内尾谷ルートから登るオオヤマレンゲ咲く出雲の険山 猿政山(1,267.7m)

島根県仁多郡奥出雲町・広島県庄原市高野町

2012年6月23日(土)    7人の仲間たち+チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                                 〈猿政山々頂のオオヤマレンゲ(蕾)〉

 

 

 

前週末に恐羅漢山へサラサドウダンの確認に行き、旧羅漢山でオオヤマレンゲの花に会ってきたが、

この日はネット繋がりの仲間達と猿政山にオオヤマレンゲを訪ねる約束をしていた。

3年前に広島県側の毛無俵原林道からのお手軽コースを登ったので、

今回は世間の猿政山のイメージ通りの難路を辿る島根県側の内尾谷ルートを採ることとした。

さて、難路を如何に克服することが出来たか・・・?、また目的のオオヤマゲンゲの花は如何に?

 

《山行記録》

内尾谷民家前9:35・・・・9:54林道車止め・・・・10:54「みとの恵泉」11:02・・・・11:10林道終点11:13・・・・11:21県境尾根出合11:23・・・・11:35鞍部・・・・12:11頂稜線上・・・・12:21猿政山(,267.7m)(オオヤマレンゲ見物、昼食)13:22・・・・13:30頂稜線からの下降点・・・・14:01鞍部・・・・14:11県境尾根からの下降点14:13・・・・14:20林道終点14:27・・・・14:33「みとの恵泉」14:36・・・・15:14林道車止め・・・・15:27内尾谷民家前

〔総所要時間:5時間52分、昼食・休憩等:1時間26分、正味所要時間:4時間26分、歩行距離:10.3q、累積標高差:±1,139m

 

 9:35 内尾谷民家〈廃屋〉前

   この日の参加者は、「きままな山登り」ご夫妻、「のほほん日和」ご夫妻、「山で乾杯! 我ら中年初級登山隊」の山本隊長、仁王さん夫妻に我が夫婦の9名であった。内尾谷の登山口への林道が荒れており、また駐車スペースの確保が難しいことから国道432号線沿いの「たたら角炉伝承館」に集合し、そこから2台の車に乗り合って内尾谷へと入った。内尾谷に入るのは5年振りであったが、林道は格段に荒れており車側を雑草が擦るのは当たり前で、車高の低いわが車などはお腹を酷く擦らないかハラハラドキドキで同乗しているメンバーまで肩に力が入ってしまう有様であった。そんな状況ゆえ、谷の最奥の民家に辿り着くまで気力が続かず、少し手前の廃屋の前の空地に2台の車を停めさせてもらうこととした。国道432号線からの分岐から、ちょうど3キロメートルの地点であった。

 

 

 

〈内尾谷の廃屋前の空地に駐車〉

〈雑草の茂る林道を歩く〉

 

 

   猿政山内尾谷ルートは、先ずは長い林道歩きを強いられる。廃屋前で登山支度を整えてから雑草の茂る林道を谷の奥に向けて出発した。直ぐに最奥の民家(今は無人)前を過ぎて、樹林の中へと入って行った。路傍には早速に初夏の花々が姿を現した。

 

 

 

〈ウツボグサ〉

〈キツリフネソウ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈熊の生息域にオジャマします〉

 

 

〈ミズタビラコ〉

 

 

 9:54 林道車止め

   廃屋前から20分ほどで車止め地点を通過した。悪路をここまで上がって来ている島根ナンバーのセダンが1台あったのには驚いた。この先の内尾谷の森林は王子製紙の社有林との立て看板も見られた。林道は暫しそのまま谷奥へ進み、谷の渓流を渡渉した先で左に大きく曲折して右岸上の尾根の裏側に一度回り込み、今度は右岸の傾斜面の高みへと回り戻してから深い谷の奥へ奥へと向かっていた。この長い上りの道のりを我々は従順に辿って行った。お喋りや続々と現れる花々の撮影などでゆっくりとしたペースではあったが、1時間も林道を歩けばその単調さに退屈を感じるようになった。そんな時に現れた「みとの恵泉」の岩清水は癒しのポイントであった。ここで大休憩を取った。

 

 

 

〈林道の車止め〉

〈この谷間の森の所有者は製紙会社〉

 

