荒天迫る冬の峰 伯耆大山(1,709.4m)

鳥取県西迫郡大山町

2014年12月21日(日)   山の会メンバー10名(門久が参加)

 

 

 

 

 

 

〈雨降る大山寺集落、大山も厚い雨雲の中(前日の午後)〉

 

 

 

大山山頂避難小屋での雪山合宿の予定で前日に大山寺まで来たものの、

大山寺の集落にも雨が降り続いており、積もった雪も水を含んでシャーベットのようになっていた。

この悪天は日本列島を挟むふたつ玉低気圧によるもので、

この後北海道辺りで一つの低気圧になって、日本列島は強い冬型の気圧配置となり、

大山を含む日本海側の山岳地帯は大荒れになる運命にあった。

これでは、とても山に登れる状態ではないので、急遽大山寺の集落に宿を求めて一日渋滞し、

翌日天気の推移を見て、チャンスがあれば山頂を窺おうということとなった。

さて、その結果は・・・・・

 

《山行記録》

大山寺駐車場4:45・・・・4:58夏山登山口・・・・5:15一合目(衣類調整)5:23・・・・6:23五合目・・・・6:45六合目(避難小屋)7:03・・・・7:50八合目・・・・8:21山頂避難小屋8:45・・・・8:59八合目・・・・9:24六合目(避難小屋)9:29・・・・9:39行者コース分岐・・・・10:14元谷避難小屋下・・・・10:24大堰堤・・・・10:46大神山神社10:55・・・・11:16大山寺駐車場(観光案内所)

〔総所要時間:6時間31分、休憩等:1時間04分、正味所要時間:5時間27分、歩行距離:8.9q、累積標高差:±1,076m

 

 4:45 大山寺駐車場

  早暁3時過ぎに起床。暗い空に星は見えないが、下界の米子や弓が浜方面の明かりははっきりと見えており、比較的安定した天気のようであった。二つ玉低気圧が去って冬型の気圧配置に支配される迄の間に暫し気圧配置が緩むが、この時間帯は将にこの時であり、この束の間の好天を利用して山頂を窺おうということになった。宿で取り急ぎ朝食を摂り、登山支度を整えて、午前445分に大山寺集落の駐車場を出発し、夏山登山道を採って入山した。今冬の大山は、この日まで雪が少なく、登山道にはブッシュが被さっており、なかなかに煩い。冬のことゆえ夜明けは遅く、暗い道を壺足で歩き続けた。三合目を過ぎると登山道の斜度は徐々にきつくなって行くが、ヘッドライトで照らされた道はいつもより険しく、長い道のように感じられた。

 

 

〈早朝の宿で朝食の準備〉

〈冷え込む駐車場で登山支度〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈夏山登山道入口〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈積雪が少なくブッシュの出た登山道を登り行く〉

 

 

 

 6:45〜7:03 六合目避難小屋

  登山口から2時間足らずの時間で避難小屋のある六合目に到着した。この日の日の出は午前7時過ぎであったので、到着した午前6時45分頃のガスに巻かれた六合目はまだ暗かったが、小屋前でアイゼンなどを装着している間に徐々に明るくなりここで夜明けを迎えた。六合目は樹林帯を抜けた直後の地点であるが、チラチラと雪は舞っていたが、風も弱くまだ比較的安定した天気が続いているようであった。ここ6合目を天候のチェックポイントとしていたが、当然に登攀続行の結論であった。6合目から先は8合目の少し先まで急坂が続く。早暁、この日一番の登山者であるので、雪は少なく柔らかいものの先頭はややラッセル気味であった。この急坂部で2組の登山者とすれ違った。前日悪天の中山頂に達して一夜を過ごした方々であった。8合目を過ぎると風雪がややきつくなってきた。最初は正面から吹いたので顔面を叩かれて辛かったが、やがてそれが正面から逸れると冷たくはあったが比較的楽に歩けた。

 

 

