強風・氷雨を突いての山行 八甲田・大岳(1,584.6m)

青森県青森市・同県十和田市

2013年10月13日(日)  チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈登山口の酸ヶ湯辺りは紅葉の盛り〉

 

 

 

青森県田舎舘村で迎えた東北遠征2日目の朝は雨音で目が覚めたが、

起きてみると弘前市に続く平野の西側に朝日に照らされた岩木山の姿があった。

それでもこの日の天気予報は「雨のち午後遅くなって曇空」というもの。

岩木山もやがて雨雲に覆われて、ガスしか見えない独立峰になってしまうかと思うと登る気になれなかった。

雨中の山行を覚悟して、この日は予定通りに八甲田山に行くこととした。

 

 

 

 

 

 

〈田舎舘村から望む朝の岩木山〉

 

 

《山行記録》

酸ヶ湯公共駐車場8:47・・・・8:49大岳登山口・・・・9:59地獄湯ノ沢・・・・10:25仙人岱湿原・・・・10:29仙人岱ヒュッテ10:44・・・・10:49八甲田(辰五郎)清水・・・・11:31鏡池・・・・11:42大岳山頂(1,584.6m)11:47・・・・12:11大岳避難小屋(昼食)12:50・・・・13:22上毛無岱・・・・13:47下毛無岱・・・・14:21城ヶ倉分岐・・・・14:35湯坂・・・・14:51酸ヶ湯温泉15:00・・・・15:04酸ヶ湯公共駐車場  

〔総所要時間:6時間17分、昼食・休憩等:0時間59分、正味所要時間:5時間18分、歩行距離:10.9q、累積標高差:±818m〕

 

 8:47 酸ヶ湯公共駐車場

  今回は酸ヶ湯(すがゆ)温泉を登山口にして八甲田山の最高峰・大岳に登って毛無岱の高層湿原を下るルートとした。酸ヶ湯温泉に近付くにつれ、弱い雨模様となり、八甲田の峰々は上層のガスに隠されていた。酸ヶ湯温泉の駐車場もその上にある公共駐車場も既に満杯かと思える程に夥しい数の車が停められていた。悪天の下ながら、雨具を着込んだ沢山の登山者が次から次へと入山している姿を見ると、ここまで来て雨だと言ってまだ弱気になりがちな心根を一喝されたように感じた。標高900メートル程の酸ヶ湯温泉は紅葉の時を迎えているが、雨模様の中で一つ彩りが冴えない感じであった。雨具を着込んで公共駐車場の東側にある登山口から入山した。鳥居潜って登山道に入ると、紅葉した灌木の間に登山道が延びていた。陽光の下であれば、この登山道沿道の紅葉もきっと艶やかなのであろう。歩くこと約1時間で標高1100メートル程のところに達すると、その登山道もガスに包まれてきた。

 

 

〈広い酸ヶ湯公共駐車場に車を停める〉

〈駐車場東端に建つインフォメーションセンター〉

 

 

 

〈大岳登山口〉

〈鳥居を潜って登山開始!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大岳まで42qということ・・・・!〉

〈紅葉した灌木の中を登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雨が降り続く道〉

 

 

〈棕櫚を束ねたクッションの良い登山道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈火山性ガスによる裸地に隣接して紅葉の森が拡がる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈標高1100メートルを越えるとガスに包まれた〉

 

 

 

〈霧に霞むオオシラビソ〉

 

9:59 地獄湯ノ沢

  登山口から1時間10分で地獄湯の沢に架かる木橋を渡った。恐い名前の沢であるが、硫化水素などの火山性ガスが噴き出している沢筋であるようだ。濃いガスで全容は分らないが、登山道はその沢沿いに敷設されているようで、立てられている注意書には登山道から外れた場所は歩くべからずと記されていた。この霧の中を早々に下山して来る登山者の姿が結構あった。山上は強風が吹き荒れているとのことで、十分に注意して行くべきとの忠告を頂いた。またその強風に登頂を断念したグループの姿もあった。湯ノ沢沿いに登ること30分弱で仙人岱の高層湿原に出た。そこは冷たい雹が交じった雨の降るガスの中であった。暫し湿原の端にある避難小屋(仙人岱ンヒュッテ)で休憩を取ることとした。