 

 

 

〈アカショウマ〉

〈コナスビ〉

 

 

 

 

〈沢を渡る〉

〈ヒヨドリバナ(蕾)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈内尾谷の先の山並みに大万木山が覗く〉

 

 

 

 

 

〈ササユリ〉

〈ヤマアジサイ〉

 

 

 

 

〈コアジサイ〉

〈コアジサイ(白)〉

 

 

 

 

〈タニウツギ〉

〈ウツギ〉

 

 

 

 

〈ミゾホウズキ〉

〈ミヤマキケマン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                       〈内尾谷の先には吉田毛無山、鯛ノ巣山が望まれる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈林道脇に湧く石清水「みとの恵泉」〉

 

 

 

 

 

〈ニガナ〉

〈ツクシガシワ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                       〈林道から仰ぐ猿政山は近くに見えるのだが・・・・!〉

 

 

 

11:10 林道終点

   廃屋から1時間半余りで林道終点に到達した。GPSによれば3.7キロメートルほどの道のりであった。林道が途切れた先に猿政山の頂きが間近に眺められるが、この山はここからが本格的な勝負となる。終点部の左手の斜面の樹間に踏み跡が続いており、そこに踏み込んだ。暫しガレ場を上って行くと、厳しい斜度の直登ルートとなり、樹の枝などに掴まりながら登って行った。幸いなることに、ここではそれは長くは続かず、10分弱の登りで県境尾根に乗ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林道終点の左側の山裾から踏み跡が延びる〉

 

 

 

〈林道の終点〉

 

 

11:21〜11:23 県境尾根出合

   島根と広島の県境の尾根に乗ると暫し見事なブナ林の中の尾根道を辿ることとなった。緑溢れる癒しの空間であった。標高1,077メートルのピークもブナの森の最中であった。そのピークを越えて鞍部へと下った。鞍部に下ると目の前に樹林に包まれた上りの斜面が立ちあがっていた。猿政山内尾谷ルートの核心部に入った。ここからのクロボクの急坂は、「懸崖」と呼んでもよいほどの険しさであった。降り続いていた雨に、懸崖のクロボクの土が脆くも崩れて一層滑り易い状況になっているのではないかと危惧していたが、前日が驚かんばかりの好天になったこともあってか、足場も確実に確保出来て登り易い状況であった。お陰でこの「懸崖」をメンバー全員、40分間弱で登り切ることが出来た。頂稜線上に出ると、猿政山の山頂は至近の距離であった。尾根筋に被さった笹を掻き分けながら山頂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

                           〈県境尾根に上ると暫しブナの美林の中を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈滑り易い懸崖を懸命に登る〉

 

 

 

〈頂稜部直下の懸崖が始まる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                 〈懸崖の中途の樹間から黒石山、吾妻山、比婆山連山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈頂稜部に上り笹を分けて山頂へ急ぐ〉

 

 

 

〈険しい樹間の急登が続く〉

 

 

12:21〜13:22 猿政山(1,267.7m)

   山頂部に行く迄の間にすれ違った方々から、山頂部は満員で坐る余地もないと聞いていた。だが我々が到着するのと交替で10数名のグループが下山して行かれたので、幸いなことに我々の坐る空間を確保することが出来た。ザックを山頂広場にデポして、先ずはこの日の目的のオオヤマレンゲの花を見に行くこととした。山頂広場から大毛無山の方向に暫し下った所にオオヤマレンゲの樹はある。だが、そこに行って、直ぐに例年とは異なる雰囲気に気付いた。オオヤマレンゲの叢林がまだ寝た状態で十分な高さを保持していないようで、今一つ精彩がなかった。その樹々に着いた花は余りにも小さく数も極めて少なかった。完璧なまでに不作であることが一目瞭然であった。ここも長く春まで雪が残った今冬の影響なのであろうか。残念ではあったが仕方がない。心晴れ晴れとはいかないまま山頂広場に引き返しランチタイムとした。また皆さんから沢山の差し入れを頂いた。

 

 

 

〈猿政山の山頂標識〉

〈一等三角点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                      〈不作の年ながら可憐に咲く小さな天女の姿もあった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈小さな蕾ながらも、美しく咲いて欲しいもの〉

 

 