〈まだ明けぬ六合目に到着〉

〈アイゼンを装着している間に夜が明けたようだ・・・!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈六合目から急坂が始まる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈早暁の登山道の先頭はラッセル気味に登る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈八合目を過ぎると風雪がやや厳しくなってきた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈エビの尻尾の造形〉

 

 

 

 8:21〜8:45 大山山頂避難小屋

  風雪に叩かれながら山頂部を歩いて行くと、ガスの中に突如として避難小屋が現れた。雪が少なく小屋はまだほぼ全体が姿を現しているようであったが、極寒の山頂であるが故に建物全体が氷と雪に包まれていた。小屋の中には地平の入口から入ることが出来た。小屋の中に入ると別天地であった。手袋の中で手は凍えて痛かったが、小屋の中に入るといつしか温かくなっていった。小屋に入った我々は、ザックも身に纏った衣類も粉雪や氷に塗れており、その粉雪や氷が小屋の床に散り積もって忽ち小屋の床は真っ白になってしまった。天気が大崩れする前に下山するために、小屋への滞在20分程で下山の途に就くこととしたが、小屋での殆どの時間を床に積もった氷雪を履き清めることに費やした感もあった。下山の途に就くと、風雪は確実に強くなって行くようであった。ただ下山のスピードは上りに比べて格段に速く、相変わらず細かい氷雪には塗れていたが、難なく下って行った感じであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈凍てついた山頂避難小屋〉

 

 

             〈地平の入口から入れた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈小屋に入って「ヤレヤレ」の我らがメンバー〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分程の休憩の後、風雪の中を下山の途に就く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈風雪はより厳しくなってきた〉

 

 

 

 9:24〜9:29 六合目避難小屋

  六合目まで下って来ると、冷たさも山頂部に比べれば和らいだものに感じられた。気の早い者はここでアイゼンを外した。六合目を後にすると、直ぐに樹林帯へと入って行くが、樹林には霧氷、樹氷が懸かっており暫しその美しい造形に魅了された。五合目手前から行者コースのルートを採った。見事なブナの大木が多い尾根筋を辿ってから、元谷への傾斜面を下った。この斜面で尻セードでも楽しもうと思っていたが、降り続いた雨に濡れた雪が氷になって凍っており、セードで下ることなどとても出来る状態ではなく、反対に氷を踏み抜いて脚を捕られて苦労することとなった。行者コースに入ってから風雪の苦しめられることは殆どなかったが、元谷に下ってから大神山神社へ向かう間に、時に強い風が吹き抜けることがあった。稜線部の風雪が厳しいものになっていることが分かるようであった。大神山神社を過ぎると、風雪を感じることがなくなり、それまでの辛さを全く忘れて大山寺の集落に向けて参道を下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

〈六合目避難小屋まで下山〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ザックも衣類も粉雪に塗れていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈六合目から下ると樹氷の樹林帯に入る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈行者コースも樹林の中を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大神山神社まで下った〉

 

 

 

11:16 大山寺駐車場

  大山寺の集落に下っても、この日は我々のほかに登山者の姿を見ることはなかった。ペレットスト―ブの燃える大山観光案内所の暖かい休憩所を専有して濡れた装備などの整理させてもらった。荷物を片付けてから、帰路に就く前に日本海の魚を使った美味しい寿司屋で昼食を摂り、暖かい温泉に浸かって精気を取り戻すことが出来た。

 

 

〈スキー客の車が多い大山寺の駐車場(前日)〉

〈弓ヶ浜、美保半島を遠望する(前日)〉

 

 

〔山行所感〕

  さらなる冬山を目指しての山頂避難小屋での雪山合宿の筈であったのだが、想定外の雨の大山のために日帰りの登山となった。ただ、今回は二つ玉低気圧に起因する天候の変化を実地に観察、経験出来るという得難い機会を得ることが出来て、大変に意義深い山行となった。二つ玉低気圧が通過した後の「疑似晴天」に注意などと教科書で習うその束の間の気圧配置の緩みの狙っての山行を見事に成就出来たのはまた心躍るような経験であった。山と天気、この切っても切れない関係にもやはり常時理解を深めて行かねばならない。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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