初夏の花を求めて 恐羅漢山(1,346.4m)・旧羅漢山(1,334m)

広島県山県郡安芸太田町・島根県益田市匹見町

2012年6月18日(日)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

          〈6月6日にご逝去された三笠宮寛仁親王殿下も登られた旧羅漢山々頂〉

 

 

 

手元にある自作の県北花暦ではサラサドウダンの盛りの終盤、オオヤマレンゲの開花する頃である。

今年のサラサドウダンは極めて不作と聞き気になっていた。

やはりこの時期は恐羅漢山の山域を歩かないではいられない。

前日は梅雨の休みの好天であったようだが、この日も曇天ながら午後の半ばから夕刻までは雨の心配はなさそうであった。

雨が降り出すまでに下山すべく、出勤する世間の皆さまに混じって山陽道に乗り牛小屋高原へと向かった。

 

《山行記録》

牛小屋高原9:59・・・・11:02主稜線出合(立山尾根分岐)・・・・11:10恐羅漢山(1,346.4m)・・・・11:30平太小屋原・・・・11:47旧羅漢山(1,334m)12:51・・・・12:59平太小屋原・・・・13:19恐羅漢山(1,346.4m)13:22・・・・13:28立山尾根分岐・・・・13:39かやばたのキビレ・・・・13:47かやばたゲレンデ最上部・・・・14:03雨具準備14:05・・・・14:18かやばたゲレンデ下・・・・14:21牛小屋高原

〔総所要時間:4時間22分、昼食・休憩等:1時間09分、正味所要時間:3時間13分、歩行距離:55q、累積標高差:±523m〕

 

 9:59 牛小屋高原

   午前10時前の牛小屋高原の登山者用駐車場は梅雨期の平日にも拘わらず5台の先客があった。細い雨がポツリポツリと落ちてくる天気であったが、登山支度を整えて我々も出発することとした。雨との競争であるので最短の立山尾根ルートを採った。広島山岳会、広島大学の小屋の前を過ぎるとスキー場のゲレンデの中に入った。ゲレンデはコウゾリナとニガナの花の群生で真っ黄色であった。立山ゲレンデに出ると斜度が増した。極力ゲレンデ横に築かれている階段道の登山道を歩くように気を付けた。テレビアンテナの立つ立山ゲレンデのトップを過ぎると斜度は弱まるが、登山道は直ぐに左折して樹林帯に入って尾根筋の下を巻くようにして恐羅漢山山頂直下の主稜線との出合点を目指した。

 

 

 

〈牛小屋高原の登山口〉

〈ナルコユリ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈スキー場のゲレンデを登る〉

 

 

〈コウゾリナとニガナの黄に彩られて〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈コアジサイ〉

 

 

〈ヤグルマソウ〉

 

 

 

 

〈立山尾根分岐で主稜線に乗る〉

〈エンレイソウ()

 

 

11:10 恐羅漢山(1,346.4m)

   恐羅漢山の山頂は無人であった。牛小屋高原の駐車場の様子では、数組が先行している筈なので、皆さんここに留まらず旧羅漢山を目指されているようであった。我々も恐羅漢山上での休憩はなしにして、旧羅漢山に向かった。鞍部の湿原(平太小屋原)を越えて旧羅漢山まで30分程の旅程である。この間は例年であれば、サラサドウダンが鈴なりの状態で登山者を迎えてくれるのであるが、今年はその姿がないと聞いていた。この日の山行の目的の一つは、残念ではあるのだがその事実を確認することであった。聞いていた通りに、旧羅漢山までの間に数多あるサラサドウダンの樹に花を認めることが出来なかった。嘘のような世界であった。花の代わりに、樹にはしっかりとした新芽が育っていた。何ということなのだろうか・・・・!今冬の雪が春半ばまで残っていたのが影響しているのであろうか・・・・?あまりもの惨状に、かなり力を落として旧羅漢山に辿り着いた。

 

 

 

〈恐羅漢山々頂〉

〈十方山の稜線を望む〉

 

 

 

 

〈ギンリョウソウ〉

〈タンナサワフタギ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈花が全くついていないドウダンツツジ〉

 

 

 

 

 

〈平太小屋原〉

〈モリアオガエルの卵〉

 

 

 

 

〈バイケイソウ(蕾)〉

〈クルマムグラ〉

 

 

11:47〜12:51 旧羅漢山(1,334m)

   やはり旧羅漢山の山頂には多くの登山者の姿があった。我々と入れ替わるように5人のグループが恐羅漢山へと引き返し、次いで夫婦連れがそれに続いた。頂上の大岩の前の広場では別の5人のグループが昼食を摂っておられた。そこに我々は到着したので、その足で一気に山頂大岩の裏側の露岩の上に登って、その傍らの茂みにあるオオヤマレンゲにご対面した。まだ早いかとも思っていたが、全体で10個ほどの花が開き、蕾も沢山ついていた。今年のオオヤマレンゲは豊作のようであった。ゆっくりとそれらの花の観察をしていると、山頂広場で昼食を摂っていたグループも岩の上に上って来られたので、メインポジションを譲ることとした。ここのオオヤマレンゲの樹は年々よく育ち、今や立派な樹になっていた。危うい足元の下の岩塊の周りの樹林の中にもオオヤマレンゲの蕾が見えた。

