梅雨晩期の束の間の好天に芸北の山野を歩く 八幡湿原(尾崎湿原・霧ヶ谷湿原)・深入山(1,153.0m)

広島県山県郡北広島町・安芸太田町

2012年7月15日(日)    門久単独

 

 

 

 

 

 

                                〈芸北の湿原ではハンカイソウが満開〉

 

 

 

九州北部に災禍をもたらした梅雨前線が北上して、広島県北部は思いもしなかった晴天となった。

これは一時的なもので、まだ梅雨明けとはいかないようだ。

昼前に芸北に車を走らせて、盛夏を迎える前の尾崎湿原、霧ヶ谷湿原を訪ね、最後に深入山に登った。

初夏の花々の花期が終わって、花が少なくなっていたのには一抹の寂しさを感じたが、

山は如何にも盛夏を迎える準備を整えている感じでもあった。

 

◇◆◇ 尾崎湿原 ◇◆◇

《山行記録》

 八幡湿原駐車場(25)11:33・・・・11:44尾崎沼土手・・・・11:58最奥の湿地12:09・・・・12:11北西湿地12:24・・・・12:34西側小湿地12:44・・・・12:50尾崎沼土手・・・・13:10八幡湿原駐車場

〔総所要時間:1時間37分、休憩等:0時間34分、正味所要時間:1時間03分、歩行距離:2.2q、累計標高差:±39m 

 

11:33 駐車場

   家を出る時には霧に包まれた広島市内であったが、芸北に入ると晴れて来た。久し振りに見る青空であった。先ずは尾崎湿原を訪ねた。どんな花に出会えるかがいつもながらに楽しみな湿原である。熊鈴を鳴らながら入山した。尾崎沼に至るまでの間の管理道路脇から早速にビッチュウフウロ、クサレダマ、ミズチドリなどの花々が観察出来た。

 

 

 

〈尾崎湿原入口〉

〈ビッチュウフウロ〉

 

 

 

 

〈クサレダマ〉

〈ウツボグサ〉

 

 

11:44 尾崎沼土手

   尾崎沼の土手に立ってから、左回りで池を周回することとした。雨上がりの周回路は蒸し暑かった。久し振りに陽光に照らされて気温の上った路傍には歓迎せざる毒を持った長いものの姿も見られて警戒モードとなったが、沿道にはハンカイソウやコバギボウシの花が賑々しく咲いており、いよいよ夏の到来を思わせた。

 

 

 

〈尾崎沼〉

〈バイケイソウ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈周回路にハンカイソウが現れる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈コバギボウシ〉

 

 

11:58〜12:09 最奥の湿地

   尾崎沼の一番奥まったところに大きな湿地があり、そこを木道で通過する。ここには、その時節の湿地を代表する花々が咲いていることが多いが、この日のそれはハンカイソウであった。人は踏み込めない湿地の奥まで黄色の花の群れが広がっていた。その周りにはチダケサシ、ハナショウブ、コバギボウシの花などが見られた。沼の西側に回り込むとそこにも広々とした明るい湿地が広がっていた。そこもハンカイソウの楽園で、草原の奥まで黄色の世界が続いていた。ユウスゲとミズチドリの花も多く、見事な花園であった。そこでゆっくりとした後、花々の姿を追いながら沼の右岸の路を辿った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈湿原を黄色に染めるハンカイソウ〉

 

 

〈チダケサシ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈湿地はハンカイソウ王国といった風情〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ユウスゲ(キスゲ)〉

 

 

〈咲き始めたミズチドリ〉

 

 

 

 

〈ノリウツギ〉

〈ササユリ〉

 

 

 

 

〈ヒヨドリグサ〉

〈ハナショウブ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈花開いたミズチドリ〉

 

 

12:50 尾崎沼土手

   湿地の花々の観察に潤沢に時間をかけてから尾崎沼の土手に戻った。池面には上空の青空が写ってきれいであった。回れ右をすれば、土手下の湿地も夏の緑色をして美しかった。左岸近くの土手まで進むと、新たに来られた一眼レフカメラを掛けた方から、「カキランはどこにありますか?」と聞かれた。少し前の湿地でも、後を追って来られた方から「ササユリを目的に来たのですがないですね、何処かでご覧になられませんでしたか?」と訊ねられた。特定の花々を目的にして来られている方々も多いようだ。湿地に咲く蜜を求める蝶が集ったオカトラノオを眺めながら駐車場へと急いだ。

 

 

 

〈尾崎沼〉

〈沼の岸辺〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                             〈土手下の湿地〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈オカトラノオに止るツマグロヒョウモン

 

 

 

13:10 駐車場

   想定外に長い1時間半余りの時間を掛けて駐車場に戻ってきた。農園の小屋が建つ駐車場には4台の車が停められていた。一台、二台と間断なく訪れる車が続いているようであった。この後、霧ヶ谷湿原にも寄り、深入山へも登りたかったので、駐車場で急いで昼食を摂ってから先を急ぐこととした。

