夏の花々を求めて霧巻く山へ 皿ヶ嶺(1,278m)

愛媛県東温市・同県上浮穴郡久万高原町

2012年7月20日(金)     門久単独

 

 

 

 

 

 

                                          〈ギンバイソウも開花〉

 

 

 

今年も早く梅雨明けしてくれたと歓迎していたのに、今年の「梅雨明け10日」は2日間だけであったようだ。

この日の朝の広島は前日に続いて雨、しまなみ海道を渡る間は晴れていたが松山に近づくにつれてまたも雨模様となった。

それでも、午後になってザーっと雨が降った後は、その雨も上がったような雰囲気だったのでに皿ヶ嶺へ散策に出掛けることとした。

先月25日以来の久し振りの皿ヶ嶺であった。

 

《山行記録》

風穴下駐車場所14:41・・・・14:44風穴14:46・・・・15:05十字峠経由直登道分岐・・・・15:39ベンチのある休憩所・・・・15:49上林峠方面分岐・・・・15:53竜神平16:13・・・・16:38皿ヶ嶺(1,278m)16:44・・・・16:50皿ヶ嶺三角点(1,270.5m)・・・・17:00十字峠・・・・17:15引地山分れ・・・・17:29十字峠経由直登道分岐・・・・17:41風穴・・・・17:42風穴下駐車場所

〔総所要時間:3時間01分、休憩等:028分、正味所要時間:2時間33分、歩行距離:56q、累積標高差:±570m〕

 

14:41 風穴下駐車場所

   水の元の「流しそうめん」の店は雨の日ではあったが営業中で、林道を上ってくる間にもこの店から帰る団体客を乗せたマイクロバス3台と行き違った。昼を大きく回った時間ながらまだお客の姿のある水の元を通過して風穴直下まで車を走らせたが、上林森林公園の広い駐車場には車はなく、風穴直下の車道の膨らみに2台の先客の車があるのみであった。湿気が高く気温も高いので風穴から吹き出す冷気は霧になっていた。その風穴の中にはヒマラヤの青いケシが2輪花を付け、1組のペアがこの風穴を観察しており、その側の東屋の中では老夫婦が誰憚らない大声で歌の練習中であった。節電の夏の日中はここで過すというのもグッドアイデアである。風穴を後に竜神平へ向かうこととした。登山道の通る皿ヶ嶺連峰の北面斜面のお花畑はもう完全にギンバイソウの独壇場となっていた。登山道もギンバイソウ・ロードといった佇まいであった。ホトトギスの鳴き声が遠くから聞こえる静謐な登山道を汗を流しながら登って行った。

 

 

 

〈上林集落から雲のかかった皿ヶ嶺を仰ぐ〉

〈涼気の流れる風穴付近〉

 

 

 

 

〈涼気が吹き出す風穴〉

〈風穴の底に咲くヒマラヤの青いケシ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈斜面は一面ギンバイソウで埋められている〉

 

 

 

 

 

〈カニコウモリ(蕾)〉

〈ギンバイソウ(蕾)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                          〈登山道はまるでギンバイソウ・ロードであった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                〈目いっぱいに開花したギンバイソウ〉

 

 

 

 

 

〈ヤマアジサイ〉

〈クサアジサイ〉

 

 

15:39 ベンチのある休憩所

   風穴から50分間程登山道を登ったところに3つの木製ベンチが並べられた休憩所があるが、その手前辺りで濃い霧の中に入り込んでいた。休憩所のすぐ先で深く山裾に食い込んだ谷間を回り込んでからブナを中心とした樹林帯に入って行ったが、霧が巻いた樹林の中は墨絵の世界のようで幻想的であった。ブナ林から杉の植林帯に変わると、すぐに上林峠への道と竜神平への道の分岐に出た。ここは右の道を採り、濃い霧の中を竜神平へと向かった。

 

 

 

〈ガスに巻かれた休憩所付近〉

〈ノリウツギ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈ガスに巻かれたブナ林を行く〉

 

 

 

 

 

〈上林峠、竜神平方面への分岐点〉

〈登山道脇の草叢に咲くササユリ〉

 

 

15:53〜16:18 竜神平

   竜神平は濃霧に包まれていた。広い草原の湿地にハンカイソウやミズチドリなどが咲いている筈であったが、霧に巻かれて花など一つも見えず、方向感まで見失いそうであった。長靴を履いて来ていたので、先人が踏み開いた湿地の草叢の中のトレースをジャブジャブと辿って行くと、開き始めたハンカイソウの黄色い蕾を発見した。荒野の中に咲く貴重な一輪の花のような雰囲気であった。霧の湿原の中に佇む間に、幸運なことに霧が徐々に晴れてきてコバギボウシやミズチドリの花が草原のあちこちに咲いているのが分るようになってきた。濃霧の中では、もうここから下山しようかと思ったりしていたが、霧が晴れたことに背を押されて皿ヶ嶺の山頂を目指すこととした。