 

 

 

〈傷つきやや老いたオオヤマレンゲ〉

〈傷ついてもこれから花開こうとする蕾〉

 

 

 

 

〈葉陰で健気に咲く一輪〉

〈まだ固い蕾、あと数日後には開花か!〉

 

 

13:30 頂稜線からの下降点

   オオヤマレンゲの花の観察時間を含めて山頂で1時間過ごした。その間にも幾組かの人達が登って来られた。下山は来た道のピストンであった。今度は、「懸崖」を下った。登りは楽であったが、下りはクロボクの土が滑りもしないのに、これまでに経験をしたこともない位に大変であった。5年間に道筋が変わったのであろうか。直登の距離が長くなったようにも感じたが・・・・?深い森の樹々も成長したのであろう、黒石山や吾妻・比婆山連峰の眺望も完全には開いていなかった。滑り落ちる人、尻餅をつく人も出たが、何とか全員無事に「懸崖」を下ることが出来た。急坂が終わると、今度はユートピアのような県境尾根の漫歩。その後には、暫しの辛抱の林道終点へのガレ場の下りが待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈テープが巻かれた所が懸崖への下降点〉

 

 

 

〈頂稜上のブナ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                〈深い森に落ち込むような懸崖を下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やれやれ!大分斜度が緩くなってきた・・・〉

 

 

 

〈時にはロープの力を借りて〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 〈樹間から比婆山の連山を遠望する〉

 

 

 

 

 

〈ナルコユリ〉

〈ヤブデマリ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈県境尾根のブナ美林の中を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈薮に埋まった林道毛無俵原線へ下る道〉

〈県境尾根から内尾谷へ下る〉

 

 

14:20〜14:27 林道終点

   林道終点に下るとヤレヤレであった。ここで大休止。あとは単調ながらも林道歩きが残っているだけであった。それぞれこの日の旅程を反芻したり、次の山行の計画を練ったりの時間であったのであろうか。「みとの恵泉」でも小休止し、水の補充も行った。下り行く程に、空を覆う雲が厚くなってきたようで、樹林の中に入ると薄暗くさえ感じられた。この山域は雨にならなかったが、大貫峠方面では雨が降ったようであった。

 

 

 

〈林道終点部に出る〉

〈猿政山を振り返る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                          〈内尾谷の深い谷間〉

 

 

 

 

 

〈ササユリの慰められて〉

〈内尾谷の最奥に聳える猿政山〉

 

 

 

 

〈渡渉点に戻って来た〉

〈内尾谷最奥の畑地越しに鯛ノ巣山を仰ぐ〉

 

 

15:27 内尾谷民家〈廃屋〉前

   林道終点からちょうど1時間で車を停めた内尾谷の廃屋前に全員無事に帰着した。再び2台の車に乗り合わせて「たたら角炉伝承館」へ引き返し、そこで解散となった。皆さん、大変お疲れ様でした。また、お世話になりました。またのご一緒出来る機会を楽しみにしています。

 

 

 

〈内尾谷の集落はもう直ぐ〉

〈無事に駐車地点まで下山〉

 

 

 

 

〈廃屋は荒れるばかり〉

〈人が住んでいた名残のニシキウツギ〉

 

 

〔山行所感〕

   5年振りの内尾谷ルートでの猿政山であった。この間に、内尾谷の人が住む家は1軒だけになっているようであった。週末等に主が来る家も少ないようだ。廃屋の荒廃は顕著に進んでいた。そんなことから、内尾谷に入る林道の整備状況は一段と悪化していた。車高の低い車は、せいぜい可部屋集成館の直ぐ先から暫くの間の空地に駐車するのが適切であろう。林道歩きが長くなることを厭わなければ、車を停めるところはかなりある。頂稜直下の懸崖は猿政山のトレードマークでもあるが、ここの、特に下りの迫力はまた忘れ難いものになった。今回は、クロボクが泥濘んでいない中での苦労であったが、これが泥濘むと果してどんな怖いことになるのであろうか。猿政山の要危機管理箇所であると共に魅力醸成箇所でもある。今年は大凶作であったオオヤマレンゲの花には、来年には蘇ってもらって、労苦を重ねて登り来る登山者をより労ってもらいたいものである。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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