残雪のバリエーションルートを歩く 吉和冠山(1,338.9m)

広島県廿日市市吉和

015年3月8日(日)  山の会7名(門久が参加)

 

 

 

 

 

 

〈残雪に覆われた道なき山域を歩く〉

 

 

 

山の会の山域研究山行で吉和冠山のバリエーションルートを歩いてきた。

今回は潮原から赤土峠を経由して冠山に登り、冠山東稜を頓原に下るルートを辿った。

昨年6月のフカ谷ルート、8月のタキガ谷ルート、それにこれまでの幾多の冠山山行を合わせて、

冠山の広範な山域を探査出来たのではないかと思う。

もう一つの目的は、バリエーションルート山行故の地図読み能力の涵養、

読み難い地形の山域を通るが故に、良き実地訓練の場となった。

 

《山行記録》

潮原8:48・・・・9:07鉄の橋・・・・9:14衣類調整9:16・・・・9:46大タキ9:55・・・・10:00林道出合・・・・10:03ワカン装着10:14・・・・10:44尾根出合10:46・・・・10:50標高1057mポイント・・・・11:04休憩11:13・・・・11:33冠山北面懸崖下・・・・11:39懸崖下トラバース・・・・12:28吉和冠山(1,338.9m)13:02・・・・13:39クルソン仏岩手前(国体コース分岐)・・・・13:50標高1,129mピーク13:56・・・・14:06石門・・・・14:19標高910mポイント14:24・・・・14:30標高906mポイント14:39・・・・14:53林道出合(地図にはない)・・・・15:08鉄条網のある柵・・・・15:17標高679mポイント付近・・・・15:21中国道を潜る通路・・・・15:25頓原集落・・・・15:36潮原

〔総所要時間:6時間48分、昼食・休憩等:1時間27分、正味所要時間:5時間21分、歩行距離:10.9q、累積標高差:±1,098m


 8:48  潮原

  今回はウシオ谷の奥まで車を乗り入れずに、潮原温泉の直ぐ上手隣の中国道の橋梁下の空き地に車を停めた。潮原のすぐ隣の頓原へ下山する予定で、国道から近い方が下山後に便利であったが故である。ウシオ谷に入る林道はまだ厚い雪に覆われており、林道が尽きて鉄の橋を渡ったその先の山道もまた同じであった。この雪道を我々は壺足で歩いた。暖かい一日になるとの予報であったが、山地ではまだ朝方は冷え込むようで雪は固く締まっており、足を雪の中に突っ込むといったことは殆どなかった。大タキまでの間に数回渡る橋の上には雪が平均台のように積もっており、そこを渡るには相応の注意が必要であった。

 

 

〈スタートは潮原温泉の直ぐ上手の中国道の下から〉

〈暫し雪に覆われた林道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈林道が尽きて鉄の橋を渡る〉

 

 

   〈ウシオ谷を行く山道も雪に覆われている〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈渓流を渡る橋は平均台のよう〉

 

 

 9:46〜9:55 大タキ

  大タキまで歩いた一般登山道は、ここで左折しクルソン谷に入って行くが、我々はそのままウシオ谷を遡って道なき薮山の世界に入る計画であった。大タキを出て直ぐにウシオ谷の沢を渡渉して斜面を少し上ると、新設の林道に出合った。雪で真白な広々とした空間が広がっていた。ワカンを履いてからトチゴヤ谷を渡渉した。更にオトウゴヤ谷の沢を渡り、その直ぐ先のホン谷の渓流も渡って名前がイワブシ谷に変わっているウシオ谷の最奥部を遡行して行った。そのまま遡行を続ければ赤土峠であったが、どこでも歩ける雪の上ゆえ、主稜線への近道となる支尾根を直登することにして標高1,057mポイントを目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大タキで〉

 

 

 

〈大タキに垂れる氷柱〉

 

 

 

〈大タキから奥の道なき世界に踏み込む〉

〈雪に覆われた新設の林道に出た〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ワカンやスノーシューを履いて沢沿いに登り行く〉

 

 

        〈オトウゴヤ谷の渓流を渡渉する〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈イワブシ谷の遡行を避けて右岸の尾根筋を登る〉

 

 

10:44 尾根出合

  主稜線上に出ると樹林越しに冠山の山頂部が目に飛び込んできた。山頂部の北東面が見えた。ここからは少し長い主稜線の上りの歩きとなった。事前に地形図を見て想像した稜線部はやや複雑な地形のようであったが、実際には広々としながらも稜線の連なりも明白で、迷うことなく山頂部北面の懸崖の下まで我々を導いてくれた。傾斜も殆どが緩斜面で、登山者には優しい地形と言えた。ただ尾根を覆う灌木はかなりはしかく感じる程に多く、葉の繁った夏場などは視界不良で前後不覚になるのではないかと思えた。頭上を見れば、幾つか熊棚の跡を見付けることが出来た。この山域は確実にツキノワグマ達の生息域である。

 

 

 

 

 

 

 

〈主稜線に出合うと行く手に冠山の山頂部が見え始めた〉

 

 

 

 

〈広々とした稜線部を登り行く〉

〈頭上には熊棚が残る、ここは熊の生息域だ!〉

 

 

 

〈左手のホン谷の奥に冠山の山頂が覗く〉

〈長い尾根歩きの合間に樹林の中で暫し休憩〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈なおも気持ちの良い広々とした尾根筋が続く〉

 

 

 

 

〈吉和の街やもみの木森林公園方向が見渡せた!〉

〈雪庇が残る断崖〉

 

 