 

 

 

〈竜神平〉

〈竜神平はガスに包まれていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                     〈ガスの中に咲くハンカイソウ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈コバギボウシ〉

〈ミズチドリ〉

 

 

 

 

〈ミズチドリの花を拡大〉

〈ガスが晴れた竜神平〉

 

 

 

 

〈ミズナラ、ブナの樹が多い森〉

〈ヤマトウバナ〉

 

 

16:38〜16:44 皿ヶ嶺(1,278m)

   皿ヶ嶺の山頂は雨の日の午後5時前ゆえに当然の如く無人であった。久万高原町方向の眺望もまだ開けておらず、山襞に霧が立ち上るのが見られる程度であった。それでも山頂広場の周りには、オカトラノオやホタルブクロの花園が見られた。蝶や蜂がそれらの花々の間を飛び回っていた。山頂広場にちょっとした変化があった。山頂標識に「1278m」の標高を記した板が一枚加わっていた。長い間頑固爺さんのように「この山は何と言われても標高1280mだ!」と言い張ってきたようであったが、やっと国土地理院の地形図通りの標高を記した標識類がこの山上に現れたようで喜ばしいことであった。もう午後5時に近い時間であった。天気も変わるかも知れないので、十字峠、引地山分れを経由する最短ルートで下ることとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈皿ヶ嶺山頂広場〉

 

 

〈初めて「1,278m」の標高が記された!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                〈霧の立ち昇る久万高原町の山並み〉

 

 

 

 

 

〈オカトラノオ〉

〈ホタルブクロ〉

 

 

 

 

〈ウツボグサの群生〉

〈皿ヶ嶺二等三角点〉

 

 

17:00 十字峠

  十字峠を過ぎて引地山へ続く尾根に乗るとまた周囲は霧に巻かれてしまった。引地分れで稜線を離れて北面の急斜面を下って行くと、再びギンバイソウやハガクレツリフネなどの花々を見るようにはなったが、厚い霧の層の下に入ってしまったようで樹林の中は薄暗い状態になってしまった。まだ2時間は明るい時間が続くことは分っていても、足元さえも覚束ない程に急に薄暗くなってくると、人間はつい不安な気持ちにもなってくるものである。ここは努めて理性で判断行動することとして、一歩一歩に気をつけながら急傾斜面の登山道を下って行った。

 

 

 

〈十字峠〉

〈まだ花の多いヤマツツジ〉

 

 

 

 

〈霧が巻いた稜線部を行く〉

〈引地山分れ〉

 

 

 

 

〈ハガクレツリフネ〉

〈トチバニンジン〉

 

 

 

 

〈竜神平への正面道に出合った〉

〈路傍に咲くギンバイソウ〉

 

 

17:42 風穴下駐車場

   3時間程の山上散策を終えて風穴に下山した。東屋には人影があり、カップルが談笑中のようであった。車を停めた車道脇の紫陽花の植え込みは、花の盛りを迎えていた。周囲の杉林は霧に巻かれていたが、模糊とした環境の中でも紫陽花の花は十分に美しかった。もう午後6時に近い時間であったので、急ぎ下山することとした。山を下ってみると、下界は時折陽も射す明るい天気に変わっていた。往きには工事用車両が停まっていて近付けなかった皿ヶ嶺撮影の定点から見上げると、皿ヶ嶺の頂稜部はまだ雲の中であった。

 

 

 

〈風穴から涼気が吹き出す〉

〈ガスの濃い風直下の車道〉

 

 

 

 

〈車道沿いの紫陽花は満開近し〉

〈凛として咲く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                     〈定点から皿ヶ嶺を仰ぎ見る〉

 

 

 

〔山行所感〕  

   1か月足らずの間隔を空けて訪ねた皿ヶ嶺であった。北面斜面のお花畑はギンバイソウに覆われ、竜神平の湿地にもハンカイソウやもミズチドリ、コバギボウシが咲いて、いよいよ夏の花のシーズン入りとなっていた。暫くの間の山の変化には驚くと共に、確実に季節の変化を刻んでいる自然界のリズムには安堵を感じる。梅雨も明けていよいよ盛夏。子供たちも夏休みに入り、「流しそうめん」の店も開いた皿ヶ嶺はまた一際賑やかなシーズンを迎えることとなる。節電の夏でもあり、今年の夏の皿ヶ嶺には、数多の老若男女が訪れることであろう。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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