〈露岩とアケボノツツジのコントラストが美しい〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈アケボノツツジにも様々な色合いのものが・・・〉

 

 

 

〈新緑に囲まれたアケボノツツジ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈頭上で輝く満開のアケボノツツジ〉

 

 

 

〈兜岩を後に西赤石山へ向かう〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂直下残る雪〉

 

 

 

〈険しい西赤石山北面を登る〉

 

 

12:01〜12:06 西赤石山(1,625.7m)

  登り着いた西赤石山の山頂には兜岩の上以上に大勢の登山者の姿があった。縦走路脇でも沢山の人達が賑やかに昼食中であった。とても落ち着ける雰囲気ではなかったので、早々に銅山越に向けて下ることとした。この尾根道は今までに幾度も通ったところである。絶好の天気となったこの日も、山々や周辺の絶景と美しい花々を存分に楽しみながらこの天空の散歩道を下って行くことが出来た。

 

 

 

〈大勢の登山者で立錐の余地もない程の西赤石山々頂〉

〈東赤石山方面の眺望〉

 

 

 

 

〈遠く石鎚山、瓶ヶ森、笹ヶ峰を望む〉

〈これから行く銅山越に続く尾根〉

 

 

 

 

〈オオカメノキ〉

〈イシヅチザクラ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈尾根筋から西赤石山々頂を振り返る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           〈尾根上から南面の別子ダム方面を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈アケボノツツジ咲く尾根を銅山越へと下り行く〉

〈三姉妹揃って咲く!〉

 

 

 

 

〈オオタチツボスミレ〉

〈コヨウラクツツジ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                        〈ふと空を見上げれば!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                         〈大座礼山方面の絶景〉

 

 

 

 

 

〈ツルギミツバツツジ〉

〈シコクハタザオ〉

 

 

13:28〜13:36 銅山越

  かつて険しい山越えに力尽きた人も多かったという銅山越、今もそうした人達を弔う峰地蔵が安置されている。この峠周辺にはツガザクラの群生が見られる。花が咲くには早過ぎるかと思ったが、一輪、二輪と花を付けた少し気の早い株もあって楽しめた。銅山越と東平を結ぶ道は、北斜面を上り下りするメインルートであるだけに、峠からの下山道はしっかりとしていた。重厚な石畳の道は、如何にも歴史を感じさせてくれた。

 

 

 

〈銅山越・峰地蔵〉

〈銅山越から下ってきた西赤石山からの尾根筋を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈2輪だけ花をつけたツガザクラ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈歴史を感じさせる石畳の道〉

 

 

 

〈角石原へと下る木漏れ日の道〉

 

 

14:06〜14:09 銅山峰ヒュッテ

  銅山越から東平へ下る道筋は3つあるようである。今回は初陣でもあり、やはりメインルートを辿るのが適切であろうと、「柳谷コース」を採ることとした。他の「馬の背コース」と「喜三谷コース」は銅山峰ヒュッテの建つ角石原の端で別方向へ分岐していた。この山域のオアシスのような銅山峰ヒュッテは、老女将が情熱を持って護っておられると聞く通りで、実にきれいに整頓された佇まいであった。ヒュッテ前の広場でひと休憩してから、第1通洞前を通り、シコクカッコソウ咲く沢筋の先で上部鉄道跡を見送ってから、谷間にジグザグを幾度も切る道を東平へと下って行った。ここもV字谷の最も険しいところで、如何にも四国の山を歩いているということを実感させてくれる道であった。

 

 

 

〈角石原にある銅山峰ヒュッテ〉

〈ここにもシコクカッコソウが咲いていた〉

 

 

 

 

〈上部鉄道跡を後に下山路へ〉

〈苔生す石垣下の登山道を下り行く〉

 

 

 

 

〈山名が由来するという蛇紋岩の赤褐色の露岩下を行く〉

〈ここにも古い石畳の道が続く〉

 

 

15:16 東平

  長い下り道も朝方に立ち寄った第3通洞の北口前に出ればお仕舞いとなり、後は駐車場まで巻き道を10分程辿るだけであった。臨時駐車場は、山を下った車で歯が抜けたような空きスペースも目立ったが、まだまだ半分近い車が残っていたようだった。朝のうちは、山上はガスに包まれてここから稜線部は望めなかったが、好天となった午後は、見事に淡紅色に染まった法皇山脈の主峰とその周辺の稜線部を仰ぎ見ることが出来た。ここ東平は近代産業史に壮大なドラマを展開した中心舞台であるが、一大スペクタクルとも言える眺望の中心地でもあるようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道から臨時駐車場を望む〉

 

 

 

〈第3通洞まで下ってきた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                           〈東平から淡紅色に染まる稜線部を見上げる〉

 

 

 

〔山行所感〕

  目的のアケボノツツジは直前の寒波のせいで満開とはならず、満開寸前と言ったところではあったが、十分に満足出来るレベルであった。やはりアケボノツツジの花は、何か温かみがあり、また妖艶でもあり、毎年でも逢いに来たい花である。それと共に、ここ西赤石山は別子銅山の歴史を反芻しながらの山行となるのも面白い。東平は、南面の旧別子に比べて歴史が浅いことから、産業史跡としての規模が大きく、訪れた人を気宇壮大な気持ちにもさせくれるところであると言える。自然からも産業歴史からも壮大な気を頂けるというのは誠に贅沢なこととも思える。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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