 

 

〈地獄湯ノ沢を渡る〉

〈悪天の中を登る人、登頂を諦めて下る人の列が続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈沢で見掛けた火山性ガスの噴気孔?〉

 

 

〈湯ノ沢に沿って登り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に巻かれた仙人岱〉

 

 

 

〈仙人岱入口から木道を辿る〉

 

 

10:29〜10:44 仙人岱ヒュッテ

  荒れ模様の天気の中、仙人岱ヒュッテには沢山の登山者の姿があった。山頂から下って来た登山者はヤレヤレと言った面持ちで休んでおられた。山上の強風はかなりのダメージのようであった。15分間の休憩で気持ちを落ち着けて再び雨の仙人岱へと出た。八甲田清水が湧き、草紅葉の美しい湿原の筈であるが、濃い霧の中ではその情緒を楽しむ余地はなかった。反対に木道に積もった雹に足を取られないように気を付けながら歩を進めた。草地を外れるとオオシラビソ(アオモリトドマツ)の樹林帯に入ったが、直ぐにその樹林帯を抜けると遮るものなき強風帯に突入することとなった。風は西風で予想以上に強かった。強く踏ん張って進まないと身体ごと登山道の外に運んで行かれそうであった。風速15メートル/秒を越えていると感じられた。難渋しつつ歩を進めて濃い霧に巻かれ、なお強い西風が吹く山頂まで何とか登ることが出来た。

 

 

〈仙人岱の南端に建つ仙人岱ヒュッテ〉

〈仙人岱を抜けて大岳へと向かう〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈オオシラビソ(アオモリトドマツ)の群落を抜けて行く〉

 

 

 

〈仙人岱に湧く八甲田清水〉

 

 

 

〈木道に降った雹(霰)〉

〈樹林帯を抜け出ると身体を持って行かれそうな強風帯となった〉

 

 

 

〈鏡沼の畔にナナカマドの実が紅い〉

〈登山道脇に降り積もった雹〉

 

 

11:42〜11:47 大岳山頂(1,584.6m) 

  強風の通る濃霧の山頂には女性3人の先客の姿があった。とても立ってはいられない状況で、3人は山頂広場にある露岩の岩陰に身を屈めて何とか風を避けようとしておられた。長居は無用であった。若干の写真を撮って早々に山頂を脱して次の井戸岳との間の鞍部へと下ることとした。ロープウェイ乗り場まで下るという3人の女性が先を歩いていたが、幾度か風に飛ばされそうになって都度身を伏せた。強風に晒されることが20分近く続いたであろうか、低い樹林帯に入るとその風は嘘のようになくなった。ヤレヤレと言った感じで鞍部まで下った。

 

 

〈岩陰に身を寄せて強風を避けた大岳山頂〉

〈大岳山頂の一等三角点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大岳山頂から井戸岳・赤倉岳に向かう稜線を下る〉

 

 

〈樹林帯に入るまで厳しい強風であった〉

 

 

12:11〜12:50 大岳避難小屋

  鞍部には大岳避難小屋が建っていた。中に入ると超満員であった。何とか先客が発って座る席を得ることが出来た。仙人岱ヒュッテの周辺よりこちらの方が天候が劣悪で、休んでいる登山者の表情も険しかった。小屋の有り難さを感じつつ、ここで昼食を摂った。40分間のブレイクの後、避難小屋を後にした。小屋のある鞍部は風の通り道になっており、酸ヶ湯への下山路を辿って樹林帯に入るまでまた強風に晒された。樹林帯に入ると、また嘘のように風を感じることはなくなった。雨は降り続いており、登山道は水路のようになっていた。濡れた露岩を踏んでの下り道、滑らないように注意しながら下って行った。

 

 

〈大岳と井戸岳の鞍部に建つ道標〉

〈鞍部に建つ大岳避難小屋〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈樹林帯で紅葉を目にすると安堵する〉

 

 

 

〈鞍部から強風の中を下り樹林帯に入った〉

 

 

13:22 上毛無岱

  鞍部から下ること30分余でロープウウェイ方面へ行く宮様コースを右に見送るとその先から直ぐに上毛無岱の高層湿原が始まった。広大は高層湿原で、秋の草紅葉の拡がる雲上のパラダイスを歩くことを楽しみにしてこのルート設定をしたのであるが、如何せんここでもまだ濃いガスは晴れておらず広大は眺望を得ることは出来なかった。それでも、湿原の中に延びる木道を20分余り辿ってもまだ湿原は途切れず、この湿原の広さを実感することが出来た。

 

 

〈宮様コースが右に分岐するとその先で上毛無岱が現れる〉

〈上毛無岱の木道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈広大は湿原であるがガスに巻かれて全容を見ること能わず〉

 

 

 

 

〈板張りの休憩所で小休止〉

〈広い湿原を黙々と行く〉

 

 

13:47 下毛無岱

  毛無岱は上下の二段に分れている。上毛無岱を25分間ほどで通り抜けると、下毛無岱への下っていく長い木の階段道があった。天気が良ければ、この階段を下りながら下毛無岱の拡がりを存分に俯瞰出来るのであろうが、無論この日はそれは叶えられぬ夢のようなことであった。下毛無岱も素晴らしい木道で抜けた。またチャンスが得られれば、やはり晴れた日に歩いてみたいと思った。20分余で下毛無岱の湿原を抜けると、今度は紅葉の美しい樹林帯へと変わった。ブナを中にした樹林帯で、標高1000メートルをやや切ったところであった。この辺りの紅葉が最も美しいようだ。城ヶ倉への荒れた道を右に見送り紅葉した森をなお行くと、酸ヶ湯温泉を俯瞰する湯坂の上に出た。この急坂を一気に下ると酸ヶ湯温泉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈下寝無岱も上毛無岱に劣らぬ広がりを持つ〉

 

 

 

〈上下の毛無岱を結ぶ長い階段道〉

 

 

 

〈下毛無岱にも木張りの休憩所が設けられていた〉

〈草紅葉が終わり、そろそろ樹林帯に入る頃〉

 

 

 

〈樹林帯に入ると、今将に紅葉の盛りであった〉

〈紅葉のブナ林を抜けて行く〉

 

 

 

〈城ヶ倉分岐〉

〈ガスに軽く巻かれた樹林帯を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈湯坂の上から酸ヶ湯を俯瞰する〉

 

 

 

 

〈十和田へと続く山並は紅葉の盛り〉

〈一際色鮮やかな一角〉

 

 

15:04 酸ヶ湯公共駐車場

  酸ヶ湯温泉に下ると3連休の中日のこの日の温泉は観光客で大層な賑わいであった。我々も公共駐車場に停めた愛車に戻ってから登山道具を片付け身支度を整えて、この320余年の伝統ある温泉に浸かることとした。混浴のヒバ千人風呂を楽しんだ。

 

 

〈酸ヶ湯に下って湯坂の急傾斜地を振り返る〉

〈小川で火山土に汚れた登山靴を洗う〉

 

 

 

〈連休で大混雑の酸ヶ湯温泉〉

〈酸ヶ湯温泉正面玄関〉

 

 

〔山行所感〕

  秋の東北遠征の2日目も強風のガスの中を歩いた。雨や雹も降り、前日の八幡平より天気は格段に悪かった。オホーツク海に強力な低気圧があっての西高東低の気圧配置になると、この山域の天気がどうなるかを体験出来た。密な等高線の傾きの中に置かれる地域である。厳冬期であれば死の行軍となる危険性も理解出来るようであった。麓は幾度か通ったことはあるが、八甲田の山に登ったのは初めてのことであった。今回はガスの中であったが、広々として雄大な八甲田の眺望を見る機会が訪れることを期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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