宮島東面・腰細山の尾根筋の羊歯を踏みしだき島を周回 包山(309.8m)・腰細山(233m)

広島県廿日市市宮島町

2013年2月3日(日)    大黒さん+月光さん+門久

 

 

 

 

 

 

                      〈腰細山から大砂利への尾根から能美島方面を望む〉

 

 

 

春のような陽気が続いたこの週末、雪の山の雪融けが気になるところであったが、

この日は今年もテーマの一つとしている宮島へと足を運ぶこととした。

目的は冬場に消化しておきたかった島の東面の包山から腰細山を経て大砂利へと下る尾根の縦走。

情報は殆どなかったが、地形図やかつて隣の尾根から見た様子では、

羊歯に苦労するかも知れないが何とか歩けるように思えた。

大黒さん、月光さんのお二人の同伴も得られて、朝早く勇躍宮島へと渡った。

 

《山行所感》

宮島桟橋8:13・・・・8:25厳島神社8:38・・・・8:47下村茶屋・・・・8:53中村橋(博奕尾コース入口)・・・・9:03衣類調整9:10・・・・9:13博奕尾案内板9:14・・・・9:22博奕尾稜線上ベンチ9:24・・・・9:28博奕尾コース分岐・・・・9:44大砂利方面巻き道分岐・・・・10:00大休峠10:08・・・・10:18大砂利地蔵10:24・・・・10:27腰細山方面観察10:29・・・・10:33大休峠10:48・・・・10:59包山(309.8m)11:07・・・・12:00腰細山手前の鞍部・・・・12:11腰細山(233m)12:22・・・・12:29瀬戸内海好眺望ポイント12:31・・・・12:57露岩の小ピーク13:01・・・・13:46車道に出る・・・・13:50大砂利海岸(昼食)14:27・・・・14:33大砂利集落フェンス・・・・14:39大砂利集落上部フェンス14:43・・・・14:57砂防堰堤14:59・・・・15:50多々良林道終点・・・・16:06仁王門16:17・・・・16:28第一砂防堰堤・・・・16:47東屋16:55・・・・17:13大聖院前・・・・17:27町家通り・・・・17:38宮島桟橋

〔総所要時間:9時間25分、昼食、休憩等:2時間21分、正味所要時間:7時間04分、歩行時間:13.1q、累積標高差:±1,217m〕

 

 8:13 宮島桟橋

  宮島口桟橋午前8時発の松大汽船で宮島に渡った。船内は座席の半分程が埋まっていた。今日の大黒さんは恒例の宮島への月参りも兼ねていたので、先ずは一緒に厳島神社に参拝することとした。正面の舞台周辺の回廊などが霜で白くなっており、神社の関係者の方々が参拝客を通行止めにして霜を履き落としておられた。暫しの参拝の後、紅葉谷公園を抜けて弥山への博奕尾コース登山道の入口に当たる中村橋を目指した。

 

 

 

〈晴れた朝の大野瀬戸を渡る〉

〈大鳥居は朝の干潮〉

 

 

 

 

〈霜の降りた厳島神社回廊の屋根越しに五重塔を望む〉

〈霜を掃き落とす作業で回廊への入場は暫しストップ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                    〈朝日の射し始めた紅葉谷公園を抜けて中村橋へと急ぐ〉

 

 

 

 8:53 中村橋(博奕尾コース入口)

  久し振りに中村橋から博奕尾コースに入った。前日に続いて温かい日になりそうで、山道に入って暫し高みに上がって弥山や駒ヶ林の頂が見え始めた辺りで早々に衣類調整の時間を取った。ゆっくりと博奕尾を登って行く間に、2人の身軽な単独行の女性が我々を抜いて弥山へと急いだ。包浦自然歩道から博奕尾コースの山道に入り、その道が榧谷駅に向かう尾根に乗った所でその尾根道を行かず、尾根の東斜面をトラーバースして大砂利へと向かう道に入った。かつて大砂利の児童や生徒も通学路として使った大砂利集落の住人の生活道であったという巻き道である。今でもよく整備されて残っている。その道を15分も行くと丸太のベンチが置かれた大休峠の広場に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈博奕尾コースへの入口の中村橋〉

 

 

〈登山入口にこんな看板が!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                               〈博奕尾の尾根からの大野瀬戸の眺望〉

 

 

 

 

 

〈ベンチが設置されている博奕尾の稜線〉

〈包ヶ浦自然歩道から右へ博奕尾コースの登山道が分岐する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榧谷駅に向かう尾根に立つ道標の裏から延びる巻き道に入る

 

 

〈大砂利への巻き道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       〈眼下に包ヶ浦を見下ろす〉

 

 

 

