厳冬期の滝見コース、急傾斜の西尾根を歩く 大万木山(1,218.0m)

島根県飯石郡飯南町・広島県庄原市高野町

2013年1月20日(日)   

 

 

 

 

 

 

                                      〈人跡希薄な西尾根を下る〉

 

 

 

メンバーに加えさせてもらっている「山の自由人ML」の企画に参加して大万木山へ行って来ました。

厳冬期の大万木山へ入山する登山者は稀なようで、ホームページを検索しても残雪期を待たないと殆どヒットしません。

前々日まで降り続いた雪で山頂まで辿りつけないこともあるかと危惧していましたが、

9人の精鋭メンバーが一致団結して雪や厳しい傾斜面と戦い、

終わってみれば実に爽やかで笑顔に満ちた山行となりました。

 

《山行記録》

除雪終点(駐車場所)8:55・・・・9:02位出谷駐車場分岐・・・・9:12門坂駐車場・・・・9:53避難小屋9:57・・・・10:08林道出合・・・・10:13林道から谷間に入る・・・・10:31等検境ルート出合(稜線上)・・・・10:34滝見ルートと再出合・・・・10:57門坂峠地蔵尊展望台・・・・11:29尾根上(平地)11:34・・・・12:19山頂避難小屋(昼食)13:00・・・・13:05大万木山(1,218.0m)13:14・・・・13:18頂上大ブナ13:25・・・・14:11 標高950mポイント14:16・・・・14:47トラバースした小尾根標高900mポイント14:51・・・・15:18再トラバースした尾根に乗る・・・・15:52滝見ルート合流・・・・15:56門坂駐車場・・・・16:08駐車場所(除雪終点)

〔総所要時間:7時間13分、昼食・休憩等:1時間15分、正味所要時間:5時間58分、歩行距離:7.0q、累積標高差:±836m

 

 8:55 頓原(最奥の民家の上手の除雪終点)

  頓原の街で国道54号線を右折して大万木山登山口の一つの門坂駐車場を目指した。車道は越智の集落の最後の民家の直ぐ先まで除雪されていた。相乗りで来た車3台をここの空地に停めて須スノーシューやワカンでの山行の支度を整えた。数十センチメートルの雪が積もった門坂駐車場へと続く車道には、予想した通りに先人のトレースはなかった。やはり山頂までラッセルから解放されることないようであった。しかしここは精鋭部隊、9人で順番にラッセルを回すこととした。出発して17分後に門坂駐車場を通過して、そこから滝見コースの夏山登山道を辿ることとした。頓原川の渓流に沿った道は緩急が繰り返されるが、メンバーが声を掛け合いながらそこを乗り越えて行った。約1時間で避難小屋に達し、そこで小休憩の後、約10分後に新生坊峠から下って来ている林道終点部に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山口に近い最終民家の上手まで除雪されていた〉

 

 

〈トレースはなく、新雪をラッセルして進む〉

 

 

 

 

〈出発して17分後に門坂駐車場前を通過〉

〈頓原川の渓流に沿った滝見コースを行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                   〈出発してから約1時間後に避難小屋に着き、暫し休憩!〉

 

 

 

10:08 林道出合

  林道に出合った所で山頂方向を見上げると頂稜部は真っ白な樹氷に覆われており、まだまだ遠いがこの景観は我々を励まし、鼓舞してくれるものであった。純白の林道を数十メートルラッセルしてから、門坂峠へと続く谷間に入った。夏山登山道は谷間の比較的下部を巻いて上って行っているが、我々は一気に右岸斜面を稜線部まで登った。そこで等検境からの登山道に乗って門坂峠へと向かった。その道も直ぐに上ってきた滝見コースの登山道と合流するが、その道が門坂峠に掛かる辺りは雪の吹き溜まりとなっていた。とてもスノーシューで踏み越えては行けそうにないので、左上の尾根筋へ直登してから峠へアプローチすることとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈数十メートル積雪した林道を歩きます〉

 

 

 

〈林道終点から見上げた山頂部は樹氷の世界〉

 