 

 

 

〈カタバミ〉

〈駐車場に帰着〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

◇◆◇ 霧ヶ谷湿原 ◇◆◇

《山行記録》

霧ヶ谷湿原入口13:29・・・・13:35親水スペース・・・・13:51車道出合・・・・14:05霧ヶ谷湿原入口

〔総所要時間:0時間36分、歩行距離:1.1q、累積標高差:±29m

 

13:29 霧ヶ谷湿原入口

  霧ヶ谷湿原は 尾崎湿原から車で走っても10分もかからない至近距離にあります。牧草地として開発されていた土地を10年足らず前から元の湿原に回復させる事業が進められており、今では随分と湿原も回復しているようで、湿原内に敷設されている木道を歩いてみればつぶさにその回復ぶりが観察出来る。「高原の自然館」に近い湿原の南側の入口から入ると直ぐにユウスゲやヒヨドリグサが出迎えてくれた。湿地の植物を観察しながらよく整備された木道を辿り湿原の奥へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧ヶ谷湿原観察路入口〉

 

 

〈湿原に木道が延びる〉

 

 

 

 

〈ユウスゲ(キスゲ)〉

〈ヒヨドリグサ〉

 

 

 

 

〈ハナショウブ〉

〈ノリウツギ〉

 

 

13:35 親水スペース

   木道がカギ型に右に曲がったその先に木立のある広場があった。 そこには水路が通っており親水広場と言ったところで、家族連れが水遊びに興じていた。広場の隅には湿原再生事業の説明板が掲げられていた。広場で木道は再び進行方向を北へと変えて湿原の中核部へと導いてくれた。ミヤコグサ、コバギボウシが木道や池塘に沿って咲き、クサレダマが淡い黄色の群生をなしていた。 ヒメジオンは湿原の一角を真っ白に染めていた。そんな再生しつつある湿原を抜けて行くと、二川(ふたごう)から来る車道に出た。

 

 

 

〈家族連れの姿が見えた親水スペース〉

〈湿地再生の説明板〉

 

 

 

 

〈ミヤコグサ〉

〈クサレダマ〉

 

 

 

 

〈コバギボウシ〉

〈ヒメジオン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                        〈湿地から掛頭山を望む〉

 

 

 

13:51 車道出合

   車道に出ると、今でも霧ヶ谷湿原がまだ牧場の跡地であった頃のイメージが蘇ってきた。その頃は直線の車道の西側の草原に咲く花々に注目して歩くのが常であった。その頃からそこはハンカイソウの群生があり、多くの蝶や蜂達がその蜜を求めて集うていた。この日もそれは同じで、東側の湿原側にはまだハンカイソウの群生はあまり発達していないものの、西側には往年の通りに群生が輝くように咲いていた。そんな車道の沿道の景色を楽しみながら車を停めていた霧ヶ谷湿原の南側入口に向けて歩いて行った。

 

 

 

〈車道沿いにハンカイソウが咲く〉

〈ゲンノショウコ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈オカトラノオ〉

 

 

〈夏色を呈する霧ヶ谷湿原〉

 

 

14:05 霧ヶ谷湿原入口

   40分足らずの時間をかけ、距離にして1キロメートル余りの霧ヶ谷湿原の木道散策を楽しんで車を停めていた南側の空地に戻った。ゆっくりと時間をかけて霧ヶ谷湿原を歩いたのは初めてであったが、随分と湿原らしくなってきている感じであった。これからもこの空間の変化を見て行きたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

◇◆◇ 深入山(1,153.0m) ◇◆◇

《山行記録》

深入山グリーンシャワー駐車場14:27・・・・14:29南登山口・・・・15:17大岩の上・・・・15:20百畳岩15:22・・・・15:26東・南登山道合流点・・・・15:36深入山(1,153.0m)15:40・・・・15:48 九合目東屋15:49・・・・15:53八畳岩15:54・・・・16:00見晴らし岩16:11・・・・16:14休憩16:23・・・・16:33水場・・・・16:37西登山道分岐・・・・16:57西登山口方面巻き道分岐・・・・17:02大谷分岐・・・・17:08南登山口・・・・17:10深入山グリーンシャワー駐車場 (12,201)

〔総所要時間:2時間43分、休憩等:0時間28分、正味所要時間:2時間15分、歩行距離:4.3q、累積標高差:±422m

 