11:33 冠山北面懸崖下

  山頂部北面の懸崖下に到着し見上げると、樹林越しではあったが懸崖は迫力十分であった。どこから現れたのであろうか、山頂部の北東面を登り始めた先行グループの姿が見えた。我々はそれにはあまり目もくれずに、懸崖の下を右にトラバースして、山頂部の北西から西面を登ることとなった。登るに従って斜度はきつくなり、西面にトラバースする最難関部では樹々のない凍った急傾斜面に道を開かねばならなかった。滑落すれば無事には済みそうになかった。ここではヘルメットを持って来るべきであったと悔やんだ。そこを抜けるとそれなりの斜度ではあったが、広々とした斜面に出て、登って行くと直ぐに山頂部に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

〈冠山山頂部北面の懸崖下に到達〉

 

 

 

 

〈懸崖下を右に巻いて山頂を目指す〉

〈北面の懸崖を仰ぎ見る!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈斜度を増しながら西面へとトラバースする〉

 

 

  〈山頂部西面の急斜面に慎重に進路を開く〉

 

 

 

〈難所を超えると安定した斜面が広がっていた!〉

〈それでも山頂部西面の斜度は相当なもの〉

 

 

12:28〜13:02 吉和冠山(1,338.9m)

  好天の日曜日ゆえに山頂には何組かの登山者の姿があった。我々は、一大パノラマの拡がる山頂北端の展望台に陣取ってランチタイムとした。やはり暖かい日で雪の上でも寒さを感じなかった。食後は、最上部だけ雪の上に出た山名標の周りで記念撮影をしてから、冠山東稜を下り行くべくスタートした。先ずは東尾根上の1129mピークに磁石を合わせてから、広い冠山東面の雪原を思い思いに下った。一般登山道が大タキへと分岐するクルソン仏岩分岐辺りの広い平坦地で全員が集結して、クルソン仏岩への尾根筋を登り、クルソン仏岩手前の分岐で国体コースに入り、一旦鞍部に下ってから1129mピークへと登り返した。

 

 

〈西面を登り切るとちょうど山頂の真ん中に出た〉

〈背の高い山名標の最上部だけが雪面から出ていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂部北端の展望台からの一大パノラマ〉

 

 

 

 

〈雪の展望台でランチタイム〉

〈食後、東麓の頓原に向かって下降を開始する〉

 

 

 

〈広い雪原を思い思いに下る〉

〈クルソン仏岩分岐辺りの平坦地は見事な雪原だ!〉

 

 

 

〈クルソン仏岩手前の尾根筋から吉和の街を展望する〉

〈1,129mピーク手前の鞍部を行く〉

 

 

13:50 1,129mピーク

  1,129mピークは冠山東稜上では目立つ存在で、ここから尾根は東に向かって一気に下って行く。主稜線はその先でやや南に湾曲するようにしてタキガ谷に沿って東に下るが、国体コースはその途中で北東方面に延びる支尾根に乗って下って行かねばならない。この支尾根分岐を見付けるのがいつも課題になってしまう。今回は昨年8月の分岐に入るのが遅かったとの反省からかなり早めに北東方角に進路を変えて下って行った者が多かった。しかし、今回はちょっと曲るのが早過ぎたようで一旦は幅広く分散してしまったものの、最後には中間チェックポイントとなる標高906mポイントに続く尾根に全員戻ってきた。

 

 

〈1,129mピークで暫し休憩中〉

〈稜線上にある「石門」を抜ける〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈尾根筋を辿って樹林の中を下り行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈なかなかに読み辛い地形、慎重に下って行く〉

 

 

 

14:30 標高906mポイント

  906mポイントで国体コースから分れて頓原直前の679mポイントまでの細尾根を歩いた。細くまた複雑に曲折した尾根であることから地図読みにはかなり神経を使った。地図と磁石、高度計を駆使して小刻みに方角を合わせて注意深く下って行った。下る程に徐々に積雪が少なくなっていき、杉林の中の急傾斜を下って行くと、やがて目の前に有刺鉄線を張った立派な柵が現れた。イノシシ用の柵と思われたが、扉に施錠がなかったので中に入らせて貰い下って行くと太陽光発電用のパネルを並べた空間となり、その先には中国道が通っているのが見えた。ここは複雑な地形をうまく読んで、予定通りのルートで下山出来たようである。

 

 

〈迂余曲折はあったが、目標の906mポイントに出た〉

〈地図にない林道に出合った〉

 

 

 

〈読み辛い地形に小刻みに磁石を合わせながら下る〉

〈杉林の急傾斜面を下り切るとゴールは近い筈!〉

 

 

 

〈想定外の鉄条網の柵に突き当たった!〉

〈扉が開いていたので柵の内側を歩くと、直ぐに中国道が見えた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈振り返ると下って来た斜面が一望出来た〉

 

 

 

15:36 潮原

  中国道下の通路を抜けて少し下って行くと、頓原の集落であった。ここまで下ると、今回の山行の目的はほぼ達成出来たことになる。集落の畑にもう雪は残っていなかったので、農作業に出ている方はいないかと捜したが、日曜日の為か住人らしい人の姿は見受けることが出来なかった。頓原集落を抜けて、一旦国道186号線に出ると、潮原温泉はもう至近のところであった。

 

 

〈中国道の下を抜ける!〉

〈頓原の集落〉

 

 

〔山行所感〕

  吉和冠山の山域を広く知ろうという山の会の山域研究の試みも回数を重ねてかなりの面積をカバーしてきた。一つの山を多様な方角から踏破し、調査研究することは色々な意味で意義のあることと思う。今回は積雪期の薮山歩きで、山中の見通しも良く歩き易い面はあったが、冠山東稜などは複雑なアンジュレーションで地図読みには苦労をした。前回に引き続き今回もまた十分に満足は出来なかったが、これからもまた努力して行くしかない。 

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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