 

 

 

〈林道を離れて谷間に入って行きます〉

〈樹林の中を気ままに稜線へ向かって登っていきます〉

 

 

10:57 門坂峠地蔵尊展望台

  門坂峠の地蔵尊にゆっくりと挨拶することもなくメンバーは尾根道を山頂に向け進んで行った。峠から先は標高1100メートル足らずの平坦な尾根に乗るまで厳しい傾斜が続くが、そこの森には樹氷が着き始めており、それに魅せられて先を急ぐ気持ちになったのかも知れない。標高差は100メートル程であるが、雪深い斜面のラッセルは大変であった。直登は避けて夏山登山道に沿ってジグザグを切りながら先頭を交替しつつ登って行った。平坦は尾根筋に乗ったところで休憩を取った。尾根筋の東側の斜面の樹々には分厚い氷が貼り付いていた。暫く続く平坦な尾根道を進むといよいよ樹氷が濃くなって行った。標高が1,100メートルを超えて、山頂部への最後の傾斜面に掛かった頃には、もう周囲全てがクリスタルな世界に変わっていた。足元の意外に急な斜面のラッセルはなお厳しいものがあったが、想っていたよりも遙かに素晴らしい樹氷の世界に歓声を上げながら登り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈門坂峠地蔵尊展望台からの眺望〉

 

 

 

 

 

〈地蔵尊の祠〉

〈ブナ林の斜面を先頭を交替しながらラッセルして登ります〉

 

 

 

 

〈尾根に乗ると平らな尾根筋が暫し続きます〉

〈尾根筋を進む程に樹氷が濃くなって行きます〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                    〈標高1,120m程度から上は見事な樹氷の森が拡がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈白き樹林の中を抜けて登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

         〈途切れことなく展開するクリスタルな世界に歓声も途切れることがない!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     〈山頂避難小屋が現れる、ちょっとメルヘンな雰囲気!〉

 

 

 

12:19〜13:00 山頂避難小屋

  すっぽりと雪を被った山頂避難小屋はメルヘンチックな小人の家のようであった。難なく入口のドアを開けることが出来たので、小屋の中でランチタイムとした。ここに小屋があるのはこんな時には特に有難いことであった。食後、小屋の周辺の見事な樹氷の森などを散策したり、写真撮影などを行ってから、山頂広場へ向けて新雪を分けて進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

                                    〈山頂避難小屋でランチタイム〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈山頂避難小屋の周りはお伽話の世界〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈やはり厳冬!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                        〈モノクロームの冬の森〉

 

 

 

13:05〜13:14 大万木山(1,218.0m)

  山頂広場は真っ白なヴァージンスノーで覆われていた。積雪量は大したことはないようで、「まむし注意」の立て看板の頭が覗いており、また「大万木山」の山頂標識も姿を現していた。山頂へ来た以上は、山頂大ブナにも面会しなければと案内した。西尾根を下るには丁度良い方向で幸運と言えた。その大ブナは根元部分が雪に埋もれており、無雪期に見るよりもかなり貧弱な感じは否めなかった。それでも暫し佇んでいると、徐々にその大きさが実感出来るようになった。山頂大ブナを後にすると、もう西尾根を下るだけであった。標高1200メートル程の大ブナから標高1050メートル地点までは広々とした樹氷に包まれた尾根を、眺望をも楽しみながら気持ち良く下って行けた。その直ぐ先にはちょっと通過し難い岩場があったが、ここは何とか右手を巻いて通過することが出来たが、更に下った標高950メートル地点には更に手強い岩場が待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂広場〉

 

 

 

〈新雪を分けて山頂広場を目指す〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂を後に・・・〉

〈山頂大ブナ(タコブナ)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈タコブナに歓声を上げるメンバー〉

 

 

〈大ブナに残った枯葉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈陽光が出て暫し明るさを増した樹氷の森〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       〈樹氷の樹間から吉田毛無山、鯛ノ巣山方面を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈濃厚な樹氷の森もそろそろ見納め!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            〈傾斜を増してきた西尾根を快調に下り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈実に気持ちの良い樹氷の尾根筋〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  〈陽光に照射された樹氷の尾根!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈等検境に続く尾根を望む〉