14:27 深入山グリーンシャワー駐車場

   霧ヶ谷湿原から車を走らせること15分程で深入山南登山口のグリーンシャワー駐車場に着いた。午後2時を回り、登山には遅い時間であったが、この日の山行の総仕上げに登ることとした。駐車場には疎らであったがかなりの車が停められていた。その多くはグランドで競技をしている人達のものと思われたが、登山者のものも幾分はあるものと思われた。急峻な南登山道を採って登り始めた。ちょうど笹が刈り払われた直後で、切り取られた笹が敷かれた登山道であった。初夏の花々の花期が終わって登山道を飾る花は少なかった。オカトラノオが少しと、咲き始めたオオバギボウシが少々見える程度であった。ただもう花期を終えているものばかり思っていたササユリが、登山道の両脇の草原の中に健在で、まだ沢山咲いていたのには驚いた。ササユリの多い登山道中程でお会いした下山中のご夫妻からは、毎年沢山咲いているカキランの株を今年は一つも見ることが出来なかったというお話をお聞きした。

 

 

 

〈深入山グリーンシャワー駐車場〉

〈南登山口〉

 

 

 

 

〈南尾根登山道〉

〈オカトラノオ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                      〈霧に隠れる恐羅漢山遠望〉

 

 

 

 

 

〈ササユリはまだ健在〉

〈咲き始めたオオバギボウシ〉

 

 

 

 

〈百畳岩下の大岩〉

〈大岩から南尾根登山道を俯瞰する〉

 

 

15:20〜15:22 百畳岩

   何か草原の中に登山道沿いでは見られない花々でもないかと、草叢の中に入って大岩を経て百畳岩の小小ピークに上ってみた。周囲にはオオバギボウシの蕾が沢山見えた他には目新しい花を見付けることは出来なかった。百畳岩を後にすると直ぐに東登山道が合流し、三差路の道標を後に山頂への急な登山道を辿って行った。道中にはユウスゲやササユリが可憐に咲いていた。

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈百畳岩から深入山々頂を仰ぐ〉

 

 

 

 

 

〈山頂直下の東・南登山道の合流点〉

〈ユウスゲ(キスゲ)

 

 

 

 

 

 

 

 

                                〈山頂直下の草叢にもササユリが咲く〉

 

 

 

15:36〜15:40 深入山(1,153.0m)

   午後3時半を過ぎた山頂は無人であった。天気はやや下り坂のようで、眺望は漠として冴えなかった。東登山道からご夫妻と思われる登山者が登って来られている姿が見えたが、もう時間も遅いので早々に山頂を後にして林間コースを下ることとした。山頂から9合目の東屋の間は、花のシーズンには多くの花々を見ることが出来るのであるが、この日は辛うじてハナショウブ、オオバギボウシ、ヤマアジサイ、ササユリ、ウツボグサなどを見ることが出来ただけであった。9合目東屋からツツジ探勝路ルートをショートカットして八畳岩に出て、そこから深入山の山頂を振り返ってからここも笹が刈られたばかりの登山道を下って行った。

 

 

 

〈深入山々頂〉

〈この日の眺望は今ひとつ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                              〈トンガリ山の向こうに臥龍山が横たわる〉

 

 

 

 

 

〈ハナショウブ〉

〈ここにもオオバギボウシが咲き始めていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ヤマアジサイ〉

 

 

〈ササユリ咲く9合目東屋〉

 

 

 

 

〈八畳岩から深入山々頂を仰ぐ〉

〈霞む臥龍山・掛頭山〉

 

 

16:00〜16:11 見晴らし岩

   臥龍山がよく見える山裾を巻くと眼前に向真入山が見える「見晴らし岩」と呼ばれる展望の良い岩の上に出た。晴れておれば、その先に恐羅漢山などの大眺望が拡がるのであるが、この日は雲の中に隠れていた。ここで暫し小休止を取ってから、沿道の花々にも注意をしながら南登山口までそこから2.1キロメートルの距離があるという林間コースの道をやや急ぎ気味に下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈見晴し岩から向真入山を望む〉

 

 

〈カキラン〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林間コース登山道〉

〈水場〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈西登山道分岐(西尾根)〉

 

 

〈山頂方面を見上げる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈西登山口方面登山道分岐〉

 

 

〈ミズナラ林を下る〉

 

 

17:10 深入山グリーンシャワー駐車場

   午後5時を少し回った遅い時間になったものの、2時間半余りの時間でグリーンシャワー駐車場に下山出来た。そんな時間ゆえに車の数は随分と少なくなっていた。とは言え、一時下り坂となっていた天気も何とか持ってくれて、梅雨末期の晴れ間を狙った山行も何とか成功裡に終えることが出来たようであった。

 

 

 

〈深入山グリーンシャワー〉

〈深入山を見上げる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

〔山行所感〕

   悪天の予報が外れて、急遽訪ねた芸北の山野であった。遅い出発であったので、最後はやや時間が押した感じとはなったが、ちょっと欲張った三箇所の梯子の企ては何とか成功したようである。これはこれで、こうした機会であったからこそ出来たことである。先ずは自己満足をするのが妥当であろう。山野に咲く花々を見ていると、季節は確実に日々刻々と進行していることが分る。さて次は、いよいよ梅雨も明けて季節は真夏となる。

 

 

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