10:00〜10:08 大休峠

  大休峠からの順路は包山への道であったが、その前に大砂利地蔵に参拝したことがなかったメンバーをそこに案内することとした。その行き帰りには、この後に辿る包山から腰細山への尾根筋を観察した。約25分後に再び大休峠に戻ってから、薮漕ぎに備えて身支度を整えた。大休峠から包山への踏み後は、過去に2度ばかり通ったことがあったので不安はなかった。大黒さん、月光さんは初めてであった。踏み込むと、やはりそれまでの道とは全く違うワイルドな雰囲気に満ちていた。とは言え、包山の山頂まで僅か10分間の道のりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大休峠〉

 

 

〈峠にあった杓文字の道標〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                   〈大休峠から俯瞰した能美島との間の瀬戸を自衛艦が行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大砂利地近くの尾根から腰細山越しに大小の黒神島を望む〉

 

 

〈訓練中の自衛艦〉

 

 

 

 

〈大砂利〉地蔵堂〉

〈大砂利地蔵尊〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈隣の包山から腰細山への尾根筋を望む〉

 

 

 

 

 

〈大休峠から荒れた踏み跡を包山へと向かう〉

〈包山手前の鞍部〉

 

 

10:59〜11:07 包山(309.8m)

  包山の山頂でこれから下る尾根筋に磁石をセットした。大砂利に向けた尾根は、ほぼ真南に下っていた。以前に観察したところでは、山頂からその尾根筋に微かな踏み跡が延びていたので、それがずっと先まで続いていることを期待していた。しかし現実はそんなに甘いものではなかった。踏み跡は10メートルも下らない間に羊歯の中に消えてしまい、前途には深い羊歯の海が延々と続くのみであった。もうその羊歯の波を踏みしだいて進んで行くしかなかった。時に落とし穴を隠した深い羊歯とともにもうひとつの難敵は群生したサルトリイバラの棘であった。それらの試練を甘んじて受けて、羊歯の海をラッセルしながら、尾根筋を外さないようにルートファインディングしつつ下って行った。羊歯の中に数多の獣道が縦横に走っており、ここは彼らの世界であることを否応なく理解した。尾根筋を進む程に、右手の遙か高みに見える獅子岩が徐々に近づいて来てその姿を大きくして行った。

 

 

 

〈包山の山頂の樹に吊るされた山名標〉

〈包山々頂から三ッ石尾根、獅子岩を仰ぐ〉

 

 

 

 

〈包山から腰細山への尾根には踏み跡もなかった〉

〈樹林の中を深い羊歯を踏みしだきながら進む!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ここは獣のヌタバ(泥浴び場)のようだ〉

 

 

 

〈明瞭な獣道が羊歯の中に延びる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                〈頭上遙かを宮島ロープウェイが通る〉

 

 

 

 

 

〈羊歯の尾根の先に腰細山のピークが見えてきた〉

〈深い羊歯の中をとにかく抜けて行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈腰細山手前の鞍部で露岩帯が出現!〉

 

 

 

〈背の高い赤松が天空に伸びる尾根筋〉

 

 

12:11〜12:22 腰細山(233m)

  手前の鞍部から20メートルほど登り返すと腰細山のピーク上であった。ここも荒れた樹林に羊歯が繁るだけの世界であった。せめてこのピークから先には踏み跡でもないかと期待していたが、それは全くの根拠のない夢想であった。現実には、サルトリイバラが蔓延った羊歯の荒海がなお待っていた。ただピークアウトしたが為に、顕著に変化したことがあった。尾根のその行く先はほぼ下り一方であり、その前方と左右の三方に眺望が開けて来たのであった。特に、左側の瀬戸内海の眺望は実に美しかった。また、右側の獅子岩の眺めも劇的に大きくなって来た。獅子岩の背後からは弥山の姿も覗くようにになってきた。この景観はこの尾根に立っているが故に得られる冥利と言えた。足元では深い羊歯と戦いつつ、眺望も大いに楽しんだ。尾根の最終盤になって、なお羊歯は深く、身の丈を超えることもあり、また傾斜も増してきて足の届かない深みもあったが、難所では羊歯の上を尻セードして下った。当初の希望的な予定では、この尾根筋を最長で1時間半ほどで下る積もりであったが、倍近い時間を要して大砂利の浜辺に近い車道に出ることが出来た。

 

 

 

〈腰細山々頂も樹林の中に羊歯が繁るのみ〉

〈山頂の灌木に登頂記念の紅テープを巻いた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                              〈腰細山々頂付近から獅子岩を見上げる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         〈尾根の左側に広がる瀬戸内海の眺望は絶品!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈どこかのジェット機が空に落書きをしていた!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈羊歯の尾根の先には阿多田島が望めた〉

 

 

〈枯れた松林の先に大小の黒神島を望む〉

 

 

 

 

〈小ピークは灌木と露岩で覆われていた!〉

〈尾根の左側の急斜面の下は腰細浦の浜辺であった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                         〈尾根上から獅子岩(手前)と弥山()を仰ぎ見る〉

 

 

 

 

 

〈南方向を望めば革篭崎へと続く海岸線と阿多田島が望めた〉

〈大砂利の集落とその背後の大砂利山〉

 

 

13:50〜14:27 大砂利海岸

  大砂利の海岸に出て、遅いランチタイムを取ることにした。長い尾根下りの間にメンバーに幾度か訊ねたてみたが、皆さん羊歯の海の中ではとてもランチタイムを取る気も起らなかったようであった。きれいな海のほとりで、ゆっくりと休みつつ食事を摂った。さて、ここからはまだ奥の院へ向けての一時間余の谷間の上りが待っていた。昼食を摂ると全員元気が回復したしたようで、勇躍谷間の踏み跡に向けて出発した。大砂利集落の鹿避けのフェンスを越えさせてもらって、渓流沿いの踏み跡へと踏み込んだ。昨年4月に一度通ったことがあり、腰細山の尾根筋と違ってここには明瞭な踏み跡が続いていることが分っていたので、極めて気楽に登って行けた。ただ、昨年同様に多々良林道の終点部に出る直前の最終局面の倒木帯には手を焼いた。谷間を抜けて多々良林道の終点に出ると、あとは遊歩道のような道を辿るだけであったので、緊張感は俄然低くなった。

 

 

 

〈包山から3時間弱の羊歯との激闘の末に大砂利に下山!〉

〈下山して車道に出てひと安心!〉

 

 

 

 

〈大砂利の海岸〉

〈大砂利の浜辺で美しい瀬戸内海を眺めながら遅い昼食〉

 

 

 

 

〈青海苔浦まで車道は続くが、一般車両はここで通行止め〉

〈大砂利の集落〉

 

 

 

 

〈大砂利の集落上のフェンスを抜けて奥の院方面への踏み跡へ〉

〈羊歯が被さる踏み跡を登り行く〉

 

 

 

 

〈谷間から大砂利を振り返ると能美島が横たわる〉

〈険阻な踏み跡を登り行く我らが面々〉

 

 

 

 

〈夥しい倒木が行く手を塞ぐ!〉

〈一時間余の遡行の末に多々良林道の終点部に到達!〉

 

 

16:06〜16:17 仁王門

  午後4時を回って仁王門前の広場に着いた。当初の予定では、ここから駒ヶ林経由で多宝塔コースを下ることとしていたが、最後に暗くなっては楽しくないので、ここは真っ直ぐに大聖院コースで下ることに変更した。ここ暫く登ることはあっても、下ることがなかった大聖院コースであったが、やはり石段続きの道は疲れた足に優しくなかった。一時間弱で大聖院の門前まで下り、厳島神社の背後を回り宮島の街を抜けて桟橋へと急いだ。

 

 

 

〈整備された仁王門への登山道は高速道路のよう!〉

〈仁王門を拝んでから、大聖院コースの道を下った〉

 

 

 

 

〈第一砂防堰堤〉

〈樅の樹越しに沖を行くJR連絡船を俯瞰する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                             〈西陽を浴びて輝く厳島神社社殿と五重塔〉

 

 

 

 

 

〈白糸の滝〉

〈大聖院前に下山!〉

 

 

17:38 宮島桟橋

   9時間半になろうかという長い山行を無事に終えて宮島桟橋に帰り着いた。桟橋で感慨に浸る暇もなく、直ぐに出るJR連絡船に乗って洋上の人となった。この日は節分で、翌日は立春。大分日も長くなって、腰細山の尾根で想定外の苦戦はしたものの、明るいうちに宮島を離れることが出来て何よりであった。大黒さん、月光さん、大変にお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

               〈この日は節分、島内のどの家にもこんな魔除けが飾られていた〉

 

 

 

 

 

〈午後5時40分宮島桟橋を離れた〉

〈夕暮れの宮島〉

 

 

〔山行所感〕

  宮島をテーマにするのは、この島は際限が無いかの如くに、色々な楽しみをさせてくれる所であるからである。この日の目玉は、もちろん包山から南に伸びる腰細山を経由する尾根の踏破であった。事前にネットで踏破記録を検索したもののヒットするものがなく、薮漕ぎになることを覚悟はしていたが、薮というよりも羊歯の海を踏みしだき、泳ぐこととあいなるところまでは覚悟出来ていなかった。この間、距離にして1.8q余。そこを2時間50分の時間を要した訳であるから、小冒険というよりちょっとした事故のようなものであったのかも知れない。しかし、羊歯の海(それも宮島の粘っこい羊歯)を踏みしだいて進んで行く技は少し身に付けたように思える。   

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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