 

 

 

 

 

〈ちょっと険しくなってきた尾根筋〉

〈急傾斜面を下る奥の手は“シリセード”〉

 

 

14:11〜14:16 標高950mポイント

  標高950メートル地点の岩場は左右どちらに迂回してもとても通過出来るような易しいものではなかった。先陣のN川さんと相談して、急傾斜ではあったがここは右手の小尾根に乗るしかないとそこへトレースを切った。何とか道が開けて全員でその小尾根に乗り、注意深くその急斜面を下って行った。標高で約50メートル下った所で、またしても越え難い岩場に遭遇した。右手の小尾根に移ることは出来そうであったが、地形図ではそこを下ると深い谷の中に迷い込みそうであった。左手の様子を観察すると、かなりの急傾斜面であったが、直ぐ下で消える小尾根を越えたその先にずっと下まで続いている尾根筋が確認出来た。滑るとちょっと怖い急傾斜面ではあったが、ここに慎重にトレースを切ってトラバースした。たっぷりの雪に全員が通過出来るステップが切れた。その尾根筋も斜度はきつかったが、やがて灌木帯となって木に掴まったり、滑ったりしながら下ることが出来た。奥の手のシリセードを多用するメンバーが多く、山の中に歓声が轟くこととなった。難関を通過した後に生まれた余裕とも言えた。やがて、最後尾を歩いていた私に、下から朝方のトレースに出合ったとの合い図があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈難所からトラバースして小尾根に乗ったものの、ここも急斜面!〉

 

 

〈滑れば大変な急斜面を慎重に下る!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈灌木の急斜面を雪に塗れて下る〉

 

 

 

〈何とか下れそうな尾根に乗った!〉

 

 

15:52 滝見コース合流

  下りたところは門坂駐車場から滝見コースを少しばかり上った地点であった。ほぼ読んでいた所と言えた。渓谷沿いの我々の朝のトレースの上をどなたかが歩いている形跡はなかった。後は、急斜面を下る緊張から解放されて、一日の業を思い返しながら車を停めて地点まで雪の道を下って行くばかりであった。

 

 

 

〈門坂駐車場に近い朝のトレースに下る!!〉

〈こんな斜面を下って来た〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                     〈門坂駐車場下の車道を下る〉

 

 

 

16:08 頓原(除雪終点)

  最奥の民家の上手の除雪終点に戻った。暖かい日で雪はかなり融けかかっていたが、ここにも他に車が来た形跡はなかった。振り返ると下って来た山の斜面が見えていた。やはり、要所要所に岩場が点在していた。地形図ではなかなかに読み切れなかった岩場であったが、兎に角、大万木山西面は、なかなかに手強いところであった。

 

 

 

〈最終の民家の直ぐ上手に下って来た〉

〈岩場が目立つ下り来た尾根筋を見返す〉

 

 

〔山行所感〕

  厳冬期の大万木山の山頂を踏めてやはり嬉しい限りであった。標高1100メートルから上の樹氷の重厚さは圧巻であった。厳冬期に登るのは、山スキーの愛好家の方々が殆どのようであるが、登山者には少人数ではあまりにも厳し過ぎるラッセルが課せられることとなるので、ある程度まとまった人数で挑戦されることをお勧めしたい。西尾根は、ほぼ人跡はない所と思えるが、ここを採ることはお勧めしない。我々も当初はもうひとつ左側の尾根筋を下る予定であったが、途中で右にブレてしまったようだ。当初のルート通りに行った場合でも、楽勝であったか、何かがあったかは全く予想が出来ない。下から見る限りでは、各尾根に岩場がありそうだ。厳冬期の大万木山の踏破には、まだ研究の余地がある。今回は、ともかく笑顔で全員下山出来て、満足の山行であった。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

〔BACK〕

〔HOME〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ads by TOK2