  オオヤマレンゲの観察を終えてから、我々も山頂広場でランチタイムとした。そこで朝方牛小屋高原の駐車場で会った青年に再会した。食事を終えて下山開始という頃に、10人の女性を中心にした学生グループが賑やかに上って来た。賑わう旧羅漢山を後に恐羅漢山へ引き返す途中で、もう一度サラサドウダンの花を捜してみると、何とか一房の花を見付けることが出来たが、花はほぼぼ皆無という状況は変わらなかった。

 

 

 

〈旧羅漢山々頂の大岩〉

〈山頂から広見山、〉

 

 

 

 

〈旧羅漢山に咲くオオヤマレンゲ〉

〈蕾も美しい〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                              〈これは天女と言うより、森の熊さんか!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                〈天女の舞〉

 

 

 

 

 

〈やっと見付けた一房のサラサドウダン〉

〈コバノフユイチゴ〉

 

 

13:19〜13:22 恐羅漢山(1,346.4m)

   恐羅漢山に戻ったが、やはり無人の山頂であった。広島、島根両県の最高峰に敬意を表すため暫し停滞し岩の上に立って眺望を楽しんだ。雨が近付いており漠とした空気であったが、臥龍山や深入山などまでの眺望を楽しむことが出来た。まだ直ぐに雨になると言う兆候がなかったので、登って来た立山尾根を下る単調さを避けるためにも夏焼のキビレを経由して下山することとした。深い雪で壊された立山尾根分岐の道標が放置されているのを横目に見て夏焼のキビレへの主稜線上の登山道を採った。ついこの間まで雪に圧せられていた周りの低木類は全て完全に立ち上がっておらず、まだいつもより背が低い感じであった。

 

 

 

 

 

 

 

                   〈恐羅漢山々頂から砥石郷山、聖山、高岳、臥龍山を望む〉

 

 

 

 

 

〈ハスノハイチゴ〉

〈夏焼のキビレへの道を採る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈夏焼のキビレへの尾根道を下る〉

 

 

〈マムシグサ〉

 

 

13:39 かやばたのキビレ

   立山尾根分岐から10分程下ったところで緑色の見慣れない道標に遭遇した。「かやばたのキビレ」と記されており、主稜線から右に外れると「かやばたゲレンデ」に行けると案内してあった。その案内通りに、右へ樹林の中に切り開かれた道筋が延びていた。このところ台所原を経由するばかりで、この主稜線上の夏山登山道を通ることがなかったので、いつこの道標が立てられて道が開かれたのか分らないが、初めて見て知る光景であった。道筋の刈り払い状況を見るに、つい最近の作業の跡のようにも見えた。「新ルートの出現か?」と思い、辿ってみることとした。下り一方の広い切り開きの道が続き、10分間も経たないうちにかやばたゲレンデの最上部の法面の上に出た。法面の縁を回ってゲレンデに下りてみたが、そこから先には道筋とか踏み跡らしきものはなく、長く急な上級者向けのかやばたゲレンデの中を下るしかなかった。ゲレンデを覆う草は短く、急傾斜地も滑ることはなく、そこを下るのはそんなに難儀なことではなかった。20分間程のゲレンデ下りであったが、中程で雨が本格的に降り始めてしまったので、傘を差して下った。

 

 

 

〈「かやばたのキビレ」の道標に初見〉

〈刈り払われたばかりの道が延びる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈綺麗に刈られた路面〉

 

 

 

〈コケイラン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈かやばたゲレンデの最上部に出る〉

 

 

〈かやばたゲレンデを俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                              〈ゲレンデトップから牛小屋谷を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

〈短い草に覆われたゲレンデを下る〉

〈ゲレンデから望む夏焼けの丘、聖山、砥石郷山〉

 

 

 

 

〈ゲレンデの中途で本格的な雨となった〉

〈かやばたゲレンデを下から仰ぎ見る〉

 

 

14:21 牛小屋高原

   予期せぬ「新ルート?」を通ることが出来たので、早めに牛小屋高原に下山出来た。雨に降られる時間も20分程に短縮出来た。レストハウスにあるエコロジーキャンプ場の事務所で「新ルート?」の情報を戴こうと思ったが、キャンプ場内での作業中のようで事務所は無人であったのは残念であった。(いつか情報が出てくるのを自然体で待つことにしよう。)

 

 

 

〈牛小屋高原の登山口に下った〉

〈雨の草叢に咲くササユリ〉

 

 

〔山行所感〕

   本来であればサラサドウダンの鑑賞がメインとなる時期であるが、今年は上述のように特異なこととなっていた。天候不順が原因ではと推察するが、自然界にはこんなこともあるということを知るのも貴重なものだ。反面、旧羅漢山のオオヤマレンゲが立派に成長しているのは喜ばしいことである。訪れる登山者の急増ぶりには驚かされはしたが。「かやばたのキビレ」の道標にも驚いた。「西中国山地」(桑原良敏著)にも記されていない地名である。そしてそれに従って樹林の中に延びる道筋。何の目的で開かれたものかまだよく分からない。自然体で情報が出てくるのを待つことにしよう。かように、色々と刺激に富んだ山行となった次第。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

〔BACK〕

〔HOME〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ads by TOK2