霧に巻かれた北八ヶ岳を縦走 茶臼山(2,384m)・縞枯山(2,403m)・北横岳北峰(2,480)

長野県茅野市・同県南佐久郡佐久穂町

2014年8月4日(月)      チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

〈苔が美しい北八ヶ岳の森〉

 

 

 

信州遠征最終日の3日目は、日本百名山を離れて北八ヶ岳の山域を歩くことした。

この山域は長い間一度歩いてみたいと思い続けていた所で、やっとその夢を実現出来ることとなった。

遠征出発前の天気予報では3日間のうち最も良い天気の一日になる筈であったが、

この日の登山口とした麦草峠へ上がってみると何と山上は濃い霧のよう。

結局はこの日一日中霧が晴れることがなく、眺望の得られない山行となったが、

深く重厚な樹林帯の中に延びる周回路を思いのたけ歩いて、

多様なその山容に存分に触れることが出来た一日になったと思う。

 

《山行記録》

麦草峠駐車場(15)8:25・・・・8:27麦草ヒュッテ8:29・・・・8:47大石峠・・・・9:39茶臼山9:40・・・・9:43茶臼山展望台(2,384)9:46・・・・9:49茶臼山・・・・10:01鞍部・・・・10:16縞枯山展望台分岐・・・・10:20縞枯山展望台(2,387.2m)10:25・・・・10:27縞枯山展望台分岐・・・・10:41縞枯山(2,403m)10:44・・・・11:10雨池峠11:11・・・・11:18縞枯山荘11:19・・・・11:27坪庭南口・・・・11:37坪庭北横岳分岐・・・・11:48休憩11:54・・・・12:14三ツ岳分岐・・・・12:22北横岳ヒュッテ・・・・12:25七ツ池12:32・・・・12:35北横岳ヒュッテ・・・・12:50北横岳南峰(2,472.0)・・・・12:54北横岳北峰(2,480)12:56・・・・13:12北横岳ヒュッテ(昼食)13:31・・・・14:07坪庭北横岳分岐・・・・14:18北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅14:22・・・・14:44森林浴展望台・・・・14:57五辻14:58・・・・15:06東屋15:12・・・・15:40出逢いの辻・・・・16:01おとぎり平・・・・16:16大石峠・・・・16:33麦草峠(国道299号線出合)・・・・16:35麦草峠駐車場 (27,596歩)

〔総所要時間:8時間10分、昼食・休憩等:1時間01分、正味所要時間:7時間09分、歩行距離:14.0q、累積標高差:±862m

 

 

 

〈前泊した渋の湯:八ヶ岳連峰の天狗岳への登山基地でもある〉

〈宿の「渋御殿湯」玄関〉

 

 

 8:25 麦草峠駐車場

  この日は渋の湯温泉の宿で朝食を摂からのゆっくりとした出発でこの日の登山口の麦草峠へと車を走らせた。国道299号線を峠へ向けて走るに従って、山上の天気は芳しくなく稜線部は霧に隠されていることが分ってきた。前回観音平まで南八ヶ岳を縦走して以来の久し振りの麦草峠であった。広い駐車場は既に満車に近いほどに先客の車で一杯であった。身支度を整えて峠の登山口から先ずは大石峠へ向けて出発した。シラビソの林の中を行く登山道は、最初のうちは木道が設えられていたが、やがて大きな岩の中を縫って行く道になった。麦草峠から15分ほどで大石峠を過ぎ茶臼山への長い上り勾配に入った。中小場で一度稜線部の眺望の良い所に出たが、稜線部は完全にガスに包まれていた。岩がゴロゴロと転がる茶臼山への登路は長く険しく感じられた。ただ路傍や周囲の林床を覆う苔が美しく、厳しい環境の中ではあったが心を和ませてくれた。

 

 

〈夏草峠の駐車場、水洗トイレもある〉

〈麦草峠から山行のスタート〉

 

 

 

〈麦草峠に建つ麦草ヒュッテ〉

〈茶臼山・縞枯山方面への登山口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大石峠に立つ指導標〉

 

 

 

〈シラビソの林を大石峠へと向かう〉

 

 

 

〈「中小場」(2,232.0m)ヘ上がると稜線上はガスに巻かれていた〉

〈ゴゼンタチバナ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈長く険しい茶臼山への急坂も苔の美しい道であった

 

 

             〈立ち枯れの林が現れた〉

 

 

 9;39〜9:40 茶臼山

  大石峠から標準速度で1時間との登山地図の表記であったが、それより10分も早く茶臼山に着いたので我ながら驚いた。樹林の中にぽっかりと穴を穿ったような眺望のない所で、先行のグループが悪天の中ながら憩うておられた。その山頂から数分のところに展望台があるというので、眺望は得難い気象であるのは分っていたが足を延ばしてみた。岩の上に三角点が建つこちらの方が茶臼山の山頂として妥当と思える所であった。眺望麗しい筈の展望台もミルク色の環境ではどうにもならなかった。山頂へ引き返してから縞枯山へと向かい一度鞍部まで下った。立ち枯れした鞍部の林を抜けて縞枯山への上り勾配に入った。直ぐに今度は縞枯山の展望台への分岐があった。登山道からちょっと離れた岩山の上のようであった。少しの間ガスが薄くなって茶臼山が見えていたが、直ぐにまた濃霧に包まれたので眺望は期待出来なかったが、話のタネにでもなろうかと展望台まで足を延ばしてみた。案の定、真っ白な世界であった。展望台から縞枯山々頂までまだ距離があったが、シラビソの尾根筋を辿って厳かにアプローチしていった。

 

 

〈茶臼山の山頂は樹林の中〉

〈三角点のある茶臼山展望台はガスに巻かれて視界なし〉

 

 

 

〈縞枯山との鞍部に拡がる立ち枯れの林〉

〈縞枯山展望台分岐付近から見たガスに中に瞬時現れた茶臼山〉

 

 

 

〈縦走路を離れて縞枯山展望台に上がってみた〉

〈濃いガスに包まれて視界は全くの不良〉

 

 

 

〈遅咲きのキバナシャクナゲ〉

〈霧の中の縞枯山への登り道〉

 

 

10:41〜10:44 縞枯山(2,403m)

  縞枯山の山頂は登山道が右折する尾根筋の曲り角に道標が立つだけの極めて散文的なところであった。ガスが漂う中で、周囲の樹林の中に立ち枯れして白骨化した樹々が林立しているのが、山名に相応しい情緒的なことと思われた。とは言え長い間その情緒に浸っていられる訳でもなく、直ぐに先に進むこととした。山頂で90度の角度で曲った登山道は、直ぐに急坂となって雨池峠に向けて下って行っていた。一瞬奈落への坂道のように感じたが、下って行くとそれまでの上りと同じ大きな岩が転がる歩き難い急坂であった。行けども下れどもその急坂は尽きない感じがして、振り返って急な傾斜を見るにつけ雨池峠方面から登ってこられた家族連れなどの登山者が気の毒になったほどであった。それでも我慢すること30分弱で雨池峠へと下った。ヤレヤレの峠への到着であった。雨池峠からは笹原の谷間を行く牧歌的な散策路をロープウェイの山頂駅に向かって下って行った。途中に玩具のような縞枯山荘が建っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈縞枯山の山頂

 

 

     〈雨池峠への下りも長い急坂であった〉

 

 

 

〈雨池峠〉

〈雨池峠からロープウェイ山頂駅に向かう笹原の道〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈笹原の中に建つ縞枯山荘

 

 

      〈山荘の玄関先に掲げられたMENU

 

 

11:27 坪庭南口

  ロープウェイの山頂駅に辿り着く前の坪庭南口で進路を変えて坪庭を横切って北横岳へと登るルートを採った。坪庭に入ると濃いガスに包まれてはいたが、沢山のロープウェイで上がって来られた観光の方々と擦れ違った。好天であれば天上の日本庭園といったところであろうが観光には生憎の天気であった。とは言え避暑にはもって来いの天気と言えた。坪庭の北横岳分岐から登山道に入った。一度鞍部に下ってから急傾斜面にジグザグを描きながら道は延びていた。正午近くとなって、疲れと共に空腹も感じたので、途中小休止を取って行動食を摂ると元気を回復することが出来た。北横岳ヒュッテまで来ると山頂までもう10分少々であったが、そこから数分のところにある七ツ池を先に見に行った。二つの池が見えるというもののガスの中故にそれは期待していなかったが、池畔に佇んでいると俄かに霧が明けて池面を見ることが出来た。ヒュッテに戻ってから山頂への道を採った。15分で北横岳南峰に着くも完全に霧に巻かれて眺望なし、直ぐに北峰へと向かった。

 

 

〈坪庭南口から坪庭を抜けて北横岳方面へショートカット〉

〈ツマトリソウ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈霧に包まれた坪庭、ロープウェイの上がって来た観光客の姿が多い〉

 

 

 

 

〈坪庭の中にある北横岳分岐〉

〈観光客はここまで・・・・〉

 

 

 

〈大きな岩を踏んで行く難路が続く北横岳への登山道〉

〈北横岳ヒュッテ〉

 

 

 

〈ガスの漂う七ッ池〉

〈一時ガスが開いて池面が現れた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈完全にガスに巻かれた北横岳南峰ピーク〉

 

 

 

〈北横岳南峰直下の険路〉

 

 

12:54〜12:56 北横岳北峰(2,480m)

  北横岳北峰がこの日の最終到達地点で、そこから引き返す計画であったが、既に諦めていた通りに山頂は濃いガスに包まれていて眺望は全く得られなかった。ここでも長居は無用と直ぐに引き返すこととした。相変わらずの霧の南峰を通過して北横岳ヒュッテまで一気に下って、山頂前のベンチを借りて昼食を摂った。お腹を満たすと人心地ついたようで、難路も何とか落ち着いて下り、坪庭を通り抜けてロープウェイ山頂駅へと下って行った。

 

 

〈最高点の北横岳北峰山頂〉

〈ガスの中長居無用と南峰へと引き返す〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈坪庭まで下りて来た〉

 

 

 

〈北横岳ヒュッテのベンチで遅い昼食を摂る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ロープウェイ山頂駅の前にあった坪庭案内図〉

 

 

 

〈ロープウェイ山頂駅へと続く歩道〉

 

 

14:19〜14:22 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅

  ガスに巻かれた北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅の周囲の園地には沢山の観光の方々の姿が見られた。この濃霧の中を坪庭まで足を延ばすのも億劫なのであろうか。駅舎の中を覗いてみると、丁度下りのゴンドラが行った直後で、乗り損じた数人の乗客が所在なげに立っておられた。さて、我々はここまで来たものの、まだ2時間程の時間を費やして麦草峠まで戻らなければならなかった。往きと違って復りは山稜の西側の裾を巻くルートなので気は楽であった。霧に巻かれた山頂駅前の広場からその巻き道に入ると、素晴らしい木道が樹林の中に延びていた。20数分行った森林浴展望台までが観光コースのようで、その先に進むと何となく登山ルートといった感じになった。縞枯山や茶臼山への分岐のある五辻を過ぎて少し行くと、深い山中ながらも東屋があったので、そこで休憩を取ることにした。

 

 

〈北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅〉

〈ロープウェイ山頂駅の内部、前の便が出た直後だったようだ!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈麦草峠までまだまだ遠い!

 

 

          〈樹林の中に長い木道が続く〉

 

 

 

〈ここも眺望が得られなかった森林浴展望台〉

〈縞枯山、茶臼山へと分岐である「五辻」〉

 

 

 

〈巻き道を行くと、時折牧歌的な草原が開ける〉

〈柔らかそうな苔の塊〉

 

 

15:06〜15:12 東屋

  深い山中に屋根のある東屋などがあるというのは有り難いことであった。特に雨に降られた時などには安心度が格段に上がると思う。ここでは行動食を摂り、周りの花々を観賞出来た。北八ヶ岳の主稜線の西側を巻いて行くこのルートは、麦草峠に近付くにつれて野趣に富んだものになって行った。と言うよりも、観光地仕様から登山道仕様になったということであろうか。段々と大きな火成岩を踏んだり、その間を縫って進む歩き難い登山道となっていった。登山の最終盤に難路が待っているというのは辛いことであった。「出逢いの辻」まで来ると、大石峠への緩やかな上りとなった。枯れ沢に沿っての上り道は踏み跡が不鮮明なところもあって、ルートファインディングに注意した。「おとぎり平」を過ぎると、気持ちの良い笹原の中を抜けて行く道になった。大石峠まで戻ると、後は朝方通った道を引き返すだけであった。

 

 

〈深い山中に建つ東屋でホッと人心地ついた〉

〈東屋の周りを彩っていたキバナヤマオダマキ〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈心地良い草原が開けた

 

 

              〈イチヤクソウが足元に〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈「出逢いの辻」で方向を変えて大石峠へ向かう〉

 

 

 

〈やがて大きな火成岩が転がる難路に・・・〉

 

 

 

〈おとぎり平〉

〈広々とした茶臼山の山懐の笹原を行く〉

 

 

 

〈大石峠へ戻ってきた〉

〈朝方歩いた木道を麦草峠へと戻る〉

 

 

16:35 麦草峠駐車場

  午後4時半に麦草峠へと戻った。この峠までもうガスが下りて来ており、峠も乳白色の世界となっていた。車道を歩いて駐車場まで戻ると、朝方は満車に近かったスペースも随分と空いた状態になっていた。かくして霧の北八ヶ岳の縦走行は終幕となった。

 

 

〈完全にガスに包まれた麦草峠〉

〈車も少なくなった麦草峠駐車場〉

 

 

〔山行所感〕

  霧の中を一日歩いただけのようであるが、何故かズシンと受け止めるもののある山行であった。眺望がj殆どのない世界であるが故に、この多様な北八ヶ岳の山稜の起伏を身体で感じつつ歩いてきた為であろうかと思う。この長い稜線の起伏の在り様は、地形図を見るより明らかに我が身体が覚えているようだ。南八ヶ岳の大きな山稜のうねりと違って、こちらは広くてドッシリと安定した大地の上を歩かせてもらった感じだ。いつか晴れた日にこの山域を歩く機会があるならば、その時は重厚な大地の上を軽やかに跳ねる世界を加えることが出来るような気がする。下山後、茅野の街に下る途中に宿で教えてもらっていた「石遊(いしやす)の湯」(茅野市北山5490−5 電話0266−77−2386)の野天風呂に入って一日の汗を流した。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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