ミヤマキリシマ終焉 平治岳(1,642.8m)

大分県玖珠郡九重町・竹田市

2013年6月16日(日)  チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈平治岳山頂から三俣山を望む〉

 

 

 

一週間前のミヤマキリシマの盛りの頃に訪ねる予定であった今年の九重。

事前の天気予報は良好であったものの、いざとなっての雨への急変に抜いた刀を鞘に納めた。

この週末、「もう遅いだろう」との想いはあったものの、ミヤマキリシマへの想い断ち難く、

他の山へのお誘いも頂きながらもそれに背を向けて九州へと車を走らせた。

 

《山行記録》

吉部有料駐車場5:50・・・・5:59鳴子川橋・・・・6:03山道分岐・・・・6:44大船林道出合・・・・6:50大船山4号集材路入口・・・・7:02山道分岐・・・・7:36展望所7:40・・・・7:51平治の尾7:53・・・・8:43平治岳(1,642.8)9:05・・・・9:21前峰9:34・・・・10:03大戸越10:06・・・・10:32吉部方面巻き道分岐・・・・11:18大船林道出合・・・・11:38大船山4号集材路入口・・・・11:44吉部方面山道分岐・・・・12:26鳴子川橋・・・・12:36吉部有料駐車場

〔総所要時間:6時間46分、休憩等0時間44分、正味所要時間:6時間02分、歩行距離:12.0q、累積標高差;±951m

 

 5:50 吉部

  前夜に長者原着。午前4時に起床して朝食後に吉部(よしぶ)に車を走らせた。林間に開かれ有料駐車場に車を停めたが、もう明るくなったのに、場内の車も少なく、やって来る車も疎らで、ミヤマキリシマの時期独特の高揚や混雑は何処にもなかった。「もうミヤマキリシマは終わったのだ!」と理解した。それでも気持ちを奮い立たせて、ミヤマキリシマの最後の姿を見てやろうと平治岳北ルートへと向かった、大船林道で鳴子川橋を渡り、そこから200メートルほど林道を行ったところから右に延びる巻き道に入った。河岸の登山道を行くよりアップダウンの少ない道である。コガクウツギが咲き、木イチゴの実る林間を40分間程登って行くと再び大船林道に出た。そこから数分林道を辿ると左手へ大船山4号集材路が分岐していた。

 

 

〈吉部の有料駐車場〉

〈鳴子橋を渡る〉

 

 

 

〈鳴子川沿いの巻き道を行く〉

〈大船林道に再会する〉

 

 

 6:50 大船山4号集材路入口

  大船山4号集材路は路面も芝に覆われ、緑深まる周辺の森ともどもグリーンシャワー溢るる世界であった。3年前であったろうか、この森にアサギマダラが乱舞していたが、この日はその姿を見ることは出来なかった。10分余り集材路を行くと、左手の路傍に「平治北登山口」と記した道標があり、そこから山道へと入った。ここからクロボクの悪路が始まるので覚悟を決めた。登山道は暫し杉林の中をジグザグを描きながら緩やかに登って行くが、やがて平治岳の北尾根に乗ると俄かに急坂となった。前日まで雨が降っていたクロボクの斜面は滑り易く難儀であった。登山者が少なく、完全に泥沼化していないのがせめてもの救いであった。梯子が掛かった難所を通過した直ぐ上の展望岩で小休止を取った。そこから10分程登ると平治岳の北面を見渡せる平治の尾である。ミヤマキリシマの走りの頃にいち早くその花が開くところであるが、もうこの日はその花も散って寂しいものであった。その先は一気に平治岳山頂までクロボクの踏み跡を登って行くが、どこかで隘路に入ってしまったらしく暫し踏み跡薄い薮の中を抜けて行く羽目となり、やや時間を要し過ぎての山頂到達となってしまった。

 

 

〈大船山4号集材路が左に分れる〉

〈木漏れ日の射す船山4号集材路を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈グリーンシャワーの中を進む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈平治北登山道に入る〉

 

 

〈泥濘状況のクロボクの登山道をの登る〉

 

 

 

〈中腹の展望岩から雲をかぶった涌蓋山を望む〉

〈展望岩に咲いていたシロドウダン〉

 

 

 

〈ミヤマキリシマの終わった平治の尾〉

〈クロボクの急斜面を登り行く〉

 

 

 8:43〜9:05 平治岳(1,642.8m)

  朝の平治岳の山頂には10人程の登山者の姿があった。そこからは人声はするが、歓声はなかった。それもその筈で、山頂部を埋めるミヤマキリシマの花園はその花のピークを過ぎて既に色褪せており、中には前日までの強い雨に傷めつけられた花弁が見られた。三俣山に相対する西斜面のミヤマキリシマの絨毯も色褪せて盛りの時期の華やかさはもうなかった。それでも、折角の機会でもあるので西斜面の先端のテラスまで足を延ばしてみた。早々に山頂へと戻って、南峰へと下って行った。南峰へと続く尾根筋を俯瞰すると、花の盛りの時にはピンクの回廊の筈であるが、今は濁った薄いピンクの色褪せた世界となっていた。ただ、その中にツクシドウダンが満開となっていた。

 

 

〈平治岳山頂〉

〈色褪せ始めている平治岳山頂部のミヤマキリシマ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂から西尾根越しに三俣山を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈西尾根からガスに隠れる大船山方向を望む〉

 

 

 

 

〈飯田高原方面を望む〉

〈西尾根の先のテラスから平治岳山頂を振り返る〉

 

 

 

〈前峰への道からガスの立ち昇る大船山を望む〉

〈前峰への尾根筋のミヤマキリシマはもう色褪せ状況)〉

 

 

 

〈ツクシドウダンツツジは満開〉

〈シロドウダンも満開!〉

 

 

 9:21〜9:34 前峰

  ミヤマキリシマの盛りの頃には、山頂に続いてここ前峰でも大休止となるのであるが、ボウガツルや三俣山を眺めるその西面のミヤマキリシマは盛りの頃の面影も感じられない程に花は終わっており、また振り返って仰ぎ見る平治岳山頂部のピンクの絨毯も精彩を欠き、長居を決め込める状態ではなかった。早々に大戸越への下山路を採ることとした。下山路から眺めるボウガツルも前日が雨であったせいであろうか、あるいはミヤマキリシマの花が終わったせいもあるのであろうか、随分と張られたテントの数が少なかった。大戸越へ下る斜面のミヤマキリシマももう終わっていた。これから行こうかどうかと迷っていた北大船山にはガスが掛かり、時折晴れるその霧の間から稜線部直下にピンクの山肌を何とか見ることが出来た。

 

 

〈前峰から三俣山を望む〉

〈前峰から平治岳山頂部を振り返る〉

 

 

 

〈下り専用道で大戸越へと下る〉

〈テントの少ないボウガツルを俯瞰する〉

 

 

 

〈霧の中にピンクの山肌が望む北大船山〉

〈大戸越を俯瞰する〉

 

 

10:03〜10:06 大戸越

  大戸越はこの日も登山者で賑わっていた。山上から見た男池の駐車場は満杯のようであったので、かなりの登山者が入山しているのは間違いなかった。しかし、この日は周りにミヤマキリシマの華やかな花園が見られないので、登山者の意気は今一つ盛り上がっていなかった感じであった。ここで北大船山に登るのを断念することとした。大きな感動を呼ぶ花園の出現を期待することは無理と思っての決断であった。決断をすれば、あとは下山であった。ボウガツルへの道を採り、その半ばの所から平治岳の西裾を巻く吉部方面への道に入った。この道を歩くのは初めてのことであった。想像していた以上によく踏まれた道であった。途中で5組程の登山者(28名のグループもあった)と行き違った。吉部から大戸越へのルートとして、よく利用されているルートのようであった。このルート沿いにあるブナの古木が素晴らしかった。ブナの森と言える規模ではなかったが、かなりのブナの樹が見られた。巻き道に入ってから45分程で大船林道に出ることが出来た。

 

 

〈登山者で賑わう大戸越〉

〈大戸越から平治岳を見上げる〉

 

 

 

〈ベニバナニシキウツギが満開〉

〈咲き残ったミヤマキリシマ〉

 

 

 

〈泥濘となったボウガツルへと下る登山道〉

〈途中で吉部方面への巻き道に入る〉

 

 

 

〈笹原の中に延びる登山道〉

〈ブナの大木〉

 

 

11:18 大船林道出合

  大船林道に出て吉部へと下り始めると、直ぐに法華院山荘のガレージがあり、そ前面の道路はヘリポートにも使えそうな程に広い円形の空間となっていた。淡々と整備された林道を歩いた。20分程で大船山4号集材路の入口を過ぎた。ここからは、朝登って来た道を戻る訳であったが、再び鳴子川沿いの山道に入り、途中から朝通った巻き道を避けて、川沿いの踏み跡を採ってみた。時折、河床にも下りる面白い道であった。観察していると、ここの道筋は一つだけではなく、幾つもの踏み跡が開かれているようであった。山道を下ること40分程で鳴子川橋に出て大船林道に戻った。

 

 

〈大船林道に出る〉

〈暫し大船林道を下る〉

 

 

 

〈大船林道から鳴子川沿いの山道へ分け入る〉

〈鳴子川沿いの森を抜ける〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈鳴子橋に戻った〉

 

 

 

〈鳴子川の流れ〉

 

 

12:36 吉部

  鳴子川橋を渡ると大船林道を歩くこと暫しで吉部の有料駐車場へと帰着した。林間に停められている車の数は朝より格段に増えていた。静かな駐車場内の木陰でランチタイムを取ってから、長者原への近道を辿って九重西鉄ホテル「花山酔」に立ち寄り入浴し汗を流した。

 

 

〈大船林道の路側への駐車は厳格に禁止されていた〉

〈朝より格段に車が増えていた吉部の有料駐車場〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下山後は長者原の九重西鉄ホテル「花山酔」で入浴〉

 

 

 

〔山行所感〕

  花のピークから一週間が経過して、その間に嵐も来て、今年の九重のミヤマキリシマは終焉の時を迎えていた。花の終わりの時期というのは、何の花であれ、一抹の寂しさを感じさせるものである。ミヤマキリシマもまた同様であった。この寂寥感を感じることも、この時期の山行の醍醐味の一つであろうか。これから山はより深い緑の世界となって行くのであろう。今回、平治岳西面の深い森の佇まいの一端に触れることが出来たのも収穫の一つであった。そこを通る巻き道が一本。これからも、何かと利用価値のあるルートと思